不合格なら企画室長の座を剥奪!?花王のWeb戦略を牽引する本間氏がネットマーケティング検定に挑戦!

花王のネットマーケティングを牽引してきたプライドにかけて不合格となる失態だけは避けたい。果たして合格できるのだろうか。
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本間充氏
花王株式会社 メディア企画部門
デジタルコミュニケーションセンター
公益社団法人日本アドバタイザーズ協会
Web広告研究会 代表幹事
本間 充氏

5月上旬、東京・茅場町の花王本社の会議室で、同社のデジタルコミュニケーションセンター企画室長の本間充氏は、スタッフと雑談しながら余裕の笑顔を振りまいていた。しかし、その笑顔の裏には、わずかな焦りが見えた。これから「ネットマーケティング検定」を受験するのだ。花王のネットマーケティングを牽引してきたプライドにかけて不合格となる失態だけは避けたい。「不合格なら企画室長の座を降りるつもりだ」と冗談めかす本間氏だが、果たして合格できるのだろうか。

背水の陣を敷くため社内SNSで受験を公言

本間氏は、1997年から花王のWebサイト構築に関わり、現在はメディア企画部門デジタルコミュニケーションセンターで企画室長の任にある。公益社団法人日本アドバタイザーズ協会のWeb広告研究会で代表幹事も務めており、ネットマーケティングの世界では広く知られる人物だ。

その本間氏が今回挑戦することになったのが、2012年に開始されたばかりの「ネットマーケティング検定」。企業のWeb担当者に必要なファシリテート能力、Webの知識と技術、マーケティングの知識、経営戦略と連動したWebブランディング能力を確かめるテストで、本間氏のキャリアからすれば合格して当然のはずだが……。

お試し受験の話をいただいて、早速、社内SNSで『この試験を受けるよ!』と発表した。企画室のメンバーはもちろん、他部署からも一気に注目されました。自ら高いハードルを課し、クリアする姿を示さないとならない。リーダーは大変です(本間氏)

本間充氏
真剣な表情で試験を受ける

そう苦笑する本間氏は、ゴールデンウィークの3日間を利用し、14年間のキャリアを駆け足で復習して臨んだ。

いざ試験が始まると本間氏の表情は一変、真剣なまなざしで問題用紙に向かう。1分、2分……次々と冊子のページをめくり、問題文をなぞっては回答に丸をつけていく。20分過ぎには、飛ばした問題への再トライや解答の見直しを始め、35分からマークシートに答えの転記を開始、やがて通常の試験時間80分のわずか半分、ジャスト40分で試験を終えた。

→ 採点の結果は、記事の後半に!

広範な知識をまんべんなく得るのがWeb担当者の王道

今回は、出張試験であることから、試験が終了したその場で、資格試験を主催するサーティファイ(東京都中央区)の担当者が本間氏の解答を採点する。その採点が終わるまでの間、本間氏に試験の感想を聞いてみた。まずネットマーケティング検定の設問はどうだったか。

ウェブの技術はもちろん、経営、法律など広範な点からマーケティングに関する知識が問われていましたね(本間氏)

本検定の項目は下記のとおり、多岐にわたっている。

  • 概論
  • インターネット技術概論
  • 総論
  • リサーチ
  • PR・ブランディング
  • 広告
  • インターネット販売
  • 効果測定
  • 外注管理
  • ポリシー
  • 関連法規
  • 事例問題
採点中
採点中

つまり、試験勉強をするだけでも、自分がどの分野が得意で、どの分野が不得手であるか浮き彫りになってしまうのだ。

Webの仕事の細分化が進むなか、業務で日々関わる分野には詳しくなっても、隣接領域のアップデートがなされないこともよくある。日進月歩のこの業界で、関係者と話していて、未知の用語に内心の焦りを隠しつつわかったフリをして冷や汗を流すことはたびたびだろう。

たとえばEC運営の担当者であっても、正しくSEOを理解している人は少ない。SEOはアマゾンや楽天がやってくれると思っている(本間氏)

確かにテクニカルな部分はEC事業者が行ってくれるが、テキストチューニングは発注者に責任がある。適切にテキストチューニングするとなると、ユーザーの検索ニーズを把握するのが重要だし、W3Cのウェブ標準も知っておくほうがいいだろう。

また「自分はデザイナーでないから、デザインは専門家に頼めばいい」という考え方をする人も多い。Webサイトは企業とユーザーとの接点であり、そこでのデザイン表現はブランドにもかかわってくるものだ。また、ビジュアルデザインだけでなくインターフェイスデザインをどのようにするかによって、サイトの使い勝手やユーザーの体験は大きく変わってくる。Web担当者なら、デザインやユーザー・インターフェースの基本は知っておきたいものだ。

このように、ネットマーケティングにおいては、担当業務の知識だけを持っていればそれで済むというものではない。担当外の分野であっても最低限の知識を保有しておくことで、スムーズに業務を進められるし、Web担当者としては幅広く知識を押さえておくことが望ましい。

Webやコミュニケーションに関しては、たとえ浅くとも広範囲な知識を有している。これこそ企業のWeb担当者に必要なことです。その意味でもこのネットマーケティング検定は有意義でしょう。テキストを読み返すことで、自分が苦手な領域を再確認することもできますし(本間氏)

適材適所は資格試験で判断できる

さらに、「人材登用の観点からもこの試験は有効だと思う」と本間氏は語る。ネットマーケティング担当者としての素質を見抜く効果もあるのではないかということだ。

Web以外の領域では、たとえば、薬剤師、危険物取扱主任、場合によってはフォークリフトの運転免許など、それぞれの仕事に就くには必須の資格があり、当人は資格取得のプロセスで適・不適を自覚する。ところがマーケティング職には、そうした資格がこれまでなかった。

“消費者としては商品を語れてもマーケッターとして分析できない、いわば適性に欠ける人がこの仕事に就いているケースをまま見受ける。この試験で最低限のスキルレベルやマインドをチェックできるんじゃないかな(本間氏)

さらに本間氏からは、「ホームページ制作のコンペなどの際に、パートナー企業に資格保有者がいたら、安心感があるよね。少なくとも我流ではなく、標準化された知識やスキルがあると分かるから」という意見もあった。

F1レーサー並みのドライビングテクニックは保証しないが、安全に公道を走る運転技術は証明する――。ネットマーケティング検定は、マーケティング職への適性を見るフィルター。いずれ、この業界の自動車運転免許ともいえる位置づけになるかもしれない。

インターネットと無関係な仕事はない

本間氏は「ぜひ花王のデジタルコミュニケーション部のメンバーには受けて欲しいね。あと、事業部のマーケッターやWeb担当者、メディア戦略を考える人間にも役に立つと思う」と乗り気だ。

本間充氏
「ネットマーケティングを勉強しなくていい職種はない」と本間氏

では、それ以外の部署の人間にはこの試験は不要なのか?それは違う。デジタル・アナログを問わずマーケティング職はもちろん、営業職、お客様リサーチといった調査分野の研究職、商品開発部門なども幅広く、このネットマーケティングを学ぶ価値はある。テキストで全体を把握しておくだけでも得るものは大きいはずだというのが本間氏の考えだ。

“現在の企業の仕事でインターネットと無関係なものはほとんどない。今の時代、どんな仕事もインターネットと多かれ少なかれ関係している。その意味で、勉強しなくていい職種は全くない(本間氏)

例えば本社の管理部門は、企業の情報セキュリティポリシーに半分の責任を負っている。立案するのはシステム部門だが、承認するのは管理部門。何も知らずに判を押すことは管理部門の命取りになりかねない。日常業務からいったん離れて勉強するということは、こうした広範な知識を確認する機会にもなるのだ。

採点結果は……80点で合格! 企画室長の名誉は死守

本間充氏
無事に認定証を受け取ってにんまり

もし不合格なら企画室長のイスを取り上げる――。そんな発破を役員からかけられていたわけではないが、社内SNSで公言した手前、もし不首尾なら部下の前に出られない。屈辱に耐えかねて翌日から出社拒否、なんてことも考えられた。そんなリスクを背負ってまで引き受けたお試し受験。果たして合否判定はいかに。

「80点で合格!」

サーティファイの担当者が告げた瞬間、本間氏はホッとした表情を見せた。ちなみに間違いの多かったジャンルは、ネット業界の最新動向を問う部分で、4問中3問が不正解。「専門外の領域でアップデートしていなかった」と悔しそうではあったが、企画室長の座は無事に守られたのであった。

本間氏の「分野別正答状況」――ネット業界の最新動向を問う「概論」部分でややつまずいた
総論概論1/4
インターネット技術概論4/5
各論総論1/1
リサーチ2/2
PR・ブランディング3/4
広告2/3
インターネット販売1/2
効果測定1/2
関連知識外注管理1/1
ポリシー3/3
関連法規3/3
事例問題事例問題9/10

ネットマーケティング検定は、その名の通りインタネットマーケティング全般の知識・方法論を問う試験だ。主催はサーティファイWeb利用・技術認定委員会、監修は株式会社ワールドエンブレム。マーケティングを体系的・網羅的に学習する本格的な検定であり、下記の4つの要件が評価・認定対象となる。

  • ファシリテート能力
  • Webに関する知識や技術
  • ネットマーケティングに関する知識
  • 経営戦略と連動したWebブランディング能力

問題は、基本問題30題、事例問題10題で、試験時間は80分。得点率70%以上で合格となる。ECの運営会社などが部署単位で受ける「団体受験」を基本とするが、個人で受けられる「全国一斉試験」もある。

全国一斉試験は毎年2月、8月に、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の全5都市で開催予定だ。申し込み締め切りは試験日の3週間前となるため、早めに申し込みたい。

一斉試験の申し込みはこちら

ネットマーケティング検定の『体験版』『チャレンジ版』もこちらから無料で体験できる→http://www.sikaku.gr.jp/nm/

現代ビジネスに関わる全ての人に必須の知識が得られるネットマーケティング検定だから、どんな職種の人にもぜひ挑戦してほしい。

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