わかりやすいプレゼンスライドの作り方 簡単に見やすいパワポ資料の構成とは
デザイン前の下準備の最後に、「ワンスライド・ワンメッセージ」「シンプル・メッセージ」「ノットファクト・バットメッセージ」の3つのルールを適用して、さらに伝わるスライド骨子に仕上げましょう。
Chapter4 STEP2 資料作成 前編
Lesson29 [プレゼンの骨子づくり]
「3つのルール」を適用してより伝わるスライドをつくる
○伝わるスライドづくりの3つのルール
3つのルールとは、1枚のスライドに多くの情報を詰め込まないようにするための「ワンスライド・ワンメッセージ」、より聞き手に伝わるスライドにするための「シンプル・メッセージ」、そして事実ではなく主張を記載するための「ノットファクト・バットメッセージ」の3つです。骨子スライドにこの3つのルールを適用すれば、より伝わるスライドにすることができます。〔図表29-1〕
「ワンスライド・ワンメッセージ」と「シンプル・メッセージ」は有名なルールですが、「ノットファクト・バットメッセージ」は本書オリジナルのルールです。どれもとても大切なルールです。
○ルール1「ワンスライド・ワンメッセージ」
1枚のスライドには1つのメッセージだけを記載する、というルールです。1枚のスライドにいくつもメッセージを詰め込んでしまうと、聞き手が得る情報量が増えてしまい、場合によってはひとつひとつの情報が小さくなって見づらくなります。余白を十分に取ったスライドのほうが、聞き手に伝わります。〔図表29-2〕
1つのスライドには1つのメッセージだけを記載することで、聞き手に情報が伝わりやすくなります。
○ルール2「シンプル・メッセージ」
1枚のスライドに記載するメッセージを1つに絞っても、そのメッセージをダラダラと文章で書いてしまってはいけません。短くシンプルに表現することで、聞き手にスッと届くメッセージにすることができます。自分が話す内容をそのまま記載するのではなく、聞き手に伝えるべきメッセージのみ、端的に記載しましょう。これが2つ目のルール「シンプル・メッセージ」です。〔図表29-3〕
メッセージをダラダラと書くより、短くシンプルに表現したほうが伝わりやすくなります。
○ルール3「ノットファクト・バットメッセージ」
スライドには「ファクト=事実」ではなく「メッセージ=主張」を記載しましょう。たとえば、下図のNG例のように「6000円で売れました」というファクトを記載しても、聞き手からすると「・・・だから何?」となります(笑)
このスライドで伝えたいことは、「古着屋の5倍の6000円で売れたよ! メルカリってお得だよ!」というメッセージです。であれば、スライドに記載すべきも「古着屋の5倍で売れてお得です」というメッセージとなります。〔図表29-4〕
ファクトはあくまでメッセージを補強するための材料。スライドにはストレートにメッセージを書きましょう。
プレゼン資料は何枚にすればいい?
これは、クライアントからよくいただくご質問です。プレゼンの時間に対する、プレゼン資料の適正な枚数を知りたいということです。
書籍によっては、「〇分のプレゼンをする場合は、プレゼン資料は〇枚にするのがいい」と具体的に明記しているものもありますが、私はいつも「適正枚数なんてありません」と答えています。適正枚数があるとしたら、プレゼンの作成段階で、内容よりもその枚数に縛られてしまいます。枚数に縛られて内容を調整するのは、本末転倒ですよね。「枚数」は気にしなくてOK。気にすべきは枚数ではなく「聞き手の負担」です。
Lesson 29でお伝えした3つのルールを適用して、聞き手の負担にならない「情報量」を考慮しながらスライドを構成していきます。その結果、20枚で収まるならそれが適正な枚数ですし、30枚に膨らんでもそれが適正な枚数なのです。「枚数」に縛られずに、お伝えした「資料づくりのルール」にのっとってプレゼン資料をつくれば、完成した時点での枚数が「適正枚数」となります。
ただし、1つ気をつけてほしいのが「静止画でプレゼンしないこと」です。たとえば、1枚の動きのないスライドで10分間プレゼンされたら、きっと聞き手は退屈してしまうでしょう。これは絶対に避けるべきです。1枚で10分間は集中力を保って聞くには長すぎます。1枚1分間のスライドを10枚つくりましょう。そうすることで1分ごとにスライドが切り替わるので、聞き手が退屈せずにプレゼンを聞けるようになります。〔図表29-5〕
スライド枚数は気にせず、「聞き手の負担」を気にかけましょう。
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