『リードビジネス“打ち手”大全』(全11回)

クチコミはまだまだ使える! 拡散によるリード獲得の仕組みを作る

ロイヤル顧客の周囲は新規のリードや顧客を獲得しやすい! 購入後のサポートと自社の信用を大事にしてコミュニケーションを取りましょう【第11回】

書籍『リードビジネス"打ち手"大全 デジタルマーケで顧客を増やす 最強の戦略86』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開。

86
顧客がリードを呼ぶ
仕掛けを作れ

「ダブルファネル」でリードの周辺を狙おう
Chapter 5 拡大 売り上げが伸びる関係の作り方

顧客が発信したクチコミ情報が新規顧客の獲得につながる「ダブルファネル」の概念から、既存の顧客に近い人物の獲得を狙いましょう。BtoBでもBtoCでも活用でき、効果的なリード獲得が可能です。

ロイヤリティが高い顧客の周辺は「狙い目」

購入する商品やサービスの選定は、家族や友人など身近な人の影響を受けることが多いものです。BtoC企業にとって、ロイヤル顧客の家族や友人は狙い目だと言えます。

またBtoBでも、自社商材を気に入ってくれるロイヤリティの高いリードが、自社に同僚や友人を紹介してくれることがあります。顧客の声が拡散してリード獲得につながる、「ダブルファネル」の概念を応用した新規獲得を企画しましょう。

契約・購入した顧客からクチコミが拡散する

マーケティングの「ファネル」の図は、見たことのある人が多いでしょう。商材を「認知」して「関心」を持ち、「比較・検討」を経て「購入」に至るまで、検討過程が進むほど人数が絞られていく様子をファネル(じょうご)の形に見立てて描いたものです。

ダブルファネルでは、このファネルの先端に拡散を表す逆さまのファネルが接続しています。これは、ファネルの最終段階で購入した顧客が、今度は商材を「利用」する段階で周囲の家族や友人に影響を与え、さらにSNSなどで「情報発信」することで、広く共感を得て情報が「拡散」していく様子を表現しています〔図表86-1〕。

契約・購入に至るまでのリードに注力してコミュニケーションするだけでなく、購入後の顧客のコミュニケーションにも注力することで、クチコミの力によって新しい潜在リードの獲得を目指します。

ダブルファネルの概念〔図表86‐1〕

BtoB、BtoCで活用されるダブルファネル

ダブルファネルを生かしたBtoCの施策でよく目にするものは、携帯電話の「家族割」や「紹介キャンペーン」のような施策です。ロイヤル顧客に身近な人を紹介してもらうことで、短期間で効率よく新規顧客を獲得できます。

長期的な契約により提供するサービスでよく使われる施策ですが、美容院などでの「友達紹介」キャンペーンのように、リアルな店舗のサービスでも使われます。既存顧客と紹介対象の顧客に割り引きなどのメリットを提供することで、紹介する側、される側の双方に強いインセンティブを持たせられます。

「クチコミ」というとBtoCで語られることが多いですが、BtoBでもよく使われます。実は、BtoBのほうがクチコミや人づての紹介を重視し、信用する傾向があると言えるでしょう。重点顧客の企業ではリードを獲得しやすいと述べましたが(セクション82を参照)これも言い換えれば信頼関係に基づくクチコミの効果です。自社に好印象を持つ既存のリードの紹介で、新規リードを獲得しやすくなります。

また、「他部門や新規案件を紹介してくれたら割り引き、または紹介料を支払う」のように、新規契約を促す施策として考えてもいいでしょう。

自社の信用を大切にしよう

ただし、クチコミにはいい面もあれば、悪い面もあることを意識しておくべきです。ロイヤリティの高い顧客の声で新規顧客を獲得できることがある一方で、悪評が広まって顧客を失ってしまうこともあります。

BtoCサービスで、オンラインゲームやインターネットサービスの退会方法がわかりにくかったり、途中解約すると高額な違約金を請求されたりすることが、一時大きな話題になりました。解約を邪魔して悪評を広げられてしまうよりは、解約までスムーズにサポートするようにしたほうが、長い目で見れば顧客獲得のためには有利でしょう。

BtoBの情報収集に熱心なリードは、業界にアンテナを張り、自社の情報も収集しているはずです。クチコミで悪評がすぐに流れてしまうこともあるので、トラブル発生時などには十分に情報公開を行い、信頼回復に努めるべきです。

反対に、マーケターが自分から業界に人脈を作って情報収集することで、ターゲットとする企業の攻略に役立つ情報を得られることもあります。そうした中から、顧客やパートナーと出会える場合もあるでしょう。ダブルファネルで情報が流通していることを常に意識し、自社の信用維持を心がけてください。

まとめ

既存顧客からのクチコミで、新規のリードや顧客の獲得を狙いましょう。購入後のサポートも充実させていい印象を作ることが、ダブルファネルからの獲得につながります。

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Web来訪者の購買マインドを育成する、リードナーチャリングの施策と可視化

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『リードビジネス“打ち手”大全』
  • 上島 千鶴 著
  • 発行:インプレス
  • ISBN:978-4-295-00319-9
  • 価格:2,500円+税

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