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「nofollow」は意味を失いつつある——マイクロブログとnofollowがSEOに及ぼす影響

検索エンジンはnofollowリンクでも独自のアルゴリズムで価値を判断しなければいけない状況になってきているのではないだろうか。
Distilled
SEOmozは英国Distilled社と提携し、検索エンジン市場のニュースと情報を提供している。この記事はDistilled.co.ukに勤務する協力者から提供されたもので、内容はすべて筆者自身の見解であり、SEOmozの見解を反映しているとは限らない。
イメージ画像:nofollowは意味を失いつつある

言いたいことを最初からはっきりさせるために、今朝Twitterに投稿したつぶやきを示しておこう。

SEOに関する今朝の仮説:
「nofollow」は意味を失いつつある。

先日開催された検索マーケティング関連のイベントSESで、ウェブにおける2つの大きな流れに対するグーグルの扱いから予想される傾向について、数人と話す機会に恵まれた。Twitterの最近の成長ぶりに気付いてない人はいないはずだ。手軽に更新できるTwitter(およびFacebookなどが提供する、同様の「近況アップデート」型マイクロブログ)が使われるようになった結果、一部の人はブログの投稿を減らし始めている。多くの人が、ブログ経由よりも広範なリーチをTwitter上で獲得しているし、自分の考えや発見、疑問の投稿を容易にするツールが増えたことも確かだ。

ただし今回は、これまでにあったようなTwitterを主題にした記事ではなくて、このウェブの新たな使い方がSEOに与える影響について検討する。かつてブログとコメント、トラックバック(およびそれに伴うスパム行為)が検索エンジンの戦略変更を促したように、ウェブにおけるこうした新たな変化が同じような変更を促していて、それを僕らは目にし始めているんだと思う。

この記事で僕がもう少し深く掘り下げたいと思っている影響は、次のとおりだ。

  • サードパーティーのプラットフォームを利用したブログの急増
  • 「nofollow」の利用の拡大

この2つのトレンドが組み合わさることによって、検索エンジンを構築する最適な方法に大きな影響が及ぶと思われる。グーグルにとっても、非常に気になる点だ。それだけでなく、僕の仮説から導き出される影響が、実際に始まった様子が確認されているんだ。

サードパーティーのプラットフォームを利用したブログ

ブログのURLをどうすべきかというベストプラクティスについては、さまざまなところでアドバイスを目にするだろう。SEO的に好ましい順に挙げていくと、次のようになる。

  1. www.example.com/blog
  2. blog.example.com
  3. www.exampleblog.com(メインのWebサイトがexample.comの場合)
  4. example.wordpress.com(または、example.blogspot.comなど)
  5. thirdpartydomain.com/example
  6. thirdpartydomain.com/examplepost1、thirdpartydomain.com/examplepost2など

(1)のURLが最も優れているのには、大きな理由が2つある。

  1. リンク価値の高いコンテンツによって、確実にメインのWebサイトに対するリンクが獲得できる。
  2. コンテンツをすべて、自分が管理しているドメイン名に置ける。

他社の所有するドメイン名のサブドメイン名をURLとするブログ(「*.blogspot.com」など)も数多く見てきたけれど、その方向に流れる絶対的なトレンドがあるわけではないし、そんなURLを推奨する根拠もまったくない。

しかし、Twitter(簡略化のため、マイクロブログ的な近況アップデート機能を提供するソーシャルサービスの総称として用いる)を利用する場合、自分の所有するドメイン名を使う選択肢はない(つまり、「www.twitter.com/*」などといったURLを使わざるをえない)。そのうえ、Twitterでは特に、非常に多くの人が、リンク価値の高いコンテンツを「twitter.com」というドメイン名上のあちこちに分散する形(上記(6)のようなURL)で作成している。その結果、「twitter.com」は大量のリンクを獲得することになり(SEOmozのドメイン名トップ500のリストにおけるTwitterの順位に注目)、(@willcritchlowなどのTwitter上のサイト内リンクはnonofoリンク、つまり非nofollowなので)信じられないくらい獲得リンク数の多いプロフィールが出来上がることになる。

(ついでながら、たった140文字でリンク価値の高いコンテンツを作れるなんて、誰も本気で思わないよね? ところが、できるんだ。Twitterでコメントの付くことなら何でも、原則的にリンク価値が高いということになる。詳しくは以下を見てほしい)

ここでちょっと視点を変えて、爆発的な人気を得てきたのが「twitter.com」ではなくマイクロブログ作成用のソフトウェア(Twitter用のWordpressみたいなもの)だったと考えてみよう。

その場合も、マイクロブログの利用は今と同じように増えているだろうけれど、スティーブン・フライ氏は自分の近況を「www.twitter.com/stephenfry」じゃなくて、「www.stephenfry.com/twitter」に投稿することになる(URLの違いを除けば、使い方は変わらない)。利用者は、友人や他のサイトに張った自分のリンクから「nofollow」を取り除いてしまうことも可能だ。僕らは、お互い大量にリンクしあった小規模なページが雨後の筍のごとく出現するのを目にすることになるだろう――つまり、何年か前に起こったブログブームの到来と同じくらい大きな、インターネットの構図の変化だ。

僕らが目撃しているのはまさにこういった変化だ。ただし、その変化はすべて「twitter.com」というドメイン名内部で起きている

「nofollow」の利用範囲の拡大

グーグルは、nofollowを使用する主なケースして以下の3つを挙げている

  1. 信頼できないコンテンツへのリンク
  2. 有料リンク
  3. クロールの優先順位付け(通常、内部リンクはnofollow属性とする)

ウェブマスターがnofollowを正しく使えるか、あるいは正しく使ってくれる見込みはあるのかという点はしばらく脇におくとして(これはつまり、検索エンジンが、有効でないHTMLコードでもしばしば順位を付けているように、nofollowの誤用でさえも処理しなければならないということだが)、従来のモデルを打破するnofollowの使い方で、大きなものが2つある。

  1. 大規模なサイトの完全な「サイロ化」
  2. 信頼の高いコンテンツ制作者のリンクを信頼していないドメイン名

「サイロ化」

サイロ化(Silo-isation)が僕の造語だっていう事実は無視するとして、強力なサイトは、それがどんなに信頼できるサイトへのリンクであっても、外部向けリンクにはすべて(あるいは、ほぼすべて)nofollow属性を付けるという、疑う余地のない傾向がある。サイト所有者はおそらく、外部向けリンクのすべてにnofollow属性を付けているWikipediaが獲得した順位獲得能力を目にして、自分たちも独自のリンクのブラックホールを形成しようとしているのだろう。

信頼の欠如

僕の理解では、信頼性の低いページにリンクを張るという問題の解決策としてnofollowを使う元々の意図は、ブログのコメント欄やプロフィールリンクなどの状況を想定したものが主だったはずだ。そういったところでは、サイトのユーザーがどんなサイトへでも好き勝手にリンクを張れるからね。

(ブログのコメント欄の修正を強いられたことのある誰もが証言できることだが)これが重要なのは間違いない。だけど、コメントの記入者を信用するとしたらどうかな? nofollow属性を削除する仕組みのないサイトは非常に多いので、とても有益なコンテンツが大量に生まれているのに、獲得するリンクはすべてnofollow属性が付いているという状況に陥ってしまう。

僕の見たところ、インターネット上で最も「価値ある」リンクの中にも、現在nofollow属性付きのものはある。その例をいくつか挙げよう。

  • Wikipediaから外部に向かうリンクの平均的な質は驚くほど高い。
  • 多くの人が、自分のRSSフィードリーダーには手を付けず、ニュースは友人がTwitterに置いてくれたリンクを通じて入手している。
  • 検索に次ぐ大きなトラフィック源が、たまたまnofollow属性の付いたリンクばかりだというサイトを数多く知っている(この事実は、ランダムサーファーモデルの効果についてのおもしろい議論につながる)。

僕は今朝、物議を醸すような仮説をTwitterに投稿したあと、「#nofollowisdead」(nofollowは死んだ)というハッシュタグですごいリンクを教えてほしいとみんなに頼んだんだ。その中に、すごく読みたいと思ったものがいくつか見つかったので紹介しておく。

明らかに、これはひどいテストだ。でもこれは、僕が毎日自分のネットワークを通じて最高におもしろいものをたくさん見つけていることを示す好例だと思う。

で、以上のことが意味するのは?

検索エンジンは、ウェブマスターによる信頼できないコンテンツ/有料コンテンツの指定(すなわち、nofollow付きのリンク)に限界があることを認め、nofollowにすべきと考えるリンクをしばしば格下げしているように、反対の方向にも同様に限界を認識しなければならない、と僕は思う。つまり、nofollowが付いたリンクの中にも「follow」にすべきものがある、ということだ。検索ユーザーが最良のコンテンツを見つけられる利益というものを考えれば、検索エンジンはますます、独自の(アルゴリズムによる)判断基準を使って、一部のnofollowは無視し、そのリンクをリンクグラフに入れていかなければならなくなるだろう。

仮説は仮説で結構だが、その仮説が現実化しつつあるという最初の兆候も見えてきた。僕らはテストを通じて、nofollowリンクしか獲得していない新しいサイトが、ちゃんと検索順位を獲得できることも確認した。その最も顕著な例が、初めて付いたリンクがWikipediaからのリンクだったある新サイトが、スピード出世したことだ(サイト名とドメイン名が正確に一致しているという利点は認めるにせよ)。このサイトは、2つ目のリンクを獲得する前に、検索エンジンのインデックスに入って検索順位が上がり始めたんだ。

僕の考えに賛成する? それとも反対? こういうことはすでに起きていると思う? それとも、起こりっこないと思うかな? みんなの意見をコメント欄で読むのを楽しみにしているよ。

今回の記事が気に入ったなら、RobがDistilledに先週書いた「リンクビルディングはSEOのためだけじゃない」も気に入ると思うよ。

用語集
CGM / Facebook / HTML / RSS / SEO / Twitter / nofollow / nonofo / インデックス / クロール / ドメイン名 / フィードリーダー / リンク / リンクビルディング / 検索エンジン
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