優れたSEOを実現するための7つの基本ステップ(ペンギン・アップデート対応版)
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、SEOmozの見解を反映しているとは限らない。
ペンギン・アップデートは、「SEOの基礎を知らなければやがて危険に陥る」という強いメッセージを発した。基本をしっかり押さえるか、さもなくばリスクにさらされるかだ。
ペンギンは、これらのアップデートが今後も速いペースで継続的に実施されるというグーグルからの合図である。君がブラックハットかホワイトハットかなどは関係ない。ただ関連性だけが問題とされるのだ。一見有効そうな「SEO戦略」もすべて、そうした観点から見直す必要がある。自分の知らないことが原因でケガをする可能性だってある。
君のやっていることが不適切だとか間違っているとかいうわけではない。関連性を目指す動きがかつてないほど急速に進んでいるということだ。グーグルはかつて有効だったかどうかには関係なく、ただ関連性のあるコンテンツを検索結果ページで提供していくことにした。それはつまり、大きな変化が新たな基準になるということだ。
そんな状況だとはいえ、優れたSEOを行うことは、達成可能な目標だ。以下のステップを確実に進めていこう。
- リンクプロファイルを理解する
- 上質なリンクの条件を知る
- クロールの経路を明確に示す
- ページのタイプをすべて把握し、価値の低いページはnoindexを設定する
- URLは極力変更しない
- SEOモニタリングを設定する
- インバウンドマーケティングを採り入れる
1 リンクプロファイルを理解する
これはペンギン後において不可欠の知識だ。最もリスクが高いのは、「ターゲットとしているアンカーテキストと大量の低品質リンクとの組み合わせ」だ。キーワードと一致するアンカーテキストについては60%という新たな閾値が存在することを示す証拠がいくらかあるようだが、その先のことも忘れてはいけない。検索順位向上を狙ったアンカーテキストの割合は、せいぜい2割程度にしておくことをお勧めする。
これについて僕が調べる主なデータ指標は以下の通りだ。
- アンカーテキストの分布
- リンクタイプの分布(たとえば、記事、コメント、ディレクトリなど)
- ドメイン名のオーソリティとページオーソリティの分布
ここでの目標は、現在何が進行しているのか、また、これからどこを目指すべきなのかを見極めることだ。自分のサイトを以下の例と比較してみよう。
ここで使用するツール群:
アンカーテキストについては、Open Site Explorerを使うことで現状をさっと概観できるし、スパム性の高いリンクを掘り下げて調べるならMajestic SEOとExcelが役に立つ。
ドメインオーソリティ(DA)およびページオーソリティ(PA)の分析を行うすばらしいExcelテンプレートを、ジョン・ダーカティ氏が公開してくれている。OSE(Open Site Explorer)のデータを取り込んで、次のようなグラフにしてくれるものだ。グラフでは、横軸がドメインオーソリティ値(DA)、縦軸がそれぞれのDAのリンク元ドメイン名の数を表している。
リンクタイプの分析には、僕はLink Detectiveを使っている。こんな感じで、リンクタイプごとの比率を示してくれる。
2 上質なリンクの条件を知る
質の高いリンクとは、次のようなものだ。
- 評価の高いブランド、サイト、人、組織から張られているリンク
- 多数の外部サイトからリンクが張られたページから張られているリンク
- ユーザーに価値を提供するリンク
- ページのコンテンツ内から張られているリンク
- リンク元サイトで同様のリンクがいくつも存在しないリンク
これらはかなり厳しい条件だが、こうした価値の高いリンクが、ドメイン名のリンクオーソリティを高める実質的な主役であることを示す証拠はたくさんある。
以下の動画では再生開始から1分の位置で、マット・カッツ氏は実際にどれだけのリンクがグーグルから無視されているかを語っている。
将来の方向性は極めて明白で、グーグルやBingによるリンクの評価方法を操作する術はないし(多少の余地がないとはいわないが)、検索エンジンが時には過ちを犯すという証拠もたくさんある。
実際のところ、すばらしいリンクを手に入れることで得られる利点は、単にサイトの検索順位向上に役立つということだけでない。SEO的な価値だけでなく、ビジネスにとって貴重な資産になるということだ。これは、僕が所属するDistilledでもビジネスを構築する主要な手法の1つだったし、今でも強力な資産だ。
- クロールの経路を明確に示す
- ページのタイプをすべて把握し、価値の低いページはnoindexを設定する
- URLは極力変更しない
- SEOモニタリングを設定する
- インバウンドマーケティングを採り入れる
3 クロールの経路を明確に示す
これはシンプルな目標だが、大規模なサイトにとっては非常に困難な場合もある。もし本当に複雑で解決が難しいようなら、グーグルもクロールに苦労するだろう。
それまでインデックス化されていなかったコンテンツをインデックス化してもらうことは、SEOにおいてこれ以上望めないほどの大きな成果だ。
残念ながら、サイトマップが役に立つのはコンテンツをインデックス化してもらえる点だけだ。さらに、最も重要なページをクロール経路のもっと上流に置けば、どのページが最も多くのリンクオーソリティを引き渡すのかという優先順位付けをすることになる。
4 ページのタイプをすべて把握し、価値の低いページはnoindexを設定する
僕がこれまで仕事で関わってきたWebサイトでは、重複コンテンツや薄いコンテンツが例外なくどこかにあった。
ここで問題となるのは、重複コンテンツが常に問題やペナルティをもたらすということではない。本当の問題は、もしもサイトの構造を理解していなければ、何が問題になり得るのかもわからないという点だ。
確信は強い力であり、自信を持って自分のサイトに投資できると知ることは非常に重要だ。
では、どうやればいい?
手始めにうってつけなのは、グーグルを使ってサイトをセクションごとに分解して調べることだ。
- まずグーグルでサイト検索を実行する。
- この検索で、フォルダまたはサブドメインを除外するパラメータを1度に1つずつ追加する
- この検索で得られた数字と、そのセクションにあるはずのページ数を比較し、数字が多すぎるようなら、さらに深い階層まで調べる
注意ここでグーグルが示すインデックス済みページの数は、恐ろしく不正確な場合がある。ここで大事なのは、精査すべき領域を明らかにすることだ。調べるにつれて、膨大な数の検索結果の下位の方までチェックすることになる。重複コンテンツや薄いコンテンツが検索結果の100位以降に表示されることも珍しくない。
5 URLは極力変更しない
URLが変わることは、日常茶飯事だ。その理由としては、デザインの変更、コンテンツ管理システムの変更、新しいソフトウェアやアプリケーションの採用などがある。
しかし、URLを変えることは深刻なダメージにつながり、たとえ完璧に管理できたとしても、そのページに張られたありとあらゆるリンクが持つ価値の一部を301リダイレクトが削り取ってしまう。そして、誰もこれを完璧に扱うことはできない。
僕が気に入っているソフトウェアの1つを提供しているBalsamiqのサイトを見ると、500を超えるドメイン名から数千ものリンクが404ページや空白のページに張られている。Balsamiqの製品は実に優れものなので、それでも「mockups」というヘッドキーワードで高い検索順位を獲得しているが、Balsamiq並みのサイトになるまではこういったリンクを無駄にすべきではないだろう。
問題を引き起こしかねない不良URLが自サイトに含まれているのではないかと心配なら、そうしたURLの変更をどういったタイミングで検討すべきかについて、すでにドクター・ピートが総合的な分析をしているので参考にしてほしい。
URLを変更する場合も、1回限りにすべきだ。
6 SEOモニタリングを設定する
これは作業の過程でしばしば見落とされるステップだ。前述のように、もしコンテンツがインデックス化されず検索結果に表示されなければ、どんなSEO作業も無駄になる。ウィル・クリッチローはすでに、サイトのモニタリング方法について素晴らしい記事を書いている。
- Googleアナリティクスのカスタムアラートでトラフィックの落ち込みを監視する
- Pingdomのようなサービスでサーバーの動作を死活監視する
- どのページがmetaタグやrobots.txtでnoindexに設定されているかを監視する(こういうケースがあまりに多すぎてショックを受けるかもしれない)
他にもいくつか、問題の監視に役立つツールを紹介しておこう。
- デイブ・ソッティマーノ氏による、トラフィックと検索順位の落ち込みを診断するQ&A形式のコンサルティングツール
- Googleアナリティクスのデバッグツール(Google Chromeの拡張機能)
- 各種の検索順位追跡ツール
- SEOmozのGoogleアナリティクス連携ツールは、トラフィックを送り込んでいるランディングページを分かりやすいグラフ形式で示してくれる
7 インバウンドマーケティングを採り入れる
僕にとって、インバウンドマーケティングは単純にSEOからの必然的な進歩という位置づけであり、オーガニックなトラフィックだけを取り出して考えてもまったく意味がない。
ユーザーのためにサイトを改良することに専念すれば、それに対する見返りが得られる。前述のBalsamiqが良いお手本だ。BalsamiqはSEOなんてほとんど、あるいはまったくしていないに違いないが、同社にとって最も重要なキーワードで首位に立ち、ドメイン名オーソリティも81を獲得している。
いったい何を言いたいのかって? 答えは、機能の絞り込みだ。
これはいったい何を意味しているのだろうか?
Balsamiqは、顧客が本当に望むことにひたすら専念した。それはまさしく、すばらしいマーケティング、スマートなビジネス、合理的な製品設計、これらすべてが一体となったものだ。将来はすべてユーザーとの関連性にかかっているということを忘れてはならない。そういったことに積極的に取り組まないと、きっと取り残されてしまうだろう。
もう弁解は許されない。一見つまらなさそうなページをおもしろくて魅力的なものにできるという実例はいくらでもあるのだから。
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