Web担当者必見! リサーチ データ&市場調査レポート

ユニバーサル検索利用者の反応は「まあ便利」 認知度や理解度の低さがネックに

ユニバーサル検索の認知度は3割に満たず、名前を知っていても内容を理解していない人がほとんど。

Webマーケティングガイドでは、インターネット調査会社のメディアインタラクティブと共同で、「ユニバーサル検索」に関する調査を行った。現状の検索結果表示の満足度を聞きつつ、昨年ごろから本格的なサービスが開始されたユニバーサル検索に対する認知度、満足度や今後の利用意向などを尋ねている。全体の数値と性年代別のデータを比較しながら代表的な項目をみていくことにしたい。

「ユニバーサル検索」は2007年5月に米Googleが発表した、複数のコンテンツにまたがった検索結果をまとめて表示するサービスである。従来のテキストのみのリンクに加えて、キーワードに関連した画像や動画、ニュースやブログ記事などのコンテンツを検索結果画面に表示し、利用者の利便性を高める取り組みである。各社のサービスを総称してブレンド検索(グーグルではユニバーサル検索、ヤフーではダイレクト検索)とも呼ばれている。2008年ごろから日本の検索エンジン各社でも導入されるようになった。

※今回の調査では、「ユニバーサル検索」の認知度や利用状況を聞いているが、回答者には上記に述べた内容とほぼ同様の説明を行ったうえで回答を求めている。特にグーグルだけのサービスに限った調査結果ではなく、ブレンド検索全体の数値としてみてもらいたい。

検索エンジン各社は、従来からのWeb検索の他に画像や動画、ニュースなどに特化した検索サービス(バーティカル検索ともいう)を提供してきた。ブレンド検索では、これらの検索結果をWeb検索の検索結果画面に混在させることにより、ユーザーに対してより適切なコンテンツを提供しようという試みである。これまで地図や画像検索ができる仕組みを知らなかった検索ユーザーにもメリットがあり、検索エンジン会社からみても自社の検索以外のサービスを知ってもらうきっかけになることから、2007年の登場以来注目をあつめていた。

▼調査概要・調査データの詳細はこちら

9割弱が現状の検索機能に満足

図1: 検索結果に対する満足度[単一回答:n= 500]

現状の検索結果に対する満足度は、「まあ満足している」が67.4%で最も高く、「とても満足している」が19.8%と続いた。これらを合計した、満足している層の比率は9割弱に達し、検索機能に不満を持っていないユーザーが多いことが分かる。

図2: 検索結果に対する満足度(年代別)[単一回答:n= 500]

このデータを年代別にみると、満足している層の比率は年代に関わらず80%以上を占めている。その中でも「とても満足している」と答えたユーザーの比率は若年層ほど高く、10代は全体平均に比べて10ポイント以上高く33%となっている。

ユニバーサル検索の認知度は3割、内容理解は1割以下

図3: 「ユニバーサル検索」の認知度[単一回答:n= 500]

ユニバーサル検索に関する説明は行わず、内容を知っているかどうかを尋ねた結果、「知らない・聞いたことがない」が72.4%で圧倒的に高く、「名前は聞いたことがあるが、どんな内容か知らない」が21.4%だった。内容まで把握しているユーザーは6.2%にとどまり、「ユニバーサル検索」の認知度は非常に低いことが分かる。

図4: ユニバーサル検索の表示画面の認知度[単一回答:n= 500]

続いて、「ユニバーサル検索」の機能を説明し、検索結果に画像や動画が表示されていることに気づいていたかどうかを尋ねた。その結果、「気づいていた」は3割となり、7割弱のユーザーはユニバーサル検索の結果が表示されていることに気づいていないことが分かった。

この結果を性年代別にみると、男性は20代、女性は10代の比率が高く半数を超えている。若年層ほど「気づいていた」比率は高いが、男性40代では平均に比べて高い比率になっている。

※ユニバーサル検索はすべてのキーワードに適用されるわけではなく、表示されるコンテンツは画像だったり地図だったりとその種類は特定されていない。ユニバーサル検索の結果表示が一度も表示されていないユーザーも存在すると考えられる。

ユニバーサル検索利用者の反応は「まあ便利」

図5: ユニバーサル検索体験者の満足度[単一回答:n= 156]

続いて、前問でユニバーサル検索の結果表示に「気づいていた」と回答したユーザー156人に対して、ユニバーサル検索を便利に感じるか尋ねた。すると、「まあ便利と感じた」が50%で最も高く、「どちらとも言えない」が26.3%で続いている。

図6: ユニバーサル検索の重要度[単一回答:n= 500]

検索エンジンを選ぶ際に、ユニバーサル検索の機能が重要なポイントになるかを尋ねたところ、「どちらとも言えない」が42.0%で最も高いものの、「まあ重要なポイントになる(33.0%)」と「とても重要なポイントになる(7.6%)」を合わせた意見が4割を超えている。

反対に、「あまり重要なポイントにならない」と「全く重要なポイントにならない」を合わせると17.4%となり、どちらかといえば重要視している比率のほうが高い結果となった。

図7: 「ユニバーサル検索」に対する考え方[単一回答:n= 500]

最後に「ユニバーサル検索」全般に対する考えをまとめてもらったところ、「特に必要な機能だと思わなくて、あってもなくても良い」が53.0%で最も高く、「何かを検索する際には、的確な検索結果が得られやすくなると思う」が42.2%となった。

ただし、「かえって不便だと思う」という意見も若干ではあるが存在している。現状の検索エンジンに対する満足度の高さと「ユニバーサル検索」の認知度の低さから、検索ユーザーのユニバーサル検索に対する必要性は低く、具体的にサービスのメリットを理解できていないのではないかと考えられる。

◇◇◇

今回の調査から、現状大半のユーザーはユニバーサル検索機能に対する反応が薄いことがうかがえる。検索エンジン側は、ユーザーからの評価を確認しながらユーザーに合わせて進化していく必要があるのではないだろうか。

調査概要

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  • 調査対象:12歳~59歳までの男女500人の均等割付(男女10代~50代を10セグメントに区切り各50人から回答を得た)
  • 調査期間:2009年1月28日~2009年1月30日
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査機関:株式会社メディアインタラクティブ
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  • 本調査は、業界の全般的な調査であり、あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
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