BtoBにおけるアドネットワークの活用

アドネットワークを使ったBtoBの活用事例。
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株式会社オムニバスによるアドネットワークを使ったマーケティング事例のインタビューです。

今回は、株式会社マクロミル 事業企画部営業企画グループ 広瀬 信輔さんにお話をお伺いしました。

◆アドネットワークの導入に至るまで

これまで、弊社のwebプロモーションは、リスティング広告中心でした。純広告なども試しましたが、費用の割に望む効果が得られませんでした。

ただ、リスティング広告はニーズが顕在化したユーザー向けの広告です。ユーザーがインターネット上で過ごす時間のうち、検索結果ページ(SERP)に接触している時間は約4%に過ぎず、それ以外の時間はページ内のコンテンツを閲覧しているといわれています。そうなると、残りの96%に対して広告施策を打つのは広告担当として当然の流れです。

そんな時、オムニバスのアドネットワーク「オムニバスネットワーク」の話を聞き、兼ねてより試したかったコンテンツ閲覧中のユーザーへ効果的にアプローチができると思い、導入を決めました。

「SEMだけでは取りきれない、「認知」獲得にアドネットワークを活用。」

◆これまでのweb広告施策では「認知」部分が不足。
それを補えるのが「アドネットワーク」

Web上で、コンバージョンに至るまでのユーザーのマインドフローを、広告施策と合わせて考えてみます。

図で見る

まず、「非認知」から「行動」に至るマインドフローの前半部分は、純広告などの従来の広告手法/広告施策だけでは手薄です。「行動」以降については、2002年以降注目を集めた「検索連動型広告」が非常に優秀ですが、そもそも対象となるユーザーのボリュームがマインドフロー前半部分と比較して少ないのです。

「非認知」から「行動」へ至るまでのユーザーに“的確に”リーチすることは、検索連動等の転換率の高い広告のターゲットを広げることにも繋がります。その有効な手段がアドネットワークで、弊社としては“潜在的なユーザーニーズを掘り起こしと、自社やサービスを認知してもらう手段”として位置づけています。

アドネットワークの真価は“行動ターゲティング”。つまり、むやみやたらに広告を打つのではなく、適切なユーザーに広告を届けやすくなった事にあると思います。従来のバナー広告やコンテンツ連動型広告などの広告配信の仕組みでは、広告の内容は広告媒体であるWebサイトのコンテンツに合わせて選択されていました。これに対して行動ターゲティング広告ではCookie情報を元に、広告媒体のコンテンツではなく、個々のユーザーに合わせた広告を配信できるというメリットがあり、それを最大限に生かすのがアドネットワークだと思っています。

これによって、「認知」を獲得できるだけでなく、従来の広告よりも効率よく「興味」や「行動」フェーズへとユーザーを誘導できているのだと思います。

◆導入後、CVは42%アップ

アドネットワークの導入後は、サイト全体のコンバージョンが月平均42%アップしました。出稿から半年間、自社に最適な方法を探りながらの運用を行い、長期的な視点で取り組みを行いました。

弊社の場合は、Google Remarketingも合わせて運用していくことで、特に効果が上がりはじめましたね。クリエイティブも含め、自社なりのweb広告戦略を確立できてからは順調にコンバージョンがアップしてきました。

図で見る
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「CVは42%増。広告クリック以外のアクセス増に注目」

◆コンバージョンだけでは、不十分。

アドネットワークの登場以降、ネットマーケティングの効果測定方法も変化の時期を迎えていると感じます。

今までは直接コンバージョンのみに注目してきましたが、もはやそれだけでは不十分かと。コンバージョンしたユーザーは様々な経路で態度変容を経てコンバージョンしています。そのユーザーの行動を分析(アトリビューション分析)する事で、ユーザー像を正確にイメージ・把握し、ネットマーケティング全体の最適化を目指す必要があると考えています。

アトリビューション分析において、よく問題になるのが「ビュースルーコンバージョン」の評価についてですが、個人的にはあまり気にしていません。なぜなら分析とはあくまで全体最適化(ネットマーケティング全体でのコンバージョンの最大化)の手段であり、目的ではないからです。

ビュースルーを評価するにしてもしないにしても、例えば、その2パターンでアトリビューション分析を行い、広告全体のポートフォリオを組み、仮説・検証を行い、コンバージョンが最大化された分析方法を正とすれば良いと思っています。

とはいえ、今後もターゲティングの精度は高まっていくと予想できるので、ビュースルーコンバージョンは今後さらに無視できない指標となっていくのは間違いないでしょう。実際に弊社でもビュースルーコンバージョンを評価してポートフォリオを組んだ方がコンバージョンが最大化されるという結果が出ています。

アトリビューション分析を行うことで、直接コンバージョンのみ、クリックのみの評価では、広告施策全体のポートフォリオを組む上で正しい判断ができないと感じるようになりました。なかなかハードルが高い分析(分析の複雑さやリソースなどの面で)ですが、避けては通れないと感じています。

今後も様々な仮説・検証を行い、各広告施策の貢献度を正当に評価・分析し、広告施策(貢献度に応じてポートフォリオの組み換え)に取り組んでいきたいと思います。

「ネット広告の施策は全体最適で効果を最大化させる」

◆アドネットワークに検索施策を組み合わせる。

先ほど、アドネットワーク等によるアクセス増加についてお話をしましたが、それによって、リスティング広告のビッグワード消化が多くなり、リスティング広告の見直しをかけることがありました。アドネットワークで「認知」したユーザーが検索でアクセスする際、弊社でいうと「アンケート」のようなビッグワードから誘導されるカタチになっていたのが原因だったのです。

こういう状況も、考え方を変えれば、SEO対策にも有効だということです。例えば、SEO対策をしているキーワードをディスプレイ広告の検索ボックスの画像などに記載する事で、再検索ユーザーの検索クエリをある程度誘導できるのではないかと考えました。

クエリを誘導するディスプレイ広告の例を図で見る

ディスプレイ広告はテキスト広告と違い表現の自由度が高いので、例えばSEO対策しているキーワードをディスプレイ広告の検索ボックスの画像などに記載(検索ボックスにはSEO対策キーワードを記載)することで、再検索の際のユーザーの検索クエリをある程度誘導できるのではないかと考えています。

また、テキストよりも画像の方がユーザーの印象に残りやすいと思うので、ディスプレイ広告はこういった「認知させて再流入させる」ことが得意な広告でないでしょうか。通常、広告からの流入(広告クリック)はSEOでは評価されません。ただし、再検索による流入はオーガニック検索の流入なので、多少なりともSEOで良い効果(SEO対策キーワードでのクリック率の上昇により)があると期待しています。アドネットワーク導入後、SEO対策などももちろん並行して進めていますが、実際に多数のキーワードでの検索順位の上昇が確認できています。

感覚ですが、「Webを見て・・」と電話での問合せも増えた様に思います。

「アドネットワークでオーガニック検索が増加。
検索キーワード付きクリエイティブでSEO効果へつなげることも。」

◆高度化・複雑化するwebマーケティングにはパートナーの存在が必須。

アドネットワークを効果的に運用するためには、オプティマイズ機能もありますが、本当に良い結果を生み出すためには、人の力が絶対必要だと思います

様々な角度から分析・検証して、実際に運用していくにはどうしてもマンパワーがかかります。

また、近年のwebマーケティングは非常に高度化・複雑化していることもあり、その面も含め最新の情報を持ちながら、自分と違う視点をもっているパートナーの存在は不可欠だと思います。

自社のリソースでは限界がありますし、結果を分析する際に社外の方と自分の分析を照らし合わせる事がとても重要だと思っています。分析結果が違えば、それはなぜなのかディスカッションし、複数の視点で数字を見れている事で、正しい施策が打てるのだと思います。

効果測定に対する考え方についてお話をした部分でもありましたが、webの広告施策は全体最適が大事だと考えているので、オムニバスネットワーク以外の施策も含めたディスプレイ広告の戦略・プランニング・運用を一括してオムニバスに依頼して、全体を見てもらえるような体制を組んでいます。

「アドネットワークの運用手法は、仮説・検証が大事。
最後はシステムよりも、人の力。」

◆BtoBでは、より高度化したターゲティングが必要になる。

今後ためしてみたいのは、やはりオーディエンスターゲティングですね。ただ、BtoBで見た場合はオーディエンスのカテゴリーが「ビジネス」というだけでなく、「マーケティング」「自動車」「不動産」など細かく分けられれば面白いなと思います。アドネットワークの最大の課題はターゲティングにあると思っています。

ユーザーボリュームが膨大な層へ広告を配信するということは、それだけターゲティングの精度を高める必要があります。行動ターゲティングは進化し、データソースを複雑に絡めたオーディエンスターゲティングなどのターゲティング手法は、「どれだけ“的確に”リーチできるか」。

この部分はイチ広告担当者でしかない僕ではなかなか改善できない点なので、高いアドテクノロジーを持ち、リテラシーの高いオムニバスと協力して課題に取り組んでいければと思います。

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