トリプルメディアとは? 各メディアの特徴を押さえてマーケティング課題を解決する方法を紹介 #5
この記事は、書籍『いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
今まで、売上を3つの課題に分けてその解決の考え方を見てきました。本書ではこれに「トリプルメディア」の考え方を重ねて、解決施策を考えていきます。まずはデジタル時代に生まれてきたトリプルメディアの基本を学んでみましょう。
Chaper 1 デジタルとマーケティングの関係を改めて整理しよう
Lesson 07 [トリプルメディアマーケティング]
トリプルメディアの分類で課題に向き合おう
○トリプルメディアとは
「トリプルメディア」とは、デジタルマーケティング時代に新しく生まれてきた考え方で、消費者が接触するメディアを3つに分類したものです 図表07-1。
大雑把にいえば、「ペイドメディア」は有料で広告を出稿するメディア、「オウンドメディア」は自社で管理運営をするメディア、「アーンドメディア」は消費者がコミュニケーションを通じて評判を得るメディアです。
それぞれのメディアの特徴は、図表07-2のようにまとめられます。本書では、これらのトリプルメディアの特徴を理解し、有機的に連携させていくことによって自らのマーケティング課題を解決していく方法を紹介します。
トリプルメディアは3つの課題解決手段に対応させることができます。
○有料で広告を掲載できる「ペイドメディア」
ペイドメディアは、記事やコンテンツのほかに、企業が費用を支払って広告を出稿できるスペースを提供しているメディアのことをいいます。
例えば、Yahoo! JAPANやMSN Japanなどのポータルサイトや、日経新聞電子版や朝日新聞デジタルなどのニュース系サイトなどがあげられます。
ペイドメディアには、掲載されているコンテンツを好む数多くの読者がおり、頻繁にアクセスされています。そのため、広告を掲載することによって、それらの読者に対して広告メッセージを伝えていくことができます。
なおGoogleなどの検索エンジンも、検索結果に有料で広告を表示できる「リスティング広告」を提供している場合にはペイドメディアといえます。
○自社で運営する「オウンドメディア」
オウンドメディアは、大きく捉えると企業自身が保有し自らの情報を提供できるWebサイトのことをいいます。
自社で作成している企業サイトをはじめ、商品ブランドごとのサイトや、自社商品の直接販売を行うECサイト、商品に関わる生活情報を提供するコンテンツサイトなどが含まれます。自社の戦略に合わせて、製品や自社サービスに関する情報を顧客に対して提供することができます。
○評判や信頼を得る「アーンドメディア」
アーンドメディアとは、ソーシャルメディアやブログなどのプラットフォームを使い、消費者が自らの情報発信を行うことによって成立するものです。
発信の内容は参加者にゆだねられているので情報のコントロールが非常に難しいメディアです。当事者ではなく第三者である消費者間の情報共有を通じ、評判や信用を得るという意味でアーンド(earned)メディアと呼んでいます。
一方で、企業視点では世の中のトレンドや評判を知ることができ、さらには消費者間、並びに消費者と企業などさまざまな双方向コミュニケーションに活用できるサイトといえます。
○トリプルメディア活用の基本方針
トリプルメディアの3つのメディアの特徴を整理すると、ペイドメディアは企業ブランドや商品の認知向上に役立てていくことが得意であるといえます。
ペイドメディアは多くの読者を抱えているために影響力も大きく、告知する内容についても時期や対象者などの範囲を自由に計画することができます。ブランドや商品名を多くの消費者に早く伝えていくには、多くの読者を持つペイドメディアのパワーを借りて告知していくことが近道です。
また、オウンドメディアは、より詳しい企業や商品情報の提供を行うことが得意であるといえます。消費者は、わからないことや知りたいことがあればネットを使って調べようとするので、消費者が情報をほしがっているときに、オウンドメディアを通じて商品情報を提供していけば、商品の特徴や魅力をより深く理解してもらいやすくなるでしょう。
アーンドメディアは、自然に行われている消費者同士のコミュニケーションに直接触れられるメディアです。その中にはポジティブな情報やネガティブな情報もありますが、しっかりとアーンドメディアに向き合うことで消費者の理解を深めていきながら、評価や評判の向上を目指したアプローチを行う素地を作っていきましょう。
トリプルメディアをうまく使い分けて、マーケティング課題を解決します。次のレッスンでさらに詳しく見ていきましょう!
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