否定的なレビューへの対応に欠かせない、たった1つの人間の能力(後編)

レビューをうまく活用することでビジネス成果を伸ばす――ローカルSEOの専門家17年の経験から「レビューをつながりの場にする」「レビュー対応の優先度」「対応に欠かせない人間の能力」を解説
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この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。後半となる今回も、今回に引き続いて評判管理の基本を見ていこう。→まず前編を読んでおく

レビューをうまく活用することで顧客サービスの改善や評判管理を進め、ビジネス成果を伸ばす――そのためのノウハウとして、ローカルSEOの専門家としての17年の経験から、次のことを解説する:

  • レビューでのやりとりと現実での対話はここまで違う(前編で解説
  • 効率的にレビューを把握して対応を考えるワークフロー(前編で解説
  • いかにしてレビューをつながりの場にするか
  • レビュー対応の優先度を考えるための統計データ
  • レビュー対応に欠かせない、たった1つの人間の能力

最適な返信率と双方向の会話を目標にする

君はローカルビジネスのオーナーとして、多くのことに時間を取られているだろう。それでも、私は専門家として次のことをアドバイスしたい:

  • できる限りすべてのレビューに返信するべきだ。

肯定的なものであれ否定的なものであれ、顧客が口火を切ってくれた会話を無視するのが賢明だというシナリオはない。電話の着信や店内を歩き回る顧客を無視することなどできないのと同様、オンラインでも無視するべきではない。

レビューを双方向の会話と考えることが君にとってやや新しい概念であれば、ほとんどのレビュープラットフォームは書き込んだレビューを編集できるようにしているのにはちゃんとした理由があることを考えてみよう。これは、顧客の多くは自らが書くレビューを継続的に更新する「生きた文書」と考えており、状況を改善または悪化させたその後のやり取りを記録するために更新しようとするからだ。

私自身の調査でもこれが事実であることが示されているし、複数の調査でも、顧客の大半は不満を解決してくれたブランドと引き続き取引する意思があると結論づけている。

これはつまり、ローカルビジネスはたいての場合、否定的なレビューをめぐって次のようなパターンをたどるカスタマージャーニーを管理できるということだ。

つっけんどんなレビューを書かれた場合、これは次のようものになるかもしれない:

あるいは、顧客がすでに満足しているなら、時間を取ってレビューを書いてもらったことについてお礼を言うとともに、次のように書くことで、また行きたいと思ってもらえる追加の提案ができるかもしれない:

ここでは、サルサの話題をきっかけにして双方向の会話に変わっていった。こうした対応を受ければ、顧客が次のように感じることは間違いない。

自分の話を聞いてもらって、大事にされている

顧客は、また来てほしいと言われ、意見を求められている。またレビューを投稿した当人だけでなく、既存の顧客も将来のすべての潜在顧客も、メアリーの返信を読み、このレストランが客との間に活力のある継続的な関係を築いていることが見て取れる。

重要なポイント:

自分のビジネスに肯定的なレビューを書いてくれたすべての顧客に「ありがとうございます」と言うだけではいけない。

メッセージの中から顧客が気にかけていることを示す手掛かりを探し、それを君が気にかけていることと結び付けよう。顧客をさらに引き込むための共通点を探して、もう一度来てもらうようにしよう。

実際のところ、レビューはどれほど優先するべきか?

私は長年にわたり、養蜂家から税理士まで、あらゆるローカルビジネスのオーナーの相談を受けてきた。明白な事実として、小規模ビジネスのオーナーは誰もが非常に忙しい。そのため、レビューを書き込んだ顧客と気軽に双方向の会話を積み重ねていくという考えに、全員が飛びつくわけではない

レビューの分析や管理をどれほど優先するべきかを理解するにあたっては、統計データを見ると、見方が変わる。ローカルビジネスのマーケティングに携わる1400人以上を対象にしたMozの調査「ローカルSEOの現状:業界レポート」の次の数字について考えてみてほしい:

回答者は、グーグルのローカル検索ランキングに及ぼす影響が2番目に大きいものとして、グーグルのレビューの各要素(件数、感情、オーナーの返信など)を挙げている。

もう1つのデータも見てほしい:

回答者の90%は、レビューがローカルパックに表示される順位に及ぼす影響を現実のものとして見ることに同意している。

集客数に直結する順位に関してはこれを見てほしい:

大手ローカル企業におけるこれらのマーケターの14%近くは、レビュー管理に注ぎ込むリソースを増やす必要があることを認識している。

いっぽう、この調査の別のセクションでは、代理店やSEO事業者がクライアントから支援を求められる分野に関しても調べている。しかしそのデータをみるに、クライアントにレビュー管理の支援を求められたという率は低く、11位だった。

このような統計は、成功するローカルビジネスを経営するうえでレビューが果たす重要な役割に関する認識が成熟していることを示している。レビューのあらゆる要素の管理に、優先的に時間を費やす価値はある。

これらのデータの詳細は、資料をダウンロード(無料)して確認してほしい:

レビューの行間を読むことを習慣にする

Moz Localソフトウェアは、レビューが1件書き込まれるたびに通知されるほか、顧客サービスの全体像が分かる方法でレビューデータをさまざまな角度から分析するのに役立つ。すでにこのソフトウェアを利用している人は、評判管理を容易かつシンプルに始められる準備が整っていることになる。

しかし、レビュー管理製品を最大限に活用するには、ツールだけでは足りない。ダッシュボードに人間の能力を加味する必要がある。その能力とは、レビュー本文の行間を読む能力のことだ。

レビューとして投稿される文章の特徴といえば、こんな感じだろう:

  • 簡潔で
  • 曖昧で
  • 辛辣で
  • 時に納得のいかないこともある

しかし、書き込まれた文章の向こう側には生身の人間がいる(スパムは別として)。そしてほとんどの場合、書き込まれた要望に対してはビジネス側が適切に対応しなければならない。

相手を特定できなかったり、不満を伝える態度が失礼だったりするレビューでも、自分がとても大事にしている誰かと顔を突き合わせて問題を訴えられている姿を想像してみれば、倫理的に正しい行動が取れる。

隣人としてのコミュニケーションを強化することを意識的に意図して、そうした好ましい立場から返信してみると、特に大きな不満を持っている人でも、より満足した、より忠実な顧客に変える能力が自分にあることを知って、嬉しい驚きがあるかもしれない。

最後に実際のレビューを引用するが、大変長いので抜粋する。顧客サービス戦略を構成する重要な要素としてレビュー管理への取り組みを強化するうえで、注意して見てほしい手掛かりや肯定的な反応に下線を引いた。

既存の顧客のニーズや懸念に積極的に対処して話を聞くことは、かつてないほど重要になっている。そうした対応は、潜在顧客の目にも留まるだろう。

宣伝:

Moz Localの新プラン(Lite、Preferred、Elite)は、機能や柔軟性を強化することで、ローカルビジネスとそのマーケターのニーズによりうまく対応できるように設計されている。

これらの新プランのいずれかを利用すると、アラートを通じてレビューをモニタリングできるようになり、プランによっては、レビューに返信したりソーシャル上の投稿を活用したりできる。

この記事の筆者

この記事は、Moz Blog に掲載された以下の記事を、Mozの許諾を得て日本語化したものです。

原文: 「Basic Reputation Management for Better Customer Service」 by Miriam Ellis (2020/10/21)

記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ
翻訳:株式会社ガリレオ

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