ケーススタディで学ぶ「キーワード広告のレポートの読み方とポイント」(前編)
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この記事は、第6章「広告の効果を確認する 基本指標とレポートの読み解き方」の記事です。
実際にレポートをどう見ればよいか
それでは、実際にどのような流れでレポートや各種の指標をチェックしていけばよいのかを、画面を交えながら解説していきましょう。ここで紹介するレポートの見方はあくまでも1つの例です。取り扱っている商材や予算の規模、広告の目的などにより、チェックすべきポイントは異なってきます。自社のビジネスにマッチするやり方にアレンジして、自分流のレポートの読み取り方を確立してください。
ステップ1:全体パフォーマンスでキャンペーンの状況を把握する
まずは広告のトレンドを頭に入れておく
まずは「全体パフォーマンス」でアカウント全体での広告の運用状況をざっと把握していきましょう。グラフの指標は「クリック数」と「インプレッション数」を選択します。この2つの指標が増加しているかどうかを大まかに頭に入れておきます。レポートの集計期間はデフォルトでは2週間ですが、はっきりしたトレンドがつかめない場合は、もっと長い期間を集計・表示するように設定してください。2~4か月程度のデータを表示させれば、ある程度のトレンドはつかめると思います。
ステップ2:広告パフォーマンスで個々の広告の効果をチェック
インプレッション数の多い広告を優先的に見る
次に掲載順位なども含め、広告効果を総合的に把握していきます。そのために参照するのが「広告パフォーマンス」です。この広告パフォーマンス・レポートをきちんと読み取ることができれば、広告に潜む問題点の大部分を発見することができます。時間のない方でも、広告パフォーマンスのレポートだけは、しっかり確認するようにしてください。
まずは全体パフォーマンスと同様、クリック数とインプレッション数の推移をグラフに表示させます。トレンドを頭に入れたら指標の「インプレッション数」のテキストをクリックし、インプレッション数の多い順(降順)にデータをソートします。
ソート後は、インプレッション数の多い広告から順に、「クリック数」や「クリック率」をチェックしていきましょう。インプレッション数の多い順から見るのは、影響度の高い広告の問題点を最優先で発見するためです。上のサンプル画面のデータでは、★印の広告が、他のインプレッション数の多い広告と比べてクリック率が低く、何らかの問題を抱えていることがわかります。
クリック率は商材などにより大きく異なるため、数値を見ただけでは、高低を判断できないケースもあるでしょう。そのような場合は、品質インデックスに着目してください。品質インデックスを決める重要な要素の1つがクリック率であり、なおかつ品質インデックスは絶対値ではなく他の広告との相対値で決まるからです。目盛りが3以上であれば、競合する広告と比較して、平均以上のクリック率を得られていると推測できます。
なおキャンペーンの中で、特にインプレッション数が多いキャンペーンについては、過去にさかのぼってデータを検証するようにしてください。特徴あるキャンペーンを確認して、そのなかの特徴ある広告グループ、そしてその広告グループ内のキーワードあるいは広告といった順に確認していくといいでしょう。
クリック数と平均CPCの関係をチェックする
次は平均CPCを確認します。クリック数が増加基調で、平均CPCが下降トレンドにあるようなら広告は順調に運用できていると言えます。一方で平均CPCが上昇している場合は、広告コストが増加していることを意味しますから、低予算での広告運用を目指している場合は特に注意してください。
クリック数の変動要因をつかむうえでは、平均掲載順位も重要なチェックポイントになります。クリック数やクリック率の増減には、広告の掲載順位が大きな影響を及ぼすからです。
品質インデックス「2」以下はすぐに見直しを
平均掲載順位では上位に位置しているにもかかわらず、クリック率が横ばいだったり、逆に下がったりしている場合には、キーワードや広告に何らかの問題があることが考えられます。またこのような広告は、広告の品質を改善することで、より低い入札価格で掲載順位の上位をキープできる可能性があります。
広告の品質は、「品質インデックス」の目盛りを参考にします。繰り返しますが、レポート上では品質インデックスは[レポート]タブ→[広告パフォーマンス]のレポート画面上でのみ確認できます。
インプレッション数が多い広告で、品質インデックスの目盛りが2以下のものは、できるだけ早く改善策を講じるのがおすすめです。中でも品質インデックスが1のものは、キーワードと広告のマッチング、タイトル・説明文の訴求ポイントなどを全面的に見直し、クリック率を向上させていく必要があるでしょう。
広告の品質が低い広告をより上位に表示させるには、入札価格を必要以上にアップさせなければなりません。逆に高い品質を得られれば、競合他社よりも低い入札価格でより上位に掲載できる可能性が生じます。
クリック数とコンバージョンからわかること
コンバージョンの指標を見るポイントの1つは、クリック数との関係です。クリック数とコンバージョンが連動して上昇していれば広告は順調に効果を上げられています。しかしクリック数は伸びているのにコンバージョンが下降している場合は、ウェブサイトへの誘導までは成功しているのに、肝心の成約に至っていないケースが増えていることを意味します。リンク先ページそのものを見直す必要があるかもしれません。
コンバージョンが思うように伸びていない広告は、設定しているリンク先URLを確認したうえで「URLパフォーマンス」のレポートも参照し、そのURLがどの程度のコンバージョンを上げられているのかも確認してください。
この記事は、前後編で解説している記事の前編です。→「ケーススタディで学ぶ「キーワード広告のレポートの読み方とポイント」(後編)」を読む
この記事は、書籍『オーバーチュアスポンサードサーチ公式ガイド』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
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オンライン版で紹介する、キーワードの選定に必要な発想法や広告作成のヒント、また運用に必要なレポートの見方やパフォーマンスの改善に関する情報、費用対効果の改善などの実践的なアドバイスと併せて、手元に置いておけばオーバーチュアスポンサードサーチでのキーワード広告の大きな助けとなるだろう。
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