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オムニチャネルマーケティングの要は「顧客ライフサイクル」「エクスペリエンス」「顧客コミュニティ」

企業がオムニチャネルマーケティングを実現するためのコアは顧客エクスペリエンスにあり、顧客ライフサイクルが大切だ
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企業がオムニチャネルマーケティングを実現するには、何が必要なのだろうか。そのコアは顧客エクスペリエンスにあり、マルチチャネルにおける顧客エクスペリエンス管理の要は顧客ライフサイクルだ。

「顧客にとって最も重要なこと」と「ビジネスにとって最も重要なこと」を明確にし、顧客ライフサイクルのなかでこの2つが交わる部分を見つける。そして、社内においても社外においても、コミュニティを構築していくことだ。

そうした考え方と、素晴らしきオムニチャネルへの船出で失敗しないための3つのポイントを解説する。

「ポストデジタル(デジタル化以後の時代)」――その深みに、私たちはもはやどっぷりと漬かっている。かつて「デジタル」と言えば技術のことばかりが話題になっていたが、今や関心は人々の体験を豊かにすることに移っている。

デジタルに適応できた多くの企業は、モバイルという流れを掴み、複数のチャネルが絡み合う「ポストデジタル時代」へと向かう潮流の中を、懸命に進んでいる。企業は、顧客エクスペリエンスを案内役に、デジタルの可能性という大海を目指してスリリングな旅に出ようとしているのだ。

オムニチャネルという言葉は、あちこちで使われ過ぎたため、本当の意味と目的が見えにくくなっている。

純粋なデジタル企業は、実店舗を構えることなく人や地域とのエンゲージメントを創出する方法を探している。

その一方で、実店舗だけの企業が、店舗の外で顧客の生活と結びつき、さらに便利な存在になる方法を模索している。

※手作り商品のマーケットプレイスであるEtsyがインテリアショップのWest Elmと提携し、全米にあるWest Elmの店舗で1日限定のスペシャルイベントを開催した。

アマゾンの即日出荷や、超ローカルなオンライン体験を目指したWest ElmとEtsyの提携を思い浮かべてほしい。オムニチャネルマーケティングの核心はエンゲージメントだ。オムニチャネルマーケティングとは、エンゲージメントのあらゆるコンタクトポイントを検討の対象とし、顧客にとって大切なものを巧みに使ってブランド価値を高めることなのだ。

2014年は、B2BでもB2Cでもマルチチャネルキャンペーン管理がマーケターの最優先事項になった。マーケターは、結びつきが深くロイヤルティが高いファン層を構築し、素晴らしい顧客エクスペリエンスを提供することに関心があるのならば、シームレスなオムニチャネルエンゲージメントを追求しなければならない。

しかし実際には、複数のチャネルにまたがる取り組みを統一することには多くの企業が苦戦し、結果的に一貫性のないコンテンツやメッセージになってしまっているのが現状だ。

マーケティングチームが、手を広げすぎず、目標を見失わずに、次々と増える顧客タッチポイントのすべてにおいてエンゲージメントを向上させるには、どうすればいいのだろうか?

企業がコミュニケーションの質を高め、顧客の生活にうまく溶け込むためには、どのようなオムニチャネルマーケティングを行えばいいのだろうか?

エンゲージメントが「発見」から「ロイヤルティ」へと顧客を導く

マルチチャネルにおける顧客エクスペリエンス管理の要は、「顧客ライフサイクル」だ。フォレスター・リサーチによると、顧客ライフサイクルとは次のような定義だ。

「顧客ライフサイクル」とは ―― 顧客が「新たな選択肢の発見」から「必要性の確認」「製品の購入」「製品の利用」「同じ製品を使っている顧客との関わり合い」へと進むなかで育まれる、顧客とブランドとの関係

ブランド独自の顧客ライフサイクルを構築するには、ライフサイクルの各段階を通じた統一的な顧客像を得なければならない。

顧客がブランドとやり取りする方法はいろいろとある。ソーシャルメディアもそうだし、ユーザーフォーラム、ウェブサイトのナビゲーション、モバイルアプリの利用にいたるまで、さまざまだ。そして、それぞれのタッチポイントにおける顧客の振る舞いと、それがブランドにもたらす価値を明確に理解することが、オムニチャネル戦略の構築には絶対に欠かせない。

その際にするべきことは、企業が定めた方針に顧客を当てはめることでは、決してない。そうではなく、顧客の要望をよく理解し、それをかなえるのだ。

効果のある統一的な顧客像は、絶えず更新される十分に統合されたデータと、リアルタイムの強力な分析からもたらされる。

ここからは、オムニチャネルの素晴らしい顧客エクスペリエンスを可能にするために必要な、柔軟で有益な顧客ライフサイクルを構築するための方策を3つ紹介する。

素晴らしきオムニチャネルへの船出

①正確な羅針盤を手に入れる

チャネルをまたいだ顧客エクスペリエンスを実現するうえで最大の障害として、40%の企業が「複雑さ」を挙げている。人々が入手できる知識や情報の量は増えており、モバイルの利用とインタラクティブな環境が広がり、価値や利便性を企業が与えてくれるだろうという期待がかつてないほど高まっている今、顧客との関係は複雑化するばかりだ。

しかし、やらなければならないのはその複雑さに尻込みすることではない。そうではなく、その複雑さに惑わされて焦点を見失わないようにすることだ。

具体的には、「顧客にとって最も重要なこと」と「ビジネスにとって最も重要なこと」を明確にして、顧客ライフサイクルのなかでこの2つが交わる部分を見つける。そして、その重要なタッチポイントに最良の取り組みを集中させるのだ。

クリアな見通しを持っておけば、適切な事業投資や技術投資で顧客ライフサイクルを支え、ここぞというところでブランドを輝かせることができる。

②デジタルという大海の海図を描く

シームレスで印象的な顧客エクスペリエンスは、偶然の産物ではない。よく考えられた大胆な戦略の結果として生まれるものだ。戦略はブランドごとに異なり、それぞれの顧客のニーズ、問題、要望、願望に沿って策定しなければならない。

フォードの乗用車フィエスタの新モデル発表は、顧客優先戦略の成功事例だ。

フォードはとても重要なことを理解していた。それは、フィエスタのような新しいモデルを買う人々は、テレビ以外のメディアをよく利用しているということだ。

……中略……

フォードは、古いメディア手法に基づいたプランを使わず、不況のなか、大きく方針を転換してソーシャルメディアやデジタルメディアで新型フィエスタのキャンペーンを展開し、新しい買い手たちがすでに情報収集や調査に使っているチャネルでアピールしたのだ

ポストデジタル時代のオムニチャネルマーケティング戦略は、顧客ライフサイクルと深く結びついている。その結びつきによって、それぞれの顧客がブランドと最も効果的に関わり合える場所がどこなのかを判断できるのだ。

③乗組員に投資する

オムニチャネルな顧客エクスペリエンスを素晴らしいものにするには、仲間が必要だ。幹部や経営陣による熱心な支援と、全社を挙げた取り組みが必要になる。資金、スキル訓練、優先的な雇用、テクノロジー、あるいはこれらすべての面で組織が動くことが必要になるだろう。

オムニチャネルマーケティングの土台には従業員エンゲージメントがある。これなくしてオムニチャネルマーケティングは実現できない。

また会社の外においても、「顧客」「ユーザー」「ブランドのアンバサダー」たちによる、活発なコミュニティへの関与/参加が必要になる。

デジタル以前には、ブランドエバンジェリストとなる顧客を集め、そのエバンジェリストがさらに顧客を集めるという「タッパーウェアモデル」が使われていた。タッパーウェアはこの方法で、店舗を構えることもなく、全家庭の食器棚に広がっていった。同様にアムウェイは、独立した経営者たちが自分のネットワークに直接販売するマルチレベルマーケティング戦略を開拓した。

現在のオンラインビジネスは要するに、これらと同じエンゲージメントのモデルを、デジタルチャネルを使うことでタッパーウェアの時代以上に推し進めているのだ。

そのためには、顧客コミュニティの構築が不可欠だ。顧客コミュニティは、オムニチャネル企業が競争力を得るための重要な要素であり、企業が個人のレベルで有益な関係を構築するには欠くことができない。

オムニチャネルエンゲージメントから、素晴らしい顧客エクスペリエンスへ

顧客のロイヤルティを深めてファン層を拡大したいのならば、デジタルマーケターは、素晴らしい顧客エクスペリエンスの提供に取り組まなければならない。そして、素晴らしい顧客エクスペリエンスは、シームレスなオムニチャネルのエンゲージメントによって初めて成立するのだ。

ビジネスの目的を明確にして顧客インサイトを深め、顧客第一の大胆な戦略を立てる。そのうえで、ブランドを取り巻く活発で献身的なコミュニティを形成する。コミュニティはオムニチャネルキャンペーンを1つにまとめる接着剤だ。コミュニティによってタッチポイントが結びつくことで、すべてのチャネルから熱意あふれる新しい顧客が集まってくるのだ。

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