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「SEO初心者の犯しがちな間違い」その1とその2:使いにくいドメイン名とURLの正規化問題

イメージ画像:URL

ランドが最近、「SEOの意外な裏技」と題した新しいシリーズ(その1その2その3その4その5)を開始したわ。この連載は、「なんでこんなこと思いつかなかったんだろう?」っていうSEOのヒントやコツ、アドバイスを取り上げているんだけど、実は私も今日、たまたま意外な発見をしたのよ。でもそれは、「なんでこんなこと思いつかなかったんだろう?」の類じゃなくて、むしろ「なぜこんなことをやらかしちゃってるわけ?!」に近いわね。

というわけで、私は正式に「SEO初心者の犯しがちな間違い」シリーズをスタートさせるわ。もちろん読者の多くにとっては、あきれるくらい初歩的なミスがたくさん登場してくるはず。でも、SEOのプロである私にとって意外だったのは、何らかのごく基本的なSEOのミスを犯しているサイトがたくさんあるってことが、いかに忘れられがちかっていうこと。

実は今日、大きな間違いをしでかしてるサイトを見つけたの。それも身近なところでね。そのおかげで、多くのウェブマスターやサイトオーナーたちが、SEOとはそもそも何なのか、検索エンジンはどのように機能するかいまだに理解してなかったり、あるいは、ユーザーのためを思って下した判断が、却ってサイトの検索順位を下げているという事実を相変わらず認識していなかったりする、ということに気付いたの。

さて、ここからがおもしろいところ、実際にあった例をお話するわ。私は今シーズンからトライアスロンを始めたの。今シーズンはこれまでに4レース参加して(スプリント・ディスタンス2回、オリンピック・ディスタンス1回、ハーフ・アイアンマン1回)、今月中にメキシコのカンクンであと1回ハーフ・アイアンマンをやって今シーズンを終えるつもり。ここ数か月、私はスイムとバイクとランのトレーニングに励んできたわ。ここまでやってこれたのは、Herriott Sports Performance(HSP)のおかげ。HSPは、持久力を鍛えるためのトレーニング施設で、シアトルでサイクリングとトライアスロンのトレーニングに特に力を入れてるの(ねえ、彼らのおかげで7kg近くも体重が減ったのよ。そして、よりうまく、より強く、より速くなったわ。というわけで、せめて適切なアンカーテキストぐらいお返ししておかないとね)。

トレーニングに関しては、HSPはとっても知識が豊富。オーナーで創設者のトッド・ヘリオット氏は、プロのサイクリストで、認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリストなの(それに片目のパグも飼ってるわ)。私のトレーナー、テレサ・ネルソン氏は、米国トライアスロン協会(USAT)のレベル2公認コーチで、泳ぐのが恐ろしく速いのよ(彼女はネバダ大学リノ校の代表選手だったんだけど、泳ぐときに腕を引きずるなっていつも怒鳴るの)。彼女は、地元や地域のトライアスロン大会の女性部門でしょちゅう優勝していて、この10月はハワイのコナで開催されるアイアンマン・ワールド・チャンピオンシップに出場するはずよ。そう、だからヘリオット氏とネルソン氏(とその他のHSPのトレーナーたち)は、相当なつわものってわけね。

さて、HSPのWebサイトはというと、新しい開発者と組んで、以前よりも数百倍、数千倍も良くなったわ。私がHSPでトレーニングを始めた当初、サイトはFlashを多用していて、まったく検索エンジンに優しくなかったの。でも、申し分のないサイトを作ろうという努力によって、ゆっくりとだけど確実に良い方に変わってきたわ。ところが昨日、私はちょっとした問題点に気が付いたの。私は定期的にこのサイトに行ってログインし、その週の自分のトレーニングスケジュールを確認するんだけど、このサイトがSEO初心者の犯しがちな間違いその2を犯していることに気付いて驚いたわ。

でもここはひとまず順番通り、SEO初心者の犯しがちな間違いその1の話をしてから、その2につなげるわね。

HSPのWebサイトのアドレスは、

http://www.herriottsportsperformance.com

で、URLとしてはちょっと長いわね。これを正しくキーボードから入力するには、ちょっとした苦労を強いられるわ。URLの中には、記憶する/打ち込む/共有するのが厄介なものがある。これが、SEO初心者の犯しがちな間違いその1で、どうして、もっと短くてわかりやすいドメイン名を選ばないのか、っていう話。URLが長くなるほど、正しく打ち込んだり、ほかの人に教えたりするのが難しくなりがちなのよ。

もう1つのアドバイスは、できればURL内で同じ母音や同じ子音が連続するのを避けること。HSPの場合だと、社名をオーナーの名字からとっているので、「r」と「t」はどうしても重なってしまって、このアドバイスに従うのは難しいかも。でも、できることなら、何とか連続しないようにしてみてね。

もう1つの実例として、マギー氏のWebサイト「Small Business Search Marketing」を使わせてもらうわ。マット・マギー氏のことは、何から何まで大好きなんだけど、ここのURLは、こんな感じ。

http://www.smallbusinesssem.com/

「s」が3つも並んで、このURLを打ち込むときはいつでも、頭の中に隙間風がスースー吹き込んでくるような気がするわ。それで、私はいつも「s」を余計に入力してしまったんじゃないかと思って何度も何度もURLを読み返し、やっとの思いで「s」の数が正しいことを確認するの。

最後に、キーワードがURLに入るように工夫してみて。これはそんなに大変なことじゃないし、できることをやらないのはもったいないわ。誰かがその語で検索してくれたら、検索結果ではそのキーワードが太字で表示されるのよ。そうなれば、あなたのサイトが検索結果でいっそう目立つでしょ? それに、よそのサイトがドメイン名をアンカーテキストに使用して、自分のサイトにリンクを張ってくれた場合、自分のサイトを指すキーワードが最初っから組み込まれていることになるのよ。

たしかに、Etsyやcraigslistのようなサイトは、自分のところのドメイン名に「handmade goods」(ハンドメイド製品)とか「classifieds」(案内広告)とか入れずに、うまくやっている。でも、開業したばかりの小さな地元企業にとっては、どんなにささいな要素でも役に立つわ。

公平に見て、HSPのドメイン名はまったく悪くない。でも、長すぎてタイプしにくいとか、覚えにくいとか、きっとそういうフィードバックが会員からあったのね。HSPは、自分たちのサイトに「HSPのサイトアドレスが短くなりました」というタイトルの記事を掲載して、SEO初心者の犯しがちな間違いその1を修正するという決断を下したわ。その説明には次のように書かれている。

HSPのアドレスは長すぎて、これまでは「www.herriottsportsperformance.com」と打ち込むのが大変でした。でも、面倒はもうおしまい! 今ではHSPは以下のアドレスで接続できます。

www.herriottsports.com

www.hspseattle.com

これまでのアドレスも使えますが、新しいアドレスを使えば少し楽になりますよ。

HSPは、これまでのURLに代わる、よりユーザーフレンドリーなURLを提供することに決めたのね……それも2つも。もちろん、どちらのURLでアクセスしても、元々のURLにリダイレクトされる。したがって、まったく同じWebサイトについて3つのURLが存在することになるのよね。これは明らかに問題だわ。

多くの読者はすでに、URLの正規化がどんなものか知ってるわよね。でも、知らない人のために説明しておくと、「URLの正規化」とは、自分のWebサイトについてアクセス可能なURLを1つだけに絞ること。URLを決めるときには、さまざまな選択肢から、自分がユーザーにアクセスしたり、リンクを張ったりしてほしい、そして検索上位を獲得したい、と思うURLを1つ選択するわけ。

HSPのケースでは、下に書いたURLすべてで同じコンテンツが表示される。

  • http://www.herriottsportsperformance.com
  • http://herriottsportsperformance.com
  • http://www.herriottsports.com
  • http://herriottsports.com
  • http://www.hspseattle.com
  • http://hspseattle.com

でも、Googleのマット・カッツ氏が言うように「ウェブサーバーは、すべてのURLごとにまったく異なるコンテンツを返す可能性がある」のだから、厳密に言えばこれらは異なるURLだということになるのよね(URLの正規化については、カッツ氏がすばらしい記事を書いているから、もっと詳しく知りたい人は目を通してみて)。

上に挙げた6通りのトップページURLは、どれも検索上位を獲得できる可能性があるわ。そして、中身はどれもまったく同じなのよね。とすると、これは「複製コンテンツ」の問題を引き起こすかもしれないわ(ランドは、検索エンジンにおける複製コンテンツについて、とてもうまく説明してくれていて、どういう場合に問題と見なされて、ペナルティが科される可能性があるかがよくわかる。それから、エリック・エンゲ氏も、いくつか例を示して、どんなときに複製コンテンツが本当に問題となるかを説明してくれているわ)。

あと、1つのページに対して6通りもの異なるURLがあるってことは、当然リンクの張り方も6通りあるということでしょ。だとすると、外部リンクやサイト内被リンクをすべて1つのページに集めないで、6つの異なる経路に分散させてしまっているわけだから、ページの強さも弱まっていることになるわ。良い順位を獲得するには、1ページに5000のリンクが集まっている方が、6つのURLに5000件のリンクが不均等に分散するよりも有利なわけ。

そこで解決策だけど、すぐに効き目があらわれる301リダイレクト(恒久的なリダイレクト)を使うのよ! HSPはサイトのドメイン名を1つだけに絞らないとね。たとえば、ドメイン名を「hspseattle.com」にしたいんだったら、「herriottsportsperformance.com」と「herriottsports.com」は「hspseattle.com」に301リダイレクトさせることになる。

それから、どのページもすべて「www」の付いた形にしたい場合は、「www」の付かないページを301で、そのページに対応する「www」付きのページにリダイレクトする。こうしておけば、非正規ページに対して張られているリンクはすべて、自動的に正規ページにリダイレクトされて、ユーザーは古いURLをタイプしたときでも、あるいは非正規ページに張られているリンクをクリックしたときでも、すぐ正規ページにたどり着けるというわけ。

Webconfs.comは、301リダイレクトのやり方を見やすくまとめてくれてるわ。取り扱っている言語やフレームワークは、IIS、ColdFusion、PHP、ASP、ASP.NET、JSP、CGI Perl、Ruby on Rails。Webconfsには、古いドメイン名を新しいドメイン名にリダイレクトする方法や、.htaccessを使って「www」の付いていないページを「www」の付いたページにリダイレクトする方法についても、要点が載っているわ。

願わくは、今回取り上げたSEO初心者の犯しがちな間違いが、こうした問題に気づかずにいた人たちの役に立って、すでに知っていたという人たちにも初歩のおさらいになりますように。

ジェーンやダニー、ランドもこの先、SEO初心者の犯しがちな間違いのシリーズにきっと記事を書いてくれるはずだから、時として記事が、あまりSEOについて詳しくないSEOmoz読者向けのものになっても許してね。こういう初心者だって大事にしなくちゃいけないし、こうした問題のいくつかは取り上げる必要があると思うの(Q&Aをちょっと拾い読みして、常に初歩的な質問や不安がたくさん寄せられていることを知った後では、特にそう思うわ)。このシリーズの次の記事をお楽しみに。それまでには、HSPの些細な正規化問題も修正されているはず。

私のささやかなアドバイスに対して、トレーニング・セッションを何回か無料で提供してくれてもいいんじゃない? あるいは、新しいタイムトライアル用自転車とか……(^-^)

用語集
ASP / ASP.NET / CGI / PHP / Perl / Ruby / SEO / URL / アンカーテキスト / セッション / ドメイン名 / フィード / リンク / 外部リンク / 検索エンジン / 被リンク / 複製コンテンツ
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