訪問者をセグメント化し、顧客インサイトを見抜いたおもてなしが売上へとつながる | アクティブコアセミナーレポート(EC・ウェブストア編)

「サイト訪問者をセグメント化して成果に繋げる手法」のEC・ウェブストア編セミナーをレポート
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サイト全体でアクセスを分析しがちですが、顧客セグメントごとに、ランディングページを変える、コンバージョンに貢献するリンクを張るなど、施策は変わります。

なぜその商品を購入したのか、本人が意識していないホンネ(インサイト)がわかれば、次の施策を打つことができます。

アクティブコア主催のセミナー「サイト訪問者をセグメント化して成果に繋げる手法」が6月から7月にかけて開催された。EC/BtoBサイトにおける収益を上げるためのマーケティング事例が解説された、セミナーの様子を2回に分けてレポートしていく。

この記事では、顧客セグメントの基本的なプロセスと、モール型のECサイト「47CLUB」、ブランドショップ「GOLDWIN WEB STORE」の事例をお届けする(BtoB編レポートを読む)

  • EC編:お取り寄せサイト47CLUBがCVR6.5%を打ち出すレコメンド成果の秘訣(6/13開催)
  • ウェブストア編:第三者配信とレコメンドでリピート率35%アップ:ゴールドウインウェブストアの活用事例(7/19開催)

サイト訪問者をセグメント化し、顧客の行動プロセスをWebへと置き換える
アクティブコア 山田 賢治氏

本セミナーを主催するアクティブコアでは、アクセス解析・広告効果測定の「ac cruiser」、行動ターゲティングLPOの「ad insight」、レコメンドの「ac propoza」で構成される「レコメンドウエアハウス」ソリューションを提供している。

各セミナーでは、まず同社代表取締役社長の山田賢治氏がそれぞれの製品を簡単に説明し、「本日は自社サイトの訪問者をセグメントすることにフォーカスしたい」と、全体のテーマでもあるサイト訪問者のセグメント化を重要なポイントとして挙げる。

株式会社アクティブコア
代表取締役社長
山田 賢治氏

アクセス解析でよく使われるユーザー行動のイメージは、トップページなどのランディングページから詳細ページへと入ってくる、ファネル構造的なものです。しかし、実際のお客様の行動は異なります。1回で商品購入する人もいるが、実際には何度か訪問してからアクションするのがほとんどです。初回訪問や再訪問、会員や非会員などでも異なります。

自社サイト内で訪問者がどのように行動しているのか、動きの傾向が見えているか否かで、成果に差ができると山田氏は指摘し、いくつかのセグメントのパターンを紹介した。たとえば、ECサイトであれば、次のようなパターンが代表的だ。

  • サイト訪問:初回訪問/再訪問
  • 会員登録:購入経験のない会員/定期間購入のない会員
  • サンプル購入:サンプル購入なし/本番購入なし
  • 本番購入:初回購入(購入1回)
  • リピート購入:購入2回以上/購入金額/顧客ランク/定期購入

こうしたセグメントのパターンは、サイト訪問者の目的(アクション、行動プロセス)によって変わってくる。

サイト訪問者のセグメント化と行動データの分析

コンバージョンしないユーザーの行動を知る

加えて、「コンバージョンした人を見ることも重要ですが、コンバージョンしていない人を見ることでわかることもある」と、山田氏は機会損失のセグメント設定を提案する。

機会損失のセグメントとは、コンバージョン(アクション)に至ると思われる行動をしたのに、コンバージョンしなかった訪問者を分類することだ。「サイト内検索(商品検索)を何回も実行しているがコンバージョンしない」「商品詳細を見てもダウンロードしない」「フォームに到達したが申し込みをしない」など、いわゆる●●をしたが××をしていないパターンが該当する。

通常は、何かしらのコンバージョンした人をグルーピングするものですが、行動していない、ログにないことを見つけ出さなくてはならないため、ログ解析ツールからはわかりにくい。アクティブコア(ac cruiser)では、××をしていない訪問者をグルーピングできる機能を提供しています。みなさんのサイトの性格に合った形で訪問者をグルーピングしてほしい。

セグメントの要素は、コンバージョン1つをとっても、購入金額、性別、会員ステータス、最終購入日などがあり、流入元もさまざま。しかし、これらを掛け合わせることで、いくつかのグルーピングができてくるため、サイト上のアクションをトラッキングし、顧客の行動プロセスをWeb上の行動に置き換えることが重要となる。こうした、セグメント項目の「AND/OR」の掛け合わせにac cruiserは対応していると山田氏は説明し、5つのセグメント化の手順を示した。

セグメント化のステップ
  1. 自社の顧客プロセスをウェブ上の行動へ置き換える
  2. 顧客のイベントをトラッキングできるようにする
  3. 訪問者をセグメント化して評価・分析する
  4. CV(売上)に貢献する訪問者の行動を分析する
  5. 施策を決定・実施・検証して改善する

本来、セグメントとは人に合わせて行うものであり、ツールもそうあるべきです。新規とリピータでは、直帰率やコンバージョン率は違うはずですが、区別せずにサイト全体で分析しがちです。セグメントごとに、ランディングページを変える、コンバージョンに貢献するリンクを張るなど、施策は変わります。つまり顧客ステージにあわせた施策が必要であり、どのステージに顧客を誘導すべきかは、データを見ることでわかってきます

サイトごとに最適な施策は違っても、大切なのは、自社サイトの訪問者を理解したうえで施策を考えることだ。商品詳細ページへたどり着く前に離脱するユーザーに対しては、商品詳細ページではなく離脱前のトップページやランディングページでアプローチするべきだろう。過去の行動履歴がない新規訪問者や非会員に対しては、流入元の広告や検索キーワード別にLPOを行い、再訪問者や会員には無料サンプルや再購入を訴求する。

特にレコメンドに関して、「パーソナルレコメンドはできるだけ上位層のページでやるほど効果が上がりやすく、リマインドはカテゴリ単位で実施するのが有効」だと山田氏は話す。こうした施策を実現するためのプラットフォームをアクティブコアでは提供している。

最後に山田氏は、会員IDとひもづけた分析機能、メール配信システムやCRM上の行動履歴データとの連携、第三者配信に対応した分析など、多数の機能を紹介したうえで、次のように話し、講演を締めくくった。

訪問者をセグメント化するには、顧客の行動をウェブ上の行動に置き換えていただき、お客様のイベントをトラッキングできるようにすることです。サンプル購入し、会員になり、リピート購入した。こうした態度変容をデータとして取れるようにし、コンバージョンに貢献した要素を訪問者の行動から分析する。

場合によっては、特定の行動をしていない人の分析もできると、さらに比較して施策を決定できます。我々は、そのプロセスのお手伝いしたいと考えています。

EC編
顧客インサイトを知り売上につなげる、ECサイトのセグメント化実例
アクティブコア 安藤 洋介氏

6月23日開催のEC編セミナー、「サイト訪問者をセグメント化して成果に繋げる手法:EC編」では、アクティブコアの山田社長に続き、レコメンドウエアハウスの導入サポートとコンサルティングを行う安藤氏が講演。ECサイトの訪問者をセグメント化するための具体的なTIPSを紹介した。

株式会社アクティブコア
シニアコンサルタント
安藤 洋介氏

はじめに安藤氏は、ユーザーの行動や態度の奥底にある「顧客インサイト」を知ることが顧客のセグメント化において重要だと話す。

顧客インサイトとは、本人が意識していないホンネを見抜くことです。何を購入したかだけでなく、なぜ購入したかを考えなくては本当のインサイトはわかりません。しかし、「なぜ」がわかれば、次の施策を打つことができます。

新規顧客獲得、リピータの売上増、購入単価の向上など、ゴールは異なるとしても、ECサイトの大きな目的は収益獲得だ。一方、商品を買った人には、もともと欲しくて買った人もいれば、単にタイミングが良かった場合などもある。効率よく顧客を獲得する施策を実施するために、これらの顧客インサイトを把握しようというのが安藤氏の提案だ。

同じECサイトでも、訪問する顧客のインサイトには「目的の商品が決まっている人」「1週間前に見た商品を買いに来た人」「なんとなく商品を見に来た人」などがある。安藤氏は、こうした顧客インサイトを踏まえた、ECサイトの施策について次のように話す。

目的の商品を探しに来た人が、この商品ではないと思ったときには、別の商品に誘導する仕組みが必要です。1週間前に見た商品を買いに来た人には、リマインドなどで前回見た商品にアクセスしやすくし、機会損失を減らす。なんとなく見てみようという人には、買ってもいいと思わせるように試供品などを見せる。インサイトを見抜き、顧客に「これがほしかった」といものを自然に見せる。

ただし、あまり関係ないものを見せても効果は薄い「関連性の高いものを見せられるかどうか、これをツール選定の基準の1つにしてもらいたい」と安藤氏は続ける。

次に安藤氏は、顧客インサイトをふまえ、ECサイトへ訪問するユーザーをセグメント化する方法を説明する。このとき、数千、数万人のユーザー1人ひとりをセグメント化するのは現実的ではないため、新規/リピータ、会員/非会員、購入単価など、ある程度グルーピングすることが重要だ。そして、セグメントごとのインサイトに合わせ、適切なタイミングで訴求を行う。具体的なアクションとして、いくつかの事例も紹介された。

後の講演でも紹介される、ブランドショップ「GOLDWIN WEB STORE」では、ブランドごとに顧客の目的が違うので(アウトドア、水泳、テニスなど)、他のブランドを合わせて買うことは少ない。そこで、カートページでは同じブランドのおすすめの商品を見せ、クロスセルを行っている。

また、初回訪問時のトップページでは、全体のセール情報などをバナーで示し、特定のブランドを選んでいるユーザーにはブランドのバナーを見せ、ブランドのページに進みやすくしている。アクティブコアの「レコメンドウエアハウス」導入から3か月ほどで、離脱率も改善されているそうだ。

最後に、安藤氏はいくつかの事例を示したうえで、セグメント化のポイントを次のようにまとめた。

トップ、商品詳細、カートのレコメンド、それぞれ目的は違ってもポイントでレコメンドを見せることで効果が向上します。みなさんコンバージョン率や直帰率は分析するでしょう。しかし、その数値をだけを見るのではなく、数値に表れるユーザーの行動を見るべきです。新規、リピータなど、セグメントにあわせて施策を打つことで効果を出すことができます。

  • 担当者の行動につながるKPIを設定、EC素人からプロ集団に
  • 訪問者を理解したパーソナライズでリピート率をアップ

EC編
担当者の行動につながるKPIを設定、EC素人からプロ集団に
電通 三橋 良平氏

株式会社電通
BIソリューション局 ダイレクトビジネス室 ECソリューション部
三橋 良平氏

続いてEC編セミナーに講演したのは、全国の地方新聞社と電通が共同設立したECサイト「47CLUB(よんななクラブ)」のEC事業立ち上げや運用改善を行う、電通の三橋良平氏。

2008年7月に会社設立、2011年には単年度黒字を達成した47CLUBがどのように成果を上げてきたのか、「ECの経験者が1人もいない素人集団の状況から、プロフェッショナル集団になった」と話す三橋氏が、「47CLUBのレコメンド成果の秘訣」と題した講演で詳細を語った。

47CLUBは、地方新聞社が厳選した地域の逸品2万商品以上を取り扱うモール型のECサイトで、「出店料」「ロイヤリティ」「広告費」「セミナー参加費」などが主な収益源となっている。

サイトのゴールは収益拡大にあり、47CLUBの収益拡大要素は「出店店舗の拡大」「流通総額の拡大」「広告、セミナー料の拡大」に分解される。さらに詳細に見ていくと、流通総額の拡大には「店舗の売上増」、すなわちCVR向上とサイト(店舗)への流入増が影響してくる。

基本的なビジネスモデルを説明しながら、三橋氏は「徹底的に数字にこだわり、当たり前のことを実直に行ったことが結果につながった」と、KGIを「売上」、KPIを「流入数」と「CVR」にして改善を行ったと説明する。ただし、日々数字をながめていても具体的なアクションには結び付かない。そこで、各担当部署で日々の仕事が数字として表れるように、KPIを「流入数」と「CVR」に分解し、数値を見られる仕組みを整え、行動に反映しやすくした。

各部署で数値を見ていき、それらを行動に反映できる、わかりやすいKPIを作ったことが社員の行動意識を芽生えさせることにつながった。ただし、実現するにはモニタリングと社員への啓蒙も欠かせない。また、データを流れで見ていくことも必要ですから、エクセルで簡単に見られるようなツールを開発しました。

さらに47CLUBでは、限られた予算内で広告の流入効果を最大化するため、サイト流入から購買行動までの流れの最適化として「ad insight」を、利便性の高いレコメンドのために「ac propoza」を導入している。以前は他社のレコメンドツールを利用していたというが、ECサイトでは数字を見つつ迅速に変更できることが重要なため、柔軟性の高いチューニングが採用の決め手になったと三橋氏は説明した。

その一方で、自動化するだけでは他社との競争優位性を生み出すことはできないと、三橋氏は47CLUBのコンセプトとして「オーディエンスデータ」×「テクノロジー」×「おもてなし」を掲げていると話した。

おもてなしの設計では、さまざまな状態のお客様が来訪するサイトの特性を踏まえ、お客様の来訪状態、サイト内導線の可能性をすべて洗い出して仮説を作ります。困っているお客様がいれば、店舗で「どうしましたか?」と店員が話しかけられるように、サイトの導線上に最適なおもてなし(レコメンド)を設置する。

このように最適なレコメンドを実施するためには、顧客インサイトの把握が大切だ。そのため、徹底的にユーザーの流入経路とサイト内行動を分析し、重要ページを特定した。さらに、サイト内行動と離脱ルートを数値で確認し、仮説の検証を行ったうえで、最適なレコメンドのロジックを設計している。

レコメンドロジックの例
表示箇所(ページ)ロジック
商品詳細ページ閲覧アイテムレコメンド
商品閲覧履歴アイテムリマインド
購入完了ページ期間内購入アイテムレコメンド
おすすめ情報パーソナルレコメンド
エリア別ランキング購入+閲覧ランキング
総合閲覧ランキング閲覧ランキング
総合売上ランキング購入ランキング
同一店舗売上ランキング購入+閲覧ランキング
都道府県売上ランキング購入+閲覧ランキング

最後に、三橋氏は「“当たり前のことを実施するのは意外と難しい”けれども47CLUBの社員は日々変化する“当たり前”を実施できた」と話しながら、今後の展望として、おもてなしの向上、レコメンドメールの実施、流入の更なる最適化などを挙げる。また、「ECはサイト改善など人手がかかる点は多い。それ以外を自動化できればリソースを最適化できるだろう」と話し、ツール選択のポイントを説明した。

ECサイトのマーケティングツールに必要なこと

導入段階
  • 顧客データ、アクセスデータと連携しやすいか
  • レコメンドやLPOをしたがために、サイト表示が遅くならないか
  • スマホなどさまざまなデバイスに対応しているか
  • 社員の全員が簡単に使えるか(ダッシュボードのビジュアル化)
運用段階
  • サイト上のアクティビティを一元管理可能か
  • データに基づいたサイト内施策が行いやすいか(ボタン1つで変更できるか、など)
  • ネット広告への出稿計画と連携できるか
  • 顧客データ分析が容易か
  • ロジックの変更を行いやすいか
  • 適度な自動化ができるか(ロジックをもとに最適化できるか)

ウェブストア編
訪問者を理解したパーソナライズでリピート率をアップ
ゴールドウイン 貫井 淳氏

株式会社ゴールドウイン
ダイレクトマーケティング営業部
ダイレクトマーケティンググループ
貫井 淳氏

最終日のセミナーは、「リピート率35%成長を続けるゴールドウインウェブストアの活用事例」と題し、ECサイト「GOLDWIN WEB STORE」の改善事例について、ゴールドウインの貫井淳氏が解説した。

GOLDWIN WEB STOREは、20ブランド(7月時点)を扱うブランドECサイト。約4万2,000点の商品数があり、流入経路だけでも、ウェブストアのトップ、ブランドトップ、ブランドごとの商品ページ、ブランドの商品詳細ページ、ブランドカテゴリほか、相当な数になる。そのため、LPOを非常に重視していると貫井氏は話す。

LPOが一番有効だったのは購入後の移動先ページです。購入完了後はウェブストアのトップページに移動しますが、ブランドページに直接来て購入した方は、そのブランド単独で買ったと思われます。しかし、買った後にウェブストアのトップページに戻り、セールなどショップ全体のメインビジュアルが表示されると戸惑ってしまう。

そこで始めに手を入れたのが、トップページの最適化だ。ブランドサイトからウェブストアに来た人には、ブランドのビジュアルを見せ、ブランドサイトに行けることを認知させる。この効果が非常に高いという。訪問したユーザーを逃がさず、再度検索や購入をしてもらい、リピーターになってもらうためには重要な施策になる。

ウェブストアのKPIは、売上拡大につながる「CVRの改善」と「購入者数」。特に新規訪問者の獲得とリピート率の向上が一番の課題だ。合わせて広告媒体ごとの評価も行う。また、4万点もの商品があると、在庫が1つしかない場合もあり、在庫切れが一番の問題になってくるため、在庫切れが表示された回数を計測できるようにしている。毎日の運営では、サイトの流入に異常値がないか、その要因は何か、細かく見ているという。

一番の課題にしている新規とリピーターの比率ですが、2011年から2012年にかけてリピート比率を20%から28%に伸ばしています。当たり前のことですが、「訪問者×CVR×購入単価」が売上になり、やはりリピートを伸ばすことで、CVRや購入単価を含め売上が上がってくる。会員総数も伸びていますが、売上目標を達成するためには、どこかで逆算しなくてはならない。現在は、ほぼ目標に近い数値で会員数は推移しています。

次に貫井氏は、効果測定を基にした改善施策について説明する。新規訪問獲得については、特にリスティング広告の改善が効果に出ている。今まで、ブランドに関係する検索であればブランドページをランディングとしていたが、より細分化してニーズに合ったものに変更したことで、効果が上がってきたというのだ。そのため、現在は広告掲載文の精査を行っている。

パーソナライズによる導線の改善では、「なかでも効果あったのは、閲覧履歴で前に見ていた商品に戻れるようにしたこと」だと話し、「今は5個の製品をだしているが、戻れることはユーザーにかなりのメリットになると思います。この部分からのCVRは非常に良いものになっています」と続ける。さらに、アクティブコアとはレコメンドツールのac propozaを含めて打ち合わせをしている最中だという。

また、アクセス解析・広告効果測定ツールのac cruiserを用い、サイト内の行動からユーザーをセグメント化した効果測定も行う。「新規と再訪問を比較すると、新規で買われる方は少ない。セグメント別に流入元が見られ、特にリスティングには効果的に反映できることなので、今実施しているところです」と、流入元の差異を発見し、集客施策へフィードバックしていると貫井氏は話した。

続けて、貫井氏は現在最も力を入れているという、リピート率向上の施策についてまとめる。ポイントは、会員登録メリットの訴求、リターゲティング、パーソナルレコメンドの3点だ。

会員登録は、今までメルマガやバナーでバラバラに案内していたが、バナー経由のランディングを1ページ作り、メリットをまとめてわかりやすく表示したことで、「今までのコンテンツを1日10クリックほどだとすると、10倍近くまで伸びています」という。また、ディスプレイネットワーク広告の効果向上も行う。そして最大のキーとなるのが、パーソナルレコメンドだ。

今年の秋には、各ブランドのトップページにおいて、ブランド訪問者ごとにパーソナルレコメンドを行う予定です。メルマガでもパーソナルレコメンドの実装を準備している。もう1つは、LPOとレコメンドをプラスして何かできないかということ。実際、ad insight(LPO)とac propoza(レコメンド)の掛け合わせができるようになっている。ここで分析したデータをもとに、どうやって見せるかが課題なので検討している。

やはりパーソナライズをどこまで実施するかが、確実に売上を伸ばすことだと、注力しています。また、パーソナライズというと、再訪問のことと思われがちですが、新規訪問者のパーソナライズをどれだけできるかも課題だと思っています。

リピータだけでなく、新規も含めたパーソナルレコメンドをどこまで実施できるか、それが売上を伸ばす最大のポイントになると貫井氏はいう。最後、貫井氏は今後の展開としてレコメンドのさらなる改善、実店舗とウェブストアの連携を行っていることを話し、講演をまとめた。

まとめ
  • サイト訪問者をセグメント化し、行動プロセスをWebへと置き換える
  • 顧客のインサイトを見抜き、セグメントにあわせて施策を打つ
  • 訪問者の目的に合わせ、ポイントでレコメンドを見せることで効果が向上
  • 徹底的に数字にこだわり、Web担当者の行動に反映しやすいKPI設定して効果を最大化
  • パーソナライズとLPOを掛け合わせ、リピート率、コンバージョン率をアップ
この記事の筆者

Web担編集部

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