時間が経つのは早いもので、ウェブサイト「Web担当者Forum」と雑誌『Web担当者 現場のノウハウ』を2006年7月にスタートさせてから2年が経ちました。これもひとえに、読者のみなさま、原稿執筆や取材などでご協力くださったみなさまのおかげです。ありがとうございます!
Web担の2年の歩みを人気記事で振り返る2周年記念の記事も本日公開しましたので、「へー、そんな記事あったんだ」「あー、この記事見たね」と、振り返ってみてください。
→ http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/08/04/3679
さて、編集部としては、毎日必死でやってきて気がつくと2年が経っていたという状態ですが、2周年を機に、Web担とはどういうメディアで、編集部がどんなことを考えてWeb担を作っているのかを、改めて知っていただければと思い、このコラムでまとめてみます。
ウェブサイト「Web担当者Forum」と雑誌『Web担当者 現場のノウハウVol.1』は、どちらも2006年7月28日のオープン/発売でした。どちらも、インターネットマガジンの流れを汲む位置づけとして、本格化していた企業のウェブサイト活用やオンラインマーケティングを解説するメディアとして立ち上げました。
メディアとしては、Web担当者Forumを中心として、ウェブサイト+雑誌+セミナーの3本柱のクロスメディア展開でした。ちなみに、雑誌名は「現場のノウハウ」とベタですが、当時ウェブ関連の雑誌は英語名のものばかりだったのが気になり、わかりやすいベタな雑誌名にということで「現場のノウハウ」という名前にしました。
当初のWeb担当者Forumは、雑誌に掲載したコンテンツをウェブでも見られるようにしていた形でしたが、徐々に「ウェブ1st」として、ウェブサイト用にコンテンツを作って、それを雑誌にも掲載するという方向に切り替えていきました。
扱うテーマは、オープン当初から今までさほど変わらず、「SEO」「キーワード広告」「アクセス解析」「CMS」「ユーザビリティ」「レンタルサーバー」「ネット広告」「クチコミ」といったところ。この2年で微妙に変わった点としては、さすがにもう「Web 2.0」を大きな声で叫ぶことはなくなり、その代わりに「ユーザー中心設計」「モバイル」などが増えてきています。
ちなみに、Web担の前身として『Web Master完全ガイド』という雑誌を2005年に2回発行していました。しかし「ウェブマスター」という呼び方は日本的な企業での役割とは違う印象があったため、ベタでわかりやすい表現として、「Web担当者」という言葉を使うようにしました。2006年当時にはほとんど使われていなかった「Web担当者」という言葉ですが、今では求人の際などにも普通に使われるようになっているのがうれしいところです。
Web担で変わったこと
運営会社が「インプレスR&D」から「インプレスビジネスメディア」に社名変更したのが2008年7月1日。この時点で、いわゆる書店売りの紙媒体よりもオンラインメディアなどに軸足を移すこととなり、隔月で発行してきた雑誌『Web担当者 現場のノウハウ』の発行も、2008年5月末発売のVol.12をもっていったん停止しました。
編集部としては、一時的にせよ定期発行の紙媒体がなくなることに対する寂しさと、「これで少しは仕事が楽になる」というありがたさの両方で複雑な気持ちになっていたことを覚えています(雑誌はこの秋~冬を目処にまた再開したいと思っています)。
→ http://web-tan.forum.impressrd.jp/l/2307 (雑誌バックナンバー)
Web担当者Forumのほうでも変化がありました。「読者からの投稿と編集部からの記事とを両方活かし、プロ同士の情報交換や議論ができるメディアに」との気持ちから「Forum」という単語をサイト名に付け、オープン当初は人気の読者投稿に賞金を出すなどしていましたが、諸般の事情で賞金制度は廃止し、編集部からの記事のクォリティを確保する方向で進めてきました。それでも、だれでも記事を書ける仕組みは引き続き健在でよく利用されており、オープンから2年で361本のメンバー投稿記事を投稿していただきました。記事を投稿してくださったメンバーの方、ありがとうございます!
Web担の変わらないこと
基本的な方針として変わっていないこともたくさんあります。
- ビジネス目的のウェブサイト/ネットマーケティングというセグメントを守り、分野外の記事でビュー集めをする誘惑に負けない。
- 記事を作るときなど、判断に迷うことがあったら、何よりも「どうするのが読者にとって最もメリットがあるか」を基準に考える。
- 読者の立場で自分がイヤだと思うことはしない。PV数を水増しするための無駄なページ分割はせず(でも長くなりすぎないように適度に分割はする)、フィードには全文を出す。記事風の広告は広告だとわかるように明記する。
- Web担はセグメントメディアなので、読者は他のメディアとWeb担を併用することを前提に、記事を数多く出しすぎない。メールマガジンも週1回に留める。
- 有り余る予算がないと実現できない大企業の派手な事例よりも、リーズナブルなコストでも参考にできる事例を多く扱う。
- 記事の間違いはこっそりと修正せず、恥ずかしいミスの指摘コメントでも削除せず、感謝の気持ちと反省をもって公開して対応する。読者からのプロダクティブなコメントには誠意を持って対応する。
こういった点は、基本ポリシーとして今後も変わらず続けて行こうと思います。
Web担は、サイトが重かったり、メニューが使いづらかったり、記事が長くて読みづらかったりと、いろいろと読者のみなさんにご迷惑をおかけしていますが、それも少しずつ改善していきたいと思っています。「こういう点を改善してほしい」という声も、ぜひこの機会にお聞かせいただけるとありがたいです(コメントやメールでどうぞ)。
3年目をむかえたWeb担ですが、これまで以上に、日本のWeb担当者やウェブ業界・広告業界の方のお役にたてるように精進して参ります。みなさん、今後ともよろしくお願いいたします。
この記事は、メールマガジン「Web担ウィークリー」やINTERNET Watchの「週刊 Web担当者フォーラム通信」に掲載されたコラムをWeb担サイト上に再掲したものです。
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