Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

期限切れドメイン名を購入して活用する3つの方法

301リダイレクト、マイクロサイト、別サイト作成の3つの方法がある。

期限切れドメイン名の購入に関する質問を、最近よく聞く。古いドメイン名を買いたいって人が結構いるようだ。値段はピンきりで、格安で欲しい人もいれば5万ドル出すって人もいるけど、ともかくドメイン名を購入したら、その活用法についてアドバイスが欲しいというわけ。私はドメイン名を所有してないし、そういうビジネス戦略が専門でもないけど、期限切れドメイン名の活用法については、次の3つのオプションから選ぶことをお勧めする(他にも何かアイデアがあったら、ぜひ教えてね)。

オプション1
購入したドメイン名を元々持っていたドメイン名に301リダイレクトする

一番簡単で時間もかからない方法は、購入した期限切れドメイン名を既存の自サイトに301リダイレクトすること。

この方法が最も有効なのは、両サイトが同じジャンルに属していて、同じキーワードをターゲットにしている場合。そうじゃなく、たとえばペット関連商品のサイトを所有しているのに、ポーカーの一種「テキサスホールデム」を取り扱っていた期限切れサイトを購入した場合なんかは、リダイレクトするとおそらく検索エンジンに目を付けられてしまうかもしれない。でも、自サイトが「brandnamepets.com」で、同じ種類のサイト「onlinepetsupply.com」を購入した場合は、そこから自サイトに301リダイレクトすれば、関連性のある適切なリンクを数多く引き継ぐことができるはずだ。

利点

  • 一番時間のかからない方法である。
  • 期限切れドメイン名のリンクが持つ価値(の95%程度)を引き継げる。訂正:ダニー・サリバン氏が先日ブログで期限切れドメイン名とそのリンクの信頼度について書いてたんだけど、それによると、ドメイン名を購入してそこから自サイトへリダイレクトしても、リンクの恩恵は受けられないらしい。期限切れドメイン名からのリンクは、信頼度を引き渡してくれない可能性が高いそうだ。

欠点

  • 期限切れサイトのブランド名をアンカーテキストに使って、そこから自サイトにリンクを張っても、キーワードを使用したアンカーテキストほどの効果は得られない。
  • 期限切れサイトがペナルティを受けていた場合(怪しげなリンクビルディング手法を用いていたり、クローキングやスパム行為を行っていたなどの理由で)、そのペナルティがリダイレクト先のサイトにも適用されてしまう可能性がある(私自身はこれが事実かどうか確認できていないけど、これまで話をしたSEO業者の多くがその可能性はあると考えているし、中には実際そういう目に遭ったって人もいるから、用心するに越したことはないと思う)。

オプション2
マイクロサイトを作成し、既存ドメイン名にリンクを張る

2つ目は、301リダイレクトより少しだけ時間と手間のかかる方法が、購入したサイトを軽く手直しして、自分がメインで使っているドメイン名のためのマイクロサイトに作り替えるというものだ。

この方法は、購入した期限切れドメイン名の名前が自分のターゲットとしているキーワードにぴったり一致する場合に最適だ。マイクロサイトを用いる方法をお勧めする理由は他にもあって、それについては「新コンテンツは別ドメイン名? サブドメイン名? サブディレクトリ? SEO的に検討する」という記事の中で説明している。それにこの方法は、期限切れドメイン名がターゲットとしているキーワードで高い検索順位を獲得している場合にもお勧めだ。

利点

  • 既存の自サイトへのクロスプロモーションやクロスリンクが可能。
  • 検索結果ページでの露出が増えると、自サイトのブランド力とコンバージョン率の向上につながる。
  • メインサイトではできないようなこともマイクロサイトなら実施できる(軽いノリのバイラルコンテンツや、プロモーション戦略の実験など)。
  • 何でも取り揃えたサイトを作る必要がない。そもそもマイクロサイトは規模が小さく、何か1つのことに的を絞ったものが多い(クイズが主体だったり、1つのトピックだけを扱っていたりなど)。

欠点

  • 期限切れサイトの手直しに時間がかかる可能性がある。
  • 既存ドメイン名の宣伝や既存ドメイン名に対するリンクの度が過ぎるとスパム行為と判断され、相互リンクやリンクファームとしてペナルティを科される危険がある。
  • 301リダイレクトを使えば得られる期限切れサイトからのリンク価値が、この方法だと既存サイトにまったく引き継がれない。
    ※Web担編注 オプション1の訂正内容に照らすと、この部分も実際には異なる可能性が高い。
  • マイクロサイトを用いる手法が常に効果的だとは限らない(これについては、ランドがWhiteboard Fridayで語った「マイクロサイトの間違い」を参照のこと)。

オプション3
期限切れドメイン名を手直しし、完全な別サイトとして運営する

3つ目は、いちばん時間がかかるけれど、その分見返りもある方法だ。これはちょうど、繁盛しているレストランを経営していながら、もう1軒別のレストランを買って、両方を同時に切り盛りするようなもの。この2軒はまったく同じレストランではないけど、どちらもそれぞれ人気があって、利益も出てる。オプション3もそれと同じ要領で、期限切れドメイン名のコンテンツを更新して、既存の自サイトと同じ商品を販売する。これで両サイトが検索結果の上位に並んで登場するようになれば、コンバージョン率と売上アップのチャンスも広がるってわけ。

利点

  • オプション2と同様に、自分がターゲットとしているキーワードで両方のサイトが検索上位を獲得できれば、検索結果ページにおける露出を増やすことになる。
  • 期限切れサイトがキーワードを多用した一般的なドメイン名であれば、ブランド構築に手間をかける必要がなく、その分検索順位やコンバージョン率の向上に力を入れられる。
  • 期限切れサイトにはすでにリンクが張られており、新しいドメイン名で一から始める場合に比べて知名度もある。

欠点

  • 期限切れサイトが既存サイトの単なるコピーにならないよう注意し、重複コンテンツの問題が生じるのを防ぐ必要がある。
  • 期限切れサイトの改造と維持に時間を取られる(基本的には倍の労力が必要になる)。
  • オプション2と同様に、両サイト間での過剰なクロスリンクはペナルティを食らう危険がある。
◇◇◇

どのオプションを選ぶかは、自分が期限切れドメイン名にどれだけの労力をかけられるかで決まってくる。既存サイトの保守や最適化にさえ十分な時間が取れないって人は、期限切れサイトから301リダイレクトするだけの方法を選ぶことになるだろう(注意:オプション1の利点の箇所に加えた訂正コメント、リンク価値を引き継げない可能性が高いという点もしっかり考慮すること)。でももし、創造性豊かで手間をかける時間がいくらかあるという人なら、マイクロサイトを作ってみるのもいいと思う。自分の専門分野を熟知していて、いろんなWebサイトでお金を稼いだ経験がある場合は、3つ目のオプションを選んでもきっとうまくいくはずだ。

で、最後にちょっと質問。これを読んでいる人の中で、実際に期限切れドメイン名を購入した経験のある人はいるかな? そういう人がいたら、それをどういう風に使っているのか、その選択はいい結果を生んでいるか、他にもお勧めの活用法はあるか、ぜひ教えてもらいたい。

用語集
SEO / アンカーテキスト / クローキング / コンバージョン率 / ディレクトリ / ドメイン名 / バイラル / リンク / リンクビルディング / 検索エンジン / 重複コンテンツ
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

HCD
「Human-Centred Design」(人間中心設計)の略称。機械やシステ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]