Amazon DSPの主な目的は「購入を増やすためのアシスト」
2019年4月19日発売の書籍『Amazon広告“打ち手”大全 最強の戦略77』の一部をWeb担で特別公開。
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目的+2つの要素が
成果を決める
Amazon DSPにおける目的はファネルの上流から考える
誰を、いつ、どれくらい自社商品の売り場に連れてくるのかを目的として定義することは、広告施策のプランニングにおいて欠かせません。この目的は、ターゲティングとクリエイティブと一緒に考えます。
Amazonスポンサー広告とは別モノとして施策を立てる
Amazon DSPの成果は、その施策の「目的」「ターゲティング」「クリエイティブ」によって左右されます。ネット広告運用においては当たり前のことですが、事前によく練っておく必要があります。以下の図も参考に、施策の計画時に考えてください〔図表45-1〕。
はじめに伝えておくと、Amazonスポンサー広告とAmazon DSPは、多くの点において別モノだと考えたほうがいいでしょう。Amazonの「内」と「外」という違い以外にも、管理画面が分かれており、ターゲティングとクリエイティブの仕様も大きく異なっています。
そして、もっとも大切なのは、やはり目的です。Amazonスポンサー広告とは別の視点で考え、KPIを追っていきます。
目的は「購入を増やすためのアシスト」をベースに考える
Amazonスポンサー広告は、いずれの広告メニューでも「購入に直接つなげる」ことが施策の目的になります。一方、Amazon DSPの施策では、購入よりもファネルの上流に位置するブランド認知や検討のステージにいる人にアプローチし、「購入をさらに増やすためのアシストをする」のが主な目的です。
そして、その達成度を測るためのKPIとしては、「どれだけの人を売り場(商品詳細ページ)に連れてきたか?」を表すDPV〈※1〉が適切となります。誰を、いつ、何人くらい、どの程度の予算で連れてきたいのかを、施策の目的として考えましょう。
Amazonの外にいるユーザーを売り場に連れてくることができれば、Amazonスポンサー広告でさらに狙えるのはもちろん、Amazon自身がさまざまなサイトに出稿している広告に自社商品が掲載されようになり、さらにDPVが増えていく好循環が回っていきます。
※1 DPV
「Detail Page View」(商品詳細ページの閲覧数)のこと。
ターゲティングは購買データ×自社データで発想
目的で定義した「誰を」を深掘りし、どのような属性や興味・関心、状況の人に広告を見てもらえばいいのかを考えるのが、ターゲティングです。もちろん、Amazon DSPの強みである購買データを主に活用していきます。
詳細は以降の節で解説しますが、Chapter 1で述べた「ライフスタイルターゲティング」や「ホットカスタマーターゲティング」のセグメントは、いずれもAmazonの購買データを使った手法になります。また、既存の顧客リストやメルマガ会員のユーザーリストなど、自社が持つデータを購買データと組み合わせて活用するような高度なターゲティングも可能です。
買い物以外のことしている人を行動させるクリエイティブに
クリエイティブでは、ターゲティングした人に何を、どのように伝えれば商品詳細ページに連れてこられるのかを考えます。画像や動画、その中に記載するキャッチコピーなどの使い方ひとつで、成果は大きく変わってきます。
忘れてはならないのは、Amazon外のサイトに掲載する広告は「買い物とは別の目的でネットを利用している人」に見せ、行動してもらうためのものであることです。ニュースサイトで記事を読んでいたり、SNSで友達の投稿を見ていたりする人を、広告によって買い物をしたい気分にさせ、商品詳細ページに連れてこられるクリエイティブにする必要があります。
ほかのネット広告と同様に、1パターンではなく複数のパターンの広告を出稿してテストを行いながら、広告の改善サイクルを作っていくことが大切です。また、「ダイナミックeコマース広告」と呼ばれる動的な広告では、Amazon内のレビューのコメントを広告に載せられるなど、Amazon DSPならではの機能もあります。ぜひ使いこなして、確実に成果につなげましょう。(寳)
誰を、いつ、どれくらい連れてくるのかを目的として定めることが重要です。目的を明確に定めることで、ターゲティングとクリエイティブにも一本筋が通ってきます。
2019年4月19日発売の書籍『Amazon広告“打ち手"大全 最強の戦略77』をWeb担で一部公開中
ネット広告は「3強」の時代へ。
ECの本丸を攻略するための“打ち手"を先駆者が提案
Google広告(旧AdWords)、Facebook広告に続く運用型ネット広告として、「Amazon広告」(Amazon Advertising)が急成長しています。
その最大の強みは、Amazonが持つ圧倒的な規模の「購買データ」を利用できること。商品を買いたいユーザーが数多くアクセスし、実際に購入していくAmazonという場が広告プラットフォームとして魅力的であることは、もはや疑いようがありません。
また、Amazon広告では購買データに基づいたターゲティングにより、外部のメディアサイトやSNSに掲載した広告から、自社商品のAmazon詳細ページなどに集客することも可能です。顧客となりうるユーザーを幅広いサイトから的確に見つけて売り場に呼び込む、強力な販促手段として期待が高まっています。
本書では、コンサルタントとしてAmazon広告にいち早く取り組んできた著者が、Amazon広告の自社運用、および代理店に運用を依頼する際の具体的な“打ち手"を提案。前提として知っておくべき知識や心構えから、Amazon内の検索・ディスプレイ広告、Amazon外でのターゲティングやリマーケティング、広告の評価と拡大に向けた施策まで、成果につながるノウハウを体系的に解説していきます。
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