Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

グーグルが強いのはアルゴリズムの質が良いから? それとも……

人々は検索結果の品質が良いからグーグルを使うのではなく、グーグルはすでにブランドになっている。

ウェブ検索におけるグーグルの支配的立場に立ち向かうという主要なテーマを扱った投稿やニュース記事、分析などは大量にある。しかし、僕がグーグルのそうした支配を如実に物語る例だと考えているものを論じた文章はほとんど見かけない。

ごく最近このテーマを取り上げてTechmemeと多くの個人ブログで話題になったものとして、ドン・ライジンガー氏がCNETに書いたこの記事がある。

昨年、ポッドキャスト「CNET Digital Home Podcast」でグーグルの関係者にインタビューしたとき、グーグルの成功の鍵は、いや、グーグルの企業文化を形作る重要な要素としてさらに大切なのは、検索ユーザーをできるだけ早く目的のサイトに導こうとする意志と願望だと教えてもらった。この関係者によると、グーグルは、自らを「仲介者」と位置づけ、成功を収めるにはユーザーをすばやく目的のサイトに導くことが最重要だと認識しているという。(中略)

検索エンジン市場に参入しようとする企業にとって、グーグルが構えている最も高いハードルは、世界最大を誇るその広告プラットフォームだ。検索事業を拡大することで、グーグルはアドワーズやアドセンス、埋め込み型の検索窓を通じて、より魅力的な広告プラットフォームを構築できる。

僕はこれには同意できない。僕が思うに、グーグルが支配的立場にあるのは、「ユーザーを目的のサイトに導いている」からでも、広告プラットフォームのせいでもなく、さらにはその検索結果の質の高さのおかげでも、あるいは提携ネットワークや潤沢な資本のおかげでもない。単純なテストの結果をお見せしよう……。

このテストでは、多種多様な検索クエリ——ロングテール検索、トップオブマインド(1つのカテゴリにおいて最初に想起されるブランド)検索、熱中している話題から興味のかけらもない話題にいたるまで——について、どの検索結果が良いかを被験者に尋ねた。被験者には2種類の検索結果を示し、どちらが好ましい検索結果か聞いた。

グーグルとヤフーの検索結果ページ

こういったテストはこれまで、手を変え品を変えして数多く実施されてきた。中にはブランド名を伏せて、リンクしか被験者の目に入らないようにして行われるものもある。テストを実施する側としては、純粋に「検索品質」で勝負に勝てるかどうかを知りたいわけだ。また、ブランド名を残して、ありのままの、より「現実」に近い状態を検証しようとするテストもある。

それから、さまざまな機関によって幾度となく実施されたテストがある。検索結果に異なる検索エンジンのブランド名をかぶせ、ブランドに対する忠誠心や好みが、検索結果の質に対する消費者の判断力を上回るかどうかを調べるものだ。

最も興味深い結果(少なくとも僕にとっては)が出たのは、最後に言及したタイプのテストだ。質の面で誰が見てもわかるほどの大きな差がなければ、ほとんどのケースで、検索結果そのものに関係なく、グーグルが最良の「検索エンジン」として選択されたんだから。

常勝グーグル

根本的な状況として、グーグルというブランドに対するひいき目が検索結果の品質に関する論理的な評価を歪める、というテスト結果が(何度も繰り返し)出ている。

問題は、次の図に示すような状況が生まれているということだ。

グーグルの高笑い

マイクロソフトやヤフー、あるいは新興の検索エンジンが市場シェアを奪いたければ、より優れた新製品を作ろうとする技術企業のように考えるのは得策ではない。それよりもむしろ、愛用者の多い競合相手からマインドシェアを奪おうとするブランドのように考える方がいい。ペプシはコカコーラから、あるいはトヨタはフォードから、どうやってシェアを奪い取ったんだっけ? 僕の記憶では、10年以上の歳月がかかっていたはずだ。

みんなはどう思う? グーグルが持つこの優位性を考えると、他の検索エンジンはどうすれば効果的に張り合えるんだろうか?

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

勝手広告
企業広告を消費者や第三者が勝手に作って公開する自主制作の広告。 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]