スマートフォン対応するということ

スマートフォンサイトの対応とマルチデバイスCMSの導入のキーポイントをご紹介します
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

本コラムではスマートフォン対応について、技術的な知識がない方でも理解しやすいように、まずは一体何から検討すべきなのかというところからご紹介します。

スマートフォンの普及

昨今、スマートフォンの急激な普及が進んでおり、ビジネスの世界にも大きな影響を及ぼし始めています。 2010年度のスマートフォンの出荷台数は前年度の約3.7倍の855万台に拡大しており、2011年度は前年比2.1倍の1,820万台に拡大し、携帯電話の総出荷台数の46.8%を占めると予測されております。(※)

このスマートフォンの急激な普及が進む中、企業サイトのスマートフォン対応の動きとしてはまだまだ未対応のところも多く、対応している企業サイトでも一部のみ対応させているというケースが少なくありません。現在を"移行期間"という未熟な期間と捉え、移行が完了した後の成熟期に満を持してスマートフォン対応を検討する企業も多いことが予想されますが、本年度にすでに総出荷台数の46.8%を占めると予測されていることから、サイトが見れない、サービスが利用できないなど、携帯ユーザーの約半数を機会損失してしまうことも予想されます。

スマートフォン対応はそれほど難しい課題ではありません。

スマートフォンとは何か?

まず、"スマートフォンとは何か?"についての確認です。スマートフォンと言えば携帯電話を想像する人が多いと思いますが、その定義を正確に言える人は少ないのではないでしょうか。実際のところ、使われる場面によって、定義は異なるようで、代表的な例としては携帯電話にパソコンやPDA(携帯情報端末)の機能が備わったものと定義されています。したがって、"スマートフォンとは何か?"と問われた場合、パソコンの機能の付いた携帯電話ということができます。Webに関連する仕事をしている方はおわかりになると思いますが、今までWebサイトを対応させる(表示させる)デバイスの代表格として、パソコンと携帯電話がありました。Webサイトといえば基本的にはPC用のサイトをイメージしますが、これを携帯電話でも同じものを表示させる場合と、使い勝手を考慮して携帯電話サイトを別で制作するといった2パターンの対応が一般的でした。ここまで整理した上で、スマートフォン対応について検討していきます。

パソコンと携帯電話の"あいのこ"のような形で登場してきたスマートフォン。仮に、PC用のWebサイトと携帯電話用のWebサイトを運用していた場合、パソコンの機能の付いた携帯電話であるスマートフォンではどちらを表示させたらよいのでしょうか━━━

考え方や方針によって対応は様々になりますが、"表示"に関して言えばパソコンでブラウザを通して表示するものに近いものがスマートフォンでも表示されます。携帯電話では、PC用と同じようなレイアウトが表現できないなどの問題がありましたが、スマートフォンではPC用とほとんど同じような表示が可能です。したがってPC用と携帯電話用のWebサイトを運営されている方はスマートフォンユーザーに対してPC用を表示させるほうがスムーズになりますが、考慮すべき点が3つあります。

スマートフォン対応の懸念点と対応策

  • 考慮すべき点1: iPhoneでは、Apple社の方針によりFlashを利用することができない
    スマートフォンの端末の中で、Apple社の提供するiPhoneでは、Flashを表示することができません。このため、PC用のWebサイトを表示させる場合、Flashを利用しているところを画像にしたり、JavaScriptにしたり等の対策が必要になります。別のコラムでも書きましたが、この問題を解消するためにマークアップ言語HTML5が注目を浴びています。
     
  • 考慮すべき点2: スマートフォンはパソコンの画面に比べて画面が小さい
    スマートフォンのブラウザはPC用のブラウザとほぼ同じように表示することができますが、画面が小さいため、パソコンで表示するときよりも表示が小さくなります。拡大表示を行えば、部分的にはパソコンと同じような大きさで見ることもできますが、全体を大きく表示することはできません。したがって、スマートフォン用にWebサイトを最適化する場合はスマートフォンの画面で見ても見やすいようにデザインやレイアウトを変更することを考慮する必要があります。
     
  • 考慮すべき点3: スマートフォンはマウスではなく指で操作する
    スマートフォンの特徴の一つに画面上の表示を押すことで操作をする、タッチパネルがあります。PC用はマウスのカーソルで操作することを前提にしたレイアウト、デザインになっているのがほとんどだと思いますので指で画面を操作することを想定したレイアウト、デザインに最適化することも考慮する必要があります。
     

スマートフォン対応のパターン

最後に、より具体的な対応のパターンを紹介します。簡易的な対応からしっかりと最適化する対応まで大きく3つに大別できます。

  • Flashのみ最適化
    まず、もっとも簡易的な対応としてはiPhone対策も考慮し、PC用のWebサイトのFlash部分のみ画像やJavaScriptにする等の代替の対策を行いリリースするパターンです。Flashを利用していないサイトであれば、何もする必要はありません。
     
  • Flashと主要ページのみ最適化
    次に簡易的なパターンとしては、トップページなどの主要ページや、スマートフォンの画面で見にくいページをピックアップしてそのページだけ最適化するパターンです。何100、何1000ページもあるサイトをまるごと最適化するのは予算もスケジュールも厳しくなってくるので大企業でもこのパターンを採用している企業は少なくありません。
     
  • サイト全体を最適化
    最後のパターンは全ページをFlashを利用せずに、スマートフォンの画面、タッチパネルの操作を意識して完全に最適化するパターンです。時間とコストはかかりますが、ターゲットユーザーのスマートフォン利用の動向によっては今後、対応が必須になってくる企業も多くなってくことが予測されます。
     

スマートフォン対応の今後

急激な普及が進んでいるスマートフォンですが、その端末の特徴と、Webサイトの閲覧者、ターゲットを考慮して最適な対応方法を検討していくとよいと思われます。

(※)株式会社MM総研2011年5月10日発表「2010年度通期国内携帯電話端末出荷概況」

 

■本コラムの元記事はこちら
スマートフォン対応するということ

 

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