Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

グローバルSEO、競合分析、SEOの価値など、今すぐ知りたいSEOの疑問をプロが解決!(前編)

SEO業界の人たちは、いまのSEOで何を疑問に思い、どんな手法を知りたがっているのだろうか。「すぐに回答がほしいSEOの疑問」にMozのプロが回答する

SEO業界の人たちは、いまのSEOで何を疑問に思い、どんな手法を知りたがっているのだろうか。SEO事業者たちから集まった「すぐに回答がほしいSEOの疑問」13件に対して、MozとDudaのSEO専門家が答えた

ウェブサイトのデザイン拡張プラットフォームサービスを手がけるDudaは、顧客のSEO事業者から「特にすぐに回答がほしいSEOの疑問や問題、懸念事項」を募った。私たちは、そうしたDudaの仲間たちと協力することになった。常に挑戦に備えているMoz社内のSEO専門家らは、Dudaと共同で、これらの疑問に答える作業に本腰を入れて取り組んだ。

コンテンツSEO、競合分析、グローバルSEO、ローカルSEO、さらには音声検索まで、ここではオーガニック検索に関する現実の問題を扱っている。分かりやすい洞察やさらなるリソースを得るには、このまま読み進めてみてほしい!

Q1グローバル市場向けに最適化するには?

グローバルサイトには次の3パターンがあり、ウェブサイトの設定はそのどれかによって異なる。

  • 多地域サイト ―― 複数の国のオーディエンスをターゲットにしているサイト。たとえば、米国や英国のユーザーをターゲットにしているサイトなどがある。

  • 多言語サイト ―― 複数の言語の話者をターゲットにしているサイト。たとえば、英語とスペイン語の両方の話者をターゲットにしているサイトなどがある。

  • 多地域&多言語サイト ―― 上記の両方をターゲットにしているサイト。

サイトの一部をさまざまな国や地域に合わせてジオターゲティングするには、次のどちらかの方法を利用できる。

  • ドメイン名を国別のものにする ―― ドイツには「.de」など各国固有のドメイン名(ccTLD:国別コードトップレベルドメイン)を使用するやり方

  • 国別のサブドメインやサブディレクトリを使う ―― 汎用TLD上に「de.example.com」といったサブドメインを使うか、「example.com/de.」のようなサブディレクトリを使う

同じコンテンツを異なる言語で提供する場合、グーグルが推奨している手法に気を付ける。具体的には、次のようなことだ。

  • ×推奨されない方法 ―― クッキーを使用してページ上のコンテンツの言語を変更する
  • ○推奨される方法 ―― 別言語バージョンにはそれぞれ別のURLを使用する

ページ上のコンテンツを別の言語で利用できるバージョンがあるのならば、そのURLをhreflangタグでページのHTMLに含めておけば、グーグルにそのことを通知できる。

国際化に関する詳細は、次の情報を参照するといいだろう。

Q2SEOプロジェクトには継続的なメンテナンス作業が必要であることを、クライアントにどう伝えればいいか?

SEOとは、一度の作業をすれば終わるものではなく、継続的な取り組みである。

このことをクライアントがなかなか理解できないでいる場合には、ウェブの変化する性質に焦点を当ててみると助けになるかもしれない。

たとえば、次のような感じだ。

申し分のないコンテンツを作成して、そのコンテンツへのリンクも十分に獲得し、検索結果で1ページ目の最初に表示される地位を得たとしよう。オーガニック検索結果の表示順位は獲得するものであり、料金を支払って表示してもらうものではないため、1ページ目のその位置を維持するために出費を続ける必要はない。

たとえば、時間が経って、競合相手が、君の作ったものよりも優れたコンテンツを作り、そのページがより多くのリンクを獲得した場合はどうなるだろう? グーグルは最も質の高いコンテンツを表示させたいと考えているため、君のページの検索順位はその優れたページよりも低くなる可能性が高い。

君のサイトの検索順位を下げているのは、競合相手の存在ではないかもしれない。新技術が登場したためにページが古くなったり、または一部の箇所が壊れてしまったりしている可能性もある。

あるいは、いったんは検索結果の上位に表示されていたページが、強調スニペット・ナレッジパネル・Google広告など、何であれ最新のSERP機能がその上に差し込まれたせいで、目立たない場所に追いやられてしまったら?

SEOは「何か設定したら終わり」「優れたコンテンツをつくれば終わり」ではない。競合相手は常に背後に迫っており、技術は常に変化している。そしてグーグルは、常に検索体験を変更している。

SEO専門家の役割は、クライアントがこうしたあらゆる変化の最前線に居続けられるようにすることだ。何もしなければ、たいていはこれまでに獲得したオーガニック検索での露出を失うという代償を払うことになるのだから。

Q3(検索結果で、メインページの下にサブページが何件かインデント付きで表示される場合)グーグル検索でどのサブページが表示されるか、どうすれば分かるか?

検索結果に表示されるURLのスニペットの一部として、グーグルはメインの「タイトル」「URL」「説明文」の下に、そのドメイン名から追加のサブページへのリンクをいくつか並べることがある。これらは「オーガニック サイトリンク」と呼ばれるものだ。サイトの所有者は、サイトからページを削除するか、ページにnoindexを設定するかしない限り、グーグルがいつ、どのURLを表示するかを制御できない。

Moz Pro Campaignでキーワードを追跡している人は、(サイトリンクを含む)どのSERP機能で自分のページが表示されるかを確認できる。

調査ツールのMoz Keyword Explorerでも、キーワードごとにSERP機能を確認できる。

Q4競合相手を分析するのに最適なテクニックは?

競合相手の分析を始めるのに最善の方法の1つは、直接競合している相手サイトのページURLを特定することだ。相手のウェブサイト全体を自分のウェブサイトと比較して分析しようとすれば大仕事になりかねないので、まずは直接競合している部分から始めよう。

たとえば、「best apple pie recipes」(最高のアップルパイのレシピ)というキーワードをターゲットにしているなら、そのクエリに対して上位に表示されるURL(1つまたは複数)を特定し、自分のアップルパイのレシピページと比較しながら評価していこう。

品質を比較するうえで考慮すべきポイントには、以下のようなものがある。

Mozはまた、競合相手と比較した場合の自らの検索順位獲得能力についてウェブサイトの所有者が理解を深められるように、

  • ドメインオーソリティ(DA)
  • ページオーソリティ(PA)

という指標を開発した。たとえば、指標が次のような状態だったとする。

  • 自分のURLのPAが35
  • 競合のURLのPAが40

この場合は、検索結果で競合のURLの方が上位に表示される可能性が高い。

競合分析は素晴らしいベンチマーキングツールであり、独自の戦略に優れたアイデアをもたらすことがある。ただし、注意してほしい。唯一の戦略が「模倣」である場合には、せいぜい競合相手に続く二番手にしかなれないことは肝に銘じておいてほしい!

※Web担編注 最後の文は「独自の優れたコンテンツが必要」だという意味。

Q5SEO事業者として、グーグルからペナルティを受けることなく、自分のウェブサイトへの被リンクをクライアントのページに設置できるか?(グーグルのペンギンアップデートを考えてほしい)

ウェブサイトのデザインやデジタルマーケティングを手がける制作会社や代理店で、クライアントのウェブサイトのフッターに自分のウェブサイトへのリンクを置いているところは多い(通常はロゴやブランド名を通じて)。こうした手法について述べよう。

グーグルは品質ガイドラインで次のように述べている。

サイトの所有者によりページの編集時に配置されていないリンクや保証されていないリンク(不自然なリンク)を作成することは、Google のガイドラインへの違反と見なされる場合があります。

そして、その一般的な例として挙げているなかに、次のものがある。

さまざまなサイトのフッターやテンプレートに埋め込まれて広く配布されるリンク

ということは、制作会社がクライアントのページにリンクを置くのは、こうしたガイドラインに違反していることになるのだろうか?

実際のところ、こうしたフッターリンクのすべてがグーグルのガイドラインに違反していることにはならない。ガイドラインが真に意味するところは、これらのリンクが「サイトの所有者に保証されていなければならない」ということだ。

たとえば、制作会社やSEO事業者は、この種のリンクをクライアントのウェブサイト上に追加するようにサービス利用規約や契約の一環として要求することはできない。nofollowを付けたり、リンクを削除したりすることをクライアントが選択できるようにしなければならない。

2016年9月には、グーグルペンギンアルゴリズムの4回目のアップデートがグーグルのコアアルゴリズムに組み込まれた。Google Algorithm Change Historyで「比較的緩やか」と表現されているこの新しいアルゴリズムは、サイトにペナルティを与えるのではなく、不自然なリンクの評価を下げるものだが、それでもグーグルの品質ガイドラインに違反するリンクプログラムは避けるべきだ。

※Web担編注:この回答は、質問に対して「できなくもないが、今は通用しないやり方だ」と暗に示しているとも考えられる。

Q6新しいサイトに取り組む際に、SEOの価値を顧客に伝えるにはどうすればいいか?

優れたSEOとは、ウェブサイトが発見され、選ばれ、新規ビジネスにつながるよう手助けするものだ。

具体的には、ある企業に関する言葉やフレーズを検索した場合、SEOがうまくやれていれば、次のような結果を生む。

  1. (広告でない)オーガニック検索結果の目立つ場所にその企業のウェブサイトが表示され

  2. 有益な情報が含まれていて魅力的なことから検索者が思わずクリックしたくなり

  3. 訪問者はそのウェブサイトで有意義な体験ができるようになる

これは、主に次の3つのカテゴリに分類される活動を通じて行われる。

  • コンテンツ ―― ウェブサイトのコンテンツは、パーチェスジャーニー(購買に至る過程)のすべての段階でオーディエンスのニーズに応えるように作る必要がある。ファネルの上位(Top of Funnel)にあたる「情報提供のためのコンテンツ」から、ファネル下位(Bottom of Funnel)の「購入したいと思わせるコンテンツ」まで、幅広くということだ。

    検索エンジン向けに最適化されたコンテンツは、オーディエンスが求めるトピックを中心に、オーディエンスが求めるフォーマットで作成されたものであるのだが、その目的は「コンバージョンに至る」か「コンバージョンを後押しする」ことである。

  • リンク ―― 高品質で関連性の高いウェブサイトから自分のウェブコンテンツへのリンクを獲得できれば、グーグルにコンテンツを見つけてもらう助けになるだけでなく、自分のサイトが信頼できるものであることを示すシグナルにもなる。

  • アクセスのしやすさ ―― これは、検索エンジンとユーザーの双方に自分のウェブサイトとそのコンテンツを発見してもらい、理解してもらえるようにすることだ。そうした観点での技術基盤がしっかりしていれば、ウェブサイトの訪問者が任意のデバイスで有意義な体験ができるようにもしやすくなる。

SEOはなぜ有益なのだろう? 簡単に言うと、次のようなことだ。

SEOとは、あなたが提供する製品やサービスを、それを必要としている人たちの目に入るようにする、プラスアルファの取り組みである。

米国では毎月400億~600億件のグーグル検索が行われており、クリックの41%(モバイル)または62%(デスクトップ)以上はオーガニック検索結果に向かっている。そのため、SEOは無視するわけにいかない投資だ。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回も今回に引き続き、「音声検索向けの最適化」や「非店舗型ビジネスのターゲティング」について、Mozの専門家らが質問に回答する。→後編も読む

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