eMark+を市場分析に活用する方法

無料版があるVALUES eMark+は市場調査に使えるのか?
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

前回11月にアップした「ベンチマークサイトの選び方とその分析方法」は100を超えるイイネをいただき、ウェブ担当者フォーラムの年間トップ100に入りました。(98位)

関心の高さに驚くとともに、多くの方に読んでいただき感謝いたします。

前回は競合調査の要素も含めた内容でしたが、今回は市場分析です。
3C分析では「市場分析」→「競合分析」→「自社分析」という順番で行うのがセオリーです。
自社分析をやってしまうと、凝り固まった考えでやってしまいますし、実際より良いように考えてしまうからです。

市場を分析し、そこから競合・ベンチマークとなる企業やウェブサイトを見つけて分析し、その市場・競合を意識して自社分析をしてください。
なので順番は前後してしまうのですが、今回は市場分析にVALUES社のeMark+をどう役立てるかという話です。

ずばり「市場分析」という機能はないですが、様々な切り口でユーザーを分析する機能があり、それらを使って市場分析の参考にする方法をご紹介します。

<ユーザーのデジタル上の生活場所を知る>

広告を配信したり、タイアップしたり、出店などを考えるとき、自社の主なユーザー層がどこにいるのかを知ることは大切です。
例えば、渋谷、八重洲、池袋、原宿、下北沢などでそこにいる層は変わります。
逆に20代女性が多い場所、30代男性が多い場所なども存在します。

同じようなことはネットにも言えます。
そこでターゲットユーザーが普段どこにいるのか?を知る機能がTarget Focusです。
属性別サイトランキング、併用サイトランキング、併用コンテンツランキングの3つです。
「属性」「指定したサイトに訪れたユーザー」の2軸で見ることができます。

まず最初に筆者の属性で確認します。

条件はスマートフォンユーザーで、北海道在住40代男性(未婚・子なし)です。

1位dメニュー
2位amazon
3位Google
4位楽天市場
5位Tsite

図1

 

 

次に同じくスマートフォンユーザーで、関東在住20代女性(未婚・子なし)です。
1位Google
2位amazon
3位dメニュー
4位楽天市場
5位Wikipedia

図2

 

 

上位5つでは大きな変化はありません。
しかし6位以下を見ていくと傾向の違いが出てきます。

例えば、関東在住20代女性(未婚)では、6位にtwitter(13位)、7位Yahoo!知恵袋(17位)、8位Naverまとめ(圏外)、10位食べログ(21位)、15位YOUTUBE(圏外)など違いが出ています。

()内は北海道在住40代男性(未婚)の順位、30位以下は圏外。
※1000位までデータは出ますが、記事の都合上30位以下は圏外としています。

今回は居住地・年齢・性別・既婚未婚のみしか絞込していませんが、実際は職種や年収での絞り込みも可能です。

そうすると大きな違いが出てきます。

コンテンツや広告などを考える人とターゲットユーザーの属性が違う場合もありますし、同じ属性であるが故に思い込みが発生する場合があります。
そういうときにこの機能を活用します。

「ウェブサイトのターゲットは誰ですか?」という質問に「全員」と答えることが如何に愚かなことかもここでわかるでしょう。

<ウェブ上の関心を知る>
Target Forcusには「併用サイトランキング」の機能があります。

これはネット上の競合ともいえるユーザーの関心事を探る機能です。

携帯電話やその後のスマートフォンの普及で起きた変化として、朝の電車の風景が変わったことありますよね。

昔は月曜日の朝は週刊ジャンプを読む人が多かったし、日経新聞を読む人多かったですよね。
なぜなくなったんでしょう?

関心があって読む人も多かったでしょうが、通勤時間の暇つぶしで読む人が多かったということが言えます。
その暇つぶしの代替として携帯端末が普及したため、激減してしまったのです。

つまり週刊ジャンプの意識するべきライバルは他の漫画雑誌ではなく、日経新聞のライバルも他紙ではなかったということです。

これは一見競合分析に見えますが、実は市場分析の考えです。
市場が「通勤電車の暇つぶし市場」と考えればまっとうです。

ユーザーの真の狙いを知るヒントになるのが「併用サイトランキング」です。

最近何かと話題を提供している前澤氏率いるzozotownを今回は取り上げます。

http://zozo.jp/ 

「併用サイトランキング(接触前後)」で、「前」に見ているサイトを調べました。
図3

 

 

 

 

zozoに行くために検索する人も多いと思うので、検索エンジンやポータルが上位に並びますが、21位にユニクロがあります。
この図にでは出ていませんが、34位にはmercariが登場し、40位にはフリルもいます。
42位にはビームス、45位オンワードなどのショッピングサイトが並びます。

zozoを見る人はショッピングサイト以外に、mercariのようなフリーマーケットで探している人も多いということになります。

では、21位に出ていたユニクロの併用サイトはどの辺なんでしょうか?

図4

 

 

 

 

こちらでもzozoが17位に出てきますので、相互を渡り歩くユーザーが多いのは間違いなさそうです。
しかし、セシールが32位、無印良品が40位と上位陣には大きな違いがあります。
逆にビームスやオンワードは上位にいません。

こう見ると、zozo視点ではこういうことが言えます。
・zozoとユニクロを見るユーザーは多い。
・しかし、他のショッピングサイトを見るユーザーにおいてはすみわけが明確にある。
・zozoのユーザーはフリマサービスにも関心が高い

zozoがウェブサイトを改善する場合、もしくはプロモーションを考える場合、フリマ(リアル・ネット問わず)でいいものを探そうとするユーザーが多いことを念頭に置く必要があり、そこを意識した施策が必要ということがわかります。

つまり市場分析としては、フリマ市場が重要なzozoの市場に含まれるということです。

<ライバルのどこを見ているんだろうか>

次に市場分析で市場(ユーザー)が意識しているウェブサイトがユニクロであることがわかったわけですが、ユーザーが何を見ているんだろうか?というところ気になりませんか?

そこでzozo.jpに来るユーザーが、ユニクロサイトのどこを見ているんだろうというのを調査します。
これは併用コンテンツランキングを使います。
図5

 

 

 

 

この機能がすごいところは、自社サイトに訪れているユーザーが他社サイトではどこを見ているのかわかるところです。
(サンプリング調査ですから正確性に書けますが、傾向を知る上では有用です。)

気になるところは下記でしょうか?

https://www.uniqlo.com/jp/store/feature_mb/uq/list_s/limited-offer/women
https://www.uniqlo.com/jp/store/feature_mb/uq/list_s/women
https://www.uniqlo.com/jp/store/feature_mb/uq/list_s/chirashi_flyer/women/
8位~10位のコンテンツです。
ここはおそらく会員や読者にオファーを出しているページだと思いますが、内容は女性向け。
つまり女性のユーザーはユニクロのその時々のオファーのページを見ているということです。

そうすると、zozo.jpの運営者はこのページをチェックして、それを意識したオファーをユーザーに送ることできますね?

このように「自社サイトに来るユーザーが、他サイトでどのコンテンツを見ているのか?」を知ることは具体的な施策を考える上でのヒントになります。

今回は前段はユーザーの違いを知ること、後半は競合サイトを知り対策に落とし込むヒントを得ることを取り上げました。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という孫氏の言葉がありますが、自社のユーザーの行動を知り、競合サイトでのユーザーの行動を知ることは大きな成果につながる可能性があります。

Values eMark+ のページ

 

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