企業向けスマホサイト変換サービス6選、PCサイト → スマホ変換を徹底比較
Webアクセスにおけるスマートフォン比率が高まるにつれ、多様な「変換サービス」が出揃ってきた。これまで企業サイトのスマホ対応はスクラッチ(ゼロからの独自開発)での制作が主流だったが、今後は、ワンソースでマルチデバイスに対応できる「PCサイト → スマホサイト変換」サービスの導入が常識になるだろう。企業担当者からすれば、開発、運用におけるサイトのコストパフォーマンスやマーケティング的な利便性が重要となってくるからだ。
検索するだけでもさまざまな変換サービスを見つけることができるが、今回は企業サイトに相応しい変換サービスの選び方とともに、「PC → スマホ」変換に絞り、製品をピックアップして紹介する。
- ADPLAN SG(オプト)
ショーケース・ティービーのエンジンを採用、ADPLANシリーズの各種ツールと連携 - Mobify(ドーモ)
米スターバックスほか、海外で2万件以上の実績を有するツールの日本版 - shutto(イー・エージェンシー)
ドラッグ&ドロップでカスタム可能なセルフサービス型ツール - SPコンバート(ボクシーズ)
アイスリーデザインのエンジンを採用、ユーザー企業のシステムと連携可能 - WEBトラン(ネクシム・コミュニケーションズ)
フルカスタマイズ可能な2007年登場の実績あるサービス - エリクサー・ユニバーサル(ノイアンドコンピューティング)
独自変換ルールを設定し、イメージどおりスマホサイトに変換 - スマートコンバート(アイスリーデザイン)
カルーセル、アコーディオンなどスマホならではの機能に対応 - スマホ自動変換サービス(イーライン)
充実した決済フローまわりの機能でECサイトに対応 - ナビキャスト スマートフォンコンバーター(ショーケース・ティービー)
タグ貼り付けだけで簡単変換、200社以上の導入実績
自由度、信頼性、コストパフォーマンスの両立がポイント
スマートフォン変換サービスとは、一般的にPCやモバイル(フィーチャーフォン)向けに制作したコンテンツ(Webページ)をスマートフォンにサイト向けに変換し、最適化するサービスを指す。先行する北米では、すでにスマートフォンのみならず、タブレット端末にも対応した「マルチデバイス」対応が注目されている。
スマホ向けのコンテンツをPCサイトとは別にスクラッチで構築するのに比べ、変換サービスを利用すればPCサイト更新時にスマホサイトも自動的に更新されるので、Web関連の制作費や運用コストを抑えることができる。
ひとくちに「スマホ対応サイト変換サービス」といっても、簡易な個人サイト向けのサービスから、変換エンジンを使いつつスクラッチに近い自由な構築が可能なものまで幅広い。個人向けのなかには無料で利用できるサービスもあるが、デザインの自由度などの制限、導入実績などの面で企業サイトへの導入には心許ない。
さらに、フィーチャーフォン向けのコンテンツをスマホ対応に変換するサービスも存在する。また、同じ変換エンジンやシステムを活用しつつ、別ブランドで他社から販売しているサービスもある。こうしたさまざまなレベルのサービスが混在していることが、企業のWeb担当者が「自社サイトにどのサービスを導入すればいいか」判断するのを難しくしているというのが現状だ。
これまで企業サイトに変換サービスを導入するときには、サイト全体をまるごと変換するというよりも、特定の商品やサービスについてのコンテンツを部分的にスマホ対応にするケースが多かった。またPCサイトとはユーザーシーンが異なるため、PCとは違うコンテンツやUIが必要だという考えもある。いずれにせよ、ある程度のPVを想定し、サイトのルックスが商品などのイメージにも影響する企業サイトでは、デザインの自由度やセキュリティの信頼性を担保しつつ、いかにコストパフォーマンスのよいサービスを選ぶかがポイントになる。
ここでは「PC → スマホ」の変換に目的を絞り、現在市場に発表されている中で、小規模な個人サイト向けのサービスを割愛し、企業サイトへの導入に適した主なサービスについて目安となるコストなどを一覧で比較する。
スマホサイト変換サービス、主要6製品一覧
製品名 | Mobify | shuttoプロ版 | WEBトラン | スマートコンバート | スマホ自動変換サービス | ナビキャスト スマートフォンコンバーター |
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提供会社 | 株式会社ドーモ | 株式会社イー・エージェンシー | ネクシム・コミュニケーションズ株式会社 | 株式会社アイスリーデザイン | 株式会社イーライン | 株式会社ショーケース・ティービー |
初期費用 | 15万円 | 1万5,750円、フリー版あり | 100万円~、(制作テンプレート数などによる)※1 | 150万円~、(制作テンプレート数などによる)※1 | 50万円~(提案内容による) | 10万円 |
月額費用 | 定額制:8万円 ※従量制(10万円~)のEC版もリリース予定 | 5,250円、フリー版あり | 従量課金:5万円~※1 ※セッション管理ありの場合は10万円~ | 従量課金:10万円~、(共用サーバーは5万円~)※1 | 5万円~ | 従量課金
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セルフサービスツール | ○ | ○ | × | ○ | × | ○ |
スマホサイト 制作費 | 個別見積 ※50万円~(自社制作も可能) | ユーザーが作業、個別相談も可能 | 初期費用に含む(個別見積) | 初期費用に含む(個別見積) | 初期費用に含む | ユーザーが作業 |
更新(修正) 制作費 | テンプレート制作:3万~5万円程度※1 | ユーザーが作業、個別相談も可能 | 簡易修正は月額費用に含む、複雑な修正は個別見積 | テンプレート制作:6~10万円程度※1 | 保守費用に含むが、修正内容によっては個別見積 | ユーザーが作業 |
最低利用期間 | 6か月 | 1年 | 1年※2 | 1年※2 | 6か月、プランによっては1年契約 | 3か月 |
構築期間 | 6週間 | 即日~ | 最短1か月 | 2~3か月 | 約2か月~(30ページほどを想定した場合) | 即日~ |
SSL対応 | ○ 標準でセキュアを確保 | ○ | ○ 変換サーバーに設定(15万円程度)※1 | ○ 変換サーバーに設定(費用は制作規模による) | ○ | ○ Webページに準じる |
iPhone対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Android携帯 対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
タブレット対応 | ○ 標準でテンプレート設定可能 | × | ○ 初期制作時にカスタム設定※3 | ○ 初期制作時にカスタム設定※3 | ○ | ○ |
備考 | 同一URL、同一ページで対応可能。 Eコマース向けメニューを今秋発表予定。 | 初期設定やカスタマイズをパートナー会社に依頼可能。 | インストール型の「WEBトラン プロフェッショナル」もあり。 | 予算や社内コンプライアンスなどの要望に応じてさまざまなレベルのソリューション構築に対応可能。 | サイト公開後の集客支援サービスなどを用意。公開後はPCサイトとの一元管理が可能。 | 入力フォームを使用する場合は、系列サービスの「フォームコンバーター」(別料金)との併用がオススメ。 |
Mobify(モビファイ)
URL:http://www.domore.co.jp/mobify/
提供:ドーモ
海外で約4年間の運用、2万件の実績があるカナダ製の「Mobify(モビファイ)」社の変換エンジンを採用し、日本では2012年1月からサービスを開始した。
すでに米スターバックスや英ヴァージンワインなどのeコマースで使われている。クラウド型サービスのため導入コストが低く、月額固定制が特徴(10万円~で従量制のEC版もリリース予定)。
PCサイトと同一URLでの変換表示が可能で、SEOやソーシャルメディア上での活用において優位性を持つ。セキュリティ対応、タブレット対応も標準で実装できる。大規模サイトでも安心して使用できるポテンシャルがあり、EC、企業系サイトなどでの導入事例が増加中だ。
WEBトラン
URL:http://www.nexm.jp/product1.html
提供:ネクシム・コミュニケーションズ
プロキシサーバーを活用した変換サービス。レイアウト、機能ともに独自構築(スクラッチ制作)に匹敵するフルカスタマイズが可能。タブレットや携帯ゲーム機、3G以降の携帯電話端末などにも対応でき、デバイス別にコンテンツを追加することも可能。タグの挿入や文字修正などを含めてユーザー側の作業は一切なく、すべてサポートしてくれる。
2007年にイスラエルの変換エンジンを導入してスタートした日本における変換サービスのパイオニア的存在。新規端末への最適化は3週間~4週間程度で対応する。
Shuttoプロ版
URL:http://shutto.com/
提供:イー・エージェンシー
PCサイトに変換用のJavaScriptを貼り付けて利用するSaaS型のサービス。初期設定からデザイン修正まで、すべてをユーザーが行うセルフサービス型であり、スマホサイトをドラッグ&ドロップでデザインできる独自のインターフェイスを管理画面に備えているのが特徴。
デザインテンプレートは、管理画面上で自由に設定できる反面、ユーザー自身による設定が必要なため複雑なサイトでは作業負担が大きい。テンプレート数の多いページでは変換作業が重くなるため、小規模から中規模向けのサイトに適している。低コストながらフォーム変換、SSLページなどにも対応し、PCサイトと同一URLでの表示が可能。
公式の制作パートナーに変換作業を依頼することもできる。無料版も提供するが、広告が表示されるため企業利用では有料のプロ版が前提となるだろう。
スマートコンバート
URL:http://www.i3design.jp/service/sc/
提供:アイスリーデザイン
変換サービスでありながらスクラッチ開発並の自由度と変換ソリューションによるコストダウンの両方を実現できる。その分導入コストは比較的高額となるが、「エンタープライズ」「スタンダード」「ベーシック」と3種のグレードが用意されており、ニーズに応じたプランを提案する。主力はプロキシサーバーを使ったサービスだが、インストール型のサービスも提供している。カルーセル、アコーディオンなどのスマホならではの画面展開機能、jQuery Mobileを用いた実装も可能。
サービス開始から1年以上の実績があり、大規模なサイトの導入実績が豊富。
スマホ自動変換サービス
URL:http://www.ee-line.co.jp/smartphone/02/index2.html
提供:イーライン
ユーザーの要望や環境にあわせて変換プランを提案する、コンサルティングに近いサービス形態をとる。初期設定には企画や個別開発提案、スマホサイトのデザインや検証作業などが含まれ、サイト公開後の保守まで対応する。公開後はPCサイトのコンテンツと一元管理することが可能。
ECサイトをターゲットとして開発されているため、会員登録、マイページ、SSLほか、決済フローまわりの変換に対応する。中規模から大規模のECサイト、大手情報系コンテンツサービス、メーカー系の大規模サイトまで対応可能。
ナビキャスト スマートフォンコンバーター
URL:http://www.showcase-tv.com/smartphoneconverter/
提供:ショーケース・ティービー
PCサイトのコンテンツをそのまま利用する、ASPタイプの変換サービス。PCサイトからスマホサイトへの変換に対応する。専用タグを貼る(ユーザー作業となる)だけで、独自の変換ロジックに基づいたページが生成されるため、安価で容易に導入可能であるが、自由なデザイン設定を希望する場合は一定のスキルが必要だ。
料金は月額のPV数によって変動し、月額3万円~、初期設定費10万円~。同一ドメイン名内であれば変換ページ数に制限なく利用でき、SSL対応やDBなどの既存システムと連携可能。PCサイトのフォームをスマートフォン向けに変更するには「フォームコンバータ」(別料金)が必要になる。
OEMとして他社エンジンにも採用されており、EC、金融、キャンペーンなどの導入実績も多数。
コメント
shutto
企業向けスマホサイト変換サービス6選、PCサイト → スマホ変換を徹底比較という記事に『shutto』掲載されました。 | インフォメーション | 株式会社イー・エージェンシー
http://www.e-agency.co.jp/news/20121019.html
※一点間違いがあります。
『この記事では制作をうけないことになっていますが、制作も請けておりますので、ご相談ください。』