2018年のSEOで押さえておきたい! 22の基本知識と最新Google情報【SEO記事12本まとめ】
イマドキのSEOで押さえておきたい基本知識から最新グーグル情報までを22個まとめてお届けする。グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が、最近のグーグルの変化や検索エンジン最適化のために知っておくべきこととして語ったものだ。
ほかにも、今週も次のようなSEOトピックをまとめてお届けする。どれも良い情報だ。
- クロールバジェットを最適化しても、ゴミコンテンツはゴミのまま!
- 最近の頻繁なグーグル順位変動はMFIが原因?
- noindexページが多いサイトは評価が下がるのか
- グーグルはHTMLのリンクとJavaScriptのリンクを同じに扱うの?
- HTTPSサイトをドメイン名移転したら、旧サーバーに証明書は必要?
- CSSやJavaScriptを頻繁に更新すると、グーグルのレンダリングが難しくなる
- HTTPSサイトなら防げたはずの仮想通貨マイニングのハイジャック
- 見たものをそのまま検索する未来的機能がグーグルスマホに搭載
- AMPの最新成功事例×4
今週のピックアップ
2018年のSEOで押さえておきたい22個の基本知識&最新Google情報
基本だけれど重要なことがたくさん (Search Engine Journal) 海外情報
2018年もあと2か月ほどで終わるが、イマドキのSEOで押さえておきたい基本知識から最新グーグル情報までを22個まとめてお届けする。グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏(ウェブマスタートレンドアナリスト)が、最近のグーグルの変化や検索エンジン最適化のために知っておくべきこととして語ったものだ。
イリェーシュ氏がこれらの情報を語ったのは、SEO業界の大規模カンファレンス「Pubcon(パブコン)」(10月17日~18日、米ラスベガス)の基調講演。
そこで話した内容をSearch Engine Journal(サーチ エンジン ジャーナル)がまとめているので、それをさらに簡潔にして要点を紹介していく。
URL
検索エンジンが理解しやすいURLは非常に大切
- ⭕
https://example.com/traditional-url
- ❌
https://example.com/page#subsection
一般的なURLを使う。URLの #
(フラグメント、ハッシュ)に応じてコンテンツが変わる仕組みをもっていても、グーグルはそのコンテンツを認識しない――#
を取り除いたURLをクロール、インデックスするからだ(ページの特定の場所にジャンプさせるためのフラグメントならば問題ない)。
正規化
URLを正規化するためには rel="canonical"
を使うといい。
HTTPS
HTTPS対応は難しくない。Chromeのセキュリティインジケータの仕様変更もあることだし、今がHTTPSに移行するタイミング。検索ではHTTPSページが(若干だが)高く評価される。
サイトマップ
グーグルが新しいURLを発見するときに、リンクの次に重要なのがサイトマップ。重要なページは、トップページからリンクするかサイトマップに含めるようにする。
<a>タグとhref属性
検索エンジンに評価してほしいリンクは<a>
タグとhref
属性で設定するのが確実(JavaScriptでクリック時に処理するのではなく)。
内部リンク
検索エンジンにページを発見してもらいたいのであれば、内部リンクする。
メタデータ
よほど不適切でない限り、検索結果に表示するタイトルを元のtitleタグからグーグルが勝手に変えることはない。ページに関連したtitle
タグやmeta description
タグを記述する。
画像検索
画像検索の重要性に気付いていない人が多い。画像検索では、alt属性とキャプションが大切。Lazyloadを使う場合は、<noscript>
を使う(筆者補足: 構造化データでもいい)
コンテンツ
より良いコンテンツを作るには、明確にはっきりと書くこと。声に出して読んでみるといい。
広告
ページに広告が多すぎるのはよくない。広告担当者が1ページに20個のアドセンス広告を掲載するように言ってきても従ってはいけない。広告はわずらわしいだけではなく、表示速度も遅くする。
インタースティシャル
インタースティシャル広告(ページ表示前に割り込んで表示する広告)やポップアップ広告は、本当にわずらわしい。モバイル検索では評価が下がる要因にもなりうる。
表示速度
ページの表示速度は非常に重要。早いサイトはコンバージョンが高くなることもわかっている。
表示速度チェック関連のオススメのツールとして、ChromeデベロッパーツールのLighthouseがある。ただし、スピード改善に際しては1つツールの指標だけを見るのではなく、いくつかのツールを併用したほうがいい。
構造化データ
構造化データは、ページのコンテンツをグーグルが理解する手助けになる。構造化データによって次のような成果を楽天レシピは手にした。
- 検索トラフィック: 2.7倍
- 滞在時間: 1.5倍
JavaScriptサイト
すぐにインデックスさせたいコンテンツは、JavaScriptではなく静的なHTMLにすることを推奨する。JavaScriptを理解するのは検索エンジンにとって難しい。JavaScriptによるコンテンツをレンダリングするまでには数日~数週間かかることもあるからだ。
ダイナミックレンダリングは解決策の1つ。グーグル側でページをどのようにレンダリングしているかを検証するにはFetch as Googleを使うといい。
モバイルファーストインデックス
多くのサイトがモバイルファーストインデックス(MFI)に移行した。これまではモバイルフレンドリーなサイトを移行してきたが、今後はモバイルフレンドリーではないサイトもMFI移行の対象にしていく。
ちなみに「モバイルファーストインデックスの準備ができている」とは次のような状態を指す:
- モバイル向けページとPC向けページで、コンテンツ(画像と動画も含む)の大部分が同じ
- メタデータと構造化データが同じ
- 内部リンクの大部分が同じ
サブドメインとサブディレクトリ
サイトが「サブドメイン」で作られていても「サブディレクトリ」で作られていても、グーグルは評価に差をつけていない。
モバイル対応
モバイルサイト構成には「レスポンシブ ウェブ デザイン」「動的な配信」「別々のURL」の3つがあるが、どれを選んでもモバイルフレンドリーであれば評価に差はない。長い目で見れば、レスポンシブ ウェブ デザインを勧める。
PC向けだけのサイトのモバイルファーストインデックス
PC向けだけのサイトもモバイルファーストインデックスに移行しているが、モバイルフレンドリーではないのでモバイル検索で評価が下がることがある。
ハンバーガーメニュー
モバイルファーストインデックスではハンバーガーメニューを使っても問題ない。
展開型UI
モバイルファーストインデックスでは展開式のUI(アコーディオンやクリックで広がるコンテンツ)を使っても問題ない。
クロールバジェット
100万ページ以下のサイトであれば、クロールバジェットを気にする必要はない。数十億以上なら気にしたほうがいい。
ただし、一部しかインデックスされていないとしたら本当に数十億ページもインデックスさせる必要があるのかを考えたほうがいい。不要だったり価値がなかったりするページは削除する。ムダなページをできるだけ取り除くことはクロールバジェットの効率化に役立つ。
表示速度
ページの表示速度で大切なのは、「サーバーからの最初のデータ受信までにかかる時間(TTFB)」ではなく、「ページの重要なコンテンツが最初に表示されるまでにかかる時間(Time to First Meaningful Paint)」。それがユーザーにとって大切。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索SEO情報
クロールバジェットを最適化しても、ゴミコンテンツはゴミのまま!
何度クロールされてもゴミコンテンツはゴミコンテンツ (Jennifer Slegg on Twitter) 海外情報
「クロールバジェット」(グーグルが1日にどれぐらいのページをクロールできるのかの限度)に関するトピックを1つ。
SEO関連の有益な情報を発信していることで著名なジェニファー・スレッグ氏が、クロールバジェットを気にしているサイト管理者に対してだろうか、次のような指摘をツイッターに投稿していた。
クロールバジェットを最適化したとしても、ゴミのように価値がないコンテンツが突如として上位表示するなんてことはない。グーグルが1回クロールしようが100回クロールしようが、ゴミコンテンツがゴミであることに変わりはなく、検索順位も変わらない。
FYI, optimizing for crawl budget won't help your crappy content suddenly rank better. Whether Google crawls it once or a hundred times, crap is still crap and will rank accordingly.
— Jennifer Slegg (@jenstar) 2018年10月17日
なかなか辛辣な表現ではあるが、100%の同意だ。クロールバジェットを気にかける前に、クロールされるにふわさしいコンテンツであることを確実にしなければならない。
クロール バジェットに(悪)影響を及ぼす要因の1つとしてグーグルは次のことをあげている。
質の低いコンテンツやスパム コンテンツ
ゴミコンテンツはそれだけですでにクロールされにくいのだ。
またクロール頻度を上げても評価が上がるわけではないことも知っておかなければならない。反対に、評価が高いコンテンツは一般的にクロール頻度が高い。因果関係の方向の問題だ。
- クロールバジェットを気にかけている大規模サイトのすべてのWeb担当者 必見!
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
最近の頻繁なグーグル順位変動はMFIが原因?
まったく無関係 (Search Engine Roundtable) 海外情報
ここ最近、目に見えるようなランキング変動が多く発生しているが、モバイル ファースト インデックス(MFI)が関係しているに違いない。
そんな話を聞いたことはないだろうか。
しかしグーグルのジョン・ミューラー氏は、この考え方をきっぱりと否定している。
それら(最近の一連のランキング変動)はモバイルインデックスとは関係ない。
These are not related to mobile indexing.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) 2018年10月10日
まったく無関係だ。
It's totally unrelated
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) 2018年10月11日
このコーナーでも何度か説明してきたが、モバイル ファースト インデックスはランキングには直接は関係ない。
モバイル ファースト インデックスは、クロールとインデックスに関係がある。
モバイル ファースト インデックスは、ランキングを決定するアルゴリズムには関係がない。
また、モバイルファーストインデックスが検索順位に悪影響を与えないことが確かめられたサイトだけが移行の対象になっている(将来的には強制的に移行する計画もあるらしいが、少なくとも現状では違う)。
もちろん、インデックス対象のコンテンツが変わることでグーグルの認識するコンテンツが変わり、順位に影響することがゼロだとは言えない。しかし、最近のランキング変動がモバイルファーストインデックスによるものだと決めつけるのは、いささか深読みし過ぎだろう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
noindexページが多いサイトは評価が下がるのか
そんなことはない (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
noindexを設定しているページの比率が多いとサイト全体の評価が下がりますか?
英語版オフィスアワーでこんな質問が挙がった。なかなかおもしろい質問だ。
グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように答えた。
そんなことはない。まったく問題ない。
インデックスできるページにすばらしいコンテンツがあればよく、インデックスさせないページは関係ない。
同じような質問は日本のヘルプフォーラムでも何度か目にしたことがある。自分で意図してインデックスさせないようにしているのであれば、それがサイトの評価に影響を与えることはない。インデックスさせたくないページにnoindexを設定するのは、グーグルが公式にサポートしている仕組みだ。
検索結果に表示させたいページに誤ってnoindexを設定してしまうミスはもちろん良くないが、「noindexを指定しているページが多いから順位に影響が出ることは、ほぼない」と考えていいはずだ。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグルはHTMLのリンクとJavaScriptのリンクを同じに扱うの?
違いはない (John Mueller on Twitter) 海外情報
グーグルのジョン・ミューラー氏にツイッターのフォロワーが次のように質問した。
通常のリンクとJavaScriptで生成したリンクの評価は同じですか?
ミューラー氏は「同じだ」と回答している。
yes
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) 2018年10月18日
リンクであろうがコンテンツであろうが、静的に存在したものもJavaScriptによって動的に作られたものも、それだけが理由でグーグルが評価に差をつけることはない。
ただし、条件がある。グーグルが正常にレンダリングして認識できればということだ。
またJavaScriptを使ったリンクに関しては、グーグルはすべてをリンクとして取り扱うわけではない点にも注意が必要だ。グーグルがリンクとして認識するには、<a>
タグとhref
属性が必要になる。詳しくは以前に書いた解説を参照してほしい。
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