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2012年のSEOに関する8つの予測 ―― ソーシャル/リンクスパム/PPC……

シェア、ソーシャルメディア、リンクスパム、PPCなどさまざまな側面から8つの予測を立ててみよう。

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2012年が幕を開けた。これはつまり、2011年の予測を振り返るとともに、これからの1年を予測する時を迎えたということだ。

2011年の予測振り返り
  1. クリックや訪問が検索順位に影響することを誰かが証明してくれる(あるいは検索エンジンがそれを認める)。
  2. グーグルのローカル検索やGoogle Mapsにフィルタリングやソート機能が追加される。
  3. ソーシャル検索が台頭する。
  4. クエリ文字列から検索順位を追跡できるようになる。
  5. モバイルが検索やSEOに及ぼす影響は無視できる程度に過ぎない。
  6. ソフトウェアの利用がSEOにおける定番となる。
  7. 「SEO」という呼び方がすたれ、より多くの内容を包含する言葉が使われるようになる。
2012年の予測
  1. Bingの米国市場シェアは若干増加するが、グーグルの80%超に対し20%弱という状況は変わらない
  2. ソーシャルメディアを無視したSEOは過去の遺物となる
  3. グーグルはついに、操作的なリンクスパムに対し、より強力なパンダアップデート型の措置を講じる
  4. PinterestというSNSが主流派の仲間入りをする
  5. 過剰なまでに積極的な検索広告が、グーグルに対する大きな反感につながる
  6. キーワード情報を取得できない「(not provided)」の検索利用者が全体の25%を超える
  7. 厳格な認定プログラムが躍進する
  8. Google+を使わずに優れたSEOを実施することが極めて困難になる

2011年の予測を振り返る

僕はまず、自分に2012年を予測する資格があるかどうかを判断するため、2010年12月に行った予測を採点してみたい。採点のルールは次の通りだ。

1つ1つの予測を、次のようなポイント制で評価する。

当たり外れ度合いポイント状況
ズバリ的中+2ポイント予測が見事に当たり、主要な基準が満たされている。
不完全な当たり+1ポイントおおよそ当たってはいるが、現実とは少し違っている。
完全な間違いとは言えない−1ポイント方向は悪くなかったが、どういう意味合いにおいても「正しい」とは言えない。
論外−2ポイント事実にかすりもしていない。

ルールはこうだ。それぞれの予測を評価して各ポイントを合計した点数が+1に達しなければ、僕にはこの先1年の予測を立てる資格がない。

さて、2011年、僕は7つの予測を立てたが、世の中の動きはどうなっただろうか。

  1. クリックや訪問が検索順位に影響することを誰かが証明してくれる(あるいは検索エンジンがそれを認める)。+2ポイント

    2011年、グーグルとBingは共に、クリックを含む検索者の行動について、検索順位の決定に影響するシグナルとして使用していることを認めた。この予測はズバリ的中だ(ただし公平を期すために言っておくと、以前の声明によってこれが事実であることはすでに示されていたという意見もあるだろう)。

  2. グーグルのローカル検索やGoogle Mapsにフィルタリングやソート機能が追加される。−1ポイント

    これは完全な間違いの一歩手前だった。僕は、もっとYelpが提供するものに近くなると予測していた(それに、レシピ検索でこういった機能を実現したグーグルの動きがさらなる展開の始まりだと思った)。その代わりグーグルは下図のように、検索候補表示をさらに充実させた。これが「完全な間違いではない」と判断した唯一の理由だ。

    グーグルローカル検索の検索候補表示
    ローカル検索の検索結果に追加された検索候補表示
  3. ソーシャル検索が台頭する。−1ポイント

    この予測もまた、論外のレベルにかなり近いが、グーグルがソーシャルネットワークに参入してくれたおかげでそうならずに済んだ。検索エンジンにとって、Google+ はソーシャルな要素やシグナルを大幅に追加したし、グーグル/Gmail/Google+のアカウントにログインしている人にとって、ソーシャル検索の結果が増えるということはかなり注目すべき出来事だ。

  4. クエリ文字列から検索順位を追跡できるようになる。−2ポイント

    悲しいかな、この予測はかすりもしなかった。クエリ文字列に検索順位を示すパラメータが含まれるというのを最初に見たのは2009年のことで、僕はグーグルが大々的にこれを展開すると確信していた。だが、検索のリファラーを示す文字列に検索順位のデータが含まれているのは、まだ全体の10~20%に過ぎないし、SSL検索による検索キーワードの非表示という新しい問題 によって、手作業またはマシンベースの検索順位追跡がより一層重要になった。これが実現すれば、グーグルがより開かれたものになる大きなチャンスだと思っていたのに、残念だ。

  5. モバイルが検索やSEOに及ぼす影響は無視できる程度に過ぎない。+1ポイント

    2012年は(ついに)モバイルの年になると断言している専門家が多いけれど、僕に言わせれば、2011年は検索という世界がデバイスに縛られないものであることが証明された年だった。モバイルやタブレットはたしかに普及したが、それによってSEOのあり方が変わるということはなく、地域や位置情報に関する検索が増加し、総体としてのウェブが日常生活の中で以前にも増して大きな部分を占めるようになっただけだ。

  6. ソフトウェアの利用がSEOにおける定番となる。+1ポイント

    このことを数字で示すのは難しいが、方向は正しかったと思う。Forrester Interactive Marketingのレポート(PDFファイル)は、企業レベルでSEOソフトウェアの導入が広がっていることを指摘しているし、Yahoo! Site Explorerのサービス終了もあって、サードパーティ製のソフトウェアやツールが今まで以上に欠かせないものになっている。ソフトウェアが「定番」になっているという確固たる証拠がないので、+2ポイントをもらう気はないが、SEO業界に関する今後の調査でこの部分がはっきりしてくるかもしれない。

  7. 「SEO」という呼び方がすたれ、より多くの内容を包含する言葉が使われるようになる。+1ポイント

    大きな動きにはならなかったものの、「インバウンド・マーケティング」や「インバウンド・マーケター」といった言葉への関心が高まっているように思える。僕はこうした言い方が気に入っている。それは、人々の信頼と関心を、お金で買うのではなく自らの努力によって獲得することを示唆し、そこにはSEOやソーシャルメディア、コンテンツ・マーケティング、ブログ、ウェブ解析も含まれるからだ。最近いくつかの代理店を対象に調査をしてみたのだが、自社は「インバウンド/オーガニックな」代理店だと回答したグループが最も多かった。

    貴社(コンサルティング会社/代理店)を表す言葉として、次の中で最も適切なのは?
    回答パーセン
    テージ
    回答数
    SEOコンサルティング会社/代理店24.4%70
    インバウンド/オーガニック・マーケティングのコンサルティング会社/代理店24.7%71
    ウェブデザイン/ウェブ開発会社19.5%56
    報酬型マーケティングのコンサルティング会社/代理店7.3%21
    従来型のマーケティング/広告代理店3.8%11
    インタラクティブな代理店11.1%32
    リードジェネレーション(見込み客獲得)代理店/コンサルティング会社1.0%3
    専門店・ブティック型コンサルティング会社/代理店8.0%23
    その他(具体的に)17
    回答総数287
    無回答9
    米国のデータ。今回実施した調査の詳細な結果はこちらを見てほしい。

2011年の予測当たり外れ総合ポイント: +1ポイント

さて、採点を合計してみると+5ポイントと−4ポイントで、差し引き+1ポイントとなり、これからの1年の予測をするに足る信頼性を(かろうじて)保つことができたようだ。(^^)

今年は、(7つでなく)8つの予想を立てる。個々の予測については、単に僕の考えを示すだけでなく、できればマーケターに多少なりとも何らかの行動を(暗示的であれ明示的であれ)促すものにしたい。また、各予想は年末に検証できるようにして、改めて僕の力量をチェックすることを目指す。

用語集
Facebook / PPC / SEO / SNS / アンカーテキスト / オーガニック検索 / ソーシャルメディア / リンク / リンクビルディング / 広告代理店 / 検索エンジン / 検索連動型広告 / 訪問

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