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リダイレクト設定とサーバー選びの問題 - 『検索エンジン最適化の初心者ガイド』改訂版#4-4

サイトの引越や構造変更などでURLを変える場合に、SEOで重要になるのが「リダイレクト」だ。

ユーザーと検索エンジンのためのリダイレクト処理

ウェブにおける不変の規則とは、人生と同じように変わらぬものは何もなく、あまねく変化を避けられないということだ。しかし、ウェブ上で何か物事が変化しなければならないとき、あるいは僕たちの場合で言うと、具体的にあるURLから別のURLに移動しなければならないとき、非常に重要な従うべき最善のやり方がある。

まず、簡単な計画があると仮定してみよう。あるURLを永久に別のアドレスにリダイレクトしなければならないという状況だ。

Illustration of a Redirect

この課題を行うには複数の選択肢があるが、一般的には、301リダイレクトを使用することが、ユーザーと検索エンジンの両方にとって好ましい。

301は「永続的リダイレクト」を示す応答コードで、サーバーが301を返せば、ブラウザと検索エンジンボットのどちらも、ページが永久に移動したことを知ることができる。検索エンジンは301リダイレクトを、該当ページの場所が変わったというだけでなく、新しいURLにおいてそのページのコンテンツあるいはその更新版が見つけられると解釈する。検索エンジンは下に示すように、あらゆるリンクの重み付けを元のページから新しいURLに移すんだ。

Googlebot successfully follows a 301 Re-direct

ページのURLを別のURLへ移す場合、検索エンジンが301リダイレクトを受け取って認識し、元のページのランキングと重み付けを新しいページを与えるまでには、ある程度の時間がかかることに注意してほしい。長期間ページを変更していなかったり、ロボットのアクセス頻度が低かったり、あるいは新しいURLがきちんとDNSで解決できなかったりといった場合、このさらに時間を要する可能性もある。

302リダイレクト(一時的なリダイレクト)、metaタグを使った自動的なページ移動、JavaScriptを使う方法といった他の選択肢は、リダイレクト処理として好ましくない。これらの手法は一般的に、301リダイレクトのような、ランキングと検索エンジンによる評価値の受け渡しが発生しないからだ。

サイト全体のドメイン名を変更したり、コンテンツをあるドメイン名から別のドメイン名へと移動する場合、コンテンツの移動はさらに複雑になる。ドメイン名間の301リダイレクトについては、スパマーが悪用しており、検索エンジンが疑念を抱くため、スパイダーがきちんと巡回して評価を受けるまで、一層長い時間がかかることもある。サイトの移動に関するより詳しい情報は、「新ドメイン名の開設と新ドメイン名への移動に関する予期事項と最良実践モデル」(英文)を参照してほしい。

サーバーおよびレンタルサーバーに関する問題

ありがたいことに、サーバーあるいはレンタルサーバーに関係する問題で、検索エンジン最適化作業に影響するものはあまりない。とはいえ看過してしまうと、これらが大きな問題に発展する可能性もあるので、ここで検討してみる価値はある。

検索エンジンによる順位決定に悪影響を与えるかもしれないサーバーとレンタルサーバーの問題を、以下に挙げていこう。

  • サーバータイムアウト
    検索エンジンがページにアクセスしようとしたが、制限待ち時間内に応答が返ってこなかった場合(あるいは、サーバータイムアウトの応答が返ってきた場合)、該当のページが検索インデックスにまったく入らない可能性があるほか、ランク評価もほぼ間違いなく非常に低いものになる(インデックス化できる文字コンテンツが見つからないため)。
  • 長い応答時間
    上記のサーバータイムアウトほどダメージは大きくないが、それでも問題となる可能性がある。ロボットがページの読み込み完了を待ちきれない可能性が大きいほか、サイトにアクセスすることが困難となる。そため、他のブロガーやウェブマスターのようなリンクしてくれるかもしれない人たちが、別のリソースにアクセスして、そちらにリンクするほうを選んでしまう可能性がある。
  • 共有IPアドレス
    2007年3月に、リサ・バローネ(Lisa Barone)が共有IPアドレスについてすばらしい記事を書いている。同じレンタルサーバーサービスの同じサーバーに同居しているサイト(つまり、自分のサイトと同じIPアドレスを使っている)に関する基本的な懸念材料として考えられるのは、
    • そのサイトのせいで自分のサイトのスピードが遅くなる
    • そのサイトがスパム的だったり信頼を得ていなかったりすることがある
    • 自分のIPアドレスに対するリンクのメリットをすべて持っていってしまいかねない
    などが挙げられる(共有IPアドレスについては、SEO roundtableの記事がより詳しく踏み込んでいる)。
  • IPアドレスのブロック
    検索エンジンがウェブを巡回する際、悪質なスパムサイトだらけのIPアドレス空間に出くわすことがよくある。検索エンジンは個々のサイトをブロックするのではなく、ときにIPアドレスあるいは一定のIPアドレス範囲すらもブロックすることがある。もし心配があるなら、「IP:自分のIPアドレス」というクエリをMSN/Liveで実行し、自分のIPアドレスを探してみよう(あるいは、SEOmozのIPアドレス検索ツールを用いてもいいだろう)。
  • ロボットの検出と制御
    サイト管理者のなかには、所定の時間枠内に一定数以上のリクエストを行うすべての訪問者に対し、ファイルへのアクセスを制限する人たちもいる。防御対策を少しやりすぎる例だね。これは、スパイダーの巡回能力を常に制限してしまうので、検索エンジン由来のトラフィックに悲惨な影響をもたらし得る。
  • 帯域幅とトラフィック量の制限
    多くのサーバーでは、サイトのトラフィック量に制限を設けている。これはつまり、サイトのコンテンツの人気がやたらと上昇すれば、自分の利用しているホスティングサービスがアクセスを遮断してしまい、破滅的な事態になる可能性があるからなのだが、リンクしてくれるかもしれない人たちが自分のコンテンツを見る(そしてリンクしてくれる)のを妨げるだけでなく、検索エンジンも巡回対象から外してしまう。
  • サーバーの所在地
    これは必ずしも問題というわけではない。しかし地域検索の観点から、こちらのコンテンツがどの場所に関連しているのか判断する際、検索エンジンはウェブサーバーの所在地を参考にすることは知っておくといいだろう。多くのサイトにとって、キャンペーンに占める地域検索の割合が大きいほか、全クエリの40%近くが、ある程度地域性を意図したものと推定できることから、サイトを設置するホスティングサービスを選定する上で、自分のコンテンツに最も関連性のある国(地理的にそれ以上細かく検討する必要はない)のサービスを選ぶことは、非常に賢明な選択だ。
用語集
DNS / JavaScript / SEO / metaタグ / アクセス解析 / インデックス / キャンペーン / クローラー / スパイダー / ドメイン名 / ボット / リダイレクト / リンク / レンタルサーバー / ロボット / 検索エンジン / 検索エンジン最適化の初心者ガイド / 訪問者
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