40分でできるホームページ診断 ~最低限クリアしたい40項目のチェックシート

SEO? ユーザビリティの向上? それ以前にしなきゃいけない「サイト作りの基本のキ」を、あなたのサイトではちゃんとできているだろうか?
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40分でできるホームページ診断

最低限クリアしたい40項目のチェックシート[訪問者目線編 2008年版]

SEO? ユーザビリティの向上? それ以前にしなきゃいけない「サイト作りの基本のキ」を、あなたのサイトではちゃんとできているだろうか?

高度な施策に目を向ける前に、最低限クリアしておきたいチェックポイントをまとめてみた。あなたのサイトは何点とれるだろうか?

TEXT:編集部
協力:株式会社 環

ウェブサイト作りの基本のキ

SEOやユーザビリティに限らず、キーワード広告、アクセス解析、LPO、リッチインターフェイスなど、サイトの効果をアップさせる手法はさまざまあり、Web担でも詳しく解説してきている。

しかし、そういった施策にコストを割く前に、現状の自社サイトが、訪問者が「あれれ?」とマウスをうろうろさせてしまうような状態になっていないか確認したことがあるだろうか。

そんなあなたのために、ウェブサイトに必ず設けておくべきページや記載内容、そして、最低限クリアしておくべきデザインの要素などに関して、「うっかり」ダメなサイトになってしまわないためのチェック項目をチェックシート形式で示す。チェックシートは2枚あるので、今すぐに自分のサイトで試してみてほしい。

この評価チェックシートの目的と使い方

このチェックシートは、「自社サイトが訪問者にとってどれぐらい使いやすいか」を全体として客観的に判断するための、簡易的な診断項目と診断方法を示すスコアシートとして作られている。

Web担当者として、まず自分のサイトで「うっかり抜けていた」点をなくすことを第一の用途として使ってほしい。また、同じ基準で評価することで他社サイトとの比較にも使える。

もちろん点数は高いほうがいいが、このシートで満点をとったからといって「すばらしいサイト」となるわけではないことに注意してほしい。厳しい言い方をすれば、このチェックシートで満点をとることが企業サイトにとっての入り口となるのだ。

このシートが主に対象としているのは、製品情報なども含めて100ページ程度またはそれ以上ある企業サイトや、ECサイトなどだ。ただし、それ以外のサイトでも、一部あてはまらない項目内容があることを除けば問題なく利用できるはずだ。

40分でできるホームページ診断チェックシート

このチェックシートは、株式会社環の作成した「Kan Site Evaluation Index(環ウェブサイト評価指標)」を元にしたもので、環が通常使っているスコアシートから、基本的な項目を抽出した簡易版である。

「訪問者目線編」とあるように、サイトを訪れた人の立場で判断できる内容を中心にしており、セキュリティや運用体制のような、外からは判断できない項目は省いてある。

このチェックシートについて:
「見た目」や「検索エンジンで○位」ではなく
ユーザー視点で客観的に調べ直すための指標として

「見た目」や「検索エンジンで○位」ではなく
ユーザー視点で客観的に調べ直すための指標

中村 泰輔氏
株式会社 環
営業統括部 リーダー
この診断チェックシートの元となったKan Site Evaluation Index(環ウェブサイト評価指標)を作った環の中村氏に、指標作りの意図や使い方を伺った。

ホームページ診断書を始めたきっかけは?

自社のサイトが本当に良いのか悪いのかを定量的に測る手法をだれでも簡単に使えるようにと考えて作りました。「サイトが良いのか悪いのか」を判断するためには、ライバル企業だとか、目的が同じ他のサイトを見ながら同じ基準で評価し、それと自分のサイトを比較して判断できるように作ってあります。

今はみなさんアクセス解析をしてサイトのパフォーマンスを評価していると思うのですが、アクセス解析でわかるのはページビュー数だとかユーザー数だとか、訪問者がたどった動線という「結果」なんですよね。でも、その結果には出ない部分もあるはずなので、アクセス解析データと併せて判断する指標として作りました。

どんな風に使ってほしい?

どこか競合と比較して、自分のサイトが優れているのか劣っているのかを、改めて実感してほしいですね。

見た目のビジュアルデザインで「何となく良い」だとか、SEOで順位が上がった下がったで一喜一憂するのではなく、ユーザー視点で客観的に調べることで、自社サイトに弱点がないかを改めて見直してほしいです。最初にウェブサイトを作ったときは気にしていても、少しずつサイトをいじっていくうちに、基本的な要素がうっかり失われてしまうこともありますから。

また、ウェブサイトのリニューアルをするときなどに、制作会社がちゃんとこういった点を理解しているかをチェックするためにも使えますね。発注する側が的確に判断できるようにする土台に使ったり、または制作会社を見極めるために質問する素材として使うのもいいでしょう。

もちろん、診断するのはサイトを改善するための準備ですから、結果をみて問題のある点は修正していかなきゃ意味がないです。このホームページ診断に含まれている項目は基本的なことばかりなので、細かくチェックしていって全部クリアするようにしたいですね。もちろん、サイトの規模感や改修の費用対効果によって優先度は付けるべきですが。

何点とれば合格でしょうか?

点数に関しては、及第点とか合格点という考え方はとっていません。漏れている点がないかをチェックする用途で使ってほしいですね。

リニューアル時の要件検討や他社との比較をするための入り口としては、特に何点で合格という考えではなくなりますね。診断で外側をチェックして、その後アクセス解析で内側をチェックして、そこからリニューアルに進むことが多いです。

実際に、当事者が認識していなかった問題点を診断書で明らかにして他社と比べることで「あ、うち悪いんだね」と現状を認識できた例も多いです。

ちゃんとできていて当然の部分をまず押さえたうえで、ユーザー視点に基づいたリニューアルを行う土台ですから、強いて合格点を設定するとしたら……満点でしょうか。

なぜ環がホームページ診断を?

そもそも環のビジネスの軸は、アクセス解析をもとにしたウェブサイトのトータルソリューションの提供です。制作、リスティング広告、LPO、ユーザービリティなど、コンサルティング全般を行っています。「使い勝手の良いウェブサイト」の足回りを全部そろえられるように、システム開発も自社で行う態勢をもっています。

以前からアクセス解析とあわせてホームページ診断はやっていたのですが、2007年ごろにアクセス解析とサイト制作という2つの仕事の軸が近づいてきたので、改めてホームページ診断という形でまとめ直したのです。アクセス解析を使った定量的な解析による現状分析は以前から得意だったんですが、デザインや要素などの定性的な部分に関して、このメソッドで強化した形ですね。

制作会社が基本を理解しているかチェックしたり質問したりするのにも使えますよね

株式会社 環
http://www.kan-net.com/

2000年2月に制作会社として設立され、「アクセス刑事」をはじめとする各種ツールを提供してきた環は、ウェブサイト制作とアクセス解析サービスを中心とし、さらにLPO、SEMやシステム開発なども併せて提供することで、企業サイトで「結果を出す」ことを旨として活動している。 2003年1月からは、7つの大学・研究所との産学共同研究により、消費者行動マーケティングにつなげていくための基礎研究を行っている。 現在同社が提供する代表的なサービスとしては、次のようなものがある。

この記事の筆者

Web担編集部