デジタルマーケティングとは? デジタルの足跡を活用してマーケティングをすること #1

マーケティングのデジタル化とは一体どういうことなのか? 解説していきます(第1回)。
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この記事は、書籍『いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

最近では「デジタル」という言葉のみならず、IoT、AI、Fintech、AR、VRといったデジタル関連のワードがいたるところに氾濫し、そのマーケティング活用が叫ばれています。そもそも、マーケティングのデジタル化とはどういうことなのか、改めて考えてみましょう。

Chaper 1 デジタルとマーケティングの関係を改めて整理しよう
Lesson 01 [デジタルマーケティングの背景]
デジタル化がマーケティングに与える影響を理解しよう

○デジタル化したサービスはデジタルの足跡を残す

今日、特にメディアやコンテンツの世界ではデジタル化されていないサービスを探すほうが難しいのではないでしょうか?

新聞などの紙メディアでも制作過程はデジタル化されており、紙面での提供もあればWebでの記事提供も行われています。デジタルでサービスが提供されるときには、提供されているときの状況や、提供した相手、提供経路などのサービス状況が同時にデータとして記録されています。

例えば、音楽をダウンロードするときには、ダウンロードした日時や曲の内容はもちろん、どのようなデバイスを使ってダウンロードして聴いているのか、どのくらいの頻度でダウンロードするのか、過去にどのような曲をダウンロードしたのかなど、ダウンロードという行為そのものがデータ化されています。いわば「デジタルの足跡」が残るといえるでしょう。

▶デジタル音楽販売の例 図表01-1
音楽データを購入する場合には、通常会員登録が必要で、販売事業者のサーバーには、「誰が」「いつ」「何を」買ったのかといった購入データが蓄積される。

○デジタルマーケティングでは、デジタルの足跡を活用する

音楽をダウンロードしたユーザーの性別や年齢などのプロフィール情報と、どの曲を買ったかという行動データを集積して分析していけば、どのような年齢の人がどのような音楽が好きなのか、いつダウンロードしているのかといった、ユーザーの趣味や嗜好に近づくことができます。

そうすると次の段階では、「この人はこんな音楽が好きだろうから、こういうアーティストや曲をおすすめすればダウンロードしてくれるだろう」というように、それぞれのユーザーに合わせたアプローチをすることができます。これが「デジタルの足跡」を活用したデジタルマーケティングです

▶デジタル音楽販売のデータ利用例 図表01-2
デジタルコンテンツを利用した多数の顧客のデータが蓄積されると、それをもとにさまざまなマーケティング施策が可能になる。

○デジタル活用が新しい価値を生む

デジタル化社会では、あらゆるサービスの提供場所でデータが取得されています。サイトの閲覧状況やコンテンツの利用状況ばかりではなく、ECサイトでの購入履歴やコンビニの利用データ、クレジットカードやポイントカードの履歴、スマートフォンではGPS情報などの移動記録など、私たちが何かするごとにそれはデータ化されているといっても過言ではないでしょう。

さらにそれらのデータはネットワークを通じてリアルタイムでやり取りされ、クラウド技術やAIテクノロジーによってさまざまな連携処理が可能になってきています。それまで別々に存在していた個別のデータが統合されるようになり、新たな価値を生むようになってきたともいえます。

このようにユーザー行動をはじめとする各種のデータを集積し分析し、マーケティングに活用していこうというのがデジタルマーケティングの基本的な考えです。

  • 著者:田村 修
  • 発行:株式会社インプレス
  • ISBN:9784295002307
  • 価格:1,980円+税

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この記事の筆者

田村 修(たむらおさむ)

株式会社アイレップ パートナー営業本部 副本部長

1985年に大学を卒業後、株式会社第一広告社(現I&S BBDO)に入社。11年の営業を経て、1996年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下DAC)設立時のスタートアップメンバーとして出向。インターネット広告黎明期より広告メニューの開発・営業・メディアプランニングに携わる。

I&S BBDOに帰任後はネットメディアと制作の2部門を統合したインタラクティブ部を統括。その後DACに戻り戦略統括部門を経て、2007年にアイレップ子会社の株式会社レリバンシー・プラスの設立に参画。株式会社アイレップではメディアマネジメントグループを率いて純広告を主としたプロモーションプランニングを推進、現在はアイレップにおいて広告会社向けのサービスを牽引する。

一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の新人研修実施プロジェクトリーダーとしての顔も持ち、専門教本「インターネット広告の基本実務」の改訂と研修講師を務める。大学でのゲスト講師招聘実績多数。2017年より専修大学講師を兼任。業界の若手育成にも貢献する業界のベテラン。

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