Google Ad Planner(アドプランナー)で“あのサイトのPVやUU”を調べてみよう!

グーグルのAd Plannerは、広告出稿を考えている人ならば、一度は使ってみるべきツールですね。
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グーグルが2008年6月から公開している「Ad Planner(アドプランナー)」というツールが、いつの間にか日本市場にも対応していて、一部で話題になっています。

今回は、このツールの使い方や表示されるデータについて解説します。広告出稿を考えているマーケ担当者ならば、一度は使ってみるべきツールですね。

改めて解説すると、Google Ad Plannerは、広告主が出稿先を検討するツール。URLを指定すると、そのサイトのページビュー(PV)、ユニークユーザー(UU)などの数や、そのサイトを見ているユーザーの性別・年代・学歴・年収などの属性が表示されるもの。

使い方は簡単。Ad Plannerのページを開き、調べたいサイトのURLを指定するだけです。

https://www.google.com/adplanner/static/login/login.html
※ログインボックスがありますが、ログインは不要。

すると、そのサイトの情報が表示されるので、トラフィック情報の上にある「View data for:」のドロップダウンリストで「Japan」を選びます。

表示される情報の意味は次のとおり(Kは1000、Mは100万、Bは10億を意味します)。

Ad Planner上の英語表記日本語訳項目の意味
●トラフィック情報
Unique visitors (estimated cookies)ユニーク訪問者数(クッキー推定)Googleのアルゴリズムで算定した、クッキーベースのユニークユーザー数(対象期間内)。サイト所有者がAd PlannerにGoogle Analytics情報を提供している場合は「Unique visitors (cookies)として、推定ではないクッキーの数を表示する。
Unique visitors (users)ユニーク訪問者数(サンプリング)パネルからのサンプリングになどよって算定した、ユニークユーザー数(対象期間内)。
Reachリーチこのサイトに広告を出すと、その市場(ワールドワイドまたはその国)のユーザー全体の何パーセントに見てもらえるか。
Page viewsページビューページビュー数(対象期間内)。
Total visits総訪問数セッション数(対象期間内、30分以上の間隔で別セッションと見なす)。
Avg visits per visitor訪問者あたりの平均訪問回数1ユーザーが対象期間内に平均して何回訪問しているかの推定値(単位は回)。
Avg time on siteサイトでの平均滞在時間1ユーザーがサイトに平均してどれくらい滞在しているか。
●訪問者情報
Gender性別Maleが男性、Femaleが女性。
Education学歴Less than HS diploma=高卒未満、High school=高卒、Bachelors degree=大卒、Graduate degree=大学院卒。
Age年齢層――
Household income世帯収入――
●その他の項目
Sites also visitedこんなサイトも訪問していますこのサイトを訪れているユーザーが共通して訪れている他のサイト。「Affinity」は関連度の高さを表す。この数値が200ならば、調査対象のサイトを訪れているユーザーは、一般的な他のインターネットユーザーよりも200倍そのサイトを訪れる可能性が高いことを示す(その逆の意味にもなる)。
Keywords searched for検索されたキーワードこのサイトを訪問するのに使われた検索キーワード。
Google Content Networkグーグルコンテンツネットワークグーグルのアドワーズ広告からこのサイトにコンテンツネットワーク広告を出せる場合には、1日あたりの広告表示回数やサポートされている広告のフォーマットが表示される。

すべての情報は測定による客観データではなく、さまざまな情報を元にグーグルが算定した推測値とのこと。元になっているデータとしては、次のようなものが挙げられています

  • Googleツールバーのオプトインされた情報
  • グーグル検索の情報
  • Google Analyticsでオプトインされた情報
  • グーグル以外の消費者パネルの情報
  • グーグル以外の市場調査データ

「どこから出た情報だ?」と疑問に思う年収や年齢層などの情報も、上記のようなデータを元に、アルゴリズムで算出しているとのこと。グーグルは、Ad Plannerで表示されるデータがアルゴリズムを使った推測ベースではあるものの、広告出稿をプランする場合の参考となる指標として使うには十分な正確性をもっているとしています。

ただし、サイトが一定数のトラフィックを満たしていない場合や、robots.txtでグーグル検索のロボットを禁止している場合、サイトの質がグーグルの基準に満たない場合などは、このツールでも情報が表示されないとのことです。

これまでは、こういった情報を調べるには、サイト側が出す広告主向けの媒体資料を見るか、ネットレイティングスなどの視聴率調査データを買うしかありませんでしたが、判断材料となる情報が増えたのは、ありがたいことです。

ただし、Google Ad Plannerで表示される情報は推測値であり、これが正しいとは必ずしも言えないことを理解しておきましょう。私がアクセス解析データを見られるサイトを、個人サイトなども含めていくつか調べてみたところ、実際のアクセス解析データと10倍くらい違う数字を示しているサイトもありましたから。

ちなみに、Google Ad Plannerは、業界のとある事情により日本市場では正式にリリースされていません(日本サイトの訪問者プロフィールは2009年1月15日から取得できるようになっていたようです)。そのため、Googleアカウントによっては、Ad Plannerのログイン画面からのログインがうまくいかないようです。ただし、Googleアカウントにログイン状態でAd PlannerのURLにアクセスすれば、条件を指定してサイトを探したり、調べた結果をエクスポートしたりといった機能も利用できるようです。

この記事は、メールマガジン「Web担ウィークリー」やINTERNET Watchの「週刊 Web担当者フォーラム通信」に掲載されたコラムをWeb担サイト 上に再掲したものです。

この記事の筆者

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレス
Web担当者Forum 編集統括(初代編集長)

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、Webサイト 「Web担当者Forum」初代編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開いる。現在は編集統括として媒体に携わる。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

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