成果につなげるFacebook投稿7つのポイント ―― 「ネタが浮かばない」悩みを解決します!(前編)
Facebookの強みは、ファンとの深い関係構築!
メンバーズの小野寺翼と申します。企業のソーシャルメディア運用担当者を対象に、「複数ソーシャルメディアの統合運用」をテーマに連載を担当しております。
今回より、「Facebookの企業活用」をテーマに3回に分けて執筆します。第1回は「Facebook投稿を考えるうえで、意識すべき7つのポイント(前編)」です。今回はソーシャルメディア担当の皆さんが日々頭を抱えているFacebookページの投稿コンテンツ。ネタ出しに使える7つのポイント(のうち5つ)を紹介します。
Facebook運用の重要なポイントは、自社が立ち上げたFacebookページに「いいね!」をしてくれた人、いわゆるファンと呼ばれる人たちとつながって、情報を届け、関係を深めることです。
Facebookでは、Twitterと同様にさまざまなタイプの投稿(リンク、写真、動画)ができる一方、Twitterのような140文字といった制限はありません。LINEのように、情報発信数の制限もありません。また、InstagramやYouTubeのように「素材ありき」といった立ち位置に寄ることもありません。
他のソーシャルメディアと比べ、自由度が高く濃いコンテンツ発信が可能なのが、Facebookです。だからこそ、深い関係構築が得意なメディアだといえるでしょう。
投稿はファン全員に届かない!? 「ニュースフィードアルゴリズム」の重要性
Facebookページの運用を考えるにあたって、まずは「ニュースフィードアルゴリズム」の存在を確認しましょう。
Facebookでは、企業ページの投稿であっても、ユーザーの投稿であっても、投稿したすべての情報がファンや友だちに届くわけではありません。ユーザーごとに、その人に関係が深いだろうとFacebookが判断した情報が優先して表示される仕組みがあるのです。
この優先度を判断するのが、Facebook独自の「ニュースフィードアルゴリズム」と呼ばれるロジックです。
ニュースフィードアルゴリズムの判断基準としては、たとえば以下のようなものがあります。
- Facebookページの投稿へのアクション頻度 ―― あるFacebookページからの投稿によく反応しているユーザーには、そのFacebookページからの投稿は優先度が上がる
- Facebookページへのアクセス頻度 ―― あるFacebookページ自体によくアクセスしているユーザーには、そのFacebookページからの投稿は優先度が上がる
言い換えれば、Facebookではファンが興味を持ってくれる情報を継続して届けないと、どれだけ投稿しても、その情報は届かなくなるということです。この大前提を忘れないようにしてください。
ニュースフィードアルゴリズムは、Facebookユーザーに最適な情報が届けられるよう、日々アップデートされています。
上記のような優先度を上げる仕組みだけでなく、「適切な情報を見せず、むやみにリンククリックを煽るような悪質な投稿を行った場合、ランクを下げる」といったペナルティを与える仕組みも、最近では発表されています。
- 参照元: ニュースフィード情報ブログ: クリック数稼ぎの見出し対策(Facebookニュースルーム)
成果につなげるFacebook投稿、7つのポイント
ここからは、成果につなげるFacebook投稿を作る際の、7つのポイントを紹介します。
- ①生活者目線の「有益さ」を意識する
- ②季節感や記念日を大切にする
- ③自社の歴史を紹介する
- ④裏側を見せる
- ⑤「傾聴」をきっかけにコミュニケーションにつなげる
- ⑥最新のテクニックを活かす
- ⑦「真摯さ」を第一にファンと向き合う
今回は前編として、①~⑤の5つのポイントについて、事例を交えながらご紹介します。
①生活者目線の「有益さ」を意識する
まずは、投稿コンテンツを考えるうえでの心構えです。繰り返しにはなりますが、Facebookページの運用においてはファンの興味につながる情報発信が重要です。ゆえに、コンテンツには生活者目線での「有益さ」を意識する必要があります。
この「有益さ」ですが、
- おトク情報や割引情報といった「実利的な有益さ」
はもちろんですが、
- おもしろかった
- 感動した
など、ファンが見てよかったと思えるような「精神的な有益さ」も含まれます。
企業が出したいと思う一方的な広告や宣伝、つまり「企業目線で有益な情報発信」ばかりだと、生活者の興味を惹き関係構築につなげることは難しいでしょう。生活者目線での「有益さ」を大切にしましょう。
②季節感や記念日を大切にする
ファンと企業が必ず共有しているものの代表は、「同じ時間」、そして「季節」でしょう。
特に日本という国は四季もあり、季節感に敏感であり大切にするという国民性を持っています。それであれば、この季節感を盛り込むという視点も、投稿を考えるうえで有効です。
季節感や記念日をうまく盛り込んでいるFacebook投稿の事例を、いくつか紹介します。
事例SUNTORYサントリー
「ハロウィン」という季節のイベントをテーマに、自社商品(ウイスキー)に仮装させています。季節感とユーモアをかけ合わせた投稿です。
事例アサヒビールASAHIBEER
タイミングという点では、「記念日」をネタに投稿するのもいいでしょう。この事例は「11月22日(いい夫婦の日)」にあわせ、夫婦で乾杯している様子を投稿している、ユニークかつ温かい投稿です。
記念日は、祝日を含め多く存在します。特に11月には語呂合わせで生まれた「いい○○の日」といった記念日が多く存在します。
年間の記念日については、POPWORLDの「記念日カレンダー」などが参考になるでしょう。
③自社の歴史を紹介する
自社の歴史も、Facebookページの投稿コンテンツになり得ます。自社のFacebookページでつながるファンは、企業や製品のバックグラウンドにも興味を持ってくれることでしょう。
自社の歴史を盛り込んだFacebookの投稿事例を紹介します。
事例コカ・コーラ (Coca-Cola)
自社商品のパッケージ(デザイン)の変遷を紹介する投稿です。過去の商品を知るファンには懐かしさを訴求でき、知らないファンには好奇心訴求につなげられるコンテンツですね。
④裏側を見せる
他のメディアでなかなか見せることのない裏側を見せるというテクニックもあります。なかなか表に出てこないレアな情報を公表することで、ファンの興味訴求につなげることができます。
製品の裏側を見せているメーカーの投稿事例を紹介します。
事例土屋鞄製造所
手作りの革製品ブランド「土屋鞄製造所」のFacebookページでは、あまり表に出てこない職人さん・スタッフさんを紹介しています。
真剣なまなざしや思いを伝える投稿は、ファンの商品への愛着訴求や、ブランディング強化にもつながるでしょう。
⑤「傾聴」をきっかけにコミュニケーションにつなげる
ソーシャルメディアの特徴として、次のことがあります。
- 生活者が情報を発信できること
- 企業発信の情報に対して生活者がアクションできること
そのため、生活者の声に企業が耳を傾け(傾聴)、コミュニケーションにつなげてみるというのも一手です。次の事例のように、クイズやアンケートを使った投稿もよいでしょう。
事例コカ・コーラ (Coca-Cola)
商品をテーマにしたクイズ投稿です。商品(コーラ)のはじける泡のなかで、ハートマークの泡を見つけてもらい、わかったら「いいね!」で答えてもらっています。
事例キリンラガービール
- 投稿日時: 2016年09月06日(火)17:00
- エンゲージメント率: 5.93%
- ファン数: 356,413
- いいね: 20,076
- コメント: 773
- シェア: 248
「商品(ビール)と食べるなら、どちらにするか?」をたずね、コメントで答えてもらう投稿。ファンとコミュニケーションすると同時に、商品の楽しみ方のリサーチにもつなげています。
今回の前編、いかがでしたか? 生活者目線の有益さのなかでも、特に精神的な有益さをつなげる考え方を紹介しました。
次回後編は、最新のFacebook投稿テクニックを中心に紹介します。
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