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新規WebサイトのSEOで見落としがちな問題に対処する5つのポイント(#6~#10)

コンテンツカレンダー、URL構造、CWVとページエクスペリエンス、さらにアクセシビリティや他チャンネル連携まで
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

新規WebサイトのSEO戦略について学んでいるこの記事は、前中後編の3回に分けてお届けしている
前編を読む
中編を読む

新しいウェブサイトを立ち上げるとき、SEO戦略はいつ考えるべきだろうか? 効率的に成果を出すなら、立ち上げ前に練り、最初から強力なウェブサイト構造を構築することに重点を置くのをおすすめする。そうすれば、簡単に拡張したり、月間のオーガニックトラフィックを蓄積したりできる。

この記事では、新規ウェブサイトのSEO戦略を構築するのに必要な10のステップを紹介している:

(再掲)

前編中編で、ステップ5まで詳しく解説してきた。後編となる今回は、ステップ10まで詳しく見ていく。

ここまでで押さえた基本的なポイントに加え、コンテンツカレンダー、URL構造、CWVとページエクスペリエンス、さらにアクセシビリティや他チャンネル連携まで把握し、新規WebサイトのSEOで見落としがちな問題にあらかじめ対処しておこう。

新規ウェブサイトのSEO戦略を構築するのに必要な10のステップ#6~#10

ステップ6戦略的なコンテンツカレンダーを作成する(そしてコンテンツを継続的に投入する)

戦略的なコンテンツカレンダーは、一貫性を持って意図的に利用すれば、必然的に顧客を引き付け、キーワードに対して上位に表示されるようにするのに役立つ。そうしたコンテンツ計画の方法を紹介しよう:

  1. キーワードマップのセクションに優先順位をつける:

    キーワードマップが100ページ以上に及ぶこともあるかもしれない。これはむしろ良いことだ。なぜなら、オーガニック検索トラフィックを蓄積できる余地が十分にあることを意味するからだ(HubSpotのように月間トラフィックが数百万に上るウェブサイトでさえ、最初はゼロだったことを忘れてはいけない)。

    まずは、製品やサービスのページなど、ウェブサイトに今すぐ必要なページを優先すべきだろう。こういったページはコンバージョンにつながる可能性が最も高く、ビジネスにとって利益を生み出すからだ。

  2. コンテンツを最適化する:

    上位に表示されるコンテンツを作成するには、ベストプラクティスを活用する必要がある。「h1要素」「URL」「メタデータ」には、忘れずにキーワードを使おう。

    キーワードと検索意図が真に合致していれば、必然的に内容に反映されるはずだ。そのため、キーワードスタッフィング(キーワードの詰め込み)のような過去のSEO手法は不要になる。

  3. キーワードの検索順位を追跡する:

    コンテンツを公開したら、継続的にパフォーマンスを観察しよう。最初ははるかに下位でも、信頼できるコンテンツだとグーグルが認識し、優れたユーザー体験を提供してドメインオーソリティが高まれば、時間の経過に伴って順位の上昇が期待できる。ここでは忍耐が必要だ。

  4. 一貫性を持ってコンテンツを公開する:

    上記の3つのポイントをさらに改善するには、一貫した公開スケジュールが必要だ。特に決まった基準があるわけではないが、私は1か月に少なくとも4件の新規ページを公開するよう推奨することが多い。

    SEOには複合的な効果があるため、個々のページが上位に表示されるほど、サイト全体のコンテンツも上位に表示される可能性が高まることを忘れないでほしい。

ステップ7URL構造を最適化する

コンテンツカレンダーに関する上述のセクションでも、URLにキーワードを入れることについて簡単に触れたが、コンテンツを適切に設定することは非常に重要なため、改めて触れておきたい。

ここでは、架空のウェブサイトを使って説明する。

  • www.catsinabag.comが君の正式なドメイン名だ。
  • www.catsinabag.com/blog/はブログのURLで、/blogが親ページになる。
  • www.catsinabag.com/blog/cat-food-for-catsは、「cat food for cats」(猫用キャットフード)というキーワードに対して表示させたいブログ記事のURLだ。

ランド・フィッシュキン氏の言葉を借りるなら、こういうことだ:

他にも、まだターゲットにしていないキーワードや、まだターゲットのキーワードを設定できていないURLがあれば、このプロセスの中で設定しておこう。そうすれば、検索順位の追跡に対応できるし、初期段階でターゲットにする単語やフレーズを確実に用意できる。

また、URLは恒久的なものであることに注意してほしい。一度決めたURLを変更することはそのURLに紐付けられたSEOをゼロから始めるようなものだということを忘れないでほしい。オーガニックトラフィックや検索順位の急激な低下を避けるには、URLに適したシステムを選択して、それを使い続けるに越したことはない。

やむを得ずURLを更新する必要がある場合は、必ず古いURLから新しいURLにリダイレクトされるよう設定し、古いURLで獲得した被リンクが消えないようにしよう。

ステップ8コアウェブバイタル(CWV)とページエクスペリエンスを見直す

病院に行って心拍数や呼吸などのバイタルサインを測ってもらうように、ウェブサイトも同じようにチェックすることで、不要な問題を避ける必要がある。

なぜこれが重要なのだろうか?

ここでは、経験を積んだSEO担当者としての私の見解に加えて、関連するアルゴリズムの更新についてグーグルが提供している情報をいくらか紹介する。

SEOは以前から行われている。インターネット上には膨大な数のコンテンツが存在し、さらに多くのコンテンツが日々公開されている。これは、グーグルにとって上位に表示させるべきコンテンツを見分けるのがますます難しくなっているということでもある。そこで、同じようなコンテンツの質である場合にSEOの勝者と敗者を分ける手段の1つとして使われるのがCWVやページエクスペリエンスだ。

SEOはもはやキーワードを適切な場所に配置するだけで済むものではない。現在のSEOには、次のようなユーザー行動もかかわってくる:

  • コンテンツの形式
  • デザイン
  • ページの読み込み速度
  • ページ滞在時間
  • 直帰率 など

簡単に言えば、持続可能なSEOの成功はもはやクリックで終わるものではない。一貫して上位に表示されるようにするには、ページを見ているユーザーを心から満足させる必要がある

ウェブサイトのCWVや読み込み速度を最も簡単な方法で確認するには、PageSpeed InsightsにサイトのURLを入力すればいい。すぐにエラーを識別し、わかりやすい英語で修正方法を提案してくれる。

たとえば、次のような結果が表示される。

黄色または赤で示されたスコアがある場合は、提案が表示されるので、開発者に見せて改善してもらえる。

また、この10ステップのステップ3(前編記事)で設定したSearch Consoleにも、「ページエクスペリエンス」というメニューがあるので確認しておくといい。

ステップ9アクセシビリティを観察する

アクセシビリティとは、どんな人でも(そして検索エンジンのロボットでも)サイトのコンテンツを理解してサイトを利用しやすくできているかを意味するものだ。目が見えない人でも、色の感じ方が違う人でも、マウスやキーボードの操作がうまくいかない人でもサイトを利用できるようにするための仕様が定められている。

そして、アクセシビリティを適切に確保すると、SEOにも価値をもたらすという、うれしい副作用がある。

君だって、誰にとってもアクセスしやすいサイトでありたいと思うはずだ。もちろん、コンテンツが正しくインデックス登録されてクロールされていることを確認したくなるだろうが、それには次の措置を講じることもできる:

  • 画像のaltテキストを最適化する(スクリーンリーダー用)
  • 十分なコントラスト比を持たせる(目に優しい色にする)
  • ボタンなどの要素に適切なラベルを付ける
  • フォントサイズを読みやすい大きさにする

ステップ10とにかくプロモーションする

SEOのためかどうかに関係なく、ウェブサイトのコンテンツはただ公開して放置してはならない。SEOに関して言うと、「作りさえすれば人は集まる」という言葉はまったく当てはまらない。

頑張って作ったコンテンツなのだから、オーディエンスに見せるのは当然だ。自分がすでに強力なプレゼンスを有している領域はどこかを考えて活用しよう。それは次のいずれかもしれない:

  • ソーシャルメディア
  • YouTube
  • メーリングリスト

いずれの場合も、どうすれば他のチャネルを利用してウェブサイトにさらに多くのトラフィックを呼び込めるかを考えてみてほしい。それが今度はSEOを改善することになる。なぜなら、君のウェブサイトを閲覧する人が増えるほど、グーグルに信頼できるコンテンツだと認識してもらえるからだ。

SEOに手を尽くしても期待した勢いが得られない場合、最初の数か月は有料トラフィックを検討することもあるかもしれない(結局はグーグルも金銭に目がなく、料金を支払う人に見返りを与えるものだ)。これにより、クリック課金型広告のユーザーを対象にウェブサイトのデザインやコンテンツをテストできるため、このデータを使ってSEOに素早く対応させられる。

これで、SEOの成功に向けた準備はできた

SEO戦略を進めるにあたっては、継続的に監視して更新することで、最良の結果が得られる。競合他社の戦略やトレンドが絶え間なく変化する中で、SEO戦略を型通りのものにしてはならない。努力すれば、その分、結果が得られる。

これで君も、新規ウェブサイトのさまざまな問題に対処できる強力なSEOチェックリストを手に入れたことになる。

用語集
SEO / アクセシビリティ / インデックス / オーガニック検索 / クリック課金 / クロール / コンバージョン / ソーシャルメディア / ドメインオーソリティ / ドメイン名 / メタデータ / ロボット / 検索エンジン / 直帰率 / 被リンク
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