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通りすがりを購買者に、潜在顧客を顧客にする方法――書評『Web Design for ROI』第1章&第2章

Randったら、マーケティング関係の本を受け取るたびに、私の机の上に置くのよね。

「これ読んどいてね……」っていう意味なのか、それとも、もっとビシッと「これを読め、さもなきゃクビだ」って言いたいのか(Randのことをよくご存じの皆さんから見れば、明らかにこっちの方があの人の流儀よね)はわからないけど、とにかく家に帰ると膨大な「必読書」の山が積み重なってるの。

Design for ROI: Turning Browsers into Buyers & Prospects into Leads

というわけで、先週サンノゼに出かけたとき、行きと帰りの飛行機の中で、私は『ROIを念頭に置いたウェブデザイン:通りすがりの客を購買者に、そして潜在顧客を顧客化する方法』(Web Design for ROI: Turning Browsers into Buyers & Prospects into Leads、邦訳は未発表)という本を読み始めたわ。

ランス・ラブデイ氏とサンドラ・ニーハウス氏の共著で、コンバージョン率を向上させるウェブデザインを取り上げているの。SEOmozも、今じゃサイトで「商品」(プロ会員登録のことね)を販売してるから、このテーマに興味を持ったのよ。これからしばらくの間、SEM Tuesdaysではこの本の中から何章かずつ、時には私の意見も交えながら紹介していきたいと思う(参考までに、『Web Design for ROI』のサイトもあるので、この本や情報の更新、あるいはリンクについて詳しく知りたい人はチェックしてみて)。

第1章 新しいコンセプト

この章の冒頭には、なかなか興味深い統計が載っているわ。

  • 2012年までに、小売販売の43%がインターネットの影響を受けたもの、またはインターネット上で行われたものになる。
  • 企業の83%は、見込みのありそうな販売店をインターネットで調べて見つけている。

これもおもしろいデータだわ。

  • ユーザーの75%は、企業の信頼性をウェブサイトのデザインで判断すると認めている。

言うまでもなく、人は本をその表紙で判断している。そしてこの場合、本がみんなのウェブサイトに当たるというわけ。

規模の大小に関係なく、企業の経営者にとってウェブサイトが必須のものになりつつあることは、ますますはっきりしてきているわ。なのに、それでもこういう本が存在するということは、人がいかにウェブマーケティングのことを知らないかということを示しているのよね。

この本では、ショッピング体験を向上させ、購買率を上げるためにちょっとした工夫をしている実店舗について、徹底的に調査している。そういったお店では、通路の幅を広げるとか、店の入口をきれいにしておく、あるいは商品の配置を変えてみる、といった簡単だけど効果的な工夫をしていて、それが良好な結果を生んでいる。だったら、オンライン店舗でも同じようにやってみればいいんじゃない?

企業のウェブサイトは、存在の確かな実店舗ほど重要と考えられていないせいで、ひどくなおざりにされていることが多すぎる。こういった姿勢は間違っているし、問題があるわ。特に、このままオンラインショッピングへの重要性が高まっていけばね。

平たく言うと、ウェブサイトは投資だと考えなければならない。この本は、投資収益率(ROI、費用対効果、投資対効果)をどう計算すればいいのか、簡単な計算式とわかりやすい図表で教えてくれるわ。たとえば、こんな感じ。

売上-投資=純利益

純利益÷投資=ROI

一般的に、効率の良いウェブサイトは他のリソースに対するコストと比べると、信じられないほど優秀なROIをもたらしてくれるもの。出来の悪いウェブサイトや、あるいはウェブサイトそのものがないことに対して、それがだれのせいだと思っていても(自分自身、経営陣、IT担当、デザイナー、デザインプロセス、外注の業者とかね)、そろそろ責任のなすり合いをやめて、長続きする本物の成果を生むように協力し始めるべき時だわ。

この本に載ってる見事な表を見ると、インターネットのユーザー数が5000万人に達するのにたった5年しかかからなかったことがわかる。他のメディアと比較してみると、ユーザー数が5000万人に到達するまでに、ケーブル・テレビでは10年、テレビで13年、ラジオだと38年もかかっているのよ。インターネットが驚くほど急速に普及していることを知れば、すべての企業が目を覚ますはずだわ。恥ずかしい思いをしたくないんだったら、ぐずぐずしてないでさっさと取りかかること。出遅れれば出遅れるほど、市場でよその企業と張り合うのは難しくなっていくからよ。

第2章 企業におけるモデルケース

じょうご

この章では、じょうごを喩えに使っているわ。じょうごに入ってくる見込み客の数を増やすか、それとも、通り抜けてくる見込み客が増えるように「穴」の部分を太くするか、あなただったらどっちを選ぶかしら? セールスマンなら、誰だって営業の電話をたくさんかけるより、より多くの見込み客に契約してもらうほうを選ぶわよね。

この本では、ある企業が10万ドルの資金を持っているとして、その資金をトラフィックの拡大かコンバージョン率の向上のどちらかに投資できるというシナリオを設定して話を進めている。

長い目で見れば、トラフィック拡大よりもコンバージョン率向上に投資した方がROIは高くなるの。それは考えるまでもないわよね? だけど、「もっとトラフィックが必要だ」っていう相談を持ち込んでくるクライアントがどれだけいたことか、もうわからないくらいよ。

確かに、トラフィックは必要だって考えるのは正しいわ……でも、間違いだともいえるの。どんな場合だって、トラフィックが多いというのは結構なことなんだけど、それが適切なトラフィックでなかったらどう? あるいは、サイトのコンバージョンプロセスに問題があって、トラフィックが全然コンバージョンに結びつかないとしたら?そんなトラフィックなんて、全然役に立たないでしょ?

さあ、今日はこの辺でそろそろ終わりにするわ。私もまだ最初の2章だけしか読んでないのよ。でも、これから毎週新しい章について書きながら、この本を最後まで紹介するつもり。ここまでは、簡単に読めたから(ちょっと簡単すぎるところもあるわ。だって、「あぶく銭」とか「理性的な人」なんていう言葉まで欄外に説明してあるんですもの)、けっこういいスピードで読み進められたわ。この本に載っている図表やグラフは、全部しっかり見てるわよ。もちろん、第1章と第2章はまだ導入部だってことはわかってるけど、この本の「本論」の部分にまでもっと読み進んでいくのを楽しみにしてるの。この後に続く章のタイトルだけ紹介しておくわね。

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この本を購入したい人や、もっと詳しく知りたいという人は、wd4roi.comを訪問してみてね。内容の一部が公開されてて、しっかり読めるようになってるわ。そんなの面倒だっていう人は、私に任せておいて。毎週火曜日、私が各章についてまとめておくから、それを読みにきてちょうだい(^_-)

用語集
ROI / SEM / アクセス解析 / コンバージョン / コンバージョン率 / マーケティング / リンク / 書評 / 訪問
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