リンクを引き寄せるコンテンツ作りと、インフルエンサーが自ら動きたくなるアプローチの秘訣
インフルエンサーマーケティングは、いかにSEOやオーソリティの原動力になるのだろうか? 人とSEOの成果のつながりについて、シカゴにあるウェブ開発企業Orbit Media Studiosのアンディ・クレストディナが解説する。
Mozファンのみんな、こんにちは。今回のホワイトボードフライデーは、被リンクを増やし、オーソリティを高める方法について説明したい。
リンクビルディングやオーソリティの構築には、さまざまなやり方がある。「コールドアウトリーチ※」もその1つだが、これはもうやめたらどうだろうか? 僕の受信トレイは、ひどく雑然としている。そういうわけで、別のアプローチを試してみよう。
「相互リンク」? 世の中に多くの付加価値をもたらしているようには思えないが、まあ、一応よしとしよう。
「ゲストブログ」は大変な労力を要する割には、成果が小さい。ただオーディエンスによっては、他の利点がたくさんあるかもしれない。そのため、特に気に入っているわけではないが、僕自身はもう長いことゲストブロガーを続けている。
では「リンクの誘引(link attraction)」というのは? オーソリティの高いサイトから新たなリンクを即座に獲得し、そうしたリンクを定期的に得られる ―― そんなマーケティング施策はあるのだろうか?
結論を言えば、ある。よく行われていることだし、まさにここでやろうとしていることだ。それどころか、僕たちにとってオーソリティを高めるための主要なアプローチでもある。
では、成果を出発点としてすべてを分解してみよう。
リンクの誘引
デジタルマーケティングの核心は、トラフィックソース(誘導元)からサンキューページ(コンバージョン)への橋渡しをすること。それこそ、僕たちがここでやろうとしていることだ。
それには次の2つが必要となる:
- トラフィック
- コンバージョン率
トラフィックとコンバージョン率を掛け合わせたものが「引き合い」になる。つまり、コンバージョン率に、そのページへの有効な訪問者の数を掛け合わせることで、成果が得られる。
コンバージョン率を高めるには、ページが次の要素を備えているということだ(もちろん、明確で具体的なCTAも必要だ):
- 説得力があり
- 魅力的で
- ソーシャルプルーフ(社会的証明)に満ち
- 異論に対処しており
- 訪問者の質問に答えている
では、トラフィックはどこから来るのだろうか? トラフィックのソースは多様だが、検索トラフィックに限定して考えると、次の要素を持ったキーワードに対する良い検索ランキングから生まれる:
- 関連性が高い
- 購買や契約につながる意図を持っている
では、こうしたキーワードで良い検索ランキングを得るにはどうすればいいのか? そこで大切になるのは、次の2つの主要な検索順位決定要因だ:
- オーソリティ
- 関連性
では、この要因はどこから生まれるのか? それぞれ次のものが関係する:
- オーソリティ ―― リンク
- 関連性 ―― キーワードを重視したコンテンツ
ここでは、関連性については脇に置いておく。
次に、あらゆるデジタルマーケティングにおいて特に重要な質問をしよう:
人はなぜ物事にリンクするのか? それはなぜ起こるのか? 常に定期的かつ自然に起きるようにするにはどうすればいいか?
ここで見ていきたいことである。そのために2つの異なるものを組み合わせる。それは次の2つだ:
- インフルエンサー
- コンテンツ
リンクする価値のあるコンテンツはサイテーション(引用)され、参考文献に挙げられ、オーディエンスから、次のようなことを言われる:
おお、これは私が取り組んでいる内容を裏付けるものだ。だから、ここにリンクすれば、私のコンテンツの信頼性がさらに高まるだろう
引用や参考文献がなければ、こうした人たちが作成するコンテンツはある意味、裏付けがないものとなる。だからこそ、リンクする価値あるコンテンツを作成して、それをインフルエンサーと組み合わせたいのだ。
リンクを引き寄せるコンテンツ
どのようなコンテンツがリンクを引き寄せるのだろう? これに関する調査は豊富にあり(その多くはMozが実施したものだが)、主に次の2つに集約される:
- 独自の調査
- 説得力のある意見
基本的にはこれだけだ。2つを組み合わせれば、本物のソートリーダーシップ(Thought Leadership)を生み出す主な材料がそろう。
「独自の調査」は、オーディエンスが作成しているコンテンツを裏付けるものだ。コンテンツに証拠を加える手段を提供しよう。たとえば世の中に向けた新しい独自のデータポイントや、印象的なキャッチフレーズ、ある種の新しい統計のようなものだ。
基本的に、コンテンツの作り方には2種類ある:
- 独自のデータを作るやり方
- それ以外のすべてやり方
僕があるブランドのコンテンツを監査するとしたら、まずそれを見て、次のように聞くだろう:
このウェブサイトを一次資料としているコンテンツはあるか?
独自の調査をしているサイトはまったく違う。作成する人も、読む人も違いを感じる。だから、それを参照するコンテンツを公開しようと考えるのだ。
誰がリンクを作成するのか
では、リンクを作成するのは誰か? 誰がコンテンツマーケターで、誰がインターネット上にいるのだろうか?
これは「1%ルール」と呼ばれることがある。99%の人はラーカーと呼ばれる、読むだけで情報を提供しない「コンテンツの消費者」だ。実際にコンテンツを作るのは1%の人で、たとえば、次のような人たちが挙げられる:
- ブロガー
- 編集者
- ジャーナリスト
- リサーチャー
- ポッドキャスター
- イベントプロデューサー
これらの人々はコンテンツを作成する側で、新しいコンテンツを作成する際に次のような行動をとることが多い:
自らの主張を裏付ける情報、つまり独自の調査を探す
強い独自の意見をだした人に反応し、自分の声を重ねる
「リンクを引き寄せるコンテンツ」と「リンクを作成する人」を理解したので、最後はそれらを組み合わせるステップについて学んでいこう。
インフルエンサーマーケティングのステップ
インフルエンサーマーケティングは、次の2つが主要な要素だ:
- 独自の調査
- インターネット上のコンテンツやリンクを作成している人
必要なのはこれだけであり、これが真実である。では、この点をもう少し掘り下げる。具体的にどうすればいいのか、それがどのようなものかを見ていきたい。
ステップ1ネットワークを築いて、つながる
コールドアウトリーチは、最初の一歩を踏み出して関係を温めることさえできない。これが、僕がコールドアウトリーチを好まない理由だ。そんなものを僕の受信トレイに送り付けないでほしい。とにかく会話を始めることだ。具体的には、次のようなアクションだ:
- 「いいね!」
- コメント
- シェア
- やり取り
- エンゲージメント
- 質問
- 感謝をする
要はネットワーク作りである。関係を重視し、長い目で見て取り組めば、大きな恩恵が得られる。
ステップ2丁寧に依頼する
次に、丁寧に依頼する。たとえば、次のようにお願いしてみよう:
こんにちは。私は今、あるコンテンツを作っています。このコンテンツに関わっていただけませんか?
ステップ3相手を含める
自分が作成しているコンテンツに、実際に相手を含めよう。いつか関係を築きたいと願っている相手から得たいと思っているものを、まず自分から行動するのだ。
要は、相手のコンテンツから情報を引用し、自分の公開するコンテンツに記載するのだ。単に引用内容を置くだけでなく先方にリンクするは当然だし、僕ならば次の情報を記載する:
- 相手の顔
- 名前
- リンク
こうすることで、自分のコンテンツに次のものが加わる:
- 相手の言葉
- 知見
- 付加価値
僕はいつもこうしていて、貢献者を記載せずにコンテンツを公開することはない。ジャーナリストも情報源を示さずに記事を書くことはない。コンテンツマーケターが貢献者の言葉を引用せずにコンテンツを作成し続ける理由があるだろうか? それは機会の損失だ。コンテンツは、ネットワーク作りに役立つ最高のツールの1つである。
そのため僕は文字通り、いつかリンクを張ってほしいと思っている人たちに対してリンクを張っている。自分のコンテンツを作りながら学んでいる。
これは昨日のことだが、ある記事を書いていて、何人かの専門家に連絡したところ、知見を与えてもらい、それに基づいて新たなアイデアが生まれた。このように、自分のブログを作ることで学んでいる。これは魔法のような体験であり、とてもクールだ。
ステップ4つながりを絶やさない
それから、すでに述べたようにこれは長い取り組みになるので、つながりを絶やさないようフォローアップしよう。相手が何かを作成しているのであれば、手伝えることはないか聞いてみよう。会話を続けるのは、相手のことを気にかけているからだ。
インフルエンサーマーケティングとは、突き詰めて言えば「友情」であり、正当かつ本物の関係のことだ。どうしてもリンクが必要なときに短いテキストメッセージを送るだけですぐに助けてくれるような関係のことであり、僕も手助けしたい人にはそうしている。誰もが日常的にしていることだ。
言い換えれば、人間関係における共感と作成するコンテンツの品質が相まってリンクを引き寄せることになり、それがすべての点をつないで需要に至る。
◇ ◇ ◇
この記事が、皆さんの役に立つことを願っている。
コールドアウトリーチの手法で、大量の広告メールを送りつけてくる人がいたら、この記事を送ってみたらどうだろうか? もしかしたら、放っておいてくれるようになるかもしれない。あるいは、連絡を取って会話してみたら、友人になれるかもしれない。
それでは、また次回お会いしよう。
ソーシャルもやってます!