サイト内検索を最大限に活用する7つのノウハウ

サイト内検索機能を強化すれば、サイトにプラスになるはずだ。
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サイト内検索機能を強化すれば、ユーザー体験の向上に役立ち、ユーザーが目的のページに到着するのを妨げる障害が減って、サイトにプラスになるはずだ。

サイトにまだ検索機能をつけていないなら、利用できるツールはいろいろある。どの検索アプリケーションがいいかなんてことを僕が勝手に言うのはやめておく。

サイト内検索機能実装のベストプラクティスについては、すでにさまざまなブログに投稿がある。たとえば、

  • ボタンの表示は「Go」ではなく「検索」にする。
  • 初期状態で大文字と小文字を区別せずに検索できるようにする。
    ※Web担編注:日本語ならひらがな・カタカナや送りがなの有無などか
  • 検索してもヒットするページがない場合は常に、キーワードを見直すよう勧める。

などなどだ。2008年にストニー・ドゥジェイテ氏が、ユーザーの使いやすさという重要な側面について多くを論じている)。僕は今回、サイト内検索からもっと成果を引き出すために利用できる、少し違ったテクニックを紹介したい。

ウェブ検索と同様に、サイト内検索でも、入力される検索キーワードを「意図」によって分類できるということは、考えておいていい。

  • ナビゲーション型
    直接的には、そのユーザーが前に訪問したことがあるとか、そういうページがあるはずと思っているといった理由で、行きつきたいと考えているページに到達することを意図する。

  • 情報探索型
    サイトにあると思われる情報を得ることを意図する。コンテンツを読む以上のやりとりは見込めない。

  • トランザクション型
    ウェブを介して何らかの活動を行うことを意図する。双方向なやりとりによって、そのクエリを実行するきっかけとなったトランザクションが発生するが、クエリの評価が最も難しい。

これらのタイプは、InfoVisの簡潔な説明を書き改めた(※Web担編注:過去記事「検索意図の4分類と便利な『キーワード分類表』の実例」にも検索のタイプに関する解説があるので参考にしてみてほしい)。

これらのことを念頭に置いて、まずは、このプロジェクトで君の役に立つデータの収集に目を向けよう。

サイト内検索をアクセス解析する方法
TIPS#1 検索行動に基づいてサイトの構造を調整する
TIPS#2 サイトのコンテンツの方向性は、検索行動を参考にする
TIPS#3 検索に制約をつける
TIPS#4 検索クエリを借用する
TIPS#5 各検索結果に個別のURLを割り当てる
TIPS#6 クリック課金(PPC)広告のランディングページ
TIPS#7 ウェブ検索のキーワードを利用する

サイト内検索をアクセス解析する方法

別に耳寄り情報というわけではないが、まずは、ユーザーがサイト上でどんな検索行動をするかについて、少しデータを集めよう。利用する解析パッケージには、サイト内検索の利用状況と効果を追いかける機能が必須だ。Google Analyticsでは、「コンテンツ」メニューから「サイト内検索」に進むと、こうした機能を利用できる。サイト内検索の手順説明に従って、検索のクエリパラメータをグーグルに登録しておけば、下に掲載したようなデータを見られる。

サイト内検索解析のダッシュボード(サマリー)で示されているデータの意味は次のとおりだ。

  • サイト内検索の利用数 ―― サイト内検索を利用したセッション数の合計。
  • 検索回数の合計 ―― サイト内検索が使用された合計数。同一セッション内の同じキーワードによる2 回以上の検索は無視される。
  • 検索結果の平均ページビュー ―― 検索結果ページのページビュー÷固有の検索の合計。
  • 検索結果の離脱 ―― 検索結果を見た後にサイトを去った検索者の割合。
  • 再検索 ―― 最初のキーワードとは別のキーワードで検索し直したビジターの割合。
  • 検索後の時間 ―― サイト内検索をした後にサイトに滞在した平均時間。
  • 検索深度 ―― ユーザーが検索後に閲覧した平均ページ数。

これで不十分な場合は、統計データをキーワード別に表示して、各検索の数字を見てもよい。

では、こういったデータを利用するテクニックを紹介していこう。

TIPS#1検索行動に基づいてサイトの構造を調整する

この情報を一覧するだけで、すぐに対応できる項目がわかることも少なくない。上の例では、コンテンツのカテゴリ名で多くの検索が行われている。このことから、自分の好きなカテゴリに基づいてコンテンツを探す方がユーザーにとっては好ましく、サイトのアーキテクチャやナビゲーションをこうした傾向に合わせて改良するほうがいいとわかる。たとえば、「カテゴリ」メニューやタグクラウドなどを加え、最も検索されている語句を列記しておくといった、簡単な変更でも効果的だ。

ユーザー体験をもっとよくしようと思うなら、ナビゲーション型の検索でいちばん多く探されているページに直接行けるリンクをトップページに配置するなどしよう。

TIPS#2サイトのコンテンツの方向性は、検索行動を参考にする

比較的大規模なサイトでは、大きなチャンスをものにしようと思えば、多くのユーザーが入力するのにサイトを去ってしまう割合が高い検索キーワードに注目するといい場合が多い。

こういう場合、ユーザーは自分がどういう種類のコンテンツや製品(ECサイトの場合)を求めているのかを明確に教えてくれているんだ。これにはすぐに対応できるし、対応しなければならない。

TIPS#3検索に制約をつける

検索はナビゲーションツールと考えることができ、長いカテゴリリストに目を通すよりも効果的に、ユーザーが必要とするページを見つける手助けをするものなので、きちんとしたサイトアーキテクチャで構築されているサイトなら、これをサイト内検索に反映させられる。こういうサイトでは「フリー検索」のテキストボックスを設けるのではなく、構造に沿った形で検索していくように、ユーザーを「制約」して誘導するフィールドをたくさん用意できる。

たとえば、TrustedPlacesには、店の種類や郵便番号で検索できる機能がある。

このタイプの検索フォームなら、ユーザーが十分な検索情報を入力して、1回目の検索で質の高い検索結果を確実に得られるようにできる。(たとえば、大まかすぎる検索語のせいで)期待はずれの検索結果が表示されれば、ユーザーは検索し直さなければならなくなるか、さもなければ、あっさりと去っていってしまうだろう。

TIPS#4 検索クエリを借用する
TIPS#5 各検索結果に個別のURLを割り当てる
TIPS#6 クリック課金(PPC)広告のランディングページ
TIPS#7 ウェブ検索のキーワードを利用する

TIPS#4検索クエリを借用する

ナビゲーション型の検索では、検索結果ページではなく、コンテンツのページに直接到達する方がユーザーにとっては好都合な場合が多い。たとえば、SEOmoz.orgで「検索順位決定要因(ranking factors)」を検索しているユーザーには、このクエリの検索結果ページではなく、検索順位決定要因に関する調査結果のページに直接行けるようにする方が便利になる。

検索ページではなくコンテンツや閲覧用ページにユーザーを誘導することで得られる大きなSEO上のメリットは、「widgets」の単なる検索結果ページではなく、「widgets」のためにうまく作成されたページにリンクするようにユーザーを促せることにある。検索結果ページでは、グーグルで検索上位に入ったり、コンバージョンにつながったりする見込みは薄い。

検索量の多い語句の上位100を毎週あるいは毎月チェックして、ナビゲーション型の検索を特定し、ターゲットになっているページが表示されるようにするのに、さほど時間はかからない。

TIPS#5各検索結果に個別のURLを割り当てる

検索結果ページのURLが、(たとえば、フォームの送信にPOSTメソッドを使用しているといった理由で)入力された検索クエリごとに異なるURLではない場合、多くの検索トラフィックを得るチャンスを逃す恐れがある。グーグルは通常、自分のところの検索結果に他サイトの検索結果ページを表示しないようにしているが、多くの場合、「検索結果」は独特なので、検索結果として表示すべき関連性の高いページになりうる。

たとえば、自分のサーバーと近いIPアドレスのサイトを探すmyIPneighborsはとても便利なサイトだと思う。ここの検索ページが「www.myipneighbors.com/check/www.seomoz.org」とでもいったようなURLにリダイレクトされるなら、ドメイン名に関するウェブ検索のロングテールにおいて十分競争力を持てるはずだ。

TIPS#6クリック課金(PPC)広告のランディングページ

僕が気に入っている社会調査の結論によると、「toaster」(トースター)といった具合に、言葉の単数形で検索するユーザーは、買う気が強いので、製品ページに誘導するのがいいらしい。これに対して、「toasters」といったふうに複数形で検索する人は比較検討したいと考えており、さまざまな選択肢を提供する方が反応がよいという。

これはつまり、有料検索キャンペーンを行っている者にとって、サイト内検索の結果ページは商品の比較ができるランディングページを提供する手っ取り早い方法になるということだ。それに、ユーザーは少なくとも表示された検索結果の1つか2つは訪問するものなので、こうしたページは通常、直帰率が低い。

「toasters」で検索してみると、この手法を利用したサイトのPPC広告が表示される。MoneySupermarketLakeland Plasticsといったサイトが、検索キーワードに対応したサイト内検索の検索結果ページをランディングページとしたPPC広告を出しているのだ。一方、「washing machines(洗濯機)」というクエリによるトラフィックをサイト内検索の「該当する検索結果はありません」というページに誘導しているサイトもあった。Asdaだ。こんな風にPPC広告の予算を無駄にしてはいけない!

TIPS#7ウェブ検索のキーワードを利用する

これは、自分のサイトに応用できれば、すばらしいアイデアだと思う。ビジターがウェブの検索エンジン経由で訪問してくるなら、その検索キーワードを検索ボックスにあらかじめ表示しておくようにするといい。以下は、YouTubeでのごく基本的な例だ。

このアイデアの実践例で僕が気に入っていたものの1つは、Flickrのものだった。ウェブ検索から画像ページに行くと、サイト内検索用の検索ボックスにあらかじめキーワードが入力されており、その上のポップアップメッセージから、その検索キーワードでヒットする画像が他にいくつあるかがわかった。

たとえば、「『メキシコの覆面レスラー』にマッチする画像が809件あります」というふうに表示されるわけだ。これは、サイト訪問者の滞在時間を延ばす(そして、ウェブ検索や画像検索に戻らせない)ことを狙ったものだが、どういうわけか、このところFlickrはこの機能をなくしてしまった。

この記事の筆者

この記事は、Daily SEOmoz Blog に掲載された以下の記事を日本語訳したものです。

原文:「Getting the Best From On-Site Search on your Website」 by RobOusbey (2009/10/26 04:24 PDT)

記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ
翻訳:株式会社ガリレオ

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