事例:資生堂が立ち上げた美と健康のコラボサイト「Beauty & Co.」で目指す“新たな顧客接点とビジネス拡大”を支えるシステムとは?

日本の化粧品メーカーのトップブランドが立ち上げたコラボサイト構築で目指すものとは?
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Beauty & Co
資生堂が立ち上げたWebサイト
Beauty & Co.(ビューティー・アンド・コー)

資生堂は、「ビューティー」に関して多彩なアイテムやサービスを紹介する「Beauty & Co.(ビューティー・アンド・コー)」を4月に立ち上げた。女性がうつくしくなるための情報を集めた、「美と健康」がテーマのWebサイトで、多様な企業とコラボレーションして作り上げた。

日本の化粧品メーカーのトップブランドである資生堂が、新たなチャネルの創出を目指して立ち上げたこのサイトは、どのように構築されたのか。

Beauty & Co.の狙いと課題
  • 新たな顧客接点チャネルの創造を目指し、多くの企業が参画するコラボレーションサイトとしての「Beauty & Co.」の立ち上げを計画。将来的なビジネス拡大、サービス拡張を見据えたシステム基盤の実現が必要だった。

  • さまざまな企業とのコラボレーションを実現する「Beauty & Co.」の構築には、複数の企業とのサイト接続や、ソリューションパートナーとの連携が求められる。その中で納期と品質を担保するには強力なプロジェクトマネジメントが必要だった。

Beauty & Co.プロジェクトの成果
  • 柔軟性・拡張性の高いシステム基盤を実現するために、NECのクラウド型ECパッケージ「NeoSarf/EC」を活用。多様なコンテンツのシームレスな連携が可能になったほか、会員や参加企業の増大にも柔軟に対応可能。

  • NECが他のパートナーとの調整や技術課題の解決に尽力したこともあり、プロジェクトは円滑に進行。高品質のシステム基盤を予定通りカットオーバーし、「Beauty & Co.」のスムーズなサービスインを実現した。

背景や課題
新たなビジネスモデルを支えるチャネルの創出を目指して

笹間 靖彦氏
株式会社 資生堂
国内化粧品事業部
デジタルビジネス開発部長
笹間 靖彦氏

2012年度に創業140周年を迎えた資生堂。長年にわたり日本の化粧品技術と文化をリードする国内化粧品メーカーだ。そのブランド力を支えているのが、深みのある価値づくり。単に商品を提供するだけでなく、店舗でのカウンセリングや有益な美容情報の提供などに努めている。

しかし、近年は販売チャネルの多様化に加え、顧客の消費行動が多様化。「店舗に来店されることをためらわれる方もいらっしゃいます」と同社の笹間 靖彦氏は話す。そこでブランドの世界観や商品価値をより深く理解してもらうため、Webを使った新しいビジネスモデルの構築に取り組んだ。

新ビジネスモデルは、

  • 「美と健康」に関する企業と専門家によるコラボレーションサイト
    「Beauty & Co.(ビューティー・アンド・コー)」
  • 総合美容サービス「watashi+(ワタシプラス)」

という2つのサイトと実店舗網で構成されているのだが、そのなかで、資生堂がこれまで出会えていなかった新しいお客さまとの出会いの創出に重要な役割を担うのが「Beauty & Co.」だ。

多くの企業や専門家が『美と健康』をテーマに連携することで、単独の企業だけでは網羅できない多面的な情報を提供し、付加価値の高いチャネルの創出を目指しました」と笹間氏は話す。

すでに同サイト上では、業種業態を超えた企業同士のコラボレーションによる多数の限定商品や、美容をテーマにした宿泊プランの提供、メーキャップセミナーなどを実施。ほかにも、専門家や会員によるさまざまな参加型コンテンツやソーシャルメディアによるコミュニケーションなどを行うことで、その情報価値を高めている。 

システム構築の道のり
深い業務理解に基づく提案と、それを実現する技術力の高さを重視

熊谷 健二氏
株式会社 資生堂
国内化粧品事業部
デジタルビジネス開発部
課長
熊谷 健二氏

このように「Beauty & Co.」は、多くの会員や企業、専門家を結びつける“新たな出会い”を提供する場。それをシステムとして具現化していくためには、さまざまな要件が求められた。

将来的なビジネス拡大、サービス拡張に備えた拡張性はもちろん、コンテンツ管理や会員管理、ポイント管理など複合的な機能を網羅しつつ、新たに必要になったときには追加し、不要になったときには削除できるような柔軟性も必要です。さらに、大規模なアクセスでもシステムが安定稼働することや、低コスト・短納期で機能が開発できることも重要な要件でした」と同社の熊谷 健二氏は話す。

このシステム基盤を構築するパートナーとして、同社が選定したのがNECだ。

NECは、資生堂が考えるコンセプトや方向性を正しく理解し、それらを具現化する方法をわかりやすく可視化した上で提案してくれました」と笹間氏は説明する。

提案を実現する技術力の高さも大きな評価ポイントだった。「Beauty & Co.」は各企業のシステムやWebサイトと連携を図り、多種多様なコンテンツを提供するサイトであるため、さまざまな機能や技術要素の組み合わせが欠かせない。

これに対し、NECは、コアとなるシステム基盤に柔軟性・拡張性に優れたクラウド型のECパッケージ『NeoSarf/EC』を活用。これをベースにさまざまな外部Webサービスと柔軟に連携することで、新たな技術を取り込めるような提案をしてくれました。また、サイト構築には他社のASPサービスを利用することも想定しており、豊富なシステムの構築・運用実績があるNECであれば、プロジェクトマネジメントでも大きな推進力を発揮できると判断しました」と熊谷氏は語る。

資生堂が選んだECパッケージ「NeoSarf/EC」
多様な機能部品を組み合わせ、柔軟なシステム基盤の構築が可能

今回、資生堂が導入した「NeoSarf/EC」は、ECシステムを構築する際に必要な基本機能をクラウドサービスで提供するソリューション。SOA(疎結合化)指向のアプリケーションとして構成されており、必要な機能部品を柔軟に組み合わせることで、多様なニーズを満たすシステム基盤を短期間で開発できるのが特徴だ。

NeoSarf/ECのサイトへ

今回のプロジェクトでは、

  • 商品情報表示・商品検索などの“フロント機能”
  • 商品管理・顧客機能などの“バックオフィス機能”
  • ログ管理・アクセス権限管理などの“共通機能”

に加え、

  • アフィリエイト管理機能
  • 資生堂独自のポイント管理機能

などを構築。さらにCMS(コンテンツ管理システム)やメール配信サービスなどさまざまな外部Webソリューションを連携させることにより、「Beauty & Co.」全体を支える重要なシステム基盤としての役割を果たした。

女性の「美と健康」をテーマに情報を発信

システム構築の成果
企業コラボによる新たな価値創出に大きな期待

「Beauty & Co.」は2012年4月よりサービスをスタートした。「開始後は大きなトラブルもなく、安定稼働しています。多くの企業様や会員様が関係するサイトだけに、安定性と信頼性を確保できたことに非常に満足しています」と笹間氏は述べる。

また、変化に対応できる柔軟なシステム基盤として構築されたことも、大きなメリットだった。というのも、集客力を高め、消費者との関係をさらに深化させていくためには、トライ&エラーの繰り返しが欠かせない。会員数や参加企業の増加にも柔軟に対応する必要があるからだ。

その点『NeoSarf/EC』は、必要な機能部品やリソースを追加することで段階的にシステム基盤を強化できます。変化に対してスピーディかつ柔軟に対応できるので、新しい企画やコラボレーションにも積極的に取り組み、サービスを進化させていくことができます」と熊谷氏は語る。

資生堂では今後、より魅力的なコンテンツ展開を通して「Beauty & Co.」の会員および参加企業の拡大を目指すとしている。それが「Beauty & Co.」の価値を向上させ、新たなビジネスモデルの可能性が広がっていくのだ。

そのためには、システム基盤の安定運用も不可欠な要素だ。「NECには今後も新たなビジネスモデルを支えるシステム基盤の安定運用に向け、最適な提案とサポートを期待しています」と笹間氏は語った。

プロジェクトスタッフの声
ビジネスモデルの構築をシステム面からサポートし、PM力を発揮

「Beauty & Co.」の構築に携わったNECの担当スタッフは、このプロジェクトに関して、次のように述べている。

市田 悦大氏
NEC
流通・サービス業ソリューション事業本部
流通業ソリューション事業部
プロジェクトマネージャー
市田 悦大
政岡 凡方氏
NEC
流通・サービス業ソリューション事業本部
流通業ソリューション事業部
主任
政岡 凡方

「Beauty & Co.」は、企業と消費者との長期的なリレーションを形成するための新しい顧客接点チャネル。NECはこのビジネスモデルの仕掛けと狙いを正しく理解し、システムへの落とし込みまで含めて具体的な提案を行いました。

その際に重視したのは、“システムありき”ではなく、ビジネスモデルの構築と実践のために“システムはどうあるべきか”という点です。その提案力と実現力が高く評価されたのではないでしょうか。

システム基盤については、品質とセキュリティに徹底的にこだわりました。「Beauty & Co.」の構築にはNEC以外にも複数のパートナーが参画していましたが、パートナーの主張する性能と実際の性能が一致しないこともありました。また、多数の参加企業が1つのWebサイト上でコラボレーションするため、会員の個人情報の管理も重要な要件です。

これらを実現するため、常に早め早めに技術課題を洗い出し、その解決に向けてプロジェクト全体の調整を図りました。

また、NeoSarf/ECが拡張性・柔軟性に富んだソリューションであり、開発が容易であることも、プロジェクトを予定通りに進行できた1つの要因だと思います。

株式会社 資生堂

所在地: 東京都中央区銀座7-5-5
創業: 1872年
資本金: 645億円(2012年3月31日現在)
売上高: 6824億円(連結、2012年3月期)
従業員数: 3万2595名(2012年3月31日現在)
事業概要: 「美しさを創り出す」をグループスローガンに掲げ、化粧品の製造・販売を通じ、美しい生活文化の創造に貢献する。革新的な取り組みにも挑戦し、新たな需要の創造と既存店舗網の活性化を進める。それに加え、グローバル展開にも積極的に取り組む。現在はヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界各地で事業を展開。アジアを代表する化粧品ブランドとしてグローバルプレイヤーを目指す。


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