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JavaScriptまで解釈してPC向けサイトをケータイ向けに自動変換するGetMobile――PubCon2日目レポート

開発に携わる人間として、僕はこのPubConでも、製品を創造したり開発したりしたという感じが強いセッションに引き付けられがちだ。検索マーケティングのセッションもすばらしいから、入門レベルの開発者向けセッションよりはそちらの方を優先して出席することが多いけれど、セッションに参加するときは何とかいい製品やアイデアを見つけて成長の糧にしたいと思っている。

眠気と戦いながら、PubCon2日目(米国時間2007年12月5日)の午前中に開かれた「ローカル検索とモバイル検索」のパネルディスカッションに参加してきた。サイトをモバイル向けに変更する際に、どういった点に留意すべきかについて、サイトのデザインや機能、レイアウトについてすぐれた概略的なヒントやコツなどが示され、その全体像をつかむのに参考になった。プレゼンテーションが始まって30分ほど経ったところで、エスウォー・プリヤダルシャン氏が、GetMobileという新製品を支えている技術のデモを行った。エスウォー氏はGetMobileにどんな機能があるかをブログで次のように説明している。

この製品の大きな目的は、ウェブ制作者がサイトを迅速にモバイル化できるようにすることだ。この目的のために、私たちは「ジューシング(Juicing)」と呼ぶ機能を開発した。これは、すでにあるパソコン用サイトのウェブコンテンツを動的かつ自動的に抽出してモバイル向けに変換する技術だ。

同じような目的を持つ他の技術と比べて、このジューサー(Juicer)が大きく異なる点が2つある。まず、HTMLのマークアップと構造のほか、ページ内におけるコンテンツの視覚的配置に基づいて、インターネットコンテンツの抽出を行う点。もう1つは、ページに埋め込まれたJavaScript/Ajaxのコードを完全に実行してからコンテンツを抽出できる点だ。

ジューサーがあると、パソコン用のウェブサイトをあたかも動的なデータソースであるかのように取り扱うことが可能になる。これなら、クライアントはモバイルサイト用のコンテンツを改めて用意する必要がなくなるため、非常に有効だと考えている。ジューサーにとっては、クライアントのウェブサイトそのものが材料になるわけだ。

GetMobile

これはちょっとわかりにくいので、少しわかりやすくしてみよう。基本的な手順はこうだ。まず、完全にでき上がっているウェブサイトをGetMobileの「ジューサー」に流し込む。すると、ジューサーの複雑なアルゴリズムと処理を経て、モバイル向けのサイトを生成してくれるわけだ。処理プログラムはサイトのどの部分がロゴで、どの部分がナビゲーションやコンテンツなのか判断できるくらい賢く、それぞれのパーツを正確につなぎ合わせて自動的にモバイルサイトを作り出す。ここから、配色や画像といったブランド化用の要素に手を加え、モバイルサイトとパソコン用サイトのユーザー体験を一致させることができる。

これにはびっくりした。隣に座っていたメルも、プレゼンの間「うーむ」とか「ああ」とか何度もうなっていた。これが宣伝どおりに機能するなら、ややこしい開発プロセスをこのソフトウェアが引き受けてくれるんだから、モバイルサイトの開発もDreamweaverを使ったウェブ開発と同じくらい簡単になるだろう。

このセッションの他の発表者が異口同音に言ったとおり、モバイルウェブは着々と主流への道を歩んでいる。この分野のティッピングポイント(アイデアや流行、社会的行動などが閾を越えて一挙に広まる劇的瞬間)はすぐそこまで来ているんだから、規模の大小を問わずあらゆる企業がモバイルウェブを活用する必要がある。GetMobileはモバイル化の手間を大きく省いてくれるものなので、これからじっくり見守っていこう。

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