広告運用は勘ではなくAIに頼れ! 蓄積データから高精度ターゲティング&CPI保証のAppierがスゴイ
広告運用はタスクが多く、激務になりがちだ。マーケターの勘や経験値に頼っている部分もあり、成果を上げるのも一苦労である。
広告運用においては、AIを活用することで人間がプランニングをするよりも、より正確に最短距離でゴールにたどり着くことができます
こう話すのは、Appier Groupの栃薮(とちやぶ)耕介氏だ。同社は2012年に台湾で創業し、世界17拠点にマーケティングに特化したAIソリューションを提供している。導入企業は1,500社以上にのぼる。今回は栃薮氏に、今後のデジタル広告業界の展望と、AI活用の可能性について話を聞いた。
これからはアプリ広告が主流
「今後デジタル広告業界では、アプリのインストールを促すスマホ向けの広告が主流になってくるでしょう」と栃藪氏は予測する。
なぜならWebサイトだけではなく、企業がアプリを展開することで、アプリ内のユーザー行動や属性なども取得できるからです。
すでにECや人材業界などアプリを展開する業界や企業が増えていますが、今後は店舗系ビジネスもアプリを展開するなど、社会全体でアプリ化が進むのは間違いないでしょう(栃藪氏)
そうした社会の流れを受け、Appierは現在、アプリサービス事業者向けのDSPである「AIBID(アイビッド)」に注力している。
しかし、単にアプリがインストールされるだけではビジネスへの影響は限定的である。アプリをダウンロードしても、一度も開かない人もいるだろう。アプリ事業者としては、アプリ内の収益性を高め、ユーザーが会員登録をしたり、日常的に利用するなど、アクティブな行動をとってもらいたい。その際にもAIは役に立つ。
AIがユーザープロファイリングを行い、たとえば『このユーザー行動なら有料会員になる確率が高い』と瞬時に予測。企業は自社のKPIに沿った見込み顧客をスコアリングし、確度の高いユーザーに広告を配信します。
また、アプリをインストールしている既存ユーザーにも、適切なタイミングでメッセージを届けるなどして、ロイヤルカスタマーになってもらうことも可能です。蓄積されたデータから、AIが勝ち筋パターンを導き出すことができます(栃藪氏)
先述したとおり、Appierは2012年に創業した。AIスタートアップ企業が続々と設立されるなか、過去10年以上にわたるAIマーケティングソリューション提供の実績を有することが他社にはない強みとなっている。国内ユーザーの興味関心を集めた独自データ量は、約8,400万人分だというから驚きだ。日本の人口が1億2,000万人であり、その中からインターネット人口を考えると、ほぼ全数といってもいい規模ではないだろうか。
たとえばApple社の場合、ユーザーに割り当てていたデバイスIDであるIDFA(Identifier for Advertisers)の取得には、2021年春のiOS14.5からオプトインが必要となった。これにより約7割のIDFAが取れなくなっている。しかしAppierならIDFAがなくとも、ファーストパーティデータを活用したAIソリューションで、企業は精度の高いユーザー予測が可能となる。
『AIBID』を使えば高確率で、確度の高いiOSユーザーを獲得できます。またCPI(Cost Per Install)にコミットし、保証モデルも提供しております。弊社のAIで、それだけ精度の高い予測ができる自信があります(栃藪氏)
ちなみに、ここでいうデータとは個人情報ではない。たとえば「ユーザーの行動パターン」や、アプリのカテゴリや機能といった「サイトデータ」、ユーザーの性別や年代といった「プロファイル」など、複数の特徴から導き出した統計データのことである。
このデータをもとに、ユーザーのLTV(顧客生涯価値)やROAS(広告支出対収益)などをAIが予測し、スコアリングが高いユーザーに広告を配信する。一般的にアプリ事業者にとって課題となるのは、ダウンロード後のアクティブ化であるが、「AIBID」を活用すれば、最初からアクティブになる可能性の高いユーザーにダウンロードを促すことができるというわけだ。
デジタル広告において重要なのは『どこに表示するか』よりも『誰に表示するか』なのです。今後のデジタル広告は『マスからパーソナル』に変わっていくでしょう(栃藪氏)
AIで3D画像を自動生成→配信という新たな潮流も
広告配信には、クリエイティブも重要な要素である。Appierには、3D広告を自動生成するAIサービスもあるという。これは2Dのキャラクターや背景をAIが判別し、3Dに変換するもの。3D広告を制作するには、多大な時間と労力がかかるものだが、瞬時に生成できるとは画期的だ。詳細は「AIBID」利用者にしか明かさないとのこと。
広告を見たユーザーからも、広告主のお客様からも高評価を得ています。将来的には、スマホで3D広告が一般的になるかもしれないですね(栃藪氏)
このように広告運用の業務はますますAIに代わられるだろうが、「AIと人間は共存可能です」と栃薮氏は強調する。
たとえばクルマは、自動運転ができるようになっても、ナビに目的地を設定するのは人間ですよね。ゴールがなければ、自動運転車も進まないのと同じように、AIも人間の指示がなければ仕事を完遂できません。
AIに任せる仕事が増えることで、人間はアイデアの創出など、より創造的な仕事に集中できます。Appierは2012年より『AIの民主化』を掲げており、誰でもAIの恩恵を受けられる社会にすることが私たちのミッションです(栃藪氏)
デジタル広告業界は目まぐるしく変化しているため、頭を抱えている広告運用者も少なくないだろう。だからこそ煩雑なことはAIに任せ、最短で成果を出していきたい。
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