[月商100万円達成ショップ事例]リピーター率7割を実現する温かみのあるフォロー/we
[ネットショップ成功事例]
勝ち組店長の運営ノート
~ネットショップ成功への道
今や企業のみならず、個人でネットショップを開店するのも決して珍しくない。しかし、実世界の商売で成功を収めていたとしても、インターネット上で成功できるとは限らない。そこには、インターネットならではのノウハウが潜んでいる。ネットショップには月商100万円や1,000万円という、だれもがぶつかる壁がある。その壁を越えるための成功の秘訣とはいったいなんだろうか。これらの壁を超えて、成功を収めているショップオーナーの声を聞くことで見えてくるはずだ。
鈴木 琢磨(有限会社イーショップアカデミー)
リピーター率7割を実現する温かみのあるフォロー体制
温かみのあるフォロー、リアルのイベントで顧客との信頼関係を築く
「we」犬と暮らす人のインテリアショップ
weのショップ基本情報は記事末尾を参照
ターゲットと出店方法を明確に決めて立ち上げたブランドショップ
2004年8月にオープンした「we」は、犬と暮らす人をターゲットにしたインテリアショップだ。商品点数3点でオープンしたきっかけは、代表の森氏が起業をしたことに起因する。
「1998年から約6年間、大工をしていたんです。大工にもいろいろとあるのですが、将来、インテリアの仕事で独立することを考えていたので、宮大工などの伝統的でクオリティの高い仕事をしていました。そこで一通りの技術を学びましたので、いよいよ、やりたかった“オシャレな感じの家具とインテリアの仕事”で起業をしました。最初は、家族や親戚、知人、それと、起業前に働いていた会社の関連会社から、直請けで仕事をもらっていました。直受けにした理由は、ハウスメーカーの下請けや孫請けでなく、自分がお客様とお話をして設計・デザインをしたかったからです」
クオリティの高い技術があれば、下請け業者や孫請け業者として仕事を受けることで、最も時間とお金と労力がかかる「集客」に手間をかける必要がなくなるのだが、森氏が独立起業した際に決めていたのは、“絶対に下請けはしないこと”だった。直請けと下請けはそれぞれ一長一短だが、独立当初は何と言っても集客が最も重要となる。目の前にお客様がいなければ、どんなに優れた技術を持っていても実力を発揮することができないので、当然収入も入ってこないからだ。そのため、どうしても運転資金を確保するために下請けをしたくなるのが心情というものだが、このあたり、森氏はどのように考えていたのだろうか?
「集客の苦労は知っていましたが、それでも、直請けができないなら、仕事はしないと考えていました。一度下請けをすると、依存してしまい、なかなかそこから抜け出せなくなるので、独立した意味がなくなってしまうからです。でも、そうはいっても、数か月で親戚や知人のツテの仕事がだんだんとなくなってきましたので、どうしたものか、インターネットでお店を開こうか、と考えていました」
そんな矢先、森氏は、現在、インターネットで経営コンサルタントとして活躍している吉田氏(成功塾代表)に出会い、現状の相談をした。そして、次のようなアドバイスをもらったという。
「お店をやるなら『特色を出さないといけないので、誰もやっていない分野を探してみては』というアドバイスをもらいました。そのアドバイスに“なるほど”と思い、インターネットで自分のこれまでの経験を活かせる分野をいろいろと探しました。そんなあるとき、犬と家具という検索をしたのですが、当時は誰もやっていないことに気づきました。自分自身、犬が好きで飼っていることもあり、“犬と暮らす人”をターゲットとすることを思いつきました。そして、所得はいくらぐらいで、どこに住んでいて、という細かいターゲット設定をしました」
この「ターゲット設定」はとても大事だ。なぜなら、ターゲットを設定しているかどうかで売上が変わるからだ。たとえば、あなたが起業を志す人向けの商品を取り扱っていて、ホームページで販売するとする。では、ホームページを開くと最初に目に付く位置(ファーストビュー)に、どんなメッセージを書くことが最適だろうか?
答えの1つは、「起業を目指すあなたへ」というキャッチコピーだ。それであれば読まれやすく、内容も伝わりやすいので売れる可能性がグッと高まる。しかし、「起業をしたけど集客に悩んでいる、というあなたへ」とあったら、売上がグッと低くなることは想像できるだろう。どんなに優れた商品も、ターゲットが設定できていないと売れないことが多いのだが、いざ自分で商品を販売しようとすると、“できるだけ多くの人”に買ってもらうようにしてしまう。あなたが今、売上の伸び悩みを感じているなら、ターゲットを見直してみるも1つの解決方法だ。
さて、ターゲット設定の大事さは知っていたものの、これまで大工や家具、インテリアの仕事をしてきた森氏にとって、インターネットにショップをオープンすることは未経験のこと。そこには、次のような戸惑いがあったという。
「2004年5月に、ネットショップのオープンに着手しました。でも、当時は何の知識もありませんでしたので、何から始めたらいいのかがわかりませんでした。当初から独自の“ブランド”を目指していましたので、モール出店ではなく独自ドメイン名の店でと決めていたのですが、サーバーが何かもわからない状態でしたので、本当に大変でした。結局、サーバーは当時加入していたプロバイダのスペースを使いました。また、お金がないのでホームページを自分で作らなければならなかったため、ホームページビルダーを買ってきました。仕事の合間にせっせとホームページを作り、3か月後にオープンとなったのですが、最初は満足のいくクオリティではありませんでした」
ここで注意してもらいたいのは、「起業をするなら、ホームページをプロに作ってもらうための費用を用意しておく」ということだ。森氏の場合、戦略が良かったため、ネットショップの売上は伸びていくのだが、通常、2か月も3か月もホームページの作成に時間をかけた場合、ショップをオープンしたことで満足をしてしまい、その後の展開が疎かになり、売上が伸び悩んだままの状態が続くことが多い。プロに作ってもらえば、ストレスなく期日にキチンとオープンできるので、オープン後、売上アップに対してのモチベーションを保ち続けることができる。だからネットショップの構築は、予算の許す範囲内で、プロへの依頼をお勧めする。
ただし、プロに作ってもらうには、プロを選定する目が必要になる。選定するには、ホームページ制作に関する正しい知識を身に付けておくことと、実績をみせてもらうこと。技術もさることながら、ノウハウが影響するのでショップ系の実績は必ず聞いておこう。こうすれば大きく外れることはないだろう。
「プレスリリース」とお客様に喜んで頂く「仕組み作り」のポイント
2004年8月にweがオープンしてから、森氏が知っていた唯一の販促手段Yahoo!オークションで「フードボール(犬用の食器)」のセットを出し、1週間程度で売上が立った。「やった!」という喜びがあったが、スグに壁が訪れたという。
「フロント商品、つまり、最初に買って頂く商品としてフードボールを用意していたのですが、フードボールを買って頂いた方に紹介するバックエンドの商品がありませんでした。ですので、次の商品として犬小屋を用意しました。
立ち上げ当初は、ホームページも商品もすべて1人で作っていたので、本当に大変でしたね。何とか早く軌道に乗せたかったので、オークション以外の販促の手段として、犬の専門誌にプレスリリースをFAXしました。すると雑誌に掲載して頂けました。当時は、“犬の洋服のお店”はありましたが、“犬と家具”というコンセプトは当社だけでしたので掲載して頂けたのだと思います。プレスリリースのノウハウは、成功塾の吉田さんから教えて頂きました。教えてもらったポイントは、A4一枚で書くこと、キャッチコピーをわかりやすく書くこと、客観的に書くことなどです」
集客のために広告にお金を掛けられないうちは、低予算で広告の展開をせざるを得ない。幸い、インターネットの広告には低予算で集客ができる懸賞サイトの利用や費用対効果の明確なPPC広告があるのだが、雑誌や新聞、TVなどのマスメディアの影響は大きい。プレスリリースの発信はFAX代と人件費だけなので、これだと思う商品があればプレスリリースの発信にトライして頂きたい。
プレスリリースのポイントは、森氏の述べてくれたノウハウの他に、自社商品を利用するターゲットを明確にして適切なメディアを選択すること、商品に独自性や話題性があることなどが挙げられるが、それ以前に基本的な書き方を押さえておく必要がある。森氏のようにセミナーで学ぶこともできるが、基本的な書き方を学べる書籍がいくつか出ているので、そういった書籍を読んで基本とポイントを押さえるだけでも、掲載確率がグッと高まる。今では多くの企業がホームページにプレスリリースを掲載しているので、メディアが扱っているニュースの元となったプレスリリースを参考にするのもいいだろう。
また、森氏は売上アップのためにプレスリリース以外にも次のようなノウハウを取り入れている。
「商品撮影は一眼レフのカメラを使って撮影をしました。良いカメラで良い写真を撮ると、言葉で伝わらない雰囲気が伝わるからです。インターネットで大事なのは、写真力だと思います。特に当社は、ターゲットを富裕層の方としていますので、写真はかなり重要なのです」
確かに、インターネットでは写真が重要だ。写真のノウハウとしては、これまでもこの記事で伝えてきたとおり、“商品サービスで得られる体験をどのように演出するか?”という演出が最も重要なポイントとなる。たとえば、餃子なら「箸でつまんだ餃子の切り口から滴り落ちる肉汁をいかに見せるか?」だ。食べる直前の写真を見せることで見ている者に疑似体験をさせ、「ほしい!」「旨そう!」という感情を生み出すことができる。
weの商品であれば、「犬と一緒にこんな暮らしをしてみたい!」と思わせることができるような写真となる。ドッグブームのなか、犬は一昔前と違い、家族や友人と同等以上の大切な存在になってきているので、「いい物を買おう」という気持ちがある。つまり、ホームページの写真には「せっかくならいい物が映っている必要がある」ということだ。売り上げの高いショップの店長は、「人は感情で購入する」ということを知っているので、このようなことを常に意識している。
メールとリアルの活動を取り入れて温かみのあるフォローをする
森氏は、その他にもフォロー体制に次のようなノウハウを取り入れている。
「フォローメールの仕組みを取り入れるようにしました。最初は21日間プログラムという、経営コンサルタントの神田昌典先生のノウハウを導入していました。これは、一度買ってくださった方に、商品の発送後3日後ぐらいにプレゼントや手紙を出して印象付けることで記憶してもらい、その結果、リピート率を向上させるというものです。21日間で人の気持ちが冷めるそうなので、21日以内に行うことが重要です。確かに効果はあったのですが、ネットだけのeメールでのやり取りが私は好きではないので、今は独自のリピート対策を行っています。具体的には、まず、ご購入頂いたらフォローメールを手紙で出します。その後、掲示板のURLを送り、感想や写真をアップして頂いた方に当社のノベルティを送るなどしています。
こうしてネットだけで完結するのではなく、リアルでの活動も仕組みに入れることで、温かみを出しています。それから、写真を掲載してくださった方の中から大賞を選んで、ホームページにアップしています。このサービスで喜んで下さったお客様は、口コミで他のお客様を紹介してくれることもあります」
お客様を喜ばせるという意識は重要だ。どんなノウハウもその意識が無ければ、意味のないものになってしまう。常に意識をしているのはぜひ見習いたいすばらしい点だ。森氏がすばらしい点はその他にもある。それは、「まずはやってみる」という姿勢だ。やってみて、自分に合うものだけを残したり、自分に合うものを加えたりして、改良をする。自分に合わないものや好きでないものは続かないし、嫌々やっていればそれはお客様に伝わる。それを「やらない」という選択をした代わりに「やる」と決めたものには力を入れる。それがスタイルを生み、ブランドとなるのだ。売上至上主義とは異なる起業のやりかたといえる。
「徹底してブランドにこだわる運営体制」で達成した月商100万円
独自のこだわりによってブランドを生み出し、売上を伸ばしていった森氏。しかし、順調に売上が上がるまでには時間がかかったようだ。まず、他の多くのショップ同様、集客に苦労したという。
「立ち上げから3か月を過ぎて思ったのは、認知してもらうことの難しさでした。自社のことを知ってもらい、ブランドを認識してもうことがインターネットでの販売には重要だと思っています。認知度をアップするためにはいろいろやりました。そのうちの1つがリアルでのイベントを開催したことです。東京ドームで“ワクワクわんわんフェスティバル”というイベントがあるのですが、一度、そこにネットの他店舗さんとタイアップをして出店したことがあります。物販のブースに3日間出店して、20~30名の方に来て頂きました。ただ、周りの店舗が叩き売りをしている状況で、当社のターゲットではなかったため、うまくいきませんでした」
このように、立ち上げ時の集客に失敗はつきものだ。費用対効果が高く、無駄なく集客ができる手段、つまり自社にとって最適な集客方法が見つかるのは、多くの場合はこうした試行錯誤の後なので、とにかくいろいろとトライしてみてほしい。
また、森氏は、インターネットでの代表的な集客方法であるSEOやPPC広告に取り組んでいるが、ブランディングを意識した独特のノウハウとなっている。
「SEOにしてもPPC広告にしても、weのブランドを考えて実行をしています。具体的には、SEOでは少しでもいいので、毎日ホームページを更新をしています。検索では“犬小屋+○○“というキーワードで上位表示されるようにしています。それから相互リンクは、当社のブランド価値を重視しているのでやっていないですね。PPC広告は、“犬小屋”の1ワードで出しているだけです。たくさんのキーワードを投稿するのではなく、“犬小屋といえばwe”と頭の中に思い浮かべて頂けるようにしています」
自社のブランディングを考えた森氏らしい展開だ。SEOでは内部施策とともに外部施策があり、外部施策ではリンクが重要な要素であるが、weではブランドを最優先に考えて相互リンクを行っていない。
それからPPC広告も、一般には、「購入する気のある人が検索すると考えられる」キーワード、費用対効果を上げるために複数キーワードの組み合わせで広告を出す。そうして、考えられる範囲内のすべてのキーワードを投稿するので、中には数万ワードを投稿しているサイトもある。森氏はそういった方法があることを知った上で、自社のブランディングや自分のやりたいことに適しているかどうかを考え、現在の取り組み方を選択している。
リピーター率7割。常にお客様に喜んでもらう取り組みで築いた信頼関係
やがてweは、独自の顧客フォロー体制とプレスリリース、SEOやオーバーチュアなどPPC広告の認知度アップの活動が功を奏し、2006年の12月に月商100万円を突破した。
「2006年10月頃から、年末商戦の12月に月商100万円を突破することを狙っていました。フォローメールの仕組みができあがりつつあり、お客様にブランドを認知をして頂けていたという手ごたえを感じていました。年末商戦用に、犬のトイレやケージ、檻を用意していましたが、12月の売上の半分はオーダーの商品でした。達成時の売上の割合は、新規が2~3割で、リピートのお客様が7~8割、商品点数は5点ほどで、平均客単価は3万円前後でした。達成した瞬間は『やった!』と思いましたね。その日の夜は、スタッフと飲みに行きました(笑)」
売上のうち7割以上のお客様がリピーターということは、まぎれもなく既存顧客へのフォロー体制を含む仕組みが良かったからだ。これは、常にお客様に喜んで頂けるように取り組んできた結果だ。ぜひ、あなたにも仕組みを作って頂きたいのだが、この仕組み作りに欠かせないのは、お客様の心理を考えて、喜んで頂けるようにすることだ。というのも、既存のお客様とはすでに信頼関係ができているので、新商品や単価の高い商品を買って頂きやすいからだ。新規のお客様に買って頂くには、信頼関係を築くところから始めるため、相応の労力がかかる。
さて、このように独特のスタイルで結果を出している森氏に、これから月商100万円を目指すあなたへのアドバイスを聞いてみた。
「モチベーションの維持・向上、それとスピードとクオリティが重要だと思います。特にモチベーション。私はモチベーションが下がることはやらないようにしています。やっていて楽しいことは、スピーディにできると思いますし、クオリティも向上すると思います。でも、やらなきゃいけないことというのは、モチベーションが上がりにくく、スピードもクオリティも下がってしまいます。だから、人に任せられる仕事はどんどん任せて、モチベーションを下げないようにした方がいいと思います。たとえば、私は商品を作ることはできますが、制作の工程が大変ですし、販売に専念したかったので、作ることは職人さんに任せています」
人には得手不得手がある。得意なことは、やっていて楽しく結果が出やすい。だから、あなたが売上を上げるためには、人を入れて、あなたが得意な仕事に集中できる運営体制を整える必要があるかもしれない。アウトソースできる仕事は、プロに依頼するのも1つの手だ。しかし、そのためには、人を入れられるだけの売上、体力が必要だ。もちろん、その売上に達するまでは、すべてを自分でやらなければならないのだが、その時期に見えてくる不得手な仕事について、“いくらで、誰に振れるか”を意識しておいてほしい。そうすることで、売上やコストへの意識が高まった結果、売上が上がっていくことが多い。逆に言えば、「すべてのことは自分でやる」という意識の人は、その意識があるために、残念ながら人を入れるだけの売上を上げにくいのだ。
また、森氏からは、次のようなアドバイスも頂いた。
「その他には、お客さんの喜びそうなことをやることですね。これはとても重要です。ターゲットを認識して、満足度を高める意識を常に持っていれば、ちょっとした気遣いが自然に出てくると思いますし、良いアイデアが浮かぶと思います」
「お客様を喜ばせること」というのは、独自のリピート戦術を構築した森氏だからこそのアドバイスではない。お客様を相手に商売をしている以上、当たり前のことだと言える。しかし、この当たり前のことを、あなたはどのぐらい実行できているだろうか?
たとえば一時期、懸賞サイトのプレゼントでクラッシックのコンサートチケットを出したところ、たくさんの応募があった。「のだめカンタービレ」というクラッシックをテーマにしたドラマが流行したからだ。このように「流行を取り入れる」ということも「お客様を喜ばせること」に当たる。ぜひ、意識をして、具体的な何かを実行してみてもらいたい。
最後に、weの今後の展開について聞いてみた。
「全国的にブランドを認知させたいです。そして、次は月商1,000万円を達成したいですね。そのためには、資金をためる必要があります。資金をためる為には、売上の流れ止めないようにすることがポイントになると思います。そのことを常に意識しつつ、具体的な展開としては、ドッグフードのセレクトショップをオープンします(現在はオープン済み「we-freshness dogfood」)。このお店は、商品点数を抑えつつ展開をしていきます。物販は自分がつきっ切りにならなくても大丈夫ですので、人に任せていく予定です。それから、ケージなどのオーダー品も増えていくように取り組んでいきます。あとは、内装関係や家作りの仕事を受注できるようにしたいですね。“犬と暮らす家“を実際に作ることで、1,000万円に近い数字は出せると思います」
月商100万円達成後も順調に売上を伸ばしている森氏。方向性としては、これまでと同様、ターゲットに満足して頂けるような商品やサービスを提供していくようだ。商品点数をむやみに増やさず、クオリティを重視し、単価の高い商品やサービスを用意するというブランドに沿った展開を考えていることが伺える。
このやり方だと、目標数字は達成できると思うが、「いつ頃達成されるのか?」はわからないので、あとは、いつ頃に達成するのかを明確にすると良いだろう。このコラムでたびたび述べているが、目標は、「積み上げ型」では達成できない。期限を決めて目標から逆算をしていくことが目標達成のポイントだ。資金が足りないなら、データを集めて、今後の事業プランを立てることで「借りる=資金調達をする」という選択肢もある。どのようなプランを立てるのか。今後の選択に注目したい。
we 成功のポイント
- 他店にない独自ブランドとコンセプト、詳細なターゲット設定で出店。
- リアルの活動を取り入れた温かみのあるフォロー体制で信頼感を築く。
- 商品作りと販売を切り分けた運営でスピードとクオリティをアップ。
※社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材時点または記事初出時点のものです。
株式会社we 会社概要
- 設立:2007年10月
- 代表取締役:森浩治
- 所在地:埼玉県入間市
- URL:http://we-original.com/
ネットショップ概要
- ショップ名:we
- ショップオープン日:2004年8月
- 出店先:独自ドメインで出店
- URL:http://we-original.com/
「we」は、犬の食器・犬のトイレ・犬小屋などを企画・製作・販売しているネットショップ。埼玉県入間市にある株式会社weが、2004年8月に独自ドメイン店としてオープンし、1年4か月後の2005年12月に月商100万円を達成している。取材時点での取扱商品点数はオーダー品も含めて30点ほど。「ブランドの維持」と「販売に関わる業務(売ること)以外はできる限りアウトソースする」という方針を保ちつつ、全体の運営指揮を代表の森氏が行っている。
月商100万円達成時の情報 | |
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月商100万円達成年月 | 2005年12月 |
平均客単価 | 3万円 |
広告費 | 1万円 |
アクセス数 | - |
ユニークユーザー数 | - |
ショップの運営・販売概要 | |
ショップコンセプト | 犬と暮らす人のインテリアショップ |
ターゲット設定 | 犬と暮らす人 |
リピートを促す具体的な販促手段 | 「お客さまの声」と「ベストショット大賞(企画と会員限定のBBSの設置。ノベルティーグッズ(プレゼントなど)」 |
スタッフ教育、マネジメントのポイント | 独立採算制、強い分野のみ生きる、スピードと質 |
集客手段とその手段を使う理由 | |
PPC広告 | オーバーチュア(ブランディングを考えて実行) |
モール内広告 | × |
バナー広告 | × |
テキスト広告 | × |
アフィリエイト広告 | × |
懸賞広告 | × |
ブログ | デザイナーブログ(プロダクションの進行状況) |
SNS | × |
オークション | × |
雑誌広告 | × |
新聞広告 | × |
情報誌広告 | × |
DM | × |
ポスティング | × |
その他 | × |
仕入れ・価格について | |
仕入れ業者数 | 5~10 |
仕入れ業者を見つける工夫 | ギフトショーや紹介、直アポにより |
価格設定の実際 | 特になし |
ライバル調査の実際 | 特になし |
取扱い商品の選定基準 | コンセプト重視 |
商品点数の目安 | 特になし |
スタッフ教育、マネジメントのポイント | 調査をさせている |
受注から配送までの流れ | |
受注の処理速度をUPするための取り組み | ASPでほぼ自動化(Color Me Shop!) |
受注の処理ミスを無くすための取り組み | チェックのくりかえし |
丁寧に梱包する工夫 | 日々の工夫と鍛錬 |
早く梱包する工夫 | 日々の工夫と鍛錬 |
梱包のミスを無くす工夫 | 棚の仕分け |
1件の受注処理にかける時間 | 商品による |
1件の梱包にかかる時間 | 商品による |
スタッフ教育、マネジメントのポイント | チェックのくりかえし |
運営について | |
スタッフの人数と役割 | 3人+外注(5人ほど)。各職人さん、他 |
会議を有意義にするための工夫 | 要点の明確化、問題点のクリアの仕方の追求 |
システム関連 | |
利用サーバー | ロリポップ |
選択理由 | 料金が安い |
ショッピングカート | Color Me Shop! |
決済サービス | Color Me Shop!、クロネコ@ペイメント |
配送業者 | ヤマト運輸 |
メール管理 | Outlook |
メール配信 | Outlook、Color Me Shop!、PRJAPAN |
在庫管理 | Color Me Shop! |
ダンボール業者 | アースダンボール |
梱包材業者 | MonotaRO |
ホームページ作成ソフト | Color Me Shop!、その他、Webスタッフにより |
サイト作成依頼先 | 多数 |
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