キーワード広告の基礎から実践、最新戦略まで伝授する「超濃厚セミナー」開催

ルグランインプレスR&Dは12月6日、ベルサール九段(東京都千代田区)にて、「ビジネスを一気に拡大する検索連動型広告」と題したセミナーを開催した。本セミナーは、全3回にわたって開催されるもので、検索連動型広告の基礎から実践的な戦略までを伝授する。講師は、2002年のオーバーチュア日本進出に参画し、現在「ルグラン オンラインマーケティングアカデミー」学長でもあるルグラン代表取締役 共同CEOの泉浩人氏が務める。

第1回のテーマ「検索連動型広告の基礎を学び、新たな需要を掘り起こそう」では、検索連動型広告と従来型の広告との違い、そのメリットなどを基礎から、キーワードやタイトル、説明文の書き方などが解説された。

集客のためのネット広告戦略論

そもそも、なぜ検索サイトに広告を出すのか、検索連動型広告を行うか、泉氏はこういったセミナーでいつも始めに見せるという、航空写真を使って解説した。


検索連動型広告のメリットについて説明する泉氏

泉氏はまず、ネットショップが開設したばかりのときは写真のような状態だと語り、「俯瞰して見ると店舗がどこにあるかはわかるが、それが何の店か、そもそも存在を知らなければ、そこに店があるかもわからない状態」とした。
「インターネット上のユーザーは、この写真のような状態でしか見えていないので、従来型の広告のように、ちょっとぐらい目立つ看板を出しても誰も気付いてくれない。そこでお客さんに来てもらうには、探しに来てもらうしかない」とした。いかにして“探しに来てもらう”か、その手法の1つが、本セミナーのテーマでもある検索連動型広というわけだ。

「これまでの広告は、マスで捉えればお客さんになる人がいるだろうというもので、交通量(トラフィック)で料金が変わります。一方、1人1人が何に興味を持って来たか見えるのが検索の世界。検索キーワード一語一語には、ユーザー意思やニーズが隠れているので、それをいかに捉えるかが検索電動型広告のポイントになる」検索電動型広告では、ユーザーごとの意思をつかむこと、面ではなく点でとらえることで、費用対効果の高い広告出稿が実現できる。

多くのキーワードを生み出す秘訣とは

検索連動型広告では、なるべく多くのキーワードに入札するのが定石とされているが、そもそも、なぜ多くのキーワードに入札するのか。泉氏は大きな理由として2つ、多くの見込み客を得られる可能性があることと、平均的なクリック単価を下げられることについて解説した。


キーワード別の入札価格と検索回数

「多くのキーワードに入札した場合、入札価格だけを見ると高く見えますが、入札数を多くすることでクリック率の平均単価を下げることができます。ここで重要なのは、競合他社が入札していないキーワードを見つけて優位に立つことです」つまり、検索回数が多いにもかかわらずクリック単価が安いキーワード、狙い目キーワードに多く入札することで、平均コストを下げることができるのだ。「キーワードを考える際には、同義語、関連後、表記ゆれを見つけて、これらを組み合わせることが有効です。すでに入札しているキーワードでも、その組み合わせに誰も入札していなければ、まったく新しい市場になります」

リスクを最小化してリターンを最大化する


検索方式とリスク管理

キーワードとポートフォーリオ

費用対効果が高いとはいえ、検索連動型広告にもリスクは存在する。見込み客以外の、成果につながらない無駄なクリックだ。特に広い概念を持つビッグキーワードは、検索回数が多い分、集客の可能性は高いが入札価格も高くリスクも大きい。ここでは、リスクを最小化するテクニックとして、除外キーワード、対象外キーワードの活用法が紹介された。
続いて泉氏は、「検索回数と獲得率は、反比例の関係にあることを理解することが重要です。集客の可能性が高いビッグキーワードばかり入札していては、予算はすぐなくなってしまう。かといって、スモールキーワードだけでは、集客の数がとれない。そこでポートフォーリオが重要になります」とした。
株式投資と同じく、ハイリスクハイリターンのビッグキーワードと、ローリスクローリターンのスモールキーワードを上手く組合せ、限られた予算でどのキーワードに入札するか、ポートフォーリオを組んで運用することが必要なのだ。

タイトルと説明文でライバルに差を付ける

タイトルと説明文(T&D)は、サイトの内容を説明して検索したユーザーを誘導するものだが、泉氏はもう1つ、T&Dで必要のない人がクリックしないようにすることが重要とした。「T&Dでは、サイトに何があるかはもちろん、何ができないかを伝えてあげるのが、広告効果を上げるためにも重要な要素になります。また、検索キーワードごとに最適なT&Dを設定することも重要です」と語った。
さらに競合他社を必ず意識するべきと言及した。「自分が良いと思うT&Dを書いても、ライバルを必ず意識してチェックしてください。たとえば、検索結果表示で創業30年と創業50年という説明文が並んだ場合、劣っているように見えてしまいます。これは管理画面では見えないことなので、自分の広告が周りにどう見えているか、客観的にチェックしてください」

検索数とコンバージョンから獲得コストを見極める

セミナー後半では、サイトクリニックと題した事例解説が行われた。泉氏は、重要なポイントとして、買い物かごを置いていないようなサイトでも、必ず広告のコンバージョンを計測することとした。

ビジネスを行うウェブサイト、すべてがサイト上で商品を買える仕組みを提供しているわけではない。たとえば、店舗情報や商品カタログだけを掲載して、商品は来店して買ってもらうといったものだ。また、BtoBなら、問い合わせをもらって試作品を作り、商談してから納品するといった場合もある。ここで泉氏は、買い物かごだけがコンバージョンではないと注意を促し、「ネット上で物を売れないからといって、検索連動型広告を使って売れないということはない」と述べた。ソフト販売を行う会社であれば、評価版のダウンロード数をトラッキングしたり、商品カタログならダウンロードページを用意したりして、そのサンキューページにコンバージョントラッキングのタグを貼り付けることが有効だ。
「クリック率だけでも指標にはなりますが、1クリックのコストが前日より高い、安いだけでは、それが意味のある広告費だったかは測れない。実際に儲かっているかは、検索連動型広告にかけた費用と実際の売り上げを考えなけらばならず、これをみるには、販売に代わる何かしらのコンバージョンを測る仕組みが必要です」
クリック率では集客が増えているように見えても、実際の売り上げ(評価版ダウンロードや実際の来店)につながる顧客はわずかかもしれない。これを知るには、コンバージョン率を見るしかないのだ。そして、実際の売り上げと比較することで、それが無駄な広告費なのか、もっと広告費をかける価値のあるものなのか、その良し悪しを初めて知ることができるのだ。

2007年に変わる、ヤフーの新プラットフォームとは

最後に、2007年に新しくなるというヤフー(オーバーチュア)の新広告プラットフォームについて解説がなされた。米国の広告主の一部は、すでに管理機能の移行を進めているという。


広告掲載順位の決定方式

新旧プラットフォームの比較

まず、最も大きな変更となるのは、広告掲載順位の決定方式だ。従来、掲載順位は入札価格で決められていたが、新方式では広告の品質(クリック率、キーワードやT&Dの関連性など)と入札価格、2つの要因に基づいて掲載順位が決定する。Googleのアドワーズ広告でいうところの、クオリティスコアが考慮されるようになるのだ。これにともない、管理画面も大きく変更となる。
また、追加される「アシスト」機能では、訪問者の履歴を追って、何回目の広告クリックでコンバージョンに結びついたかを計測できるようになり、獲得コストをより正確に得られるようになる。「ジオターゲティング」機能では、地域別の広告配信も可能になるという。


第2回 開催は2007年1月17日

検索連動型広告の基礎から実践的な戦略までを教授する本セミナー。来場者の中には、「まだウェブサイトを開設していないので、これからウェブに進出する際に参考になる情報を収集できた」「これから自社サイトで検索連動型広告を導入する予定なので、非常に参考になった」といった人もいれば、「気になっていた新しいプラットフォームの動き、なかなか知ることができない最新情報が得られた」といった今後の動きを想定した人まで、幅広い層の人々が訪れていた。

第2回の開催は2007年1月17日(水)
次回は、効果測定からわかる最適な入札価格やLPOのほか、コストを変えずに集客を増やす丸秘テクニックを紹介する。引き続き、ヤフーの新広告プラットフォームの最新情報も伝える予定だ。

第2回「検索連動型広告を使ってコストを変えずに集客を増やす為の、マル秘テクニックを学ぼう」

ルグラン
http://www.legrand.jp/

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