いちばんやさしいGoogleマイビジネス+ローカルSEOの教本(全4回)

Googleのローカル検索で大事なのは、お店・Google・ユーザーの「三方よし」の関係

普段何気なく使っているローカル検索。どのような仕組みで表示されるお店が選ばれ、何の情報をもとに表示されているのだろうか? 検索結果表示までに何が行われているのかを解説。
いちばんやさしいGoogleマイビジネス+ローカルSEOの教本

この記事は、書籍『いちばんやさしいGoogleマイビジネス+ローカルSEOの教本』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

ふだんは何気なく使っているローカル検索ですが、どのような仕組みで表示されるお店が選ばれ、何をもとに情報が表示されているのでしょうか? まずは検索結果が表示されるまでに何が行われているのかを理解しましょう。

Chapter 1 Googleマップを使った集客の利点を知ろう
  Lesson 02 ローカル検索の仕組み
    「ローカル検索」の仕組みともとになる情報について知ろう

業種や店名で検索すると特殊な情報枠が表示される

Googleの「ローカル検索」とは、ウェブ検索で地域のお店や施設に関連するキーワードが検索されたとき、検索結果の上部に「ローカルパック」や「ナレッジパネル」と呼ばれる情報の枠を表示する仕組みのことを指します。

前のレッスンで紹介した例では、「ラーメン」と検索すると、位置情報に基づいて近くのラーメン店の情報がローカルパックで表示されます。また「藤沢駅美容室」と検索すれば、自分がどこにいても藤沢駅周辺の美容室の情報が、ローカルパックで表示されます。本書では、ローカルパックやナレッジパネルのようなローカル検索が表示される検索行為、つまり「ラーメン」や「藤沢駅美容室」のように地域のお店や施設を探すために検索すること自体も「ローカル検索」と呼び、その検索結果は「ローカル検索結果」のように呼びます。

ローカル検索といって、多くの人がまず思い浮かべるのは地名+業種のキーワードの組み合わせでしょう。しかし、「ラーメン」のような商品名や「美容室」のような業種を表すキーワード1つだけの検索でも、地域のお店や施設を探している可能性が高いキーワードの場合には、位置情報に基づいてローカル検索結果が表示されることがあります。

どのようなキーワードに対してローカル検索結果を表示するかは、Googleの判断によります。しかし、適用される業種は年々拡大し、対応するキーワードも増えています。

キーワードから「お店を探している」「意味を知りたい」などの意図を判別し、お店を探していると判断した場合にローカル検索結果が表示されます。

ローカルパックとナレッジパネルの違い

ローカルパックは、商品名や業種をキーワードに検索したローカル検索結果で地図の下に表示される、3つの枠です。例えば、スマートフォンで「神保町カレー」と検索してみてください。東京の神保町駅周辺の地図が表示され、その下に3枠の店舗情報が表示されます。これがローカルパックです(図表02-1)。

ナレッジパネルは、店名で検索したときに検索結果にお店や施設の詳細な情報が表示される枠です(図表02-2 )。ローカルパックの店名をタップしたときに表示される情報とほぼ同じで、ユーザーが検索したい対象のお店や施設が明確な場合、より少ない操作で詳細な情報を確認できるようになっています。

例えば、神保町の有名なカレー店の名前を挙げて「神保町ボンディ」と検索してみてください。神保町のカレー店「ボンディ」のナレッジパネルが表示されます。

ローカルパックの例 図表02-1
「神保町カレー」と検索したところ、地図とカレー店の情報が3件表示された
ナレッジパネルの例 図表02-2
「神保町ボンディ」と検索したところ、カレー店「ボンディ」の情報が表示された

ローカル検索結果のもとになる「ビジネスリスティング」

ナレッジパネルやローカルパックに掲載する情報は、「ビジネスリスティング」と呼ばれる情報をもとに生成されています。Googleマイビジネスのヘルプでは、単に「リスティング」と表記していることもあります。

「リスティング」と聞くと、インターネット広告の一種「リスティング広告」を連想する人もいるかもしれませんが、まったくの別物です。ビジネスリスティングとは、マップ上の位置(緯度・経度)に紐付いた建物名や店名、さらには写真や電話番号、レビューなどの情報群のことを指します。その内容に沿って日本語に訳せば「お店の情報リスト」といったところです。

ビジネスリスティングの情報は、お店のオーナーとユーザー、Googleの3者によって作られます(図表02-3 )。お店のオーナーは、本書のテーマである「Googleマイビジネス」を利用することで、自分のお店のビジネスリスティングを編集できます。正確にいうとGoogleマイビジネスで編集できるのは「ビジネスプロフィール」という情報で、そのほかの情報と組み合わされて、ビジネスリスティングになります。

ユーザーはお店のクチコミや写真を投稿できます。また、新しいお店を見つけたらお店を追加したり、お店が閉まっているのを見つけたらGoogleに閉業を知らせる「閉業マーク」をリクエストしたりもできます。

Googleは、お店のオーナーとユーザーから集めた情報を統合し、ビジネスリスティングを管理します。Googleマップでも、同じくビジネスリスティングをもとにして情報を表示しています。

ビジネスリスティングを作る3者の役割 図表02-3

位置情報や時間帯によって検索結果は大きく変わる

ローカル検索の特徴として、検索したユーザーの位置情報により、同じキーワードでも検索結果が大きく変わることがあります。Googleのヘルプによると、ローカル検索では検索語句との「関連性」、現在地からの「距離」、お店の「知名度」の3要素を組み合わせて、ユーザーに最適な検索結果を提供するとされています。

デバイスの位置情報やIPアドレスをもとにしてユーザーの位置を判断し、距離を重視して検索結果を変更しています。駅を1つ移動すれば同じ「ラーメン」や「カレー」でも検索結果が変わるのはもちろん、競合店が多い激戦区では、10メートル移動するだけで表示されるお店が変わり、A地点では1位のお店が、30メートル離れたB地点では20位、のように変わることもよくあります。

ただ、必ずしも近いお店が表示されるわけではありません。知名度の高いお店や、Googleが関連性が高いと判断したお店は、現在地から離れていても表示されることがあります。また、営業中のお店は優先的に表示されるので、時間帯によっても検索結果が変わります。

ローカル検索は現在地から今すぐ行動を起こしたいというニーズに応えようとしており、この点が通常のウェブ検索(オーガニック検索)と大きく異なります。オーガニック検索にも、地域のお店の情報が優先的に表示されるアルゴリズムがありますが、10メートル単位で検索結果が変わるようなことはありません。

そのため、ローカル検索では、ユーザーが検索する場所により、どのお店も検索結果の目立つ位置に表示されるチャンスがあるといえます。

お店、Google、ユーザーの「三方よし」の関係を作ろう

通常の検索(ウェブ検索)の結果に表示される情報は、全世界のウェブにあるデータをGoogleが収集し、作られています。対して、ローカル検索結果に表示されるビジネスリスティングは、現実世界にあるお店や施設のデータを収集して作られます。

現実世界の情報は、ウェブのように機械的に収集できるわけではありません。そこで、Googleはユーザーからの情報提供を求め、お店に関してはオーナーが現れて情報を整備してくれることを求めています。そのために用意されたツールが、Googleマイビジネスだというわけです。

昔の近江商人の考え方に売り手、買い手だけでなく世間の役にも立つのがよい商売だとする「三方よし」というものがあります。売り手はお店、買い手はGoogle、世間はユーザーとすれば、お店の正確な情報を提供することは、この考え方にあてはまります。

  • 著者:伊藤 亜津佐
  • 発行:株式会社インプレス
  • ISBN:9784295011019
  • 価格:1,980円(本体:1,800円+税10%)

いちばんやさしいGoogleマイビジネス+ローカルSEOの教本
人気講師が教える「地図」で伝えるこれからの集客術

「何か食べたい」「美容室に行きたい」といったとき、まず手元のスマートフォンで検索する時代。そうしたユーザーのほとんどが利用する検索結果や地図上に、無料でお店の情報を掲載できるツールがあります。

それが本書で解説する「Googleマイビジネス」です。お店のオーナーや店長のために、初期設定からクチコミへの対処方法、検索結果の上位に表示されやすくなるコツなどを解説。本書を見ながら始めることで、確実に集客力を強化できます。

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