【レポート】Web担当者Forumミーティング 2018 Autumn

ユーザーの検索意図を狙うSEOの最新動向を住氏が解説! 売れるサイトにするための4つのポイントとは?

「知りたい」だけじゃなく「行きたい」「買いたい」というユーザーインテントに応えることで検索順位をあげる結果につなげる、住太陽氏がその手法を解説した。

「地方には、インターネットがなければやっていけない中小企業がたくさんある」と、一貫して地方の中小企業を支援してきたボーディー有限会社代表取締役 兼 ドコドア株式会社社外取締役の住 太陽 氏が、ユーザーの「買いたい」検索意図に応えるノウハウに特化し、最新のSEOについて解説した。

ボーディー有限会社代表取締役 兼 ドコドア株式会社社外取締役の住 太陽 氏

世の中のSEO情報のほとんどは「広告収入のためにPVを増やす」方法論

近所のお客さんだけではやっていけない地方の企業にとって、インターネットでの売上や引き合いは死活問題だ。そういう企業にとっては、世の中に多く出回るSEO情報が役に立たない。ネットや書籍の記事は「広告収入で生きているサイトがPVを集める方法論ばかり」だと住氏は言う。たとえば以下のようなものだ。

  • ブロガーによるブロガー向けのSEO情報
  • アフィリエイターによるアフィリエイター向けの情報
  • CGMサイト(ブログサービスの運営者など)がPVと広告収入を伸ばすための情報

もちろん、事業モデルは広告収入だという媒体社であれば、その方法論は正解だ。しかし、多くの企業は、商品やサービスの対価として受け取る売上が収入源であり、知りたい人に知識を教えてあげるのが仕事というわけではない。だから、「知りたい人」ではなく「買いたい人」を集める必要がある。

Googleは検索インテントを理解して検索結果を返す

ユーザーの検索インテント(意図)は「知りたい」だけではない。よって、SEOの方法論は検索インテントごとに異なる。英語版Wikipediaでは、インテントを以下のように説明している。

ユーザーインテントまたはクエリインテントとは、ユーザーがWeb検索エンジンに検索用語を入力した時の意図がどんなものかを識別し分類するもの。

モバイル検索が爆発的に普及し一般的になる以前には、インフォメーショナル、トランザクショナル、ナビゲーショナルという3項目の分類がよく使用された。

これからのSEOでキーとなる4つの「検索インテント」とは?

これら3つの分類は今でも使われるが、本セッションではモバイル時代の新しい分類に沿って解説が進められた。Googleは、公式資料で「マーケターが知るべき4つの瞬間」について以下の図のように書いている。検索クエリそのものではなく検索したいと思う瞬間の分類だが、インテントの分類もこれと一致する。

検索したいと思う瞬間の4分類
  1. 知りたい(Knowクエリ)
  2. 行きたい(Goクエリ)
  3. やってみたい(Doクエリ)
  4. 買いたい(Buyクエリ)

これらの4つに分類すると、検索結果はクエリインテントごとにかなり違う。住氏は「便秘」関連のキーワードで、その結果を解説した。

1. 知りたい、Knowクエリ

Knowクエリの検索結果

この図は、左から「便秘 原因」「便秘 体質」「便秘 メカニズム」で検索した結果。注目すべきは、以下の2点だ。

  1. 広告が出ていない

    「便秘」というキーワードはたくさん入札されているが、調べ物をしているときに広告が出ると邪魔なので、Knowクエリでは広告が出ない。

  2. タイトルやスニペットに検索キーワードが入っていない

    検索ワードである「原因」「体質」「メカニズム」といった言葉が、タイトルやスニペットに入っていないものが上位に表示されている。Googleはインテントに応じた答えを返すアルゴリズムを搭載しているため、「タイトルタグには必ずキーワードを入れる」というかつての常識はもはや通用しない。それは、Googleの公式資料にある以下の文から分かるという。

「犬」を検索する場合、必要なのは「犬」という単語が何百回も出現するページではありません。つまり、ただクエリの言葉を繰り返すだけでなく、クエリに対する答えが含まれているページかどうかを見極める必要があります。

住氏は、「Googleの書き方には特徴があって、このような書き方をしている時はもうできているという意味」だと言う。キーワードの一致ではなくインテントに応じて答えそのものを表示していることは、以下のような例からも分かる。

「キーワードの一致」では返さない

上記は、「日本で3番目に大きい湖」を検索した結果。湖の大きさの順位表が出てきて3番目がサロマ湖だとわかるが、そもそもサロマ湖がわからなかったのだからキーワードには入っていない。キーワードの一致で返すという単純なものではないことがわかる。

2. やってみたい、Doクエリ

Doクエリの検索結果

左から、「便秘 ツボ」「便秘 マッサージ」「便秘 体操」で検索した結果。「手軽」「簡単」「方法」「やり方」「セルフ○○」「○○したい」「自分で」「してみましょう」といったワードが入っている。つまりここでは、Googleはツボ・マッサージ・体操について知りたいのではなく、やってみたいという意図だと判断している。

Googleが「知りたい意図」と判断するか「やってみたい意図」と判断するかは、実際に検索して確かめるしかないが、知りたい意図を満たすコンテンツを作っても、やってみたい意図の検索で上位に表示されない。つまり、コンテンツを作るときに、どのような人に見てもらいたいかを意識して作ることが重要だ。どのようなキーワードが入っていれば、Googleがやってみたい意図だと判断するか、住氏のアドバイスが以下の図だ。

やってみたい意図に対応するコンテンツ

3. 行きたい、Goクエリ

Goクエリの検索結果

左から「便秘 鍼灸院」「便秘 ホットヨガ」「便秘 パーソナルトレーナー」と検索した結果。すぐにわかる特徴は、地図が出ること。GoogleがGoクエリだと判断すると地図が出る。ただしこれも、そのキーワードで地図が出るかどうか、実際に検索して確かめるしかない。

Goクエリの表示順に影響するのは、キーワードと場所の関連性、サイテーション(*)、検索者からの距離である。逆に、場所にひも付かないページを表示させることは非常に難しくなる。また、全国を狙っているつもりのキーワードで検索結果に地図が出るようなら、それは検索者が近い場合にしか表示されていないので、確認した方がいいだろう。

(*)ネットのクチコミ。具体的には、サイト名、ブランド名、店舗名、商品名、住所、電話番号、リンクではないURLの記述などを指す。

4. 買いたい、Buyクエリ

Googleは、検索の仕組みについて以下のように公表している。

グーグルは、Googleルサービスを利用するユーザーの目的に関連がある場合にのみ広告を表示するよう努めています。

つまり、検索意図に関連がある広告なら表示されるが、関連がない場合は表示されない。そのキーワードに入札していたとしても、検索結果に出なかったり、検索結果の下の方に表示されるということになる。検索結果が以下の画面だ。

KnowクエリとBuyクエリの検索結果の違い

右側は「便秘 サプリメント」の検索結果。GoogleはこれをBuyクエリと判断していて、画面の下の方まですべて広告だ。つまり、「明らかに買いたい意図の検索においては、自然検索で頑張るよりはリスティング広告中心に考えるのが基本」だと住氏は言う。

Buyクエリにおいて、自然検索の結果はかなりスクロールしなければ出てこないが、検索結果の順位表示はどのようなロジックになっているのか?

住氏によれば、「買いたい意図の検索結果は、『実際に売れている順』または『評判のよい順』」だという。これは、実際に何かのキーワードで検索して確認してみてほしい。

検索上位は良いユーザー体験を提供した結果ついてくるもの

買いたい意図に対応するコンテンツにおいては、よく重要だと言われている「情報の網羅性」「視点の公平性」「情報の信頼性」「著者の権威性」といったことは、ほぼ関係ないと住氏は言う。なぜなら、Googleが返す検索結果は「評判がよく、実際に多くの人が勝っているサイトのリスト」になっているからだ。Googleは、検索の仕組みについての公開資料で以下のように書いている。

内容の信頼性や権威があるかどうかを評価するために、同様のクエリについて多数のユーザーに評価されているサイトを見つけます。

住氏によれば、「Googleが、検索のアルゴリズムについて公開資料に”見つけます”と書いているときは、すでに見つけているという意味」だという。また、Googleは「評判の良さ」を、以下の2つの基準で量っている。

  1. リンクグラフ要因(PageRank)
  2. サイテーション要因(口コミ)

Buyクエリでは、このサイテーションが非常に重要である。またGoogleは、ユーザーに評価されているサイトをどのように抽出するかについて以下のように書いている。

アルゴリズムでは、Webが提供できる最適な情報を特定するために、コンテンツの新しさ、検索キーワードが出現する回数、ページのユーザー エクスペリエンスの質など、さまざまな異なる要因を分析します。

ポイントは、ページのユーザー エクスペリエンスの質で、これについては以下のような要素がある。

  • ページの読み込み速度、ファーストビューに占める広告の割合、タップ要素の大きさ(使い勝手)などは、機械的に判断できる。
  • より重要なのは「実際それに接した人間の行動の変化」追跡すること。優れたエクスペリエンスは検索行動そのものを変える。

つまり、検索体験が優れているかどうかは、ユーザーの検索行動を追跡すればわかる。たとえば、以下のような体験は、検索体験としてはあまりよくない。

  • インテントが満足せず、検索結果リストを次々タップする
  • 同じようなインテントでキーワードを変えて検索を繰り返す
  • つまり目的を達することができず検索がなかなか終わらない

一方で、優れている検索体験とは以下のような場合だ。

  • 即時にインテントが満たされ、検索が終了する
  • またはそれまでとは異なるインテントで次の検索をする
  • つまりすぐに目的に達するか、次の新たな目的に進む

具体的な例でいうと、ユーザーが何かを買うときにWebで検索して、価格.comのサイトにたどり着いた場合、購入のために必要な情報の大半が同サイト内で得られるので、それ以上Webで検索する必要がなくなることが多い。

Googleがこのような検索の行動履歴を見た場合、多くの検索が価格.comに吸い込まれて、それ以上検索しなくなっているため、価格.comは良い検索体験を提供していると評価する。このような検索ログを、Googleは大量に持っているのだ。

Buyクエリにおいて、検索上位とは、良好なユーザー体験を提供した結果ついてくるものであり、それを実現するためにやるべきことはたくさんある。住氏が強調するのは、良好なユーザー体験はサイト内だけでは作れないということだ。

言ってしまうと身も蓋もないが、買いたいというインテントの場合、SEOはWeb部門だけの課題ではなくなる(住氏)。

良好なユーザー体験のために必要なこと

また、Googleの公式資料には、以下のように書いてある。

最も関連性の高い回答を、より速く、ユーザーが探している情報のタイプに最適な形式で提供する

住氏は、「今のSEOは検索インテントを最短で充足させることが勝負のカギを握る。インテントの充足に時間がかかると、どんどん損をする」と言う。各インテントごとにやるべきことをまとめたのが、以下の図だ。

各インテントごとの対応

本セッションでは、Googleの公開資料を多数引用したが、住氏はこのセッションの目的のひとつに「SEOの専門家がGoogleの公開資料をどう読んでいるかを知って欲しい」ということを挙げていた。一見すると、当たり前のことが書いてあるだけで熟読の価値はないと思うかもしれないが、読み方を知れば考える方向性を示してくれるものだという。

最後に住氏は、「検索インテントの充足とは、検索目的が達成されること。知りたい、行きたい、やってみたい、買いたいというユーザーの目的がきちんと達成できるWebサイトを目指して欲しい」とまとめた。

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