「目先だけの顧客獲得に留まらない次の一手とは」などアドテクノロジーのこれからを考える|アドテック東京2019

アドテック東京2019の見どころを紹介! 「Performance addict」アドテクノロジー・パフォーマンスに関するトラックのアドバイザリーボードメンバーの打ち合わせを取材。その様子をお届けします。
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マーケティングの最新事例や最新技術が得られる「アドテック東京2019」。今年は、2019年11月27日~28日に東京国際フォーラムで開催される。

今回、「Performance addict」アドテクノロジー・パフォーマンスに関するトラックのアドバイザリーボードメンバーの打ち合わせを取材。打ち合わせに参加した以下2名から次のようなコメントをいただいた(打ち合わせに参加した人のみ取材を行ったため、全員とは限らない)。

「Performance addict」メンバーからのコメント

打ち合わせの様子
左から、谷本 秀吉 氏(SMN株式会社)、信濃 伸明 氏(ADKマーケティング・ソリューションズ)
谷本氏

マーケティングの目標にパフォーマンス指標があるのは当然のことであるが、昨今ユーザーを欺くようなデータとテクノロジーの悪用が目立っていることは由々しき事態と捉えます。業界全体で健全な発展のための議論が広がることを期待したいです。

信濃氏

「広告パフォーマンスの最大化」を目標とした広告運用が管理画面上の入札調整等ではなく、アドベリフィケーションやLTV、クリエイティブ等幅広い”広義の意味での広告運用”が求められてくる時代。この中でマーケター、代理店、アドテク企業がどう向き合うのかの示唆を期待したい。

アドテクノロジー・パフォーマンスに関するトラック

アドテック東京2019の「Performance addict」のトラックは、5つのセッションが用意されている。セッションタイトルは次の通り。

  1. 代理店へ丸投げはダメ絶対。チームワークでパフォーマンスを向上する
  2. 目先だけの顧客獲得に留まらない次の一手とは
  3. アフィリエイト問題にアドテク企業はどう立ち向かうか
  4. 巨大プラットフォーム独占時代、この行く末はどうなるのか
  5. マーケターの苦悩、アドベリフィケーションとROI向上の共存について

谷本氏、信濃氏らアドバイザリーボードメンバーが各セッションで聞きたいこと、セッションに参加する人が聞きたいであろうことをまとめた「期待する内容」とセッションで語られる「キーワード」を紹介する。

公式サイトでは紹介しきれていない情報が満載なので、すでに申し込みをしている人はセッションへの期待値調整に役立ててほしい。また、まだ申し込みをしてない人は、自分に合ったセッション探しに役立っててほしい。

なお、申し込みをしたい場合は公式サイトより申し込みが可能だ。セッションによっては、無料(ビジターパス)で参加できないこともあるので、公式サイトの料金表で確認いただきたい。

「アドテック東京2019」の公式サイトで詳細を確認する

代理店へ丸投げはダメ絶対。チームワークでパフォーマンスを向上する

 

アドバイザリーボードメンバーが本セッションで「期待する内容」

欧米ではマーケティングのインハウス化を支援するエージェンシーが、よりブランド部門に踏み込むなど、エージェンシーのあり方も従来とは異なるタイプが勃興していることが注目されている。そうした企業と今の日本のエージェンシーとの違いや、日本のエージェンシーのグローバルに通ずる強さについても聞いてみたい。

広告運用という言葉の定義が変わってきている中、今後は業界・バックグラウンドが異なる人たちが歩み寄り、融合してチームになることが求められるはず。登壇者のディスカッションを通じてそのヒントが見つかることを期待しています。

本セッションの「キーワード」

  1. 日本のエージェンシーの課題と良さ
  2. エージェンシー、広告主、ソリューションパートナーが今後融合したチームになるには?

目先だけの顧客獲得に留まらない次の一手とは

 

アドバイザリーボードメンバーが本セッションで「期待する内容」

パフォーマンスのセッションに、ソーシャルメディアを主に業務を行なっている人やクリエイティブディレクターが登壇している。「CPAだけではなく、LTV含めて考えなければ」ということにおいて、皆合意しながらも実態はなかなか進まない。

このメンバーだからこそ、この課題に対するボトルネックがどこにあるのかを明らかにして、対策を考えられると良い。そのほか、オフラインのイベントやデジタル施策との連携にどんな影響を与えているのか?その際の指標のつくり方についても聞いてみたい。

本セッションの「キーワード」

  1. CPA至上主義のジレンマを解消するには?
  2. オフライン施策はどうデジタルと連携しているのか?

アフィリエイト問題にアドテク企業はどう立ち向かうか

 

アドバイザリーボードメンバーが本セッションで「期待する内容」

アフィリエイトに限らずだが、アドフラウド問題は業界にもおいて大きな課題がある。一部のアフィリエイターに横行している記事LPの誇大表現やフェイク記事、肖像権違反の問題、レポート非開示による獲得経路の不透明問題などについて、グローバルと日本の規準の違いはどこにあるのかについて聞けると良い。

生活者(ユーザー)からの信頼獲得のためにも、この課題について、アドテクのプレイヤー、アフィリエイト業界の両方が手を組んで何に取り組まなければいけないかをディスカッションしてもらいたい。

本セッションの「キーワード」

  1. ユーザーファーストで考えたとき、各プレイヤーが協力して取り組むべき最優先事項は?

巨大プラットフォーム独占時代、この行く末はどうなるのか

 

アドバイザリーボードメンバーが本セッションで「期待する内容」

ブランディングや販売促進を効果的に行ううえで、GAFAなどの巨大プラットフォームが果たす役割は大きく、頼らなくてはいけない場面は今後も多い。各種データがとりにくい状況となるが、それを踏まえたうえで、プラットフォームをどう「使い倒す」のかについて聞きたい。

一方、自社にとって有効なデータを蓄積することも重要。例えば、個人の趣味嗜好が集まるコミュニティというのは、プラットフォームとは異なる役割があるのではないか? そうした取り組みを行っているのか?どのように考えて取り組んでいるのかについて聞きたい。

本セッションの「キーワード」

  1. プラットフォームを徹底的に使い倒すには?
  2. 企業にとって有効なデータを残すために何を行うべきか

マーケターの苦悩、アドベリフィケーションとROI向上の共存について

 

アドバイザリーボードメンバーが本セッションで「期待する内容」

アドベリ、ブランドセーフティーの重要性は認知されているが、いま課題なのは果たしてそのコストとROIはどう捉え、どこが負担すべきなのか?ということ。エージェンシー、アドテク、メディア、広告主、それぞれがどう捉えているか知りたい。

また、現在のところネガティブチェック、ノイズ除去といった「守り」中心で語られることが多いが、今後はROIの最大化させるため、という視座から語られるべき。そうなるために必要なことは?また、そうなったときにはコスト負担はどうあるべきかについて聞きたい。

本セッションの「キーワード」

  1. そのコスト、エージェンシー、広告主、メディア、どこが負担するの?

本イベントは、大きく分けると「展示会」「カンファレンス」の2要素から構成される。展示会では、約70社がブースを出展し、最新のマーケティングテクノロジーに触れることができる。カンファレンスでは、2日間で約60のセッションがあり、約250名のスピーカーが登壇する。

今年のアドテック東京では、「カンファレンス」で個別テーマをトラック毎に設けた「コンテンツコミッティー」制を導入。コミッティーは全部で8つあり、現場で活躍するマーケターにとって本当に役立つ内容は何かを考え、コミッティーのアドバイザリーボードメンバーが各トラックのセッションテーマを企画・決定していくという。

この記事の筆者

四谷志穂(Web担当者Forum 編集長)

大学卒業後、物流企業で営業兼Web担当者を経験。コーポレートサイトのリニューアルやデジタル広告の運用、倉庫の営業に携わる。2013年にインプレスに入社し、Web担当者Forumの編集者となり2018年から現職。歴史とサッカーと運動とビールが好き。

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