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不動産業者の事例に学ぶ、Googleのペナルティ対処法(フローチャート付き)

先週、僕はGoogleのスパム対策チーム責任者Matt Cutts氏にインタビューし、いろんな話題について話を聞いた。

その中でもウェブマスターたちにとって関心がありそうなのは、パートIIの頭から6分あたりだ。そこで、僕たちはオンラインの不動産業界について話し合っている。この業界では最近、相互リンクを悪用した目に余る不正操作を行ったということで、何千ものサイトがランキングから消えちゃったんだ。

インタビューの中で、RealEstateWebmastersにあるフォーラムのスレッド(14ページにわたって135件も返信がある)に話が及んだ。Mattたちのチームが5月中旬に実施した「威嚇射撃」について議論しているスレッドだ。このサイトが、ランキングを上げる手段として長いことリンクの交換を勧めてきたのは明らかだ。正直言うとつい最近までは効果的な戦略だったし、そのアドバイスにケチをつけるのは難しい。不動産業者のウェブサイトは、たいてい次のような道筋をたどる。

  1. 不動産業者が新しくウェブサイトを開設し、Googleのトラフィックがすばらしく役に立つことに気づく。

  2. 当然のように、トラフィックをもっと獲得したくなり、不動産関係のウェブサイトがGoogleのランキングを上げるにはどうすればいいか、ネット上の情報を読み始める。

  3. 人気の高いフォーラムや手引きサイトの多くは、ほかの不動産関連サイトのオーナーと交流を持って、お互いにリンクを貼ることを勧めている。

  4. 不動産業者はこのアドバイスを実行する。自分が営業しているのはオレゴン州ベンドなので、ニューヨーク州ポキプシーからワシントン州ピュアラップにかけて営業しているサイトのオーナーとコンタクトをとり、相互リンクを申し込む。

  5. 双方がサイトの「リンク」ページに相手サイトへのリンクを設置する(ミズーリ州で営業している不動産業者のこのページがいい例だ)。

  6. 相互リンクのおかげでランキングが少し上がり、不動産業者は大喜び。

  7. そこへMattが現われて、一巻の終わり。

しかしまじめな話、こういった行為はGoogleのガイドラインに明らかに違反している(古いやつにも新しいやつにもね)。

順位上げを主な目的として、ろくすっぽ名前も知らないような米国中の不動産業者と相互リンクしているサイトの順位を上げることに、Googleは何の関心もない。けれど、ほかの都市や州のサイトオーナーと何らかの交流があり、お互いのサービスを本当に推奨したいと考えている不動産業者だって実際にいるかもしれないんだから、そこはきちんと線引きする必要がある。SEOの業界ではこういうことはいつだって当然のようにある。たとえば、僕がデラウェア州のSEO業者と会って、その業者のサービスがすばらしいので先方にリンクを貼り、相手も同じようにSEOmozにリンクを貼って、僕たちがシアトルでやってる業務を推薦してくれる、というようなことは起こりうる。こういった相互リンクはまったく適切だし、Mattたちもおそらく尊重したいと思うはずだ。

問題は、適切な相互リンクと不適切な相互リンクをどうやって区別するかだ。

1つのやり方としては、リンクの数だけで判断することが考えられる。同業者仲間のうち5人や10人、あるいは20人程度にリンクを貼るというのは大したことじゃない。でも、そういったリンクの数が50件とか100件、あるいはそれ以上になったとしたら非常に疑わしく思えてくる。もし120件もの外部リンクがあって、各リンク先が元のサイトにリンクを張り返していて、しかもすべての外部リンクが1つのページに(特に、そのファイル名がlinks.htmlだったりlinks.htmだったりするとね。

ちなみにGoogleで検索してみると、前者は3万2000件、後者は2万3000件もヒットする)収まっているとなると、Mattのスパム退治チームは強い疑惑の目を向け始める。

僕がこういった不動産業者に共感する理由ってのはこうだ。彼らの多くは零細企業のオーナーで、インターネット上でちょっとばかり優位に立ちたかっただけなんだ。たぶん、Googleのガイドラインなんて読んだこともないだろうし、「アルゴリズム」だの「スパム対策チーム」だの考えたことさえないんだろう。知ってることといえば、住みやすい地域にある家を売ったり、安売り住宅のひび割れを隠すことぐらいだ。そんな人たちがネット上に進出してウェブサイトを開いた。そして、サイトを売り込む方法に初めてめぐり会い、みんなが声をそろえて役に立つと言っているアドバイスに耳を傾けた。こんな人たちを、たとえば「バイアグラ 購入」って検索したときの順位を上げたくて、リンクの注入やクローキングを利用しているサイトと同じように非難するのは酷な話だ。

さて、本題に戻ろう……。この数千もの不動産サイトのオーナーたちはどうすべきなんだろう? そして、もしもあなた自身が同じようにペナルティを受けたらどうすべきだと思う? 幸いなことに、僕が深夜に考えたフローチャートがある。これは僕の特許だよ。

Googleペナルティ脱出フローチャート

このフローチャートで問題のすべてが解決できるわけではないけど、出発点としては間違いなくいい線だと思う。もしMattが顔を出したら(あるいは今度彼にインタビューするときに)、この考え方が彼の推奨する方法に合致してるかどうか、もう少し話し合ってみるよ。

少しでも役に立つように、RealEstateWebmasters.com内のフォーラムのスレッドから手近な例をパッと見てみよう

※Web担編注 現在はすでに対処がされたようで、検索しても以下の順位とは異なっている。
  • 例として、オークランドの不動産業者Hamid Grinage氏のサイトを見てみる。URLはwww.oaklandhomespecialist.comだ。

  • このサイトはまだインデックスに入っている。Googleで検索すると99件ヒットした

  • ブランド名の「oaklandhomespecialist」で検索すると、検索結果の第1位に現われる。このことからいわゆる「サンドボックス」現象とは無縁であることがわかる。

  • トップページのタイトルタグにある「Oakland Real Estate | Oakland California Homes for Sale | Realtor」の単語全部を使って検索すると、67位だった。これは間違いなく悪い兆候だ。

  • 好ましい一面として「crocker highlands homes」で検索すると第7位に出てくる。ってことは、僕が見たことのあるほかのサイトほど埋没してしまったわけじゃない。

  • それに「temescal homes」で検索すると第3位だ。

  • 結論:被リンクの中に価値のなくなったものがいくつかあるのかもしれないけど、このサイトは重大な危機にあるわけではなく、再登録の請求を出す必要はない。

オーケー、もっと詳しく突っ込んでみたいところだけど、今はもう夜中の2時10分で、SESに出席するのにトロント行きの飛行機に乗るため、朝5時45分に起きなくちゃいけないんだな。もっとまともな予定を組むんだった……。

用語集
Google / SEO / SEOスパム / インデックス / クローキング / ヒット / リンク / 外部リンク / 被リンク
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