Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

Googleアナリティクスのデータを、思いどおりにファイル出力するには?[第31回]

さまざまなレポートのデータを、自由自在にファイルダウンロードしたり、Excelで表示したりする方法を解説。
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Googleアナリティクスには、各レポートのデータをさまざまなフォーマットで出力する機能がある。今回は、そのデータを出力する機能の使い方を解説する。

表示しているレポートによってダウンロードできるデータの内容が変わってくることなども解説するので、データの扱い方を理解している人でも後半まで読んでほしい。

レポートのデータを出力する方法

Googleアナリティクスのほとんどのレポートには、レポート名のすぐ下のナビゲーションバーに[エクスポート▼]というボタンがある(図1赤枠部分)。エクスポートは「出力」という意味だ。図1は[ユーザー]>[サマリー]レポートの例である。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面の左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする。
  3. メニューが開くので、[サマリー]をクリックする。
  4. グラフの上にあるバーの[エクスポート▼]をクリックする。
図1:エクスポート機能

[エクスポート]をクリックすると、4種類の出力フォーマットがプルダウンメニュー形式で表示される(図1青枠部分)。上から順に、

  • CSV(カンマ区切り)
  • TSV(タブ区切り)
  • TSV 形式(Excel)
  • PDF

の4つがある。

エクスポートしたいファイルフォーマットを選択すると、ダウンロードが開始される。ブラウザによって動作は違うが、保存するように促す表示になったり、自動的にダウンロードが開始されたりするので、それぞれの方法でデータを保存、表示しよう。

出力形式がPDFしかないレポートもある

また「ゴールフロー」([コンバージョン]>[目標]>[ゴールフロー])などのページ遷移系のレポートや、ダッシュボード機能である「マイレポート」では、エクスポートはPDFしか選択肢がない(図2)。

図2:「マイレポート」のエクスポートはPDFだけ

PDF出力の場合の注意

PDFとして出力される要素のフォーマットは、各レポートによって異なる。つねにレポート本体の画面どおり(レポートの左にあるディレクトリ部分を除いた部分)というわけでもないので、一度実際に出力し、個々のレポート別に出力される要素は確認しておくことが必要だ。

Excelで加工する場合の注意

CSV(カンマ区切り)やTSV(タブ区切り)でダウンロードした場合、Excelに読み込むと文字化けする。Excelで使いたい場合は、TSV 形式(Excel)でダウンロードすれば、正常にファイルを開くことが可能だ。これはCSV(カンマ区切り)やTSV(タブ区切り)では、UTF-8が文字コードとして利用されているからだ。Googleアナリティクスでダウンロードしたデータは、Excelで加工することが多いと思うので、素直にTSV 形式(Excel)を選択してそのファイルを利用しよう。

PDFを選択したときの出力フォーマットが、レポート画面とまったく同じレイアウトではなかったように、TSV 形式(Excel)を選択した場合も、出力される実際のデータはレポート画面と若干異なるので、一度試してみることをお勧めしたい。

  • 出力データの表示例を見てみよう

出力データの表示例を見てみよう

[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポートを
エクスポートしてExcelで表示した場合

たとえば、[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポートで、

  • 上部の折れ線グラフでは「訪問数」と「訪問別ページビュー」の2つの指標を選択(図3赤枠部分)
  • 集計対象期間は「日別」を表示(図3青枠部分)
  • 下部のデータ一覧データ表示部は25行表示(図4赤枠部分)

のように表示しているとしよう。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする。
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、開いたメニューから[すべてのトラフィック]をクリックする。
  4. グラフ上部左側にある[訪問数▼ 対]の右にある[指標を選択]をクリックし、表示されるリストの[利用状況]にある[訪問別ページビュー]をクリックする。
  5. ページ下部のデータ表の右下にある[表示する行数]の右の[10▼]をクリックして「25」を選ぶ。
図3:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート上部
図4:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート下部

以上のような設定にしておいて、TSV 形式(Excel)でエクスポートしたデータを、Excelで読み込んで表示してみたのが図5だ。

図5:TSV 形式(Excel)でエクスポートし、Excelで表示してみた画面

まず一覧表示部のデータが表示行数分(ここでは25行分)出力され(図5赤枠部分)、その下にサイト全体の各指標データ(図5青枠部分)が続き、最後にグラフ表示部で指定した2つの指標が日別に出力されている(図5緑枠部分)。

[ユーザー]>[サマリー]レポートを
エクスポートしてExcelで表示した場合

また[ユーザー]>[サマリー]レポート(図6)のように、レポート上部に折れ線グラフと主要指標の表示しかないようなレポートだと、一覧表示データがないので、ここからエクスポートしたデータには前出の図5赤枠部分が含まれない。

図6:[ユーザー]>[サマリー]レポート

また、ここでは集計対象期間に「時間別」を選択(図6青枠部分)しているが、この場合は10月1日の0時~23時、続いて10月2日の0時~23時という順番で、168個(7日×24時間分)の訪問数(図6赤枠部分)がダウンロードデータとして出力される。

ただしこの場合、ダウンロードしたデータには、「10月1日の0時台」…「10月7日23時台」といった丁寧なラベルは付いておらず、0から167という連番が振られているだけだ(図7赤枠部分)。

図7:Excelで表示した[ユーザー]>[サマリー]レポート

出力されるデータの件数は、たとえばデータ一覧表示部の表示行数を「50」と指定していれば、どのファイル形式でも画面表示行数のとおり(つまり50件)のファイルが出力される。この表示行数の最大値は500件となっている。そのため通常は一度にダウンロードできる件数は500件ということになる。

もし、500件を超えるデータを一度にダウンロードしたい場合には裏技を使おう。それは前回の「最大表示行数500件を超えるデータをGoogleアナリティクスで一気に表示する方法[第30回]」で説明したので、そちらを参照してほしい。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール

この記事の筆者

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社へ。調査部、インターネット視聴率センター長などを経て、2000年ネットレイティングスへ。視聴率サービスやアクセス解析サービスの立ち上げに尽力。2006年株式会社クロス・フュージョンを設立し代表取締役に。2023年活動停止。

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