新品購入時に過半数が“アプリで売却”を意識、頻度・価格帯も上昇する傾向【メルカリ・MRI調べ】

「シェアリングエコノミー」と、それが生み出す新消費モデル「SAUSE」をメルカリ・MRIが共同研究。

メルカリと三菱総合研究所(MRI)は、フリマアプリ利用前後における行動心理・購買内容の変化を分析するため、「シェアリングエコノミー」に関する共同研究の成果を発表した。実際にフリマアプリ上で洋服や化粧品の取り引きを行っているユーザーを対象に、アンケートを実施している。

なお「シェアリングエコノミー」について、一般社団法人シェアリングエコノミー協会では「インターネットを介して、個人と個人の間で使っていないモノ・場所・技能などを貸し借りするサービス」と説明している。

新品購入時、過半数が“あとで売却”を意識

まず「新品購入の際、将来売却することを意識するか」と聞くと、新品洋服購入時の場合65%、新品化粧品購入時の場合50%が、「将来売却することを意識する」と回答しており、新品購入時にすでに“あとで売却する”と意識していることがわかった。こうした考えは、商品選択にも大きく影響を与えていると考えられる。

新品購入の際、将来売却することを意識するか

同様に、「フリマアプリ利用後、洋服の新品購入頻度が変わった」と36%が回答。内訳では19%が「購入頻度が増加した」、17%が「購入頻度が減少した」と回答している。化粧品では、「新品化粧品の購入頻度が変わった」28%、その内訳では14%が「購入頻度が増加した」、14%が「購入頻度が減少した」と回答している。

増加ユーザーがいることから、従来考えられていた「節約手段」以外の目的で、フリマアプリを利用していると考えられる。

フリマアプリ利用後、新品購入頻度が変わったか

“フリマアプリでの売れ行き”を考えて購入、頻度・価格帯も変化

そこで、「購入頻度が増加した理由」を、洋服・化粧品のそれぞれで聞くと、洋服の1位は「フリマアプリでの売れ行きが良いから」77%、化粧品の1位は「試しに使ってみたいと思うようになったから」74%だった。

一方で、化粧品の2位にも「フリマアプリでの売れ行きが良いから」73%が僅差であげられている。また、「フリマアプリで小遣い稼ぎができるようになったから」「フリマアプリで売るときの値崩れがしにくいから」「フリマアプリでよく目にするから」という理由が、洋服・化粧品いずれでも7割近くあがった。

こうした回答から、「あとで売却できる」という心理が働くことで、購入に対するハードルが下がっていると考えられる。

 
 

なお、「購入する商品ブランドの価格帯」については、「フリマアプリ利用後、購入する洋服の価格帯が変わった」と52%が回答。うち28%が高価格帯にシフトし、24%が低価格帯にシフトしている。

化粧品では、「フリマアプリ利用後、購入する化粧品の価格帯が変わった」と33%が回答。うち18%が高価格帯にシフトし、15%が低価格帯にシフトしていた。売却額を加味して考え、より高価格帯の商品を購入していると推測される。

“利用対価”で商品を評価する新消費モデル「SAUSE」

従来、シェアリングを通じた消費行動は「過剰消費の是正」あるいは「節約手段」であり、「新品購入の減少」が強くイメージされていた。しかし今回の調査では、新品購入においてポジティブな変化(頻度増加、高価格帯の遷移)が多く見られ、むしろ「消費の拡大」に繋がるような行動心理も一部では生じていると、両社は分析している。

これを“モノに対する消費心理が「所有」から「一時利用」に変遷することで新たに生まれた消費行動の一部”だとし、MRIは、新たな消費モデル「SAUSE(ソース)」を定義している。

新たな消費モデル「SAUSE(ソース)」

「SAUSE」は「Search・Action・Use・Share・Evaluation」(検索・行動・一時利用・再販売・評価)の頭文字。スマートフォンにより情報収集し、再販売し、手元から商品が離れた時点で「利用対価(購入価格から売却価格を差し引いた実質の支払金額)」という観点で、改めてモノに対する評価を行うという行動モデルだ。MRIは、シェアリングの普及にともない、SAUSEで説明される行動モデルが、社会・経済全体に今後大きな影響を与えると予想している。

調査概要

  • 【調査対象】フリマアプリユーザ 
  • フリマアプリで「洋服」の取り引き経験者(20代以上の男女、フリマアプリ利用頻度が3か月に1回以上)、フリマアプリで「化粧品」の取り引き経験者(20代以上の女性、フリマアプリ利用頻度が3か月に1回以上)
  • 【調査方法】Webアンケート
  • 【調査期間】2018年9月21日~9月27日
  • 【回収サンプル数】1,642件
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