
グーグルはやればできる子! 医療・健康・お金などのサイトで順位変動、信頼性アルゴリズム更新か【SEO記事12本まとめ】

今週はピックアップ記事として、辻氏と木村氏からの情報をそれぞれ紹介する。
グーグル検索で、健康やお金といった「重要なテーマ」の検索順位が大きく変動した。信頼性を評価するアルゴリズムがさらに進化しているようだ。
そうした動きも含め、SEO担当者が意識するべきことが「検索エンジンのアルゴリズム」から「検索者」にすでに変わっていることも、しっかりと把握しておきたい。
そのほか、「ユーザーに役立つ内部リンク12パターン」「AMPでもここまで良いUXを実現できる!」などなど、SEOに役立つ情報をまとめてお届けする。
- 今週のピックアップ [1]
- グーグル検索 SEO情報 [2]
- テクニカル SEO情報 [3]
- 海外SEO情報ブログ の掲載記事から [4]
今週のピックアップ
グーグルはやればできる子! 医療・健康・お金などのサイトで順位変動、信頼性アルゴリズム更新か [5]
YMYLを扱うサイトは要注意 (辻正浩 on ツイッター) 国内情報
グーグル検索で、比較的大きな順位変動が9月にあったようだ。辻氏の分析によれば、9月に2回の変動があり、どちらも信頼性の評価に関係するアルゴリズム更新のようだ。
1回目の変動は9月8日ごろで、健康・医療系が主な対象だったようだ。2回目の変動は9月20ごろにあり、さらに育児、金融、法律関係のサイトにも同様の影響が広がっていたとのことである。
いずれも、「信頼性が低いと思われるサイトの順位が落ち、信頼性が高いと思われるサイトの順位が上がる」といった動きが全体的にあったとのこと。
9/8から土日にかけていくつかの医療・健康情報系サイトで大幅な順位下落を確認しました。私が確認できた限りで十数サイトですべて健康系特化サイト。内容の信憑性などが各方面で問題視されたサイトが中心です。動き方から推測するに手動ペナルティ等ではなくアルゴリズムの改善と思われます。 pic.twitter.com/7zSyWy4tSk [7]
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2017年9月11日 [8]
今回はいくつかの動きがありますが、一番明らかなのは信頼性系のアルゴリズムの調整。ここは調整が続いていて、前回9/8前後は結果的に影響を受けたのは医療・健康系のみで数十サイトのみでしたが、今回はサイトもジャンルもかなり幅広いです。総じて私にはGoogleGJ!と思える調整です。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2017年9月20日 [9]
詳細な分析は別のアカウントで共有している。
「信頼性系のアルゴリズムの調整」ですが、いわゆるYMYLと呼ばれるものでありつつ今回はかなり幅広いです。最近の調整が医療系に多かったのと違い、健康系もペットの健康系とかも対象のようですし、妊娠・育児や金融、法律など、信頼性が必要な領域、かなり幅広いです。
— 辻 正浩(つじ まさひろ) (@tsuw) 2017年9月20日 [10]
3つ目に紹介したツイートをTwitter上で表示 [11]すると分析結果を説明した一連のツイートを読めるので、ぜひクリックしてすべて読んでほしい。
グーグルでは、お金・健康・安全・法律といった、お金や生活や人生に極めて重要なテーマを「YMYL(Your Money, Your Life」と呼び、そうしたテーマの検索は少し特別な扱いをしている。具体的には、検索結果にこうしたテーマを扱うページが表示される際には信頼性・信用性の通常よりも重視するというものだ。
しかし、これまでグーグルはYMYL関連の検索で「すばらしい検索結果」を提供できていたかというと、そうとも限らなかった。
信憑性が乏しいにもかかわらず、グーグルのアルゴリズムの特性をうまいこと利用し検索結果を占領した健康・医療系サイトが社会的問題にもなった事件 [12]は、記憶に新しい。直接の関係があるかどうかは定かではないが、この事件の後には品質評価の向上を目的とした日本独自のアルゴリズム更新 [13]も実施している。
しかしその後でも、首をかしげるようなページが検索結果に表示される状態があったのも事実だ。
そうした状況が全体として改善されたのは、すばらしいことだ。「グーグルは常に変化・進化している」というのがよくわかる。
一連のツイートで辻氏は「もちろん完璧ではないでしょうが」とも言っているが、グーグルはこれからも継続的に改善していくに違いない。
あなたがYMYLを扱うサイトの運営にかかわっているなら、本当に事実に即した情報だけを提供するようにしていく必要が増した。
――いや、そうではない。
どんな情報を提供するにしても、信頼性が重要だと考えるべきだろう。グーグルはすでにYMYL関連の検索結果で「情報の信頼性」をうまく処理できるようになってきている。ということは、他のジャンルでも、同じことを適用できる可能性があるということなのだから。
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SEOで最適化する対象はアルゴリズムではなく検索者 [14]
アルゴリズムではなくユーザーを追え (サイバーエージェントSEO情報ブログ) 国内情報
SEOは、検索者に最適化するものである
(検索エンジンのアルゴリズムに最適化するのは、もうSEOではない)
このようにきっぱりと言い切るのは、サイバーエージェントのインハウスSEOである木村氏だ。
昔は、SEOといえばグーグルのアルゴリズムに最適化するものだという認識だった。つまり、検索アルゴリズムを分析し、「どうすれば検索アルゴリズムの評価を高められるのか」を競っていたのだ。場合によっては、「アルゴリズムの裏をかいて上位表示することがSEOだ」という考えの人もいた。
しかし、現在のSEO、そして本来のSEOのあるべき姿は、そうではないのだと木村氏は主張している。すでに、
- 検索エンジンのアルゴリズムに対する最適化
ではなく、
- 検索者に対する最適化
がSEOだという状態になっているのだと。
グーグルは、絶えず検索アルゴリズムを改良しているし、最近では人工知能も検索アルゴリズムに採用している。すべては、検索ユーザーに最適な検索結果を提供するためだ。
それならば、検索ユーザーに最適なコンテンツを我々が準備しておけば、グーグルはそのコンテンツを検索結果に出してくれるはずだ。そして、少しずつそうなってきている。
つまり、グーグルのアルゴリズムではなくユーザーを見ることがSEOという状況に変わってきているのだ。
グーグルの社員は、次のような言葉をよく口にする。
アルゴリズムを追うな。ユーザーを追え。
昔からSEOに携わっている人なら、「そんな表向けのきれい事を言われてもね。現実はそんなこと言ってられない」という感想をもった経験はあるだろう。しかし、グーグルのアルゴリズムがかなり洗練されてきた今は、この言葉が正しく真実になって(きて)いる。
蛇足だが、木村氏は次のようなコメントを差し込んでいる。
言い訳や逃げとかポジショントークに聞こえかねない内容ではあると思いますが、
そう感じる人もいるかもしれない。しかし記事では、10年以上もSEOにかかわり、酸いも甘いも知り尽くしている木村氏の経験をもとにした「今の見解」が示されている。ぜひとも、先入観や思い込みなしに読んでほしい。
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グーグル検索SEO情報
ユーザーの役に立つ12種類の内部リンク [15]
SEOにも効果あり (クロネのブログ講座) 国内情報
ユーザーの役に立ち、かつサイトの回遊率アップも期待できる内部リンクの設置方法を解説した記事を紹介する。
全部で12種類の内部リンクを取り上げている。
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一部はWordPressの機能を利用しているが、解説している内部リンク自体はどんなサイトでも有効だ。
内部リンクはユーザーの役に立つだけではなく、SEOにも効果がある。たとえば、URLの発見とクロールだ。「ユーザーの役に立つこと」を大前提として、内部リンクの最適化にも取り組むといい。
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手動対策を受けたら、Search Consoleに登録してある他のサイトにも影響がある? [16]
同じアカウントで登録していても互いに無関係 (John Mueller on Twitter) 海外情報
グーグルのジョン・ミューラー氏に、ツイッターでフォロワーがこんな質問をした。
Search Consoleに5つのサイトを登録していて、そのうちの1サイトが手動対策を受けたとしたら、ほかのサイトにも問題が起きますか?
ミューラー氏は次のように答えた。
その5つのサイトが互いに関係がなく、同じような問題がどれにも現れていないのであれば、そういうことはない。
If they're 5 random, unconnected sites and they don't show the same kinds of issues, then no.
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2017年9月28日 [17]
1つのサイトが手動対策を受けたとしても、同じアカウントでSearch Consoleに登録しているほかのサイトには何の影響もないということだ。
ただし、互いに影響しないといっても、他のサイトでも似たような手口でガイドラインに違反するようなことをやっていれば、話は別だ。他のサイトにも目視が入るかもしれない。
まさかとは思うが念のために言っておくと、「悪事が見つからないようにアカウントを分けるべき」という考え方に陥ってはいけない(そんな風に考える人はいないと思いたいが)。
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インデックス数を正確に知るいちばんの手段はサイトマップ [18]
site:は信頼性が低い (John Mueller on Twitter) 海外情報
- Search Consoleの「インデックス ステータス」でレポートされるインデックス数
- グーグル検索で「
site:
」を塚って調べるインデックス数
この2つは、同じなのだろうか?
ジョン・ミューラー氏によれば、インデックスされたURLがゼロでない限りは、同じにはならないとのことだ。
no, unless it's zero.
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2017年9月28日 [19]
site:
検索では、インデックスのおおまかな状態を知ることしかできない。1ページ目と2ページ目で数字が大きく変化するのはよくあること [20]だ。
それに対して、Search Consoleのインデックスステータスは比較的正確なデータを返す。
ちなみにミューラー氏は、本当に正確な情報を知りたければSearch Consoleのサイトマップレポートを見るべきだという。サイトマップで送信したURLだけが対象になるという条件が付くが、インデックス数をつぶさに把握したいのであれば、サイトマップレポートが役に立つ。
It depends on how you want to frame it :). Personally, I recommend the sitemaps indexed count, since it focuses on the URLs you care about.
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2017年9月30日 [21]
- ホントにSEOを極めたい人だけ
- AMPページでもここまでできる! アメブロがユーザー体験を向上させた手法解説
- HTTPS移行とHSTS設定、HSTSプリロードリスト登録はセットで
- はてなブログのHTTPS対応の詳細が明らかに
- グーグルの最新のモバイルテクノロジーに触れられる動画4連発
- AMPページのアクセス解析に出てくる「?usqp=mq331AQCCAE=」パラメータの正体
- シンプルだけどパワフル、PWAのホーム画面アイコン追加
- Googleのアルゴリズム重要度には“トップ3”など存在しない。ランキング要因に意識を向けるのは短期的SEO
- 今週のピックアップ [1]
- グーグル検索 SEO情報 [2]
- テクニカル SEO情報 [3]
- 海外SEO情報ブログ の掲載記事から [4]
テクニカルSEO情報
AMPページでもここまでできる! アメブロがユーザー体験を向上させた手法解説 [22]
AMPの最新コンポーネントを使い、通常ページに劣らないUXを実現 (サイバーエージェント デベロッパーズブログ) 国内情報
アメーバブログはいち早くAMP対応していた。だが単純にAMP対応して終わりではなく、次々とリリースされるAMPの最新コンポーネントも積極的に利用しているようだ。
AMPはスピードを最優先するために制限が多く、通常ページなら当たり前のように実装できる機能を使えない。しかしアメーバブログは、次のようなAMPコンポーネントを使い、通常ページに劣らないユーザー体験をAMPページでも実現している。
amp-list
を使い、スクロールした時点での遅延読み込み(lazyload)を実現amp-bind
を使い、サイト内検索ボックスで検索キーワード候補表示を実現amp-bind
とamp-form
を使い、サイト内の独自「いいね!」ボタンを実現amp-dynamic-css-classes
を使い、リファラや表示状態を判定して表示を切り替えamp-install-serviceworker
を使い、元ドメイン名のService Workerをインストールして利用可能に
いずれも技術的な内容だが、実現していることは「AMPでそんなことできるんだ」というものだろう。AMPが持つ制限に悩みを感じているとしたら、こちらの記事が解決のヒントになるかもしれない。
- AMPに不満がある人
- ホントにAMPを極めたい人
- 技術がわかる人に伝えましょう
HTTPS移行とHSTS設定、HSTSプリロードリスト登録はセットで [23]
HTTPSをさらに強固にできる (Google Online Security Blog) 海外情報
グーグルは多くの自社サービスでHTTPS化を進めているが、自社が所有する45個のTLD(トップレベルドメイン名)のうち、さらに多くのドメイン名をHSTS対応し、さらにHSTSプリロードリストに登録したことをアナウンスした。
「HSTS」と「HSTSプリロードリスト」は、以前にこのコーナーで解説 [24]した。どちらも、HTTPSによるセキュリティをさらに高めるための仕組みだ。
HSTS ―― いちどサイトに訪問したら、以後は常にHTTPSを使うようにブラウザに指示する仕組み。
HSTSプリロードリスト ―― 初めてアクセスするサイトであっても、必ずHTTPSを使うようにドメイン名を登録しておく仕組み(専用サイトから登録する [25])。
しかし、グーグルが多くのドメイン名をHSTSプリロードリストに登録したこと自体はさらりと流してもらってかまわない。
筆者がこの出来事を取り上げたのは、HTTPSを実装している(あるいは実装を予定している)のであれば、HSTSの実装とHSTSプリロードリストへの登録をぜひともあわせて実行してほしいからだ。そうすれば、HTTPSによるユーザーのプライバシー保護とセキュリティ確保を、さらにしっかりとできる。
HTTPS移行とHSTS設定、HSTSプリロードリスト登録はセットだと考えよう。
※ただし、HSTSプリロードリストへの登録は、ペイレベルドメイン名(「impress.co.jp」など)単位であり、サブドメイン(「netshop.impress.co.jp」)は登録できないことには注意が必要だ。
- すべてのWeb担当者 必見!
- 技術がわかる人に伝えましょう
はてなブログのHTTPS対応の詳細が明らかに [26]
予定どおり完了しますように (はてなブログ開発ブログ) 国内情報
HTTPS移行の準備に関してアナウンス [27]していた「はてなブログ」が、HTTPS移行の詳細スケジュールを、対象範囲とともに発表した。
非常に多くのユーザーがさまざまなコンテンツをはてなブログでは公開しているので、トラブルや混乱を発生させないためだろう、段階を追って移行を進めるようだ。
はてなブログは柔軟にカスタマイズできるサービスなので、はてな側でのシステム変更だけでなく、ブログユーザー側でも対応が必要なことが少なからずありそうだ。
それでもウェブのHTTPS化の流れに逆らうことはできない。予定どおりにはてなブログがHTTPS移行を完了できることを期待したい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグルの最新のモバイルテクノロジーに触れられる動画4連発 [28]
日本独自のモバイルイベントの動画が公開 (Google Developers Japan: Google for Mobile) 国内情報
グーグルが5月に米マウンテンビューで開発者向けに開催した「Google I/O 2017」のセッションをもとに、日本のグーグルが独自に「Google for Mobile I/O RECAP」というイベントを8月に主催した。
このときのセッションの動画がすべて公開 [29]された。モバイルウェブに関連するセッションもあるので参考にしてほしい。最新のモバイルテクノロジーに触れることができる。
- モバイルウェブがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
AMPページのアクセス解析に出てくる「?usqp=mq331AQCCAE=」パラメータの正体 [30]
キャッシュシステムの実験用。無視していい (AMP HTML Discuss ) 海外情報
アクセス解析のデータを見ていて、グーグル検索からのトラフィックとして記録されたAMPページのURLに「?usqp=mq331AQCCAE=
」という見慣れないパラメータが付くことがある。

このパラメータはいったい何なのだろうか?
実は、AMPのキャッシュシステムを改良するテストのために、グーグル側で勝手に追加しているパラメータだとのことである。AMPの開発運用の中心的な役割をグーグルで果たしているウブル氏が、AMPのディスカッショングループ [30]とツイッターで説明している。
Yep, this triggers an experiment for more advanced transformations on the AMP cache.
— Malte Ubl (@cramforce) 2017年9月26日 [31]
テストが終わればもう現れなくなるだろうが、似たようなテストが再び行われる可能性もあるそうだ。いずれにしても不具合や問題が発生しているわけではないので、無視可能だ。
- AMPがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- アクセス解析担当者に伝えましょう
[32]海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
PWAと検索アルゴリズムがトピックの記事をピックアップ。
- シンプルだけどパワフル、PWAのホーム画面アイコン追加 #PWATokyo [33]
もっとも手軽に実装できるPWA
- PWAに興味があるWeb担当者 必見!
- Googleのアルゴリズム重要度には“トップ3”など存在しない。ランキング要因に意識を向けるのは短期的SEO [34]
アルゴリズムの重要度なんて意識する必要なし
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
ソーシャルもやってます!