小川卓氏が解説。「ミエルカヒートマップ」と「USERDIVE」を比較しながら、ヒートマップツールの選び方と活用方法を紹介!

ヒートマップ選び重要ポイントは3つ!「分析機能や外部連携の多様性」「価格」「運用体制」
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「ヒートマップツール」と聞いたことがある方も多いのではないだろうか? 非常に便利なツールだが、多くの企業が利用している「Googleアナリティクス」がメインのアクセス解析とは違い、様々なツールが国内外で提供されている。そこで、本記事では、「ヒートマップツールをこれから導入したい」「選び方がわからない」といった初心者に向けて、比較すべきポイントや活用方法を紹介する。

加えて、ヒートマップツールを提供するベンダーを代表し、無料から始められるFaber Companyのミエルカヒートマップと、大規模サイトでの運用に適しているUNCOVER TRUTHのUSERDIVEの担当者が、それぞれのツールやサービスについて対談した。

聞き手はアクセス解析の第一人者である小川卓氏。2つのツールを提供しているFaber Company及びUNCOVER TRUTHにてChief Analytics Officerを勤め、両ツールについての違いや特徴を熟知している小川氏ならではの視点で語ってもらった。

ヒートマップツールってどんなツール?

ヒートマップツールとは、Webページ上のクリックやスクロール、注目しているコンテンツなどのユーザー行動を可視化するツールである。サーモグラフィのように色の濃淡でユーザー行動をビジュアライズする。

ヒートマップツールの見え方(画像はミエルカヒートマップの例)

ヒートマップツールには他にも様々な機能があり、ツールによっては動画形式でのリプレイ機能やアクセス解析機能を備えているものもある。そんな多種あるヒートマップを選ぶ上で重要なポイントは3つだ。

  1. 分析機能や外部連携の多様性
  2. 価格
  3. 運用体制

ポイント① 分析機能や外部連携の多様性

上記の画像で紹介したようなスクロールやクリックヒートマップはほぼすべてのヒートマップツールで提供されており、そこでの差別要因はほとんどない。

まず見るべきポイントは、ヒートマップデータに対して「セグメント」や「フィルタ」をかけられるか?という点だ。

例えばページにアクセスした人全員のヒートマップではなく、そのページを見て「離脱した人」と「離脱していない人」をヒートマップで見ることができる、あるいは目標到達ページを設定し、そのページに「辿りついた人」と「辿り着いていない人」を見ることができる、といったセグメントが必要かを考える必要がある。

ページのアクセス全体でも、「読了した人が6割」とか「この文章のあたりでの離脱が高い」ということがわかるので有用ではあるが、サイトのビジネスゴール達成に貢献することを考えると、セグメント機能があるとより深い気づきを発見することが可能だ。

例えば以下の図は「全アクセスユーザー」と「問い合わせ完了ユーザー」でセグメントしたヒートマップだ。「全アクセスユーザー」と「問い合わせ完了ユーザー」では、サイトの異なる部分を読んでいることが読み取れる。

全アクセスユーザーのヒートマップ(画像はUSERDIVEの例)
問い合わせ完了ユーザーのヒートマップ(画像はUSERDIVEの例)

ヒートマップ以外の付随機能も、選ぶ上で重要な要素になる。アクセス解析ツールを導入していない場合は、アクセス解析ができるヒートマップツールを選ぶのも一つの選択肢。サイト内の改善だけではなく検索からの流入を増やしてトータルで改善をしたい場合は、SEOに関する機能が用意されているツールを使うのも良いだろう。

ミエルカヒートマップ「集客改善キーワード提案機能」のイメージ

さらに、すでに様々な解析ツールを導入している場合、それらのツールと連携できることもヒートマップツールの真価を発揮する上で重要な要素の一つだ。他のアクセス解析ツールで利用しているセグメントやコンバージョンデータが活用できたり、ABテストの結果をヒートマップで確認したりといった、より詳細な分析シーンで役立つ。

ポイント② 価格

価格もヒートマップツールを選定する上で重要な要素であることは間違いない。もちろんツールを導入する際には社内稟議を通す必要がある。予算に合わせた選定も必要になるだろう。

ヒートマップツールはPV単位での料金体系であることが一般的。つまり計測しているページのアクセス数によって変動する。またツールによっては、上限PVが設定されているものもあるので、大規模サイトの場合は特に注意が必要だ。

概ね、機能が多いツールほど値段は高くなる傾向があるのは当然だ。各ツールが提供している各種機能が本当に必要なのか? よく吟味をしてツールを選ぼう。

またヒートマップツールを提供している会社の中にはコンサルティングや分析サービスを提供している会社もある。専門家の支援やコンサルが必要かどうか、次のポイント③とあわせて判断をしてから選定を始めよう。

ポイント③ 運用体制

ヒートマップを導入した後にどのような体制でWebサイトを改善していくのか、運用体制によっても選ぶツールはツールは大きく2つの型に分かれるのではないだろうか。

  1. タグの設定から、データ解析、施策立案と実行、施策の効果検証と次の改善まで、一連の運用を自社で実行する「セルフサービス型」
  2. ツールベンダーの提供するコンサルティングプランを利用し、自分たちは大まかな方針を決めて、具体的な解析や施策立案はプロに任せる「フルサービス型」

ツールベンダーのサポートの範囲やコンサルティングプランなどを検討して、自分たちの運用スタイルにマッチするものを選ぼう。

フルサービス型の方が価格としては高くなるが、ヒートマップツールを活用するノウハウや時間がない、あるいはヒートマップだけではなくサイト分析と改善全般を見てほしいというケースの場合は、その改善インパクトとの兼ね合いで選択肢になるだろう。

ヒートマップツール「ミエルカヒートマップ」と「USERDIVE」

ここでは、ヒートマップ選びの一例として、代表的なヒートマップツールの「ミエルカヒートマップ」と「USERDIVE」を比較し、それぞれのツールが持つ特徴や強みと、どういった企業に向いているかをご紹介したい。

「ミエルカヒートマップ」と「USERDIVE」の比較表(2019年3月現在)

シンプルな機能と安価さが特徴の「ミエルカヒートマップ」

ミエルカヒートマップ」は、コンテンツマーケ・SEOツールの「MIERUCA(ミエルカ)」を提供するFaber Companyが提供しているヒートマップツールだ。

ミエルカヒートマップの特徴は、「シンプルな機能」と「価格の安さ」だ。Faber Companyの岡本氏によれば「ヒートマップの基本機能がシンプルに揃っているので、初めてでも使いやすいエントリーモデル。ページのどこを直せばいいのかが直感的にわかる」とのこと。ミエルカヒートマップの機能は下記の3つに絞り込まれている。

  • クリックヒートマップ(ページのどこがクリックされているか)
  • スクロールヒートマップ(ページがどこまでスクロールされているか)
  • アテンション/リードヒートマップ(ページのどこがよく読まれているか)
「離脱箇所」「クリック箇所」「熟読箇所」を把握できる3機能がメインのミエルカヒートマップ

Webサイトにタグを設定し、ドメイン、解析するURLを指定すれば、導入完了だ。また料金も、月に1万PV(2019年3月現在)までの無料プランから、登録ドメイン、URL、PV、保存できるキャプチャ画面などによってプランを選択できる。一番人気のビジネスプランは月額1万9800円(税抜)という手軽さだ。

なお、2019年3月には、Google Search Consoleと連携した「集客改善キーワード提案機能」をリリースした。これは「そのページでユーザーが得たい情報が満たされていないのに、熟読度や読了率だけ改善しようとしても限界があるのではないか」という気づきから開発された機能だ。

ページ訪問前ユーザーの検索キーワードを分析し、SEO流入増のためのタイトル改善やコンテンツ改善の提案を毎月自動でしてくれる。SEOに関する事業に長年取り組んでおり、「ミエルカ」というSEOツールを提供している同社ならではの強みである。

当該ページに抜け漏れているテーマ・トピックや、タイトル改善提案をしてくれる「集客改善キーワード提案機能」

ミエルカヒートマップは、担当者が自力でタグ設定から改善までを行うセルフサービス型。計測対象に指定したURLのPVだけが課金される料金体系に加え、複数ドメインのサイトを登録することも可能だ。こうした特徴から下記のようなユーザーから高い人気を誇っている。

  1. トップページやランディングページなど、その時々に応じたページの改善を行いたい個人事業主やブロガー
  2. 中小企業のWeb担当者
  3. 予算を多くさけないが1ページだけ分析したいインハウス担当者
  4. 複数サイトを分析したい制作会社や代理店

基本的に自身で分析・改善していくセルフ型とはいえ、画面の見方、施策の考え方などの問い合わせがあれば、ユーザーのニーズやリテラシーに合わせて個別対応もしており、サポートも充実している。日々そんなユーザーの声を数多く聞いている、ミエルカヒートマップ担当の岡本氏は下記のように話す。

株式会社Faber Company ミエルカヒートマップ専任担当 岡本洋佑氏

活用サポートでは、具体的に「ここを直してみましょう」と伝えながら、改善・検証をハンズオンでやっています。自分が実施した施策でユーザーの行動が変わり、結果が画面に色で現れ、改善がそのまま収益につながるので、手応えを感じていただけています。ヒートマップを見て、長年の自分の思い込みに気づかれる人も多いですね(岡本氏)

お金をかけずに自力で運用するなら「ミエルカヒートマップ」

こんな人におすすめ!
  • Web担当者が、分析、施策設計、改善までまわしている
  • Web担当者がコンテンツ制作をやっている
  • SEOを意識した施策がしたい
  • これまでヒートマップを使ったことがない
  • PVが80万/月以下
  • 単一ページごとに分析をしたい

運用・分析・改善提案まで請け負う高機能ヒートマップの「USERDIVE」

USERDIVE」は、UNCOVER TRUTHが提供するエンタープライズ向けのヒートマップツールだ。USERDIVEの特徴は「高機能」と、「運用・分析・改善提案まで請け負うコンサルティング力」となる。

多くの機能を備える「USERDIVE」

USERDIVEは、先のミエルカヒートマップが備えていた3つの基本機能に加え、外部ツールとの連携機能も豊富。たとえば、Webアクセス解析ツールと連携して、セグメント別ユーザーの動きを確認できる他、購入頻度、金額、ログインなどの変数を指定して細かいセグメントに分けて比較するような高度な利用もできる。

月間数億PVを越える大規模サイトにも対応可能で、過去のキャプチャやログなど莫大なデータもすべて“無期限”で保存するなど、スケーラビリティの高さを誇る。

「最近は、CRM連携により実店舗で購入した人のオンラインでの行動を見るなど、オンラインとオフラインのタッチポイントをつなぐCXの観点からの活用も進んでいる」とUNCOVER TRUTHの小畑氏は説明する。なおヒートマップでは、画面の経度緯度をとってユーザーの動きを取得する技術が「どのヒートマップよりも高い精度で計測できる」と小畑氏は自信を見せる。

株式会社UNCOVER TRUTH Managing Director COO 小畑陽一氏

もちろん、こうした機能をすべて自社で活用して分析から施策運用までを行うことは、一朝一夕にできるものではない。UNCOVER TRUTHは、アクセス解析やUSERDIVEなどのユーザー行動分析から改善提案と施策案の実装運用まで一貫したサポート体制を有してコンサルティングも請け負っている。そのため、大規模・高度な分析改善を行いたい大企業がメインクライアントとなる。

小畑氏は、Web上のコンバージョン最適化だけでなく、マーケティング施策全体を最適化するようなコンサルティングも行うという。例えば、Webサイトのコンバージョンを中間コンバージョンとして置き、最終的なクロージングは営業が行うようなBtoBビジネス、あるいは自動車売買や保険など金融商品を取り扱うBtoCビジネスの場合、中間コンバージョンだけを最適化すると、最終的なコンバージョンの達成率が下がり、営業効率が悪化してしまう場合がある。

最終的に成約した人の行動を分析し、その行動を取りやすいシナリオを作って、Webサイトでナーチャリングする設計に改善しました。中間コンバージョンの数を上げるだけでなく、最終の成約率が上がり売上に大きく貢献しました(小畑氏)

お金をかけてしっかりとしたコンサルティングを受けたいなら「USERDRIVE」

こんな人におすすめ!
  • 第三者の知見を入れてしっかりサイト改善をしていきたい
  • マーケティングチームに、分析、施策設計、改善までまわすリソースがない
  • PVが100万/月以上
  • 広告費目安が月5,000万円など、大きな流入経路がある
  • アクセス解析、ABテストを異なるベンダーに依頼していて個別最適化になりがち
  • デジタル施策を運営するには関係各所の部門を広く横断する必要があり、データ根拠がしっかりしている必要がある
  • サイト全体を分析・改善したい

失敗しないためのヒートマップ運用のコツ

2社に、ヒートマップツールの運用で失敗しないコツについても聞いてみた。

岡本氏は初心者にまずやってほしいこととして「実施した施策を履歴に残すこと」を挙げた。「ある案件でヒートマップに変化があったので『具体的に何を変えたか』をクライアントに聞いたところ、『簡単な修正だったので、記録に残していなかった』ということもあった。これでは振り返りができなくなってしまう。さらに、複数の箇所を同時に改善するのも避けるべき。仮説なしに改善すると、施策の良し悪しがわからなくなってしまい、次に活かせない」と訴えた。

小畑氏も同様に、ヒートマップツールの利用には仮説設計力が必要だと強調する。「定量的なデータを元に仮説を立てて施策を実施し、それを検証するためにヒートマップを使う。仮説がなければヒートマップは役に立たない」(小畑氏)。

たとえば、全体セグメントでA/Bテストを実施して、勝ち負けが決まったとする。しかし、新規ユーザー/リピートユーザーなどにセグメントを分けて検証を深掘りしてみれば、全体では負けたパターンでも一方のセグメントでは勝っていることがあるという。「仮説があれば、全員に効果があると思った施策が、特定のユーザーのみに効果があったことを検証ができ、次の施策に活かせる。仮説があることで、再現性のある結果を得られる」と指摘する。

また、小畑氏は「KPIでなく、事業課題から伝えてほしい」という。先程の、中間コンバージョンと最終コンバージョンのズレという例にもあるように、間違ったゴールで最適化してしまうと、本来の目的とずれて成果につながらないからだ。さらに「年間の事業計画、マーケティング計画、広告出稿計画を共有してもらえれば、いつまでに何をやるのかが決まり、施策の効果を最大化できる」と述べた。

ヒートマップツールを活用して成果を出すためには?

小川卓氏(Webアナリスト)

最後にヒートマップツールを活用する上での考え方やポイントを小川氏に伺った。

小川氏は、「ヒートマップを活用する上で大切なのは、単体で使うのではなくアクセス解析ツールやテストを行うツールとあわせて使うことだ」と説明する。

ヒートマップツールは、アクセス解析ツールやテストを行うツールとあわせて使う

アクセス解析ツールは課題や気づきを発見するためのツール。ヒートマップツールは課題や気づきの「理由」や「原因」を特定するためのツール。そしてABテストで仮説に基づいて施策を実行するという流れである。そのために「まずは解析ツールでアタリを付けて、重要なページでヒートマップを見るべき。そのほうが効率よく改善施策につなげることができる」そうだ。

小川氏は、「アクセス解析ツールは、数値でページの良い、悪いを示すが、ヒートマップはページの良し悪しの原因を知るためのツール。ユーザーの行動からユーザーの思いや気持ちを深掘りできるので、それを元に施策の改善ができる」と説明する。

またツールの選び方に関しては「記事の最初でも紹介されていた3つの重要なポイントはぜひ最初にしっかり社内で議論をしてほしい」と小川氏は強調する。

どの会社でもこのツールが良い!という選択肢はなく、自分たちの予算やリソース、必要な機能によって結論は変わってくる。今回の2つのツールは両極端のツールだが、それぞれ価値がある。最終的に大切なのは、そこから施策を実行し改善を行うことで、「ヒートマップツールを導入して良かった」と皆さんが感じることだ。それがサイトを利用するお客さんにとってもよいユーザー体験となる(小川氏)

ヒートマップツールはアクセス解析ツールとは違い数値ではなく、ビジュアルで表してくれるからこそ、数値が苦手な人にとっても、「わかりやすく」「判断ができる」ツール。今までアクセス解析ツールを使いこなせていない企業も、ヒートマップツールなら活かせるのではないだろうか。ぜひ本記事を参考にして、試してみてほしい。

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