データ分析は、マーケッター視点で:第4回 顧客分析のポイント②

前回に引き続き、実際の分析内容について考察していきます。 データ分析の中で最も重要と思われる「顧客分析」の2つ目のポイントを考察します。
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

データ分析は、マーケッター視点で:第4回 顧客分析のポイント②

(2)データの多様化:接点の実績が全てデータ化されていく。

 また、顧客の何を獲得するのか?マーケティングのパーチェスファネルにおいて、“まず最初に獲得すべきは「広いリーチ」である”という事は、これまでは疑いの無い王道路線でした。
 しかし、この考えはバブル前までの高度経済成長における「作れば売れる」「知られれば売れる」という環境を前提にしたものです。
現在は、モノも情報も溢れる時代。そんな中、「大量の予算を投入すれば、広いリーチが獲得でき、それが売上に直結する」とは限らないと考えたほうが良いと思います。

 では、これからは、顧客の何を獲得すれば良いのか?それは、「そのブランドの本当のファンを発掘し、そのファンの共感を獲得する」事が最重要と考えます。つまり量(リーチ)から質(共感)への転換です。

 私が外資の広告会社に在籍していた時、聞いた調査事例ですが、SNSにおいて、各ブランドに対するファンは、「Freeloader(ただ記事を見ているだけ)「Newscaster(シェアしてくれる)」「Influencer(推奨してくれる)」と分類され、Influencerは全体の1.5%しかいない、という結果が出ていました。
これだけ見えると「そんな少数のファンだけ対象にしていたら、ビジネスインパクトが小さすぎるのではないか?」と思われると思います。

 しかし、もう一つの調査で、「売上単価の高い顧客A」と「売上単価がAほど高くない(Aの約7割)顧客B」の顧客価値を、「ブランドスイッチャーか否か?」「その顧客のSNSにおける拡散力」「ブランドの価値創造への協力度合い」で2人の顧客価値を測定したところ、顧客Bの価値が顧客Aの約30倍に大逆転する測定がされました。

 つまり、全体の1.5%しかいないInfluencerとの関係にリソースを注力すると約30倍の45%の価値がうまれる、という事が単純計算上ではありますが、想定出来ます。
こうなると、担当者は勿論、経営層も「そのInfluencerにリソースを注力する事が、最も効率的かつ効果的かもしれない」と感じるのではないでしょうか?

これだけSNSが普及し、消費者は「企業からの情報」より「友人からの情報」に信頼を置きます。
企業の力だけでリーチするのではなく、まずは、「そのブランドファンの深い共感を獲得」し、「そのファンの拡散力を活用してリーチを得る」方が、現在のコミュニケーション環境に適している、とは感じませんか?

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 少し話がコミュニケーション手法の方に振れますが、この共感を核とするアプローチについてご紹介します。
私が在籍していた外資の広告会社では、このアプローチを「fuel」と呼んでいました。「fuelの意味は「燃料」ですが、意味合いとしては、「色々な所に、燃料を注ぎ小さな火(共感)を炊いて、やがて大きな火にしていく」というものです。

その広告会社の世界的に有名な作品であるユニリーバの「Dove Real Beauty Sketches」(6800万回を超える視聴数!)や、私がその広告会社に在籍中お手伝いさせて頂いた日本自動車メーカー8社共同プロジェクト「Drive Japan」の「Drive Heartキャンペーン」(2012年 日本広告主協会Web広告研究会「Web人 of the year」受賞作品)や世界160カ国以上で視聴されたコニカミノルタの「dream printer」は、このアプローチを取り入れています。
是非、下記より動画をご覧になってみてください。

・ユニリーバ「Dove Real Beauty Sketches」
https://www.youtube.com/watch?v=XpaOjMXyJGk

・コニカミノルタ「dream printer」
https://www.youtube.com/watch?v=EVw_wWTbVfE

次回(第5回)は、「顧客分析のポイント:商品ファンから企業ファンへ」について触れてみようと思います。

本件に関するお問い合わせはこちら

 

連載記事一覧
データ分析は、マーケッター視点で
 第1回 デジタル&データの潮流① - ビジネス変革:デジタル・イノベーターの台頭

 第2回 デジタル&データの潮流②
  - データの多様化:接点の実績が全てデータ化されていく

 第3回 顧客分析のポイント① - 属性からインサイトへ

   第4回 顧客分析のポイント② - データの多様化

 第5回 顧客分析のポイント③ - 商品ファンから企業ファンへ

 第6回 コミュニケーション設計① - コミュニケーションの全体設計

 第7回 コミュニケーション設計② - コミュニケーション分析

 第8回 コミュニケーション設計③ - マーケッターとサイエンティストの連携

 第9回 施策効果① - MMM(マーケティング・ミックス・モデル)

 第10回 施策効果② - 施策の効果測定

 第11回 施策効果③ - 予算最適配分のシミュレーション

 第12回 ブランド評価と目指すべき分析の方向性①

 第13回 ブランド評価と目指すべき分析の方向性②

【筆者紹介】

山崎 浩人

広告会社でマス広告、コールセンターでCRMを手がけ、携帯事業者でキャリアレップCEO、電通・CCI出資のクロスメディア事業CEOを勤めた。

その後、外資広告社で企業のブランド戦略やグローバル戦略を支援。現在も戦略系コンサルを担う。

 

・2012年 日本広告主協会Web広告研究会「Web人 of the year」受賞
・講演例:「反グローバリズム時代の企業成長とブランド理念」
 https://www.is-assoc.co.jp/seminar20160120/

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