Ledge.ai出張所 Ledge.ai出張所

人工知能があなた好みの服をつくる?AI×Fashion×ECの究極のパーソナライズドサービスの未来予想図

ECサイトのファッション領域とAI技術が組み合わさって大きなインパクトを生み出す予兆があります。業界最大手のAmazonをはじ画期的なAI活用事例を紹介します。

みなさんは、ECサイトで服を買ったことがありますか?
品揃えが豊富で、いつでも買い物ができ、好きなところに届けてくれる。ZOZOTOWNやAmazonなどで服を購入されている方も多いと思います。

現在、そんなECサイトのファッション領域とAI技術が組み合わさって、ファッション業界に大きなインパクトをもたらす予兆が生まれています。

今回は、学術機関やEC企業の最大手Amazonの研究の中から、EC×ファッション領域にアプローチする画期的なAI活用の事例をいくつかご紹介します。

あなたががほしい服をレコメンド&クリエイト。AIがユーザーのファッションスタイルを学習

カリフォルニア大学の研究チームが開発したのは、ECサイトでよくあるレコメンドのその先をいくものでした。

おおまかに2つのステップに分けることができます。

    Step1
  • アマゾンでユーザーの購入データを取得(男/女 シューズ、トップス、パンツ)
  • AIがCNN(Convolutional Neural Network)というネットワークを用いて、ユーザー好みのアイテムを分類
  • ユーザーのパーソナライズされたレコメンド商品を提案
  • Step2

  • アマゾンからのデータを、2つのネットワークを競合させて学習をおこなうアルゴリズムであるGAN(Generative Adversarial Network)用いて、商品イメージを生成
  • ユーザーがほしいと思いそうな商品イメージを提供

Step1のECサイトで商品をレコメンドするのは、今や一般的。Step2の新しく商品を作り出すというところが、今までにない新しい取り組みです。GANを用いて完全にパーソナライズされたファッションを提供することができれば、顧客満足度は高まるのではないでしょうか。

現状の課題はイメージとして作り出された2次元の服の画像を、どうやって3次元にアウトプットするかということだそう。ここの技術的な課題が解決されれば、新しいビジネスモデルとして確立されていきそうです。ユーザーのニーズにぴたりとはまるファッションが提供できれば、アパレル業界にもたらす影響は大きそう。

EC市場での可能性。Amazonが繰り出すAIとファッションのコラボレーション


そんなファッションのEC取引は、年々増加傾向。ユニクロでもオンラインストアが展開されたり、ファッション通販ZOZOTOWNなんかも有名どころですよね。

そんな中でECという領域で圧倒的強さを誇るAmazonは、自社のファッションブランドを展開し始めるなどアパレル領域に大きく踏み出しています。AI領域でも強いAmazon。何と言っても持っている顧客のデータ量が膨大なため、AIを活用するという観点ではこの上ないリソースを保有しています。
AI×Fashion×ECを牽引していく存在であることは間違いないです。

冒頭でも述べた通り、そんなAmazonはGANを用いたファッションデザインAIのデータ元となっています。Amazonはこの技術を用いて、AIのファッションデザイナーを研究・開発中とのこと。自社の研究チームでも、服をAIを用いて作り出すというところに取り組んでいるようです。

また数あるAmazonの研究の中には、コーディネートがオシャレか否かを判断できる機械学習のアルゴリズムもあります。これはInstagramなどの画像がもつ少ない情報量でも、コーディネートを高精度で評価できるという点が画期的です。

このような研究はAmazon主催のワークショップで披露されたのですが、Amazonの研究以外にもにもおしゃれな人のSNSアカウントを識別するアルゴリズムや、過去の購買履歴から服のサイズを的確にレコメンドするシステムなども発表されました。こうした研究もゆくゆくは、Amazonのファッション施策に取り入れられていくことでしょう。

AmazonはファッションEC販売という領域で、AIを用いて革新的な変化をもたらそうとしています。ファッション業界の革命児のような存在で、今後も私たちの生活に大きく影響するような変化をもたらしそうです。

ファッション業界に殴り込み?AI×Fashion×ECで買い物が変わる?

AIがあくまで分類や分析、人にはできない途方もない作業を一手に引き受けてくれるようなツール。ただAIはそれだけにとどまらない、その先をいく存在になりつつあります。

GANが開発されたように、人間のクリエイティブを代替するようなAIが登場してきています。人工知能が顧客にぴったりと合った商品をつくり、届ける。究極のOne to Oneマーケティングの形なのでは。

大手のEC企業もAIを用いた技術をどんどん組み入れており、ファッション分野でもこれまでにないデジタルに特化した買い物の変革がおきています。将来こうした形が、私たちの日常の当たり前になっているときがくるかもしれません。

田村 宣太
幼少期から海外を渡り歩き、様々な文化に触れ合いながら育つ。その中で『価値のあるものを、ちゃんと届ける』ことに興味を持ち、マーケティングの道へ。口癖は「うぇい」

「AI:人工知能特化型メディア「Ledge.ai」」掲載のオリジナル版はこちら人工知能があなた好みの服をつくる?AI×Fashion×ECの究極のパーソナライズドサービスの未来予想図

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

アクセシビリティ
広義には、障害者、高齢者を含むすべての人間が、同じレベルでサービスや機器、施設を ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]