フリークエンシーキャップで適切な表示頻度に抑える ―― リマーケは「しつこい」と思われたら逆効果

一度訪問したサイトに追い回され、どのサイトに行ってもそのショップの広告ばかりが表示されて閉口……
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この記事は、書籍 『新版 SEM:リスティング広告 Googleアドワーズ&Yahoo!リスティング広告 Web担当者が身につけておくべき新・100の法則。』 の第7章「リターゲティング広告で見込み顧客を取り込む法則」を、Web担の読者向けに特別に公開しているものです(本書について)。

ユーザーに「しつこい」と思われたら逆効果

一度訪問したサイトに追い回され、どのサイトに行ってもそのショップの広告ばかりが表示されて閉口する。そんな経験はないだろうか。これまで述べてきた通り、リマーケティングはマーケティング手法として優れていることは言うまでもないが、一方で、しつこく付きまとわれて迷惑だと感じるユーザーも存在する。広告を出す側からすると「一度来てくれたお客さまだから、ぜひ買ってほしい」というつもりで広告を表示させていても、ユーザーに「こんなショップでは買いたくない」と思われてしまっては逆効果になる。

Googleのディスプレイネットワークには「フリークエンシーキャップ」という機能があり、1人のユーザーに対して広告を見せる上限回数を日・週・月ベースで設定できる。つまり、一定回数を見たユーザーには広告を表示させないように制御できるのだ。

何度見せるのが効果的かはサイトによって異なるため、まずはテストをしてみるのがいい。管理画面から、1人のユーザーに表示された広告の回数別のパフォーマンスを日・週・月ごとに確認できる。クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)に注目して、どのくらいの頻度で広告を表示したときのパフォーマンスがいいのか、適切な頻度を見極めよう。

フリークエンシーキャップで表示頻度を調整する

フリークエンシーキャップの設定

フリークエンシーキャップは、管理画面のキャンペーン設定から日・週・月ごとに設定できる。注目したいのは、広告単位でも設定ができることだ。

フリークエンシーキャップを設定するとしても、できるだけ広告のインプレッション数を下げたくないこともあるはずだ。そんなときにこの設定が効いてくる。全く異なる印象のイメージ広告を複数作成し、広告単位のフリークエンシーキャップでそれぞれの表示頻度を制御する方法だ。多くのインプレッション数を確保したい場合には試してみよう。

フリークエンシーキャップの設定方法

  1. キャンペーンの設定画面を表示する

    フリークエンシーキャップはキャンペーン単位で設定できる。キャンペーンの画面を表示して[設定]タブをクリックする。

  2. 詳細設定を表示する

    [詳細設定]の[広告のスケジュール設定と広告掲載オプション]をクリックする。

  3. フリークエンシーキャップを設定する

    [フリークエンシーキャップ]の[編集]をクリックする。

  4. 回数や期間などを設定する

    回数、期間、キャンペーン単位か広告グループ単位か、または広告単位かなどを設定して[保存]をクリックする。

  • 新版 SEM:リスティング広告 Googleアドワーズ&Yahoo!リスティング広告 Web担当者が身につけておくべき新・100の法則。
  • 寳 洋平、岡本 典子、齊藤 康祐 著
  • ISBNコード
    978-4844332695
  • インプレス
    書籍詳細情報

この記事は、書籍 『新版 SEM:リスティング広告 Googleアドワーズ&Yahoo!リスティング広告 Web担当者が身につけておくべき新・100の法則。』 の内容の一部を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

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この記事の筆者

寳 洋平

アユダンテ株式会社、SEMコンサルタント。Web/紙媒体コンテンツの企画・編集・ライターからSEMの世界へ。2006年より株式会社クロスリスティング入社、ソリューショングループマネージャーとして、大手通販サイトを中心に継続的なリスティング広告の運用支援を手がける。2010年より現職。Googleアナリティクスを活用し、リスティング広告の設計・運用、およびコンサルティングを行っている。Google AdWords認定(検索広告/ディスプレイ広告/レポートと解析)、Yahoo!リスティング広告認定プロフェッショナル、Google アナリティクスIQ保持。なお、「検索エンジンとソーシャルメディア」を研究テーマに据え、ソーシャルメディアの活用支援も行う。

岡本典子

購買支援サイトを運営する株式会社ベンチャーリパブリックで、約60万件の旅行商品を扱う検索・比較ポータルサイト「Travel.jp」(トラベル・ジェーピー)のSEM運用を2005年より担当。キーワード選定から広告作成、入札管理、分析までを一貫して行う。著書に『SEM:検索連動型キーワード広告 Googleアドワーズ&Overtureスポンサードサーチ対応 Web担当者が身につけておくべき新・100の法則。』(共著、インプレスジャパン)がある。

齊藤康祐

株式会社ベンチャーリパブリック

マーケティンググループ。前職ではトランスコスモス株式会社にて大手金融、不動産会社を中心にリスティング運用コンサルティングに従事。現職ではショッピング検索サイト「coneco.net」(コネコネット)のマーケティング業務全般を担当。著書に『SEM:検索連動型キーワード広告 Googleアドワーズ&Overtureスポンサードサーチ対応 Web担当者が身につけておくべき新・100 の法則。』(共著、インプレスジャパン)がある。

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