ペンギン・アップデートによるペナルティからの復活――経験者は語る

過剰に最適化されたアンカーテキストは、危険を招く可能性がある。
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この記事はもともとSEOmozのYOUmozセクションに掲載したものですが、われわれのコミュニティにとって非常に興味深く、大きな価値をもたらしてくれるのでこちらのブログに格上げしました。筆者の意見は筆者独自のものであり、SEOmozの考え方を示すものではありません

この記事を読んでいる人はほぼ全員が知っているように、2012年4月24日は検索業界にとって重大な日だった。この日、最初のペンギン・アップデートが実施されると(どうか僕の言うことを信じてほしいのだが、これは始まりにすぎず、これからもまだまだやってくる)、ご存じのようにSEO業界は不安の声や喜びの声で大騒ぎとなった。

担当しているサイトが打撃を受けたSEO関係者らにとって(僕もこのアップデートでいくつかのサイトがやられたことを告白しよう)、最初に感じた憤りは、すぐに恐怖と好奇心に転じた。業界向けパブリッシャの多くが、僕に言わせれば拙速に反応し、「ペンギンから回復する」コツや手順を公開し始めた。

だが真実は、イアン・ハウエルズ氏が先日のSEOポッドキャストで語っているように、このアルゴリズムのアップデートによる影響のすべてを語るのはあまりにも尚早であり、講釈を垂れている連中も実は憶測を話しているだけだ

僕がこれまで見てきた限り最も有益なアドバイスは、The HOTHのブログに書いてあった「パニックを起こすな、今は耐えろ」というものだ。

とは言え、僕は実体験として、いくつかあるサイトの中で個人ブログが打撃を受け(過剰な最適化のせいだろうと今ではほぼ確信している)、そこから回復することができた。

ここで何より興味深いのは、打撃を受けたのがよりによって「nickeubanks.com」という個人サイトだったという点だ……少し説明しておこう。僕の個人サイトはトラフィックが少なく、重要性も低い。このサイトに関してはリンクビルディングもマネタイズもやっていない。とにかく、自分のデジタル履歴書という位置づけで、気が向いたときに何かにはばかることなく書き散らかす場所として存在しているにすぎない。

ペンギンの一撃

2012年5月18日(金)にグーグルで検索した結果のスクリーンショットを以下に示す。友人から連絡があり、「サイトを閉鎖したのか」と聞かれた。

もちろん、この友人はサイトのURLを直接打ち込んだわけではないので、どんなキーワードで検索したのかを尋ねた。すると、「覚えていたタイトルの一部と僕の名前を入力した」という回答だった。僕の投稿記事を含む検索結果を得るにはそれで十分すぎるくらいだ。しかし現実にはそうではなかった。彼が目にしたのはこんな画面だ。

僕の投稿にリンクしているページが、Inbound.orgのページを筆頭に続く……のだが、僕の投稿そのものは載っていない。

すぐに、何らかの理由でサンドボックスに入れられたのではないかと思った。そこで確認のため、記事のタイトルを引用符(「""」)で囲んで検索してみると……どういうことだ? 僕のサイトがペナルティの対象に……しかし、何が原因で?

前述のように、このサイトでは積極的なリンク構築や宣伝は一切やっていないし、トラフィックも極めて少ない。最初に考えたのは、ネガティブSEOの餌食になったのではないか、ということだった。ウェブマスターツールにログインし、グーグルのインデックスにある被リンクの状況を確認した。みんなにも見てもらえるよう、内容をGoogleドキュメントで公開してある。これを見れば、とても自然な被リンクプロファイルであることがわかってもらえるだろう。しかも、かなりオーソリティの高いサイトからのリンクまでいくつかある……今は答えを探しているところだ。

いったい何が起きているのか!?

自分のサイトがSERPで埋没している。とりわけ、自然な被リンクやSNSのシグナルがたっぷりで、よく書かれたユニークな内容が満載の投稿の数々が(注:内容の大部分は僕が書いたものではない)埋もれている。その理由として、何が考えられるだろうかと頭を悩ませていた。

僕が連絡をとったのは、友人のマーク・ケネディ氏だ。彼はフィラデルフィアを地元とするSEO関係者の中でも、僕が知る限りとりわけ熱心な人物だ。ケネディ氏の考えも方向性は僕と同じであり、すぐにAhrefs Site Explorerでスパムリンクや手がかりを調べてくれたが、何もなかった。次の提案は、最近サイトで実施したあらゆる変更を洗い出すというものだった。僕はCSSの変更を確認したが(ヘッダがおかしくないか? 宣言文を間違っていないか?)、サイトが弾き出される理由になるようなコードの誤りや間違いは見つけられなかった。

ここまでやって、考えられるのは唯一、リンクをもっと詳しく調べることだ。そこで、僕のサイトにリンクを張っているサイトの調査を開始した。この作業で、僕が大学生の頃からやっている古いブログ、23Run.comに行き当たった。グーグルにインデックス化された23Run.comからのリンクをここにまとめてある。ご覧のように77のページからリンクがあり、これはインデックス化されているリンク総数の約11%を占めている。

23Run.comに行って、どのようにリンクされているのかをもっとよく見てみた。

そして、ついに見つけた……このサイトからのリンクのアンカーテキストが、「Web Strategist Philadelphia(フィラデルフィアのWebストラテジスト)」という、過剰に最適化されものになっていたのだ。

過剰に最適化されたアンカーテキストを修正し、順位が回復するまで……そして得られた重要な結論と教訓。

過剰に最適化されたアンカーテキストを修正しなくては

Microsite Mastersのペンギン・アップデートに関する記事では、分析して得たサンプルデータを掲載しているが、そこに書かれた内容の通り、僕のところもアンカーテキストが過剰に最適化されたリンクが10%を超えていた。

僕はすぐに修正し、「NickEubanks.com」というサイト名でのリンクにアンカーテキストを変えた。

変更が反映されるまでどれくらい待てばいい?

グーグルが僕のサイトをクロールして変更した部分がインデックス化されるまでどれくらいかかるのかを知る必要があったので、平均的なクロール頻度をウェブマスターツールでざっと調べた。

すると平均的なクロール頻度が1日当たり59ページ、少ない日で1日当たり24ページだと分かった。そこで、週末を挟んで2012年5月21日(月)に確認することにした。月曜になって、仕事が落ち着いた昼下がりに再び検索をしてみると、ああ……

復活!

依然としてInbound.orgの下位なのは少しおかしいが、とにかく元に戻った!

さらに、以下に示すように、「fresh insights nick eubanks」のような大まかな検索ワードでも記事が検索上位に戻ってきた。

結論と教訓

単純明快だ。過剰に最適化されたアンカーテキストは、危険を招く可能性があるアンカーテキストにターゲットとするキーワードを含むリンクは、かつてSEOにおける「聖杯」のような存在だったが、今では入念な計画と配慮を必要とするものになった

リンクプロファイルを発展させる際には、自然なものに見せかけるのではなく、実際に自然なものにすべきだ、というのが僕からのアドバイスだ。

もし君のアンカーテキストが「過剰に最適化」されているなら、ペナルティを受ける可能性があるので、労力と時間をかけてリンクを自然なものにする必要がある。アンカーテキストを、URLそのものや、少なくともより自然なアンカーテキストに置き換えてみるんだ。

自分を知らない人がページや投稿を偶然見つけて自然にリンクを張ることを考えてみれば、アンカーテキストはターゲットとするキーワードではなく、君の名前や、ページや記事のタイトル、あるいは「続きを読む」「詳細」などのより一般的な言葉になるはずだ。

僕の実体験が少しでも役に立ち、憶測が少なくなることを願っている。読んでくれてありがとう。

この記事の筆者

この記事は、Daily SEOmoz Blog に掲載された以下の記事を日本語訳したものです。

原文:「Recovering from an Over Optimization Penalty - A True Story」 by NickEubanks (2012/05/30)

記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ
翻訳:株式会社ガリレオ

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