[マーケターコラム] Half Empty? Half Full?

閉鎖が相次ぐオウンドメディア あるべき姿って何だろう?

リレーコラム、今回はキリンホールディングスの加藤美侑さん。オウンドメディアは変わるべき時が来た? キリンホールディングスが出した1つの答えとは何か。
キリンホールディングス株式会社デジタルマーケティング部 加藤美侑

はじめまして! キリンホールディングス株式会社の加藤美侑です。

3月までこのWeb担で「デジタルマーケティングなう」というコラムで連載していましたが、このたび、こちらにお引越し。マーケターによるリレーコラム「Half Empty? Half Full?」に新メンバーとして仲間入りさせていただくことになりました! これまで同様、どうぞ、ご愛読のほど、よろしくお願いします!!

まずは簡単にご挨拶。私は、新卒で入った食品会社を経て、2015年にキリンホールディングス株式会社に転職。入社以来、デジタルマーケティング部に所属しており、現在は、75万超のフォロワーを持つ、キリンビール公式Twitterアカウント(@Kirin_Brewery)を中心とした、各種SNSアカウントの企画・運営を担当しています。

「デジタルマーケティングなう」で、SNS担当になったばかりのころに感じたことを書いていますので、ご興味がある方はどうぞお読みください。

オウンドメディアは変わるべき時が来た

今回のテーマは、「オウンドメディア」。

最近、大手企業が運営するオウンドメディアの相次ぐ閉鎖が続いています。

「nanapi」はKDDI株式会社の関連会社であるSupership株式会社が2009年から(Supership株式会社としての運営は2015年から)、「みんなのごはん」は株式会社ぐるなびが2013年からと、いわゆるオウンドメディア黎明期から運営されており、ネット上の知名度も抜群のメディアです。

これだけの大メディアの相次ぐ閉鎖のニュースは、業界内では大きな衝撃が広がりましたが、ただ驚いてばかりもいられません。この事実が物語るのは、オウンドメディアとは、今、まさに変わるべき時なのだ、ということなのだと思います。オウンドメディアの存在意義を、改めて考える必要があるのではないでしょうか。

よく見かけるオウンドメディアの活用のされ方を思い返すと、PV至上主義だったり、便利な広告媒体として使っていたり…。「オウンドメディアとして誰のために何を届けたいのか」という意思を強く持って運営していないと、結局は誰のためのメディアなのか、わからなくなってしまいます。

インターネット上には、もうすでに、有り余るほどの情報が集まっています。誰のための何を届けるのかがはっきりしているメディア以外は残れない時代になったのだと感じています。

私たちの答えは…

でもオウンドメディアって、本当に、難しいですよね。

お客様にブランドや商品の魅力を伝えたいけど、広告のようにならずに、コンテンツ自体のクオリティも担保しつつ、デリバリーの仕方も考えなくてはいけない……。どうしたらいいんでしょうか?

そこで、私たちはひとつの答えとして、noteで公式アカウントを開設しました。

オウンドメディアといっても、やみくもにWeb上で叫ぶのではなく、私たちの想いに共感してくれる人が多くいそうな場所で発信する必要があります。だから、noteというプラットフォームを選択しました。

「キリンビール公式note」の役割は、コアとなるミッションを軸にして、ブランドごと、テーマごとにコミュニティ化し、ブランド、コミュニティ、お客様をコンテンツを通じてつなぐプラットフォームとして定義しています。

「これからの乾杯」を考える場

コアとなるミッションは「『これからの乾杯』を考える場」としました。

その想いは、最初の投稿である「キリンビール公式note、はじめます。」で、じっくりとお伝えさせていただいています。

みなさんが過ごした楽しい乾杯の時間をもっと知りたい。

みなさんに乾杯の時間を彩るヒントをお伝えしていきたい。

このnoteという場所でつながることができれば、もっと楽しい時間が増えていくかもしれない。

そんな期待にも似た想いから、この度noteを開設することにしました。

「キリンビール公式note」では、「このビールおいしいからぜひ買って!」といった、いかにもな広告表現はいっさいするつもりはありません。

「乾杯の時間を大事にしたい」「その大事な瞬間に立ち会える存在でいたい」という、私たちの「想い」を伝えることで、それに共感・共鳴してくれる人が「集まる場所」として機能させたいと思っています。

商品を愛する人が集まるコミュニティを作りたい

私たちも大いなる愛情をもってブランドを育て、商品を世の中に送り出しています。もちろん、それらのブランド、商品を作り出す企業そのものにも愛着や誇りがあります。

そういった私たちの想いをひっくるめて、「価値」として支持してくれる『ファン』とnote上でコミュニケーションを取りたいと思っています。そして、ゆくゆくは、「キリンビール公式note」が、私たちの商品を愛してくれるあらゆる人たちが集うコミュニティにしたいのです。

いわゆる大手企業がnoteでアカウントを開設することで、もしかしたらnoteという場所が荒らされる! と危惧しているクリエイターさんがいらっしゃるかもしれません。

そう心配されるのも仕方ないとは思いますが、私たちは、皆さんの大切な場所を荒らすつもりはまったくありません。

私たちは、お客様がオンラインでもオフラインでも信頼できる場所、安心できる場所は必要だと思っていて、このnoteというプラットフォームは、まさに最適な場所だと思っています。そのためにも、企業の倫理ではなく、noteという世界観に従いつつ、みんなが心地よくいられるようなメディアを運営していくつもりです。

まだ始まったばかりなのでこれからががんばりどころです。

キリンビール 公式noteアカウント編集チーム デジタルマーケティング部 松尾太郎(左)、平山高敏(右)

オウンドメディアをマスメディア的に活用する時代は終わりました。でも、オウンドメディアそのものが不要とは、まったく思いません。私は、ファンを大切にして、愛を持って自社を語る場としてのオウンドメディアに変わっていくべきだ、と思います。「キリンビール公式note」は、それを実現するための大きな挑戦なのです。

本記事についてでも、ご質問でも(次回連載テーマも募集です笑)Twitterにてお待ちしています!

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